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日本語教育

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インドネシア

各国・地域情勢
ジャカルタ日本文化センター

日本語教育の実施状況
教育制度と外国語教育
学習環境
教師
教師会
日本語教師派遣情報
学習目的
シラバス・ガイドライン
評価・試験
日本語教育略史
参考文献一覧


●2003年海外日本語教育機関調査結果
機関数集計円グラフ 教師数集計円グラフ 学習者数集計円グラフ
海外の日本語教育の状況について機関・教師・学習者を円グラフ化しました。


日本語教育の実施状況
●全体的状況
【沿革】
 初期段階(1960年代)では、高等教育機関を中心に日本語教育が展開されたが、80年代以降後期中等教育段階(高校)での日本語教育が盛んになり、1998年の調査では学習者の最大多数は高校生である。

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【背景】
 インドネシアは日本と経済面での結びつきが強いため、実利的な目的で日本語を学習する者が多い。
 高校では、1984年に第2外国語選択科目のひとつとなり、学習者数が増加した。
【特徴】
 日本語は高校の第2外国語のひとつに位置づけられていることもあり、学習者の最大多数は高校生である。
 近年、日本語の専攻課程を置く大学が増えてきている。

●最新動向
【中等教育】
 2004年7月の新年度開始時から、普通高校・宗教高校で新カリキュラムが施行されている。新カリキュラムは「基本的能力重視」のカリキュラムであり、知識重視から学習過程重視へとなっている。また、全国統一指導要領ではなく、「ナショナル・スタンダード」となり、地域の実情・ニーズに合わせた教育を実施することが求められている。日本語を含む第二外国語科目は、2年生(2005年7月)から導入されることになっているが、今年度既に施行を行っている学校もいくつかある。また、1年生から取り込まれるところもあり、授業時間数なども学校によって異なるのが実情である。
【高等教育】
 国立大学が独立法人化したことと、機関裁量枠が広がったカリキュラム(2000年の新カリキュラムが2004年に再び改変された)により、各機関とも特色を活かした教育を打ち出せる可能性が出てきたといえる。しかし実際には大学によって情報把握や改革体制が徹底されず、一貫した対応がなされていない。また、経営が厳しくなったことに伴って、授業料値上げに踏み切った大学に対し、学生による反対デモ等も発生している。
●教育段階別の状況
【初等・中等教育】
 後期中等教育(高校)で第2外国語のひとつとして「正課」、「選択科目」、「課外活動」のいずれかの形で、日本語が教授されている(普通高校、宗教高校)。専門高校では、観光サービス業務専攻で、必修科目として第2外国語を履修することになっている。
【高等教育】
 大学の日本語・日本文学科、日本研究科、日本語教育学科および大学院の日本研究科において、専攻科目あるいは主要科目として日本語が教授されている。また、一般教養科目としては、理系学部等に至るまで広く日本語が教授されている。その他、高等専門学校、各種学校等においても専攻科目、選択科目として日本語が教えられている。
 主な大学、大学院は次のとおり。
 ・インドネシア大学 日本地域研究科(修士、博士課程)
 ・インドネシア教育大学(旧バンドン教育大学) 日本語教育研究科(修士課程)
 ・インドネシア大学 日本学科(学部)
 ・パジャジャラン大学 日本語・日本文学科(学部)
 ・ガジャマダ大学 日本語・日本文化プログラム(学部)
 ・北スマトラ大学 日本語学科(学部 2000.9〜)
 ・インドネシア教育大学(旧バンドン教育大学) 日本語教育プログラム(学部)
 ・スラバヤ国立大学(旧スラバヤ教育大学) 日本語プログラム(学部)
 ・マナド国立大学 日本語教育プログラム(学部)
【学校教育以外】
 民間日本語学校、組織内(政府機関、民間企業)における日本語教育も実施されている。民間日本語学校に関しては、変動が激しく実数をつかむことが難しいが、多くは初級レベルのコースである。
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教育制度と外国語教育
●教育制度
【教育制度】
 6-3-3制。
 小学校が6年、中学校が3年、高校が3年、大学が4年。ただし、大学の「4年」とは科目取得期間であり、卒業論文、教育実習等を入れると、卒業まで実際は5〜6年かかる。
 義務教育は9年間。
【教育行政】
 基本的には国家教育省(Departmen Pendidikan Nasional)が教育行政を管轄している。また、州レベル、市・郡レベル、町村レベルなど地方レベルで国家教育省の地方事務所がある。国家教育省以外に宗教省等が管轄する学校もある。

●言語事情
 国語はインドネシア語。
 主な地方語はジャワ語、スンダ語、バリ語など。(母語は地方語で、インドネシア語は国語として小学校1年から学習するケースが大半である)

●外国語教育
 第1外国語は英語で、前期中等教育(中学校)から必須科目として教えられるが、特別科目として小学校で英語教育を行っている地域もある。
 第2外国語の履修は、後期中等教育(高校)から開始される。普通高校では、日本語、ドイツ語、フランス語、アラビア語からの選択となっている。また、専門高校では、日本語、ドイツ語、フランス語、中国語からの選択となっている。普通高校の語学系学生(高校3年生で進路が分かれる)と専門高校の観光サービス業務専攻クラスの学生にとっては、第2外国語は選択必修科目である。なお、初等教育や前期中等教育で第2外国語を教えている私立学校もあるようである。
 大学においては上記第2外国語のほかに、中国語、スペイン語、オランダ語などが専攻科目あるいは選択科目として教えられている。

