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日本語教育

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■ 2009年度
ヨルダン

日本語教育の実施状況
教育制度と外国語教育
学習環境
教師
教師会
日本語教師派遣情報
学習目的
シラバス・ガイドライン
評価・試験
日本語教育略史
●参考文献一覧

●2006年海外日本語教育機関調査結果
機関数集計円グラフ 教師数集計円グラフ 学習者数集計円グラフ
海外の日本語教育の状況について機関・教師・学習者を円グラフ化しました。

日本語教育の実施状況
●全体的状況
【沿革】
 1993年のヨルダン大学文学部への青年海外協力隊員派遣により初めて日本語講座(初級)が開設、現在まで同隊員派遣による講座が継続され、近年日本語能力試験1級相当の学習者が数名生まれるに至った。2006年より2名の日本語教師隊員が派遣されていたが現在は、1名の派遣となっている。国際交流基金日本語指導者養成プログラムでヨルダン人日本語教師が修士課程を修了し帰国。日本語教育発展の転回点を迎えつつある。
 1996年から2003年まで同大学生涯学習センター(CCTSS)にJICAシニアボランティアが派遣され、ガイド養成を目的とした高レベルの講座が開設されていた。

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【背景】
 日本理解の程度は浅いが、欧米へのカウンターバランスを含めて親日的なムードが強く、特に日