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■ 2009年度
クロアチア

日本語教育の実施状況
教育制度と外国語教育
学習環境
教師
教師会
日本語教師派遣情報
学習目的
シラバス・ガイドライン
評価・試験
日本語教育略史
参考文献一覧

●2006年海外日本語教育機関調査結果
機関数集計円グラフ 教師数集計円グラフ 学習者数集計円グラフ
海外の日本語教育の状況について機関・教師・学習者を円グラフ化しました。

日本語教育の実施状況
全体的状況
 クロアチアでは独立後十数年しか経ていないため、日本語教育の歴史は浅い。2002年頃からザグレブで初等・中等教育が開始された。また、2004年からザグレブ大学哲学部に日本研究コースが開講されたが、学士・修士の資格が取れない非正規コースであるため、隣国のセルビア、スロベニアに比べ、高等教育機関での学習者数が少ない。


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【背景】
 クロアチアに進出し駐在員が常駐している日本企業はなく、就職を目的として日本語を専門的に勉強するケースはほとんどない。一方、近年は日本からクロアチアへの観光客が急増していることから、日本語能力のある人材に対する需要は増えつつある。また、クロアチアが観光立国を標榜し、外国語教育に力を入れていることから、初等・中等教育においても、各学校の判断により、日本語教育が独自に行なわれている場合がある。


【特徴】
 クロアチアでは、日本語教育の歴史が浅く、日本語専門のクロアチア研究者が未だ育成されていないことから、日本語教育は主に日本人講師が務めている。また、日本語学習の動機として、日本および日本文化、または日本語自体に対する興味・関心をあげる者が多いのが特徴である。特に大学に関しては、アニメやマンガをきっかけに日本語に関心を持った者が多い。


●最新動向
 2004年秋に国立のザグレブ大学哲学部に、クロアチア初となる大学における本格的な日本語教育機関である日本研究コースが1クラス25名の3年間コースとして開講した。ただし、学士・修士の資格が取得できない非正規コースであるため、当初は日本語に関心を抱いていた学生も、本専攻のコースの学習に時間をとられ、途中で日本語の学習をあきらめる場合が多い。ザグレブ大学哲学部では、日本研究コースを早期に正規化することを目指している。なお、2008年10月に、クロアチア日本語教師会が発足した。


●教育段階別の状況
【初等・中等教育】
 クロアチアでは、第2外国語の履修を必須としている高校も多く、ザグレブ第7高等学校およびザグレブ芸術高等学校において日本語が第2外国語の選択科目として教えられている。小学校・中学校については、英語のみ必修であるが、内陸部のスティエパン・ラディチ小学校では授業の一環として日本語も教えられている。
【高等教育】
 (1)ザグレブ大学哲学部日本研究コース
 2004年に開講した日本語や日本研究を専門とする定員25名、3年間のコース。2007年に第1期の修了生(約20名)を輩出し、その後も同コースの修了生を継続的に輩出している。しかしながら、同コースは学士・修士の取得に直結しない副専攻コースであり、上位15名を除いては、同コース履修のための追加的な授業料を負担する必要があるため、毎年の募集には、定員以上の学生が集まるものの、途中で同コースの履修をあきらめる者が多い。同コース修了時の到達レベルは日本語能力試験3級〜2級程度であり、修了後は、国費留学やザグレブ大学と日本の大学との大学間協定等を利用して、日本に留学する学生が多い。
 (2)ザグレブ経済経営大学
 学生の要望に応じて、外国語の選択科目として、日本語を学習することができる。ただし、合計30時間程度であり、本格的な教育は行なわれていない。
【学校教育以外】
 ザグレブで4つの語学学校で日本語講座が開設されている。また、スプリットの語学学校においても、日本語講座が開設されている。

教育制度と外国語教育
●教育制度
【教育制度】
 8-4(3)制。
 小・中学校(小学校・中学校一貫教育、7〜14歳)が8年間、高校(15〜18歳)が4年間(普通高校)、あるいは3年間(職業高校)。高等教育機関は大学。
 小学校、中学校、高校(あるいは職業高校)の12年間(あるいは11年間)が義務教育。
【教育行政】
 教育・科学・スポーツ省の管轄下にある。

言語事情
 クロアチア語が公用語。国民の構成はクロアチア人(89.6%)、セルビア人(4.5%)など。

外国語教育
 小学校1年生より高校4年生まで外国語(必修)として英語を履修する。また学校によっては第2外国語としてドイツ語、イタリア語、フランス語、スペイン語、日本語等を履修できる。

