ホーム > 日本語教育 > 調査研究・情報提供 > 国・地域別の情報 > 日本語教育国別情報> 2007-2008年度> <香港>

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● <香港>
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各国・地域情勢 在香港日本国総領事館 |
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●日本語教育の実施状況 ●教育制度と外国語教育 ●学習環境 ●教師 ●教師会 ●日本語教師派遣情報 |
●学習目的 ●シラバス・ガイドライン ●評価・試験 ●日本語教育略史 ●参考文献一覧 |
| ●2006年海外日本語教育機関調査結果 | ||
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| ●全体的状況 【沿革】 香港で日本語教育がいつごろ、どんな形で行なわれ始めたかは定かではない。 1930年代、東京北タクシー株式会社(記憶している人も現在では少なく、正確な名称であるかどうかは不明)によって日本語教育が行なわれ始めたと言われているが、日中戦争の勃発で中止されたそうである。第二次世界大戦中、日本軍占領時代の軍政下で、学校、ラジオ、新聞等を使っての日本語教育が行なわれたが、戦争終結とともに、これらの日本語教育は姿を消した。 戦後、1950年以降、日本、香港両地の経済回復につれて、往来が活発化する中で、1950年代末から民間の日本語教育が本格化し、導正日本語学校が1959年に設立されたのを機に、1961年には遠東書院日本語コース、1962年には香港第一日文専科学校が相次いで開講された。1965年、香港大学校外進修学院にて社会人を対象とした日本語コースが開設された。その後、1968年には在香港日本総領事館に日本語講座が創設され、1973年には香港中文大学進修学院に日本語コースが設置された。その他にも、民間団体、宗教関係の学校、成人教育機関等にも日本語のコースの開設、増設が見られるようになった。このようにして、香港における民間における社会人対象の日本語教育の発展の基礎ができあがった。この間、ラジオやテレビによる日本語教育も再開され始めた。 一方、大学等の高等教育機関の日本語教育は民間の教育機関より遅れ、1967年に香港中文大学に「日本語文組」が創設され、大学における日本語教育の先駆となり、1991年に「日本語研究学科」に昇格した。 香港中文大学に次いで1976年、香港理工大学の前身である香港理工学院に「三種言語秘書コース(Trilingual Secretarial Studies)」ができ、このコースで3年教育の日本語の授業が行なわれた。この他に2年制の日本語コースも設けられ、独自の日本語教育が繰り広げられ、1993年の大学昇格後はこの基礎にたって、3年制の「言語ビジネス学位コース」が設立された。2001年には大学院レベルのディプロマコースが開講され、2005年9月より「専門日語文学修士課程」がスタートした。 上記の2大学に少し遅れて、香港大学ランゲージセンターに日本語講座が設立され、ボランタリーコース(単位外)として出発したが、1980年には2単位が取得可能なコースとなり、その後1985年には日本研究学科に昇格、日本語、日本文化等を講義するようになった。 香港城市大学では、1988年に国際貿易専攻の学生を対象に日本語コースが設けられた。このコースは「中文・翻訳及語言系」が担当している。また、1998年に語言学部に日本語学科が設置された。 香港科学技術大学、香港浸會大学(Hong Kong Baptist University)でもそれぞれ学生を対象とした日本語教育が行なわれるようになった。 なお、初等・中等教育機関の日本語教育に関しては、課外授業の形では古くから行なわれていたが、2002年に初めて正規科目として取り入れる中学校が登場し、現在では、4校の中学校が実施している。また、小学校についても、2003年より正規科目として導入した学校が1校ある。 1997年の中国への返還を控えた1990年頃から、日本語の学習人口は減少したが、1997年以降は増加傾向にある。 【背景】 国際都市である香港は多くの言語が通用している。中でも日本語は独特な位置を占めているが、その理由として、陳荊和氏(元香港中文大学東アジア研究センター教授)は次の4項目を挙げている。(1)日港間の経済取引関係。(2)香港における観光事業と日本人観光客。(3)日本文化の香港への浸透。(4)日本商品の氾濫。この4項目は香港における日本語教育の推進の上で重要な役割を果たしてきたが、現在でもその力を発揮していると言える。しかし、時代により影響の比重は異なっている。香港における日本経済の影響力が相対的に低下している現今は、むしろ日本の大衆文化(映画、テレビ、アニメ、カラオケ、流行歌)の影響が大きくなっている。特に年少の学習者の場合は、両親の世代がすでに日本の大衆文化を積極的に受容していたこともあり、アニメやゲームへの強い関心が際立っている。 なお、1997年の中国への返還以降も、香港における言語教育としては英語が依然重視されている。政府は母語教育、普通語(北京語)の導入等を政策(両文三語)として打ち出しており、2000年から普通語(北京語)が統一試験の科目として採用されているが、英語を重視する傾向は今も変わりがない。英語以外の言語教育を中等教育段階に正規課程として導入することは難しい状況にあった。ただ、2006年9月の香港考試及評核局の発表に寄れば、2012年より高校の統一試験の外国語学科に選択科目として日本語が導入される予定である。 