国際交流基金(以下、JF)日本文化センターおよび派遣専門家の重要な任務のひとつに任国の日本語教師会への支援があります。教師会の活動をサポートすることにより教師間、各教育機関間のネットワーク構築を支援し、日本語教育活動の充実を図るのが目的です。
一般にインドでは、アーンドラプラデーシュ、カルナータカ、ケーララ、タミルナードゥの4州が南インドとされています。南インドでは現在、2006年に発足したばかりのバンガロール日本語教師会(以下、BNK)が例年活発な活動を展開しています。BNKはその名の通り、カルナータカ州の州都・バンガロールに活動拠点をおいていますが、タミルナードゥ、アーンドラプラデーシュ在住の会員もいます。現在約85名の会員を擁し、バンガロールにおける日本語教育・日本関係のイベントの中心的役割を担っています。
ここでBNKの活動をいくつかご紹介します。
1.ジャパン・ハッバ(日本祭)
![]() ジャパン・ハッバ2008 |
ハッバとは、ここカルナータカ州の現地語・カンナダ語で「祭り」のこと。2005年に始まったこのお祭りは、今やバンガロールの恒例行事となりました。年一回、BNK、バンガロール大学、日本領事館バンガロール駐在官事務所やJFニューデリー日本文化センター、バンガロール日本人会、印日商工会議所などとの共催または後援により開催されます。茶道、書道などの日本文化体験コーナーや日本映画の上映のほか、インド人による日本の歌や劇、日本人によるインド舞踊の発表など、インドの人々が日本文化に触れる貴重な機会を提供し、両国の文化交流の一端を担うイベントとなっています。
2.日本語能力試験
インドは日本語能力試験(以下、JLPT)の受験熱が著しく高い国です。JLPT受験が目的で日本語学習を始める学習者も珍しくありません。この風潮に応えて、2007年からバンガロールでもJLPTが受験できるようになりました。南インドではタミルナードゥ州チェンナイについで二つめの実施会場となります。BNKはこのバンガロール会場の実施団体となっています。これまでバンガロールでは2回実施されましたが、いずれも1,000人以上の出願者数となりました。BNKでは例年8月以降、予算編成から始まって、試験の広報、願書販売、出願受付などの作業に追われます。また、試験前日の会場設営や準備、当日の試験監督などは多くのボランティアの協力を得て実施されます。
3.日本語スピーチコンテストバンガロール地区予選大会
BNKは全インド日本語スピーチコンテスト南インド大会出場者を選抜するためのバンガロール地区予選大会を開催しています。この地区予選で勝ち残ったジュニア・シニア各カテゴリーの上位4名が、チェンナイで開かれる南インド大会出場の切符を手にします。また南インド大会では各カテゴリー上位3名が、ニューデリーで開かれる全インド大会に出場します。
4.月例勉強会
![]() 月例勉強会の様子 |
BNKでは毎月一回、教師のための月例勉強会を行っています。海外での日本語教育は新しい情報が入りにくいという難点がありますが、このような場を利用して、授業のヒントやアイデアなどを共有できるようになっています。毎月15名ぐらいの会員が任意で参加しますが、非会員も参加できるように開かれています。これまでは漢字の教え方、発音矯正のアイデア、会話能力の判定方法、学習者間の協働による作文授業、ビジネス日本語の教え方、漢字の起源などのテーマが取り上げられました。
以上、BNKの主な活動をご紹介しましたが、このほかにも年6回、ニュースレターを発行して活動の詳細を各会員に伝えたり、JFネットワーク形成助成プログラムを活用して南インド日本語教育セミナーを開催したり、日本留学説明会を行ったりと、さまざまな活動を行っています。
海外では日本語そのものに触れる機会がたいへん限られています。このような日本語教育関係のイベントに教師や学習者がいろいろな形で参加できる機会を与え、地域全体の日本語教育を活性化することが日本語教師会の役割のひとつと言えるのではないでしょうか。