大学入試での日本語の扱い
 日本語は入試科目になっていない。ただし、高校の卒業試験科目(全国統一試験)の科目になっている。

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学習環境
●教材
【初等・中等教育】
 高校用としては教育文化省(現国家教育省)と国際交流基金が共同制作した『インドネシア普通高校日本語学習書教室活動集』が広く使用されている。
【高等教育】
 日本で制作された教科書が多く使用されている。補助教材はそれぞれの大学で作成する場合が多い。
【学校教育以外】
 『新日本語の基礎』を使用する日本語学校が多いが、独自の教科書を作成・使用している所もある。

●マルチメディア・コンピュータ
 当地の教育現場においては、マルチメディア・コンピュータ等のインフラ整備は、ほとんどないと言って良い。

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教師
●資格要件
【初等・中等教育】
 高校日本語教師になるには、教員養成課程を持つ大学の日本語学科を卒業し、教員免許を取得していなければならない。しかし、教育大学に日本語学科が存在しないバリ州の場合は、他教科の教師で日本語ができる教師(正式に教育課程を持つ大学で日本語を専攻している教師は少数)が高校で教えている。
 また、非教育大学の日本語学科を出て、非常勤講師として教えている者、私立高校の常勤講師になる者も少なくない。
【高等教育】
 ここ数年の傾向として、修士以上の学位を持たない大学教員が、修士、博士の学位取得を目指し、大学院に在籍しながら教育活動に携わる例が急増している。
 教育課程のある大学の教員は、日本語教育学を専攻した者が多く、総合大学等他の大学で教える教員は、日本語学、日本文学、日本研究を専攻した者が多い。
 修士号、博士号はこれまで、日本で取得することが一般的だったが、最近は国内の大学院で取得する場合が増えている。
【学校教育以外】
 4年制大学、3年制ディプロマ・コース等で日本語を学習した教師が多い。地域によっては日本語学科の学生がアルバイトとして日本語学校で教える場合もある。

日本語教師養成機関
 次の大学には、4年制日本語教育専攻プログラム(高校日本語教師養成)がある。
 ・インドネシア教育大学(旧バンドン教育大学)
 ・スラバヤ国立大学(旧スラバヤ教育大学)
 ・マナド国立大学(旧マナド教育大学)

●日本語のネイティブ教師(日本人教師)の雇用状況
 高校では、日本人教師はまれで、ほとんどがインドネシア人教師である。
 大学の場合は、現地に長く住む日本人を雇用している私立大学も少数あるが、一般的には日本人教師の多くは政府ベースの派遣、ボランティアがほとんどである。これは、滞在許可の取得が難しい、機関の予算が少なく外国人を雇用する余裕がない等の理由による。

●教師研修
 高校教師向け研修は、国家教育省とジャカルタ日本文化センターの共催で実施している。
 大学教員向けには、インドネシア日本語教育学会主催及びジャカルタ日本文化センター主催の研修がある。近年、インドネシア日本語教育学会とジャカルタ日本文化センター共催の研修が増えつつある。
 民間日本語学校教師研修は、大学教員研修とあわせて、関係機関とジャカルタ日本文化センターの共催で実施している。

現職教師研修プログラム
1.国家教育省語学教員研修所とジャカルタ日本文化センターの共催

高校日本語インストラクター養成研修:高校日本語教師のうち将来指導的な役割を担える者が対象。研修は「インストラクター候補研修」と「インストラクター研修」の2種類があり、前者で優秀な成績を修めた者が後者の対象者となる。両者とも2週間。コースデザイン、教授法に関する研修。

普通高校日本語教師研修:主に普通高校で日本語を教える教師対象。2〜3週間。日本語力向上、日本語教授技術向上のための研修で州単位で実施される。年3回程度実施。

2.ジャカルタ日本文化センター主催

大学教員一日セミナー:大学、クルスス並びに日本語ネイティブ教師等一般向け。1日。文法分析力向上のためのセミナー。

初級教授法研修:大学及びクルスス教員対象。1週間。日本語力向上、教授技術向上のための研修。

教師向け日本語講座:2003年度は実施されなかったが2004年度より復活。教師の日本語運用能力向上のための講座。

3.インドネシア日本語教育学会とジャカルタ日本文化センターの共催
セミナー、研修等:主に大学教員対象。1日〜2日。学会の要望に基づき協力。

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教師会
●日本語教育関係のネットワークの状況
 大学レベルではインドネシア日本語教育学会(1999年設立)が存在し、セミナー、研究会、研修会などを開催しているが、現在、活動が停滞している状況にある。
 高校日本語教師のネットワークは州単位であり、全国ネットワークはまだない。勉強会や研修会を中心に活動をしている。

