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「Re:Quest―1970年代以降の日本現代美術」展

Re:Quest―1970年代以降の日本現代美術展

国際交流基金(ジャパンファウンデーション)は、韓国ソウルにおいて、日本の現代美術の70年代から現在に至る40年間を概観する展覧会を開催します。

これまでのアジア地域での日本の美術紹介はカッティングエッジ的な現代美術が中心でしたが、本展覧会ではその背景となる戦後日本美術史に注目し、これまで韓国ではまとまった形で紹介されることのなかった1970年以降の作品より、今もなお影響を与え続けている重要な美術家の作品から若手作家の作品まで、日本現代美術の40年間を多角的な視点から概観していきます。日本現代美術を振り返り見直すことにより、同時代の韓国美術との比較や、広く戦後のアジア地域における美術表現と美術史の多様性、また関係性や相互影響をも考察する重要な機会ともなることが期待されます。

「をちこちMagazine」に、キュレーターのオ・ジニさんと出品作家の会田誠さんの寄稿を掲載しました。

韓国で、日本の現代美術を振り返る意義(オ・ジニ)/最初にソウルに行った頃と今(会田誠)

をちこち

展覧会概要

会期  2013年3月5日(火曜日)〜4月14日(日曜日) 10時〜18時
*月曜休館
会場 
ソウル大学校美術館
ソウル大学校美術館
http://www.snumoa.org 別サイトへ移動します
キュレーター

松本透(東京国立近代美術館副館長)
拝戸雅彦(あいちトリエンナーレ2013キュレーター)
神谷幸江(広島市現代美術館学芸担当課長)
オ・ジニ(ソウル大学校美術館シニアキュレーター)

出品作家 会田誠、青木陵子+伊藤存、荒川修作、荒木経惟、千葉正也、ダムタイプ、
遠藤利克、榎倉康二、藤本由紀夫、舟越桂、原口典之、石内都、伊藤隆介、
金氏徹平、加藤泉、河口龍夫、川俣正、小林正人、小林孝亘、小清水漸、
草間彌生、李禹煥、丸山直文、宮島達男、森村泰昌、森山大道、村上隆、
村岡三郎、中原浩大、中村一美、奈良美智、野口里佳、野村仁、小谷元彦、
小沢剛、さわひらき、曽根裕、須田悦弘、菅木志雄、杉本博司、杉戸洋、
高松次郎、高嶺格、田中功起、辰野登恵子、照屋勇賢、戸谷成雄、椿昇、
若林奮、やなぎみわ、柳幸典、ヤノベケンジ、米田知子
* 姓のアルファベット順
主催 ソウル大学校美術館、国際交流基金
協力 東京国立近代美術館、広島市現代美術館、
在大韓民国日本国大使館公報文化院

関連企画

■ 本展キュレーター・松本透氏による特別講演

「日本の同時代美術1970年代以後―その歴史性について」
日時:3月6日(水曜日) 14時〜
場所:ソウル大学校美術館
内容:本展キュレーターの1人である松本透氏(東京国立近代美術館副館長)による展覧会概要の解説と1970年代以降の日本現代美術に関する考察

