ホーム > 日本語教育 > 調査研究・情報提供 > 国・地域別の情報 > 日本語教育国別情報> 2009年度> フランス

日本語教育

日本語教育> 調査研究・情報提供
日本語教育国別情報トップへ国別一覧へ
■ 2009年度
フランス

日本語教育の実施状況
教育制度と外国語教育
学習環境
教師
教師会
日本語教師派遣情報
学習目的
シラバス・ガイドライン
評価・試験
日本語教育略史
参考文献一覧

●2006年海外日本語教育機関調査結果
機関数集計円グラフ 教師数集計円グラフ 学習者数集計円グラフ
海外の日本語教育の状況について機関・教師・学習者を円グラフ化しました。

日本語教育の実施状況
●全体的状況
【沿革】
 1863年にパリの帝立図書館附属帝立東洋言語専門学校で日本語講座が始まった。そして半世紀後、さらにリヨン商工会議所日本語入門講座、続いて、パリ大学文学部日本文明講座が開講された。パリ大学文学部日本文明講座は、パリ大学再編後の1970年には、パリ第7大学に引き継がれる。
 それとほぼ同時期に、パリ及びパリ近郊の高校で日本語教育が始まり、リヨン第3大学でも中国学科のイニシアティヴで日本語教育が始まる。高校卒業試験のバカロレアで日本語を第1、第2、第3外国語として選択できるようになるのもこの時期である。1980年代には、さらにその進展に拍車が掛かり、地方の大学、グランゼコール、各地の中等教育にも広がりを見せる。1985年には、最初の日本語・日本文化高等教員資格を持った教員(アグレジェ)が誕生する。1988年には、パリのラ・フォンテーヌ高校などで第1外国語としての日本語教育が始まり、またこの頃、初等教育段階でも日本語教育が始まる。
 1994年、ヨーロッパ共同体が「複数言語主義」を掲げ、翌年「言語教育の多様化と質の改善に関する決議」を採択して、英語の人気が爆発的に上昇し、日本語は些か圧される立場にあったが、2001年に、「フランス語総局」が、「フランス語及びフランス地方語総局」となるに及んで、希少言語に目が向けられるようになり、徐々に、日本語をヨーロッパ言語と併行して習得する傾向が生まれ定着しつつある。更に、1990年代に、教師の待遇改善が進み、教授、助教授、高等教員、準中等教員等のポストが拡大、定着され、安定した時代に入ったことも、日本語が学ばれる地盤形成に、大きな要因を成している。

★日本語教育略史へ

【背景】
 教育省は、国際交流、外国語教育、交換留学制度等に積極的姿勢を見せている。外国語教育の開始は、低年齢化しており、現在は幼稚園年長組から初歩の外国語教育を行なうのが一般的である。1970年以降からの日本経済の伸びに伴って日本への関心が高まり、日本語教育はめざましい発展を遂げたが、1990年代半ば以降は、全体に落ち着いた感がある。
【特徴】
 日本語は、大都市では、中等教育から学ぶことが可能である。中規模都市では、少なくとも高等教育あるいは公開講座等の一般教育のいずれかで、日本語が学べるようになっており、日本語教育が広く行き渡っている。
 高等教育機関での日本語教育は、歴史が古く、広くフランス国内の都市で開講されており、現在も全体の半数以上を占めている。反面、中等教育レベルでの日本語教育は、学習希望が多いものの、学習機関が限られており、その要望に十分こたえられていないのが現状である。
 日本学科のある大学の日本語教育は、日本研究につながるものとして、ある程度の水準を保っており、学生数も一定している。グランゼコールの場合は、実用的な日本語学習が主流のため、経済および産業交流の現状に左右されるところが大きい。初等・中等段階及び公開講座等の一般教育の若年層の学習者は、日本のアニメーションや漫画等に刺激され、日本語に興味を持つようになった者がかなりの部分を占めている。また、日仏家庭の子供たちに対する継承語としての日本語教育の問題も大きくなりつつある。

