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■ 2009年度
グルジア

日本語教育の実施状況
教育制度と外国語教育
学習環境
教師
教師会
日本語教師派遣情報
学習目的
●シラバス・ガイドライン
●評価・試験
日本語教育略史
●参考文献一覧

●2006年海外日本語教育機関調査結果
機関数集計円グラフ 教師数集計円グラフ 学習者数集計円グラフ
海外の日本語教育の状況について機関・教師・学習者を円グラフ化しました。

日本語教育の実施状況
●全体的状況
【沿革】
 1991年にトビリシ・アジア・アフリカ大学(Tbilisi Institute of Asia and Africa)で日本語教育が本格的に始められて以来、同大学を中心に活発な活動が続けられている。2001年9月には、グルジア科学アカデミー東洋学研究所において、日本に関する総合情報センター「日本センター」が設立された。同センターには、整備のため、草の根無償資金協力により総額67,140ドルの供与が行なわれた。また、2001年にはトビリシ国立大学にも日本語学科が設立された。

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【背景】
 グルジアはコーカサス三国の中でも日本語・日本研究については先進地域であり、トビリシ市民の日本に寄せる関心もおおむね高い。
【特徴】
 政府関係者の日本に対する関心は経済分野、特に戦後日本の経済発展プロセスに向けられていることが窺われるが、一方市民レベルでは日本の社会や文化に対する関心も存在している。

●最新動向
 2009年より、トビリシ・アジア・アフリカ大学はトビリシ自由大学(Free University if Tbilisi)の一部となった。
 2009年5月現在、日本語教育を行なう初・中等教育機関は2機関、学習者数は、初・中等機関150名、高等教育機関49名となっている。

●教育段階別の状況
【初等・中等教育】
 トビリシ市内の第34中学校(元の名称「Author Educational Centre "Georgian School"」)でグルジア人日本語教師の下、6年生から12年生まで約87名の生徒が日本語を学んでいる。また、トビリシ郊外の私立中等学校であるブリタニカ英語学校でも日本語が教えられている(2009年5月現在、同校の日本語学習生徒数は63名)。
【高等教育】
 トビリシ・アジア・アフリカ大学(Tbilisi Institute of Asia and Africa)は、日本学科の他にもインド、アラブ、ペルシャ、トルコ等様々なアジア地域の学科を有するなど、伝統的にアジア研究に重点を置いて取り組み、実績も多く上げている。アジア地域を中心に11カ国の大学とも提携を行なっている。日本人教師は不在であることから、同大学からは常勤の日本人日本語教師の派遣を強く要望する声がある。グルジア人教師の日本語能力向上のため、国際交流基金のプログラムを中心とした訪日研修の機会も増え、徐々にではあるが状況は改善されつつある。日本語学習者の学生数は、トビリシ・アジア・アフリカ大学(Tbilisi Institute of Asia and Africa)は37名、トビリシ国立大学は12名(2009年5月現在)。
【学校教育以外】
 日本語教育は実施されていない。

教育制度と外国語教育
●教育制度
【教育制度】
 3‐6‐2制。
 グルジアでは、旧ソ連の学校教育制度(10年生学校)から移行し、初等・中等教育は11年制(もしくは12年)の学校で行なわれるようになった。
 11学年(もしくは12学年)のうち、1〜3学年が初等教育、4〜9学年が前期中等教育、10、11学年(もしくは12学年)が後期中等教育にあたる。10、11学年(学校によっては12学年も)は高等教育を希望する者(大部分)が進学する。
 高等教育は、11学年(もしくは12学年)卒業後に大学(4年間もしくは5年間)、または単科大学(4年間もしくは5年間)で学び、学士号(5年間修学のところは修士号の場合もある)を取得する。1学年から9学年までは義務教育。
【教育行政】
 初等、中等、高等教育機関のほとんどが、教育省の管轄下にある。