【特徴】 香港における日本語教育の大きな特徴は、民間の教育機関による日本語教育が基盤となっている点にある。現在も過去ほどではないが、学習者の大部分は民間の語学学校で受講している。香港での日本語学習者の裾野の広さもここに起因していると言えよう。 政府の言語政策レベルでは、日本語のおかれている地位は低く、大学の専攻課程でも、予算が年々カットされている。しかし、民間の語学教育機関での日本語学習者人口は、1997年(香港の中国返還)以降、急速に伸びている。これは、日系大手企業の撤退と中小企業の進出の結果、日系企業の一人駐在員事務所等では、日本語のできる現地人を雇用する場合が増加したことに関係している。 また、近年の著しい伸びの背景には、上述のような大衆文化の浸透という状況がある。2005年1月、香港の日本語学習者2,040名に対して実施した調査結果では、学習動機として「趣味」と答えた者が6割を超えた。これに「旅行のため」の2割を加えると、実に8割以上の学習者が、ビジネスや留学のためといった実益ではないところで日本語学習を行なっている。日本語能力試験の受験者が1〜2級より、3〜4級が圧倒的に多いことも、この事実を裏付ける証拠であろう。 さらに香港では、2004年4月より日本への短期滞在の査証が免除となり、日本へ旅行しやすくなったことの影響もある。2007年度に日本を訪れた香港人は43万人(前年比6.2%増)に達し、海外からの観光客の5.2%を占めている。リピーターも多くなり、片言でも日本語を話したいという意欲が高まっている。 日本語能力試験実施以来の応募者の趨勢を見ると、香港における日本語教育の一端がうかがえる。1984年に応募者1,200名で始まったのが、5年後には2,000名、10年目には3,000名を超え、2002年に5,720名、2003年に7,048名、2004年に9,312名となり、2005年に11,551名、2006年に12,221名、2007年に13,747名となり、ここ数年受験者が確実に増えている。また、4級の応募者をみると、20歳未満の受験者の増加が近年著しい。日本語学習が若い世代(中学生)に浸透していることを物語っていると言えよう。 ●最新動向 2007年6月から、ラジオ番組とインターネットを組み合わせた日本語番組が配信されている。この「日語自遊行?V(ようこそ日本へ!)」(http://www.rthk.org.hk/elearning/ gogojapan3/)は、この香港電台・香港日本文化協会共同制作のラジオに日本語講座として2004年8月に開始され、人気歌手の陳慧琳(ケリー・チャン)を「推進大使」に起用したこともあって、半年間でウェブサイトへのアクセス件数が145万件を超えた。香港のみならず、遠くアメリカやカナダからのアクセスも多いということである。趣味で日本語を学習する層、あるいは日本・日本語にほんの少しでも興味を持つ層をターゲットにしているため、文法積み上げ式のシラバスではなく、場面シラバスと文化紹介を中心に楽しい番組作りを目指した。ウェブサイトから絵テキストのダウンロードもできるが、ネット上で放送内容を丸ごと聴取することも可能である。またMP3プレーヤーなどで手軽に学習できるようになっている。 2004年10月、香港政府教育統籌局(日本の文部科学省に当る)は、中等・高等教育の改革案を提示した。現行の3-2-2-3制を3-3-4制(2009年より実施)へ変更するものであるが、ここでは英語以外の外国語教育に関する指針が示されていなかった。この改革案に対し、各界から意見書が提出され、2012年には日本語を含む外国語(6ヶ国語)についても選択科目として中等教育の統一試験へ導入する意向が示された。日本語教育を普及していく際には制度的な裏付けも欠かせないため、この教育制度改革の行方は今後の日本語教育の動向に大きな影響を与えることになる。 ●教育段階別の状況 【初等・中等教育】 香港の初等・中等教育機関で正規の授業として日本語教育を行なっているのは中学校の4校、小学校の2校である。課外活動として行なっている学校は、中学校が80校ある。また、インターナショナルスクールでは、小・中学部で、日本語を教えている学校が2校ある。 2002年9月、香港新界地区の中学校で初めて正規の科目として日本語が取り入れられた。また、2003年から正規の科目として日本語を取り入れた中学校が2校、さらには、2004年度からは1校となっている。また、小学校でも2003年度より正規科目として採り入れている学校が1校あり、現在は2校に増えている。 また「通識教育課」(教養科目)が将来的に中学校の必須科目になるという政府の方針を受けて、この範囲内において10時間程度のユニットで日本語学習と日本文化紹介を行なおうという学校が登場してきた。今後、このようなニーズにも対応できるカリキュラムの整備が急がれる。 こうした状況を受けて、香港日本語教育研究会では、中学生用日本語教材の作成に着手し、2003年9月、『いきいき日本語1』を完成させ、第2冊目以降も引き続き刊行の予定である。また、マルチメディア教材の開発など、IT先進地である香港の特徴を生かした教材作りも課題の1つである。今後、関係各機関と連携して、中等教育レベルの日本語教育のよりいっそうの普及を図っていく必要がある。 【高等教育】 香港では、8つの大学で日本語教育が行なわれている。香港大学と香港中文大学に日本語の主専攻課程が置かれている他、香港城市大学では2007よりSpecialization of Japaneseコース(2年制)が選択科目から専門科目となった。その他の大学でも、選択科目として様々な形で日本語教育が行なわれている。