★教師会・学会一覧へ

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日本語教師派遣情報
●独立行政法人国際交流基金からの派遣
日本語教育専門家
中部ジャワ・ジョグジャカルタ(国立ガジャマダ大学) 1名 西ジャワ(インドネシア教育大学) 1名
東ジャワ(スラバヤ国立大学) 1名 北スマトラ(北スマトラ大学) 1名
国際交流基金ジャカルタ日本文化センター 3名

青年日本語教師

インドネシア中等教育機関 6名

★「世界の日本語教育の現場から」のページへ

●独立行政法人国際協力機構(JICA)からの派遣(2004年10月1日時点)
青年海外協力隊

文化観光教育訓練局 1名
マカッサル観光専門学校 1名
メダン観光専門学校 1名
バンドン観光高等専門学校 1名
マナド工科短期大学 1名

シニア海外ボランティア
インドネシア貿易研修センター(IETC) 1名
国立デュポネゴロ大学文学部D3日本語プログラム 1名
国立アンダラス大学文学部 1名
サラスワティ外国語大学日本語学科D3コース 1名
国立サムラトランギ大学文学部 1名

★JICAの人材募集案内のページへ

●その他からの派遣

 日本語教育NPO、インターン・シッププログラム、学校間の交換教授プログラム等で日本から派遣されてくる教師が各地にいるがプログラム名、人数等正確な情報を入手していない。
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学習目的
(2003年海外日本語教育機関調査結果)
 
1.
日本の文化に関する知識をえるため  
9.
日本との親善・交流を図るため(短期訪日や日本人受入)  
 
2.
日本の政治・経済・社会に関する知識をえるため  
10.
日本語によるコミュニケーションが出来るようにするため  
 
3.
日本の科学技術に関する知識をえるため  
11.
母語、または親の母語(継承語)である日本語を忘れないため  
 
4.
大学や資格試験の受験準備のため  
12.
日本語という言語そのものへの興味  
 
5.
日本に留学するため  
13.
国際理解・異文化交流の一環として  
 
6.
今の仕事で日本語を必要とするため  
14.
父母の期待に答えるため  
 
7.
将来の就職のため  
15.
その他  
 
8.
日本に観光旅行するため   (1.〜15.から5つ選択)  
初等・中等教育/学習の目的棒グラフ 高等教育/学習の目的棒グラフ 学校教育以外の機関/学習の目的棒グラフ

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シラバス・ガイドライン
【初等・中等教育】
 普通高校用と職業高校用の2種類ある。
【高等教育】
 大学学部用のみ日本語のナショナルカリキュラムがある(ディプロマ・コース用はない)。
【学校教育以外】
 一般日本語(初級)と観光日本語の2種類ある。

★シラバス・ガイドライン一覧へ

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評価・試験
 民間日本語学校初級修了者に対する国家試験、Ujian Nasional Jenis Bahasa Jepang (初級1、初級2)の2種類がある。
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日本語教育略史
1903年: インドネシア初の日本語講習会(長山主税による)
1934年: 私立クサトリアン学院(バンドン)にて外国語科目として日本語教育が行われる(3年間)
1942-45年: 日本軍政下にて日本語教育が行われる(全教育機関における必須科目)
1958年: 日本文化学院にて日本語教育開始(機関における日本語教育の開始)
1961年: コロンボ計画による日本語教育専門家を日本文化学院へ派遣
1962年: 高校での日本語教育開始(選択外国語)
1963年: 国立パジャジャラン大学日本語日本文学科開設、日本語教育専門家派遣
1965年: 国立バンドン教育大学日本語学科開設(高校の日本語教師養成開始)
1967年: 国立インドネシア大学日本研究講座開設(日本政府寄付講座)、教授等派遣
1969年: 日本大使館広報文化センター日本語講座開設(市民向け日本語講座)
1975年: 国際交流基金ジャカルタ駐在事務所開設
1976年: 第1回高校日本語教員研修開催(教育文化省、国際交流基金共催)
1977年: 在スラバヤ日本国総領事館日本語講座開設(市民向け日本語講座)
1979年: 国際交流基金ジャカルタ日本文化センター開設
1981年: 国立スラバヤ教育大学日本語学科開設(高校の日本語教師養成地方へ拡大)
1982年: インドネシア日本研究協会第1回全国セミナー開催
1984年: 高校外国語教育指導要領改訂(日本語が選択必須科目となる)
1990年: 一般日本語学校用統一カリキュラム作成(教育文化省社会教育局)
1990年: インドネシア大学大学院日本研究コース(修士課程)開設
1991年: 国際交流基金ジャカルタ日本語センター開設(中等教育レベルでの日本語教育に対する支援・協力強化)
1992年: テレビ日本語教育番組放送(日本語の大衆化。民間テレビ局RCTIによる)
1994年: 高校教育指導要領改訂(外国語に関しては96年より新カリキュラム実施)
1995年: 海外青年日本語教師派遣(中等教育支援)
1995年: インドネシア大学大学院日本研究コース(博士課程)開設
1998年: 普通高校用日本語教材『教室活動集』刊行
1999年: インドネシア日本語教育学会設立
1999年: 専門高校学習指導要領改訂
2004年: 普通高校用新カリキュラム実施
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