■ アーティストトーク

出品作家が自作とこれまでの活動について語ります。
場所:ソウル大学校美術館

第1回
作家:高嶺格
日時:3月16日(土曜日)14時〜

第2回
作家:ヤノベケンジ
日時:4月6日(土曜日)14時〜

第3回
作家:会田誠
日時:4月13日(土曜日)14時〜

【ステートメント】

1960年代末から70年代初めにかけて、現代美術は世界各地で大きな転換期を迎えた。もの本位の美術からコンセプト本位の美術へと転回したのであり、ミニマル・アートの線上にコンセプチュアル・アート、ランド・アート、ボディ・アートなどが生まれ、イタリアではアルテ・ポーヴェラ、日本ではもの派などの新しい動向が同時多発的に浮上したのである。――それから40年以上の歳月がたつ。にもかかわらず、今日でも同時代美術(contemporary art)というと、広い意味では1970年代以降の美術を指すことが多い。まるで時間が止まったようではないか――。
それには、それなりの理由があるだろう。1960年代末頃からのミニマリズムやコンセプチュアリズムを最後に、以後、主義と呼びうるような主義をかかげた運動(前衛美術運動と言ってもいい)は一つも興っておらず、1970年代末頃からは、新しい表現主義を皮切りに、過去の主義なり様式の復興・再生・転用が時代の主流となったからである。おまけに1990年代に入ると、現代美術の地勢図が欧米を中心とした地方地図から世界地図へと一挙に拡大し、それぞれの地域にはそれぞれ別の美術年表、別の美術事典が存在することが発見された。さらに加えて、ニュー・メディアの席捲という新事態がある。従来の技法は、どれも(油彩画であれ水墨画であれ)特定の地域の長い歴史や風土に育まれて生まれた表現手段だったが、科学や技術あるいは産業や情報流通に国境はなく、進歩の度合いに違いはあっても歴史的特権はない。時間と空間の距離を縮める新しい情報手段は、当然ながら、わたしたちの歴史感覚を大きく変えつつある。
モダニズムの普遍性志向を色濃く映した70年代、その語彙・語法を心理空間や社会空間へと振り向けていった80年代、若い作家たちが、まるで外国人が日本の文化を見るような従来にない視点を持ちはじめた90年代、高度ミクスチャー社会の日常性を映像やインスタレーションをもって映し出す2000年代以後の新世代――振り返ってみれば、この数十年間に、わたしたちは何と遠くまで来たことであろう。とはいえ、少なくとも日本では、1970年代や1980年代といった近過去の現代美術を回顧する展覧会が、ここ数10年間、ほとんどと言っていいほど開かれていない。(それもまた、グローバリズムの余波の一つであろうか。)一方、草間彌生や李禹煥らの世界的な活躍もあって、日本やアジアの現代美術、つまり欧米のそれとは別の、もう一つの近代(現代)への関心は、むしろ高まりつつある。いったい日本の現代美術に歴史は、歴史と呼びうるような持続的な変化の積み重ねは、あるのかないのか。あったとして、その地域美術史は、世界地図なり世界史年表の激動とどのくらい関わっているのか、いないのか。――本展は、そういった問いを絶えず念頭に置きながら編成された、日本の現代美術を歴史的に見直す試みである。

松本透 (本展キュレーター / 東京国立近代美術館副館長)

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    草間彌生 《自殺の儀式》
    1975-76 ミクストメディア
    広島市現代美術館蔵

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    李禹煥 《Dialogue》
    2010 油彩、キャンバス
    個人蔵

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    舟越桂 《つばさを拡げる鳥が見えた》
    1985  油彩、キャンバス
    個人蔵
    Courtesy: Nishimura Gallery

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    田中功起 《Everything is Everything》
    2006  8 channel HDV, color, sound
    作家蔵
    広島市現代美術館での展示風景 撮影:元圭一(CACTUS)

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    森村泰昌
    《肖像(少年1)》      《肖像(少年2)》      《肖像(少年3)》
    1988  透明メディウム、カラー写真
    東京都現代美術館蔵

  • 画像

    中原浩大《回転椅子(電動)-
    浩大少年に中原浩大のしてあげられること》
    1991  ミクストメディア
    豊田市美術館蔵
    撮影:青木栄隆

  • 画像

    奈良美智 《Sleepless Night (with paintbrush)》
    1997  アクリル、キャンバス
    国際交流基金蔵

【お問い合わせ】
国際交流基金(ジャパンファウンデーション)
文化事業部 アジア・大洋州チーム
担当: 古市、村上
〒160-0004 東京都新宿区四谷4-4-1
Tel: 03-5369-6061

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