●最新動向
 フランス国内の中等教育機関における日本語教育状況の改善を目指し、2005年6月にフランス日本語教育委員会が発足したが、その下位組織である3つの小委員会、「プログラム(中等教育機関の日本語教育の指導要領)作成小委員会」、「カペス(中等教育正規教員資格試験設置)小委員会」、「生涯教育小委員会(教師研修)」の2年間に渡る活動の成果報告の場として、第2回連絡会議が2008年1月に開催された。2006年末から2007年にかけて、プログラム作成小委員会が取り組んでいた第2外国語としての日本語の学習指導要領(Palier)が教育省に提出され、2007年4月には、第2段階であるPalier1が、9月には第2段階であるPalier2が相次いで官報に掲載され、正式に認可された。現在は、このPalierに準拠した活動集の作成プロジェクトが進行中である。
 また、2008年11月には、フランス国内における日本語教育の現状をより多くの人々に認知してもらうことを目的に、フランス日本語教育委員会主催で大規模なシンポジウムが開催された。

●教育段階別の状況
【初等・中等教育】
 グローバリゼーションの進展に伴い、英語の普及が避けられない事態に至った時点で、フランス語の危機が叫ばれ、それを乗り切る政治理念として、個の尊重という理念に基づく複数言語主義が、ヨーロッパ共同体の方針として採択されて以来、言語遺産としての地方言語の尊重が叫ばれている。その中で稀少言語と競合関係を保ちながら、日本語は、主に第2、第3外国語として学ばれている。しかしながら、中等教育における日本語教育は、人気は安定しているものの問題点も多い。
 初・中等教育での外国語教育には、父兄の意向が強く作用し、中国ブームのようなフランスの動向に、敏感な反応があらわれ、日本語にも影響が出ている。実際、1988年から日本語との2ヶ国語教育を始めたエコール・アクティヴ・ビラング・J.Mでは、2003年を最後に、中国語が日本語に代わり、ラビュシ中学、ジュール・ロマン中学も数年前から、日本語を中止している。また、国の遠隔地教育機関(CNED)が行なっている通信教育で日本語を履修すれば、バカロレア(高校卒業資格試験・取得者は大学に登録可能)の試験で日本語を選択することも可能だが、2003年から、この通信教育では第1、第2外国語としての日本語教育課程が姿を消し、第3外国語としての日本語の履修のみという状況で、地方で第1、第2外国語として学習することが実質上できなくなっている。2005年に行なわれたフランス日本語教育委員会第1回総会でも、フランス全土で第2外国語として履修可能にすることが当面の目標であると確認されている。このように、学習希望があっても教員不足や定員の関係で日本語が履修できないことがあり、学習機会の提供は大きな問題である。
 中等教育機関における日本語のカリキュラム、指導要領に関しては、これまで1987年に制定された第3外国語のみであったが、2007年にCEFRにも準拠した第2外国語用の指導要領が正式に認可された。今後、このプログラム整備が中等教育機関の日本語教育の進展に影響を与えることが望まれる。
【高等教育】
 高等教育段階は、既に発展をし尽くした感がある。しかし現在、ヨーロッパ内の他国の大学との交流に際して、フランスの大学制度が合わないため、他国に合わせてLMD(学士、修士、博士課程)への改革が行なわれている。それに伴い、日本語を学べる大学、グランゼコール共に、学科の統合、或いは、近隣大学間の日本学科への遊学制度等新しい動きがみられる。また、特別クラスを設けるところもあるように日本語既習学生が増加している。さらに時代の変化に合わせ、学問としての日本語から実用的な日本語への要望も高くなっている。
【学校教育以外】
 近年、子どもに人気が高い。学校形態は、語学学校よりも、非営利の語学教室が数の上では多い。地方自治体の経営によるもの、あるいは、大学等との共同経営を行なっているところもある。人気の高いパリ市の日本語講座等は、生涯教育としての日本語教育、ビジネスマンの語学学校、中高等教育機関の生徒や日仏家庭のこどものための日本語補習塾としての機能も満たしている。

教育制度と外国語教育
●教育制度
【教育制度】

5-4-3制。
初等教育 小学校(5年間)
中等教育 前期 中学校(4年間)
後期 高等学校(3年間)、高等専門学校(3年)、グランゼコール準備級(2年間)
高等教育 大学
 学士(リサンス)、修士(マスター)、博士(ドクター)各課程
 従来の第3課程の博士課程1年DEAは研究マスター、同じ第3サイクルのDESSは、職業マスターとなって、マスター第2学年に組み込まれた。
グランゼコール(3年間):経済系及び理科系グランゼコールの多くが、マスターを設置して、外国の大学制度と互換性のあるシステムにしている。
技術短期大学(2年)
上級技術者養成課程(2年)
職業専門学校(2〜3年)
 義務教育は、初等教育の5年間と前期中等教育の4年間。
 飛び級、ならびに落第が、あらゆる段階で行なわれる。通信教育により、全段階の教育を受けることが可能であり、親が学士号を有する場合は、家庭において、義務教育を施すことが認められている。
【教育行政】
 初等、中等、高等教育機関のほとんどが教育省の管轄下にあり、例外は下記のとおり。
 国立行政学院(内閣)、国立高等鉱山学校(産業省)、国立土木工学院(公共事業省)、国立美術学校(文化省)、国立国庫・租税・関税学校(大蔵省)、理工科学学校(国防省)、国立高等電気通信学校(郵政省)、司法官学校(法務省)