外国語の中での日本語の人気
 高等教育機関では日本語の人気は比較的高いといえる。ザグレブ大学では、日本研究コースが正規コースではないにも関わらず、選択を希望する学生が相当数いる。また、ザグレブ市が2008年に開始した夏期間の無料語学コースでは、日本語の人気がかなり高いとのこと。

大学入試での日本語の扱い
 大学入試で日本語は扱われていない。

学習環境
教材
【初等・中等教育
 『初級日本語 げんき』坂野永理ほか(ジャパンタイムズ)等、日本で出版された教科書・教材を使用している。
【高等教育】
 日本で出版された教科書・教材を使用している。
【学校教育以外】
 
『初級日本語 げんき』(前出)等、日本で出版された教科書・教材を使用している。

教師
資格要件
【初等・中等教育】
 日本の大学で学士号を取得し、日本の教員免許を取得していることを求められる。
【高等教育】
 ザグレブ大学では、日本語講師は修士号取得者を条件としている。
【学校教育以外】
 特になし。現地人と結婚した在留邦人が教えている。

●日本語教師養成機関
 日本語教師養成を行っている機関、プログラムはない。

●日本語のネイティブ教師(日本人教師)の雇用状況とその役割
 ザグレブ大学哲学部日本研究コースでは助手1名、常勤講師2名、非常勤講師1名のポストがあり、うち3名が日本人教師である。ただし、給与水準が日本に比べかなり低いため、実質的にはボランティアに近い形となっている場合もある。

●教師研修
 2008年より、クロアチア在住の日本語教師を対象に、国際交流基金日本語教育専門家による日本語教育セミナーが行なわれている。

現職教師研修(再教育)プログラム<一覧>
(1)国際交流基金ブダペスト事務所日本語教育アドバイザーによる日本語教師向け説明会
国際交流基金ブダペスト事務所の日本語教育アドバイザーによる日本語教師向け説明会が、2009年5月に在クロアチア日本国大使館で開催された。
(2)国際交流基金欧州日本語教育研修会
2008年より、クロアチアからも日本語教師1名が、フランスのアルザス地方で開催される同研修に参加している。
教師会
●日本語教育関係のネットワークの状況
 「クロアチア日本語教師会」(2008年発足)
 国内各日本語教育機関の教師の間で情報交換・交流を行なっている。2008年10月発足。

★教師会・学会一覧へ

日本語教師派遣情報
 国際交流基金、JICAからの派遣は行なわれていない。
学習目的(2006年海外日本語教育機関調査結果)

 
1.
日本の文化に関する知識を得るため  
9.
日本との親善・交流を図るため(短期訪日や日本人受入)  
 
2.
日本の政治・経済・社会に関する知識を得るため  
10.
日本語によるコミュニケーションが出来るようにするため  
 
3.
日本の科学技術に関する知識を得るため  
11.
母語、または親の母語(継承語)である日本語を忘れないため  
 
4.
大学や資格試験の受験準備のため  
12.
日本語という言語そのものへの興味  
 
5.
日本に留学するため  
13.
国際理解・異文化交流の一環として  
 
6.
今の仕事で日本語を必要とするため  
14.
父母の期待に応えるため  
 
7.
将来の就職のため  
15.
その他  
 
8.
日本に観光旅行するため   (1.〜15.から5つ選択)  
初等・中等教育/学習の目的棒グラフ 高等教育/学習の目的棒グラフ 学校教育以外/学習の目的棒グラフ
シラバス・ガイドライン
 国・地方レベルでの統一シラバス、ガイドライン、カリキュラムはない。
評価・試験
 国際交流基金が実施する日本語能力試験は、現地日本語学習者の到達度を測る為に、各日本語教育機関は非常に重要な試験として位置付けており、毎年、ブダペスト(ハンガリー)にて実施される同試験に多くの学生が参加している。
日本語教育略史
2002年 ザグレブ第7高等学校、ザグレブ芸術高等学校で日本語教育開始
2004年 ザグレブ大学哲学部に日本研究コース(副専攻コース)開設
スティエパン・ラディチ小学校で日本語教育開始
2007年 リエカ、スプリットの語学学校で日本語講座開設
2008年 クロアチア日本語教師会発足
参考文献一覧
★参考文献検索ページへ

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