また、香港理工大学では、2001年に大学院専門日本研究課程(ディプロマ・コース)が開設されている。 2003年5月、香港政府大学教育援助委員会が大学に対する補助金を大幅に削減する方針を表明したことを受けて、一時は副学士コースなどを廃止する大学の動きも見られたが、一方では独立採算によるコースの設置は歓迎されており、香港理工大学では、2005年9月より専門日本研究修士課程コースがスタートした。香港城市大学では、2007年9月より副学士コースが主専攻となり、香港中文大学では、2006年9月に「日本語教育学修士課程」を開講した。 【学校教育以外】 香港で正規の学校教育以外で日本語教育が行なわれているのは、大学の校外課程と民間の教育機関、その他の教育機関などがあり、香港の日本語教育全体の90%以上を占めている。社会人向けの校外課程を設けている大学は、香港大学、香港中文大学、香港城市大学、香港理工大学、香港浸會大学の5校である。その他の日本語教育としては、香港日本文化協会に属する日本語講座と、香港貿易発展局(TDC)の支援を受けたビジネス日本語コース、そして、カリタス財団系列の日本語学校が挙げられる。民間の日本語教育機関は、現在確認されているだけでも47校ほどあるが、香港政府の認可を受けていない学校も相当数あると言われており、正確な数字は把握できていない。なお、この数年、年少者向けのコースを設置する機関が増えている。 |
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●教育制度 【教育制度】 6-7(3・2・2)-3制 香港の教育制度は、小学校(義務教育)が6年、中学校が7年、大学が3年であるが、中学校の7年間は、義務教育期3年、中期2年、後期2年に分かれている。中期修了後に、後期に進むための統一試験(Hong Kong Certificate Examination)があり、後期修了後に、大学に進むための統一試験(Hong Kong Advanced Level Examination)がある。教育の場で使われている言語は主に広東語と英語であるが、普通語(北京語)も次第に用いられるようになってきている。なお、中等レベルの日本語教育の普及が進まない要因の1つとして、統一試験の科目に日本語が入っていないことが挙げられる(フランス語は、英国統治下時より統一試験の科目に入っている。日本語は2012年に統一試験の選択科目に入る予定である。)また、現在進行中の教育改革は、中学校を前期3年、後期3年とし、大学を4年にすることをめざしているが、予定では2009年実施ということになっている。 【教育行政】 幼稚園から大学まで、香港特別行政区政府教育統籌局の管轄下にある。 ●言語事情 中国語と英語が公用語である。 日常生活では広東語が広く使用されている。近年、中国大陸からの来訪者が増加してきているため、商業・サービス業の分野では普通語(北京語)が通じるようになってきている。こうした状況を受けて、現在は初等・中等教育での普通語(北京語)のニーズが高まり、様々な教科の教師に対する普通語教育の研修が大学を中心に広く実施されている。 ●外国語教育 ほとんどの教育機関で小学校から必修科目として英語教育が行なわれている。また60の中学校で日本語教育が行なわれており、その中の4校は正規の科目として日本語教育を行なっている。小学校では1校が正規の科目として日本語教育を行なっている。 |
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| ●教材 市販教材としては、初等から高等教育機関まで、『大家的日本語(みんなの日本語台湾版)』が多く使用されている。2007年には、『みんなの日本語(香港版)』が出版されたため、今後の普及が予想される。 ●マルチメディア・コンピューター コンピューターの普及率は高く、ほとんどの学校機関で、教室内にコンピューターを設置し、パワーポイントを利用した授業も可能である。個人で日本のアニメやゲーム、ドラマなどをインターネットを利用して鑑賞している青少年も多い。 マルチメディア教材としては、「日語自遊行?V」のラジオ及びインターネット配信、 『大家的日本語』、『日語自遊行?V』などのテキストではMP3機能もあるVOICE PENでテキストの一部をなぞると音声が出る機能が導入されている。 |
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●日本語教育関係のネットワークの状況 香港、マカオ地区における日本語教育のネットワークとして「香港日本語教育研究会」がある。日本語教育関係者の親睦、情報交換を目的として創立され、現在では、日本語教育関係者のみならず、日本関係諸学の研究者にも門戸を開き、香港、マカオ地区の日本語教育・日本研究の発展に寄与する交流の場として、様々な活動を行なっている。具体的には毎月の例会(講師による講演と参加型の日本語教育情報交換フォーラム)に不定期のセミナー、シンポジウムなどが実施されている。また、2008年には国際交流基金日本語教育ネットワークのメンバーに加入している。 ●最新動向 「香港日本語教育研究会」は、2007年より正式に法人化され、中等教育における日本語の普及、教材開発などの活動に向けて再編が行なわれている。 ★教師会・学会一覧へ |
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| ●国際交流基金からの派遣(2008年4月1日現在) 日本語教育専門家
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