●言語事情
 公用語はグルジア語。

●外国語教育
 グルジアの初・中等教育は11学年(もしくは12学年)の学校で行なわれるが、この学校にはいくつかの種類がある。
 普通学校では、5学年から外国語の授業が始められる。大部分の場合、学ぶ外国語は1つで英語やドイツ語であることが多い。また、多くの学校で、外国語の授業とは別にロシア語の授業も行なわれている。第1外国語は必修科目であり、その他、ファクリタチフと呼ばれる選択科目としての外国語の授業が行なわれている。このファクリタチフは日本の選択科目より自由な性質を持つものであり、評価や履修の記録は成績表に特に残されないことも多い。
 専門学校(一般的な学校よりも特定の科目に力を入れた学校)では、だいたい第2学年から1つもしくは2つの外国語の授業が始められる。
 その他、リツェイ(その他、ギムナジア等)では、入学と同時(1学年)から2つ以上(2つであることが多い)の外国語の授業が始まる。授業のレベルは比較的高いといえる。専門学校やリツェイでは外国語は必修科目であることが多く、その他にファクリタチフとして他の外国語の履修も可能である。
 教えられている外国語は、学校によるが、第1外国語は、ほとんどの場合、英語、ドイツ語、フランス語のうちのどれかであり、その中でも英語である場合が多い。近年、ドイツとの文化教育交流が盛んになったことからドイツ語学習者の数が増加傾向にある。また、上記の言語と並行してロシア語の授業が行なわれている場合がほとんどである。その他、スペイン語、イタリア語、日本語、中国語等は高等教育課程から教えられる場合が多い。
 ファクリタチフとして、ソ連時代からペルシャ語、アラブ語、トルコ語、ヘブライ語等の授業があったが、1991年からは日本語の授業も開始された。
学習環境
●教材
【初等・中等教育】
 教科書使用の状況は様々であるが、いずれも深刻な教材不足が問題となっている。
【高等教育】
 トリビシ・アジア・アフリカ大学で主に使用されている教科書は次のとおり。
1年生: 『JAPANESE FOR YOUNG PEOPLE』国際日本語普及協会(講談社インターナショナル)、『みんなの日本語1』スリーエーネットワーク(スリーエーネットワーク)、『BASIC KANJI BOOK 1』加納千恵子ほか(凡人社)
2年生: 『みんなの日本語2』スリーエーネットワーク(スリーエーネットワーク)、『BASIC KANJI BOOK 2』加納千恵子ほか(凡人社)
3年生: 『新日本語の中級』海外技術者研修協会(スリーエーネットワーク)、『ニューアプローチ中級日本語』小柳昇(AGPアジア語文出版)、『どんな時使う日本語表現文型1』友松悦子ほか(アルク)、『Intermediate Kanji Bool Vol1』加納千恵子(凡人社)、『ペアで覚えるいろいろなことば』秋元美晴他(武蔵野書院)
4年生: 『新日本語の中級』(前出)、『ニューアプローチ中上級日本語』小柳昇(AGPアジア語文出版)、『どんな時使う日本語表現文型2』友松悦子ほか(アルク)、『季節で学ぶ日本語』石塚京子ほか(アルク)、『ペアで覚えるいろいろなことば』秋元美晴他(武蔵野書院)
【学校教育以外】
 日本語教育は実施されていない。
教師
●資格要件
 グルジアの教育機関で日本語を教えるためには、日本語専攻で高等教育機関を修了(学士・修士号)していることが基準となっている。ほとんどの教師が、大学卒業後、就業するまでに国際交流基金等のプログラムで日本での研修に参加している。

●教師研修
 国内では、現職の日本語教師対象の研修はない。
 国外の研修としては、国際交流基金の研修がある。
教師会
●日本語教育関係のネットワークの状況
 グルジア独自の組織は現在のところ存在していない。「CIS日本語教師会」に参加している教師がいる。

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日本語教師派遣情報
 国際交流基金、JICAからの派遣は行なわれていない。
学習目的(2006年海外日本語教育機関調査結果)

 
1.
日本の文化に関する知識を得るため  
9.
日本との親善・交流を図るため(短期訪日や日本人受入)  
 
2.
日本の政治・経済・社会に関する知識を得るため  
10.
日本語によるコミュニケーションが出来るようにするため  
 
3.
日本の科学技術に関する知識を得るため  
11.
母語、または親の母語(継承語)である日本語を忘れないため  
 
4.
大学や資格試験の受験準備のため  
12.
日本語という言語そのものへの興味  
 
5.
日本に留学するため  
13.
国際理解・異文化交流の一環として  
 
6.
今の仕事で日本語を必要とするため  
14.
父母の期待に応えるため  
 
7.
将来の就職のため  
15.
その他  
 
8.
日本に観光旅行するため   (1.〜15.から5つ選択)  
初等・中等教育/学習の目的棒グラフ 高等教育/学習の目的棒グラフ
日本語教育略史
1983年 Tbilisi Institute of Foreign Languages, Faculty of English Languageにおいて第2外国語として日本語導入。(現在休止中。実施は1983-1986年、1989-1992年の間のみ。)
1990年 Japanese Language Coursesにて日本語教育開始。(1992年まで。現在休止中。)
1991年 トビリシ・アジア・アフリカ大学にて日本語教育開始
1992年 Secondary School N34,  Author's School “Georgian School”で日本語教育(選択科目としての外国語の授業)開始
2001年 トビリシ国立大学に日本語学科設立
トリビシ・アジア・アフリカ大学の属するグルジア科学アカデミー東洋学研究所に日本センター設立
2005年 日本文化センターにおいて日本語教育開始
2006年 Georgian-English School “Britanica”において日本語教育開始

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