●言語事情
 フランス語が公用語であり、国語となっている。
 その他、アルザス地方はアルザス語、バスク地方はバスク語、ブルターニュ地方はブルターニュ語、スペイン国境のカタロニア語、コルシカ島のコルシカ語、南仏地方のオック語、タヒチ島はタヒチ語、東ブルターニュはガロ語、ロレーヌ地方はモゼール語が併用されている。なおヨーロッパ共同体の複数言語主義に基づく、言語遺産としての地方言語の保存と教育が、近年活発になっている。

●外国語教育
 1980年代に始まった初等教育への外国語教育の導入は、教育省の推進もあり幼稚園の最終学年からの導入が徐々に始まっている。
 そして他のヨーロッパ諸国の例にもれず、近年フランスにおいても外国語教育では、多くの言語がヨーロッパ共通言語参照枠組み(CEFR)に基づいて動いており、レベル基準、評価などが取り入れられつつある。日本語については、2007年に官報に正式に掲載され、認可されたPalier(第2外国語としての日本語の指導要領)がCEFRに準拠するなど、導入されつつあるが、バカロレアの試験を始め、今後どのように普及していくかが大きな鍵である。
 なお第1外国語は、中学1年開始(必修)。ドイツ、英、アラブ、アルメニア、カンボジア、中国、デンマーク、スペイン、フィンランド、現代ギリシャ、ヘブライ、イタリア、日本、オランダ、ノルウェー、ペルシャ、ポーランド、ポルトガル、ロシア、スウェーデン、トルコ、ヴェトナム語から選択。第2外国語または地方語は、中学3年開始(必修)、第3外国語または地方語は、高校1年開始(選択)。いずれも、第1外国語の選択リストに加えて、バスク、ブルターニュ、カタロニア、コルシカ、メラネシア、オック、タヒチ語から選択。

外国語の中での日本語の人気
 第8〜9位


大学入試での日本語の扱い
 バカロレア試験(高校卒業資格試験・取得者は大学に登録可能)では、日本語は、第1、第2外国語、又は、選択科目(第3外国語〜)として受験可能。試験は、現在、第1、第2外国語は筆記試験、第3外国語では口述試験となっている。また、学校教育の中で選択した外国語を、卒業試験としてのバカロレアで必ずしも選択する必要はなく、例えば、日本語を一般教育機関で履修した場合でも、その機関が教育省の認可を得ていれば、その生徒はバカロレアで日本語を第1外国語として選択登録することができる。
 バカロレアの選択科目・口述試験は、日本語以外にドイツ、英、アラブ、中国、デンマーク、スペイン、現代ギリシャ、ヘブライ、イタリア、オランダ、ポーランド、ポルトガル、ロシア、バスク、ブルターニュ、カタロニア、コルシカ、ガロ(北ブルターニュ)、メラネシア、オック、アルザス、モゼール、タヒチ語から選択が可能。同選択科目・筆記試験では、アルバニア、アムハラ(エチオピア)、アルメニア、バムバラ(ブラック・アフリカ)、ベルベル(北アフリカ)、ブルガリア、カンボジア、朝鮮/韓国、クロアチア、フィンランド、アウッサ(西アフリカ)、ヒンディー、ハンガリー、インドネシア、マレーシア、ラオス、リトアニア、マケドニア、マダガスカル、ノルウェー、ペルシャ、プール(セネガルからカメルーン)、ルーマニア、セルヴィア、スロヴァキア、スロヴェニア、スウェーデン、スワヒリ、タムール、チェコ、トルコ、ヴェトナム語から選択が可能となっている。
 その他、グランゼコール入試も、文科系、経済系、並びに、理科系の主なグランゼコールで日本語の選択が可能である。

