ホーム > 日本語教育 > 調査研究・情報提供 > 国・地域別の情報 > 日本語教育国別情報> 2009年度> ギリシャ

日本語教育

日本語教育> 調査研究・情報提供
日本語教育国別情報トップへ国別一覧へ
■ 2009年度
ギリシャ

日本語教育の実施状況
教育制度と外国語教育
学習環境
教師
教師会
日本語教師派遣情報
学習目的
●シラバス・ガイドライン
●評価・試験
日本語教育略史
参考文献一覧

●2006年海外日本語教育機関調査結果
機関数集計円グラフ 教師数集計円グラフ 学習者数集計円グラフ
海外の日本語教育の状況について機関・教師・学習者を円グラフ化しました。

日本語教育の実施状況
●全体的状況
 ギリシャにおける日本語教育は、1974年にアテネのギリシャ日本友好協会で日本人留学生を講師とする日本語コースが発足したことに始まる。以来、日本語教育は主に民間語学学校、アテネ大学有料語学クラブあるいは個人授業のレベルで実施されており、ギリシャの大学等教育機関に日本語専攻学科はない。日本語コースを設けている民間語学学校の数は現在、全国18校(アテネに14校、テサロニキに4校)である。
 ギリシャにおいて外国語教育の促進は、言語政策の優先課題であるが、EU加盟国として主にヨーロッパ言語の習得が重視・強化されている状況にあり、日本語に関する言語政策は皆無に等しく、学校教育に日本語は導入されていない。1993年にEUによる財政援助の下、公務員の成人教育の一環として日本語教育が開始され、3年間続いたが資金援助が停止した時点で同教育も消滅した。公立観光ガイド養成学校が不定期に日本語コースを設置することもあったが、同様の現象がみられた。
 日本語学習者は、毎年、ギリシャから文部科学省国費留学生5名が研究生として選出されることから、日本への留学を希望する大学生・大学院生、日本の文化、伝統芸術、武道、アニメや漫画に関心のある一般社会人や学生が主である。
 1993年以降、毎年12月に日本語能力試験が実施されており、近年受験者数の増加は顕著である。現在、ギリシャ全土の日本語学習者数は推定約700人である。

★日本語教育略史へ

●最新動向
 2002年3月シミティス首相訪日ならびに2003年5月小泉総理訪希を機に、二国間関係の深化を図る日本・ギリシャ共同行動計画が発表され、その一環として両国間の学術協力・交流の分野で、アテネ大学に日本研究を含むアジア研究学科を設置するという提案がなされたが、実際に日本研究講座の開講に向けた動きは見られなかった。2005年11月カラマンリス首相訪日の際、同首相より再び2007年の日本研究講座開講を目指す旨の発言がなされたが、教育改革をめぐる大学紛争の影響もあり、開講準備は停滞している。
 一方、ギリシャ北西部のコルフ島にあるイオニア大学通訳・翻訳学部では現在、2009年度内を目標に日本語学科を開設する手続きが進められており、今後、ギリシャ初の日本語学科として、日本語教育の普及のみならず対日理解の深化を図る重要な基盤となることが見込まれるため、一日も早い実現が望まれる。
 ギリシャでは、日本語はまだ特殊言語に位置づけられているが、日本語コースを開設する民間語学学校は確実に増えており、ギリシャ日本文化研究会(旧日本語教師会)には、日本語コースの新設を希望する民間語学学校より日本語教師照会の連絡が入ることがある。同様に、日本語能力試験の受験者数も増加傾向にあり、日本語の普及率は確実に伸びていることが窺える。
 また、最近の傾向として、日本の漫画やアニメが浸透し始めたことに伴い、日本のポップカルチャーへの関心が高まり、小・中・高校生層の日本語学習者も増えている。

●教育段階別の状況
【初等・中等教育】
 日本語教育は実施されていない。
【高等教育】
 日本語教育は実施されていない。
【学校教育以外】
 高校生・大学生・社会人層(16〜30歳ぐらい)が中心の民間語学学校、あるいは個人授業で日本語が教えられている。最近では、個人授業においては11〜16歳の年齢層も増えている。

教育制度と外国語教育
●教育制度
【教育制度】
 6-3-3制。
小学校(Dimotiko) 6〜12歳
中学校(Gymnasio) 12〜15歳
高学校(Eniaia Lykea)及び2年又は3年制の技術訓練高校(Tee) 15〜18歳
 高等教育機関は、全国統一入試による国立大学(Panepistimio:一般に4年制であるが歯学・工学系は5年、医学部6年)、国立技術教育専門大学(TEI)(3〜4年制)、市民大学(入学資格年齢22歳以上、抽選による採用)の3つに分かれている。
 義務教育は小学校・中学校の9年間。
【教育行政】
 初等・中等・高等教育機関は教育・宗教省の管轄下にある。