学習環境
●教材
【初等・中等教育】
 自作教材、『まねきねこ』Frederique BARAZER、『JAPANESE FOR YOUNG PEOPLE』国際日本語普及協会(講談社インターナショナル)、『みんなの日本語』スリーエーネットワーク(スリーエーネットワーク)など。
【高等教育】
 『みんなの日本語』(前出)、『Grammaire Japonaise』島守玲子、『Parlons japonais』東伴子、小熊和郎、『新日本語の基礎』海外技術者研修協会(スリーエーネットワーク)がよく使われている。その他、自作教材も多い。
【学校教育以外】
 『みんなの日本語』(前出)、『JAPANESE FOR YOUNG PEOPLE』(前出)、並びに自作教材。

マルチメディア・コンピュータ
 自習用教材として使われることが多い。
『日本の文字を学びましょう』(Introduction a l'écriture japonaise)Univ. Toulouse-Le Mirail−CD-ROM、2002
“Parler le Japon” Univ. Bourgogne−CD-ROM
教師
●資格要件
【初等教育】
 教師採用の一応の基準は、フランス人は日本語学士号、日本人は同学士号、あるいは日本で得た学士号(専門不問)。
【中等教育】
 同上。ただし、高等教員職(アグレジェ)は、修士号をもち、かつ1年間の特別学習課程を修了後、高等教員試験(アグレガシオン)合格者。準中等教員職(カペス・レゼルヴェ)は、学士号、5年以上の教師歴、および、準中等教員試験合格者。
 なお2005年6月、フランス日本語教育委員会が発足し、2005年10月から、同委員会の中に「日本語カペス小委員会」を発足させて、活動が行なわれたが、現在もカペス新設までには至っていない。
【高等教育】
 大学の場合、助教授職以上は博士号が条件となっている。グランゼコールおよびその他の高等教育機関では、学士号が最低基準。
【学校教育以外】
 基準はないが、学士号を条件とするところが多い。
 また各学校が行なっている養成講座修了を条件にしているところもある。

●日本語教師養成機関(プログラム)

・国立東洋言語文化研究所日本学科:博士課程まで完備
・パリ第7大学極東学部日本学科 :同上
 その他、パリ市内の民間学校で以下の日本語教師養成講座が開講されている。
・天理日仏協会日本語教師養成講座:主に在外邦人対象。2週間。
・Institut Japonais de Langues :年2回、各2週間+3日間の実習
・A.A.A.:年2回、各8ヶ月。
・新宿日本語学校:年1回、1週間。

●日本語のネイティブ教師(日本人教師)の雇用状況とその役割
 学士号が、教師の最低基準となっているが、現実として高等機関の非常勤職などは、修士号取得者以上がほとんどである。なお中等教育の高校および中学教員資格、ならびに高等教育の助教授クラス以上の正規の教員職に就くには、国籍を問わず、条件を満たさなければならない。原則として、資格を持たない場合は、期限つきの非常勤職に止まることになり、会話の練習担当等が課されることが多い。


教師研修
 パリ日本文化会館では、秋期(9月〜12月)・冬期(1月〜3月)・春期(4月〜6月)に、日本語教授法や日本語教育実習など毎回テーマを変えて日本語教師研修会を実施しているほか、7月上旬に在欧州日本語教師を対象とした広域研修、「欧州日本語教師研修会」をフランスのアルザス地方にあるアルザス欧州日本学研究所(CEEJA)で開催している(主催はパリ日本文化会館とCEEJA)。また、フランス日本語教師会主催で、年に数回の勉強会、年1回のフランス日本語教育シンポジウムが開催されている。

教師会
●日本語教育関係のネットワークの状況
 「フランス日本語教師会」(1997年設立)
 国際交流基金の在外邦人研修参加者を母体とし「ヨーロッパ日本語教師会」の支部として発足した。年1回のシンポジウムを開催しているほか、定期的に勉強会を開催、機関紙を発行するなど積極的に活動している。会員数は150名以上で、欧州内の教師会の中でもかなり大規模である。
 「フランス日本研究学会」(1990年設立)
 フランスの日本研究関係者の多くが在籍する学会で、会員数は250名にも上る。高等教育機関で日本語教育に従事している教師も含まれる。
 「フランス日本語教育委員会」(2005年設立)
 主に中等教育レベルの日本語教育事情の改善を目指し、日本語教育担当準視学官を中心に2005年6月に発足。「中等教育プログラム作成」、「中等教員資格(カペス)」、並びに「生涯教育」(教師研修)の3つの小委員会に分かれて活動を行なってきた。日仏修好150周年にあたる2008年11月にこれまでの活動の集大成として大規模なシンポジウムをパリ市内で開催した。