●言語事情
 公用語は現代ギリシャ語。

●外国語教育
 公立の学校では、小学校3年生より第1外国語として英語を履修(必修)。また、小学校5年生より英語に加え、第2外国語としてフランス語又はドイツ語を履修(必修)。
 中学校3年間は、英語の他、第2外国語としてフランス語又はドイツ語を履修(必修)。
 高校3年間は、英語又はフランス語を履修(必修)。この他、英語・フランス語・ドイツ語より1か国語を選択、それぞれ定員人数が満たされれば授業が実施される。
 大学では通常英語の履修が義務づけられるが、学部によって異なる。

外国語の中での日本語の人気
 第1に英語、次にドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語の順に他のヨーロッパ言語が圧倒的に多く学ばれている。日本語は、特殊言語の1つとして見られる向きが強く、ヨーロッパ言語に比べると人気・普及率はまだ低い。ヨーロッパ言語を重視・促進するギリシャの教育政策、ヨーロッパ言語の習得が就職に不可欠である現状、日本語学科の不在が主に反映していると考えられる。しかしながら、上記の通り日本語コースを開設する民間語学学校及び日本語能力試験の受験者数の増加、日本のポップカルチャーの人気上昇、毎年開催される日本語弁論大会への出場者及び来場者数が近年定着してきていることを踏まえ、日本語の注目度は高まりつつあると言える。

大学入試での日本語の扱い
 大学入試で日本語は扱われていない。
学習環境
●教材
【初等・中等教育】
 日本語教育は実施されていない。
【高等教育】
 日本語教育は実施されていない。
【学校教育以外】
 民間語学学校の多くは国際交流基金の教材寄贈プログラムにより日本で出版された教材(教科書・ビデオ等)を使用している。また、ギリシャで日本語教材を入手するのは困難なので、大使館図書室所蔵の日本語教材を利用する日本語教師、日本語学習者が多い。

●マルチメディア・コンピューター
 語学学校の授業においてコンピューターは利用されていないが、日本語学習者の多くは個人的にかなり利用し、インターネットで日本語能力試験に関する情報を収集したり、アニメをダウンロードしたりして学習に役立てている。
教師
●資格要件
【初等・中等教育】
 日本語教育は実施されていない。
【高等教育】
 日本語教育は実施されていない。
【学校教育以外】
 本来、民間語学学校の教師には、ギリシャ教育・宗教省が発行する教師免許の取得が義務付けられているが、日本語の場合、同免許の取得者が極端に少ないことから、学校は日本語教師採用の際、免許取得の要件をつけていないのが現状である。
 通常、日本語教師が日本人の場合、日本の大学学士号取得者であり、学士号証書にギリシャ教育・宗教省からの認証を得る必要がある。また、英語又はギリシャ語能力が求められる。ギリシャ人の日本語教師については、日本語能力試験1級、または2級取得者であることが求められる。

●教師研修
現職の日本語教師対象の研修はない。
教師会
日本語教育関係のネットワークの状況
 現在ギリシャで活動している日本語教師会は、1997年に任意団体として発足した「ギリシャ日本語教師会」が基盤となっており、2004年より日本語教育部門と文化部門から成る「日本文化研究会」に改称した。以来、これまでの教師会活動は日本語教育部門で従来通り行なっている。主な活動は、月1回の会合のほか、日本語教育に関する情報交換、12月の日本語能力試験開催準備・当日監督員作業、5月の日本語弁論大会開催運営である。

最新動向
 日本文化研究会は、2006年より正式な法人団体として認可され新たなスタートを切った。

★教師会・学会一覧へ
日本語教師派遣情報
 2007年より年1回、国際交流基金ローマ日本文化会館より日本語教育専門家1名を迎え、「日本語教育巡回セミナー」を実施している。
学習目的(2006年海外日本語教育機関調査結果)

 
1.
日本の文化に関する知識を得るため  
9.
日本との親善・交流を図るため(短期訪日や日本人受入)  
 
2.
日本の政治・経済・社会に関する知識を得るため  
10.
日本語によるコミュニケーションが出来るようにするため  
 
3.
日本の科学技術に関する知識を得るため  
11.
母語、または親の母語(継承語)である日本語を忘れないため  
 
4.
大学や資格試験の受験準備のため  
12.
日本語という言語そのものへの興味  
 
5.
日本に留学するため  
13.
国際理解・異文化交流の一環として  
 
6.
今の仕事で日本語を必要とするため  
14.
父母の期待に応えるため  
 
7.
将来の就職のため  
15.
その他  
 
8.
日本に観光旅行するため   (1.〜15.から5つ選択)  
学校教育以外/学習の目的棒グラフ
日本語教育略史
1974年 ギリシャ初の日本語コース開設(日本・ギリシャ友好協会運営)
1983年 日本語弁論大会(日本・ギリシャ友好協会主催)の実施開始
1993年 アテネで日本語能力試験の実施開始
1997年 アテネで「日本語教師会」(任意団体)が発足
2001年 日本語能力試験の独立採算化
2004年 「ギリシャ日本語教師会」が「日本文化研究会」に改称
2006年 「日本文化研究会」が邦人団体に認可
参考文献一覧
★参考文献検索ページへ

国別一覧へ




このページの先頭へもどる