●最新動向
 2009年5月にフランス日本語教師会主催で、CEFR/学修オートノミーをテーマとした研修会が開催された(会場:パリ日本文化会館)。

★教師会・学会一覧へ

日本語教師派遣情報
●国際交流基金からの派遣 (2009年4月1日現在)

日本語教育専門家

国際交流基金パリ日本文化会館 1名

日本語教育指導助手
国際交流基金パリ日本文化会館 1名



★「世界の日本語教育の現場から」のページへ
学習目的(2006年海外日本語教育機関調査結果)

 
1.
日本の文化に関する知識を得るため  
9.
日本との親善・交流を図るため(短期訪日や日本人受入)  
 
2.
日本の政治・経済・社会に関する知識を得るため  
10.
日本語によるコミュニケーションが出来るようにするため  
 
3.
日本の科学技術に関する知識を得るため  
11.
母語、または親の母語(継承語)である日本語を忘れないため  
 
4.
大学や資格試験の受験準備のため  
12.
日本語という言語そのものへの興味  
 
5.
日本に留学するため  
13.
国際理解・異文化交流の一環として  
 
6.
今の仕事で日本語を必要とするため  
14.
父母の期待に応えるため  
 
7.
将来の就職のため  
15.
その他  
 
8.
日本に観光旅行するため   (1.〜15.から5つ選択)  
初等・中等教育/学習の目的棒グラフ 高等教育/学習の目的棒グラフ 学校教育以外/学習の目的棒グラフ
シラバス・ガイドライン
 他の外国語教育は、ヨーロッパ共通言語参照枠組み(CEFR)に基づいた外国語教育の枠組み作りを行なっているが、日本語は、後期中等教育段階の第3外国語についてのみ、1987年9月24日付官報により、指導要綱が示されていた状態で、第1、第2外国語に関しては、そもそも基準自体がなかった。そこで2005年に結成された日本語教育委員会内において「中等教育プログラム作成小委員会」が設置され、まず第2外国語の第1段階の指導要領(Palier 1)、第2段階(Palier2)の指導要領を相次いで作成した。この指導要領は教育省に提出され、2007年に官報に掲載、正式に認可された。

★シラバス・ガイドライン一覧へ
評価・試験
 日本語能力試験が、パリとリヨンの2会場で行なわれている。申し込み受験者数は、毎年増加しており、西欧の中でもトップの数である。試験の結果は、留学生試験、就職試験等の参考に使われている他、日本の大学への留学の際、考慮の対象になっている。
日本語教育略史
1863年 帝立図書館附属帝立東洋言語専門学校に日本語講座開講([INALCO]
Institut National des Langues et Civilisations Orientalesの前身)
1918年 リヨン商工会議所で、日本語入門講座開設
1920年 パリ大学文学部日本文明講座開設
1967年 ラシーヌ高校などのパリ市内、パリ近郊の高校で日本語教育開始
1970年 パリ第7大学極東学部日本文明講座開設
1970年代
半ば
リヨン第3大学で、日本語教育の試みがなされる。
通信教育が始まる。高校卒業試験のバカロレアに、日本語を、第1、第2、第3外国語として選択することが原則として認められる。
1980年代 リヨン第3大学日本学科開設、ツールーズ大学、グルノーブル第3大学、リール第1、第3大学、レンヌ第2大学、プロヴァンス大学、及びグランゼコールなどでも日本語教育が始まる。 また中等教育段階でも日本語教育が各地で始まり、第1外国語としての日本語教育開始
1984年 中・高等教員資格(アグレガシオン)制定
1985年 中・高等教員資格(アグレガシオン)第1回試験
中・高等教員資格試験はその後、2年に1回行なわれる傾向で実施されている(最後の実施は2006年)。
1990年 フランス日本研究学会設立
1990年代 日本語教育が、初等教育段階でも始まる。
1997年 フランス日本語教師会設立
1998年 中等教育段階に、準中等教員資格(カペス・レゼルヴェ)設置される。
準中等教員資格は、フランス国内では2004年を最後にポストの新設はない。
また中等教員資格(カペス)新設に向け、フランス日本語教育委員会の中に「日本語カペス小委員会」を発足させたが、まだ新設までにはいたっていない。
2005年 フランス日本語教育委員会発足
2007年 Palier(中等教育段階第2外国語の指導要領)。1,2が国民教育省の認可を受け、刊行される。
参考文献一覧
★参考文献検索ページへ

国別一覧へ




このページの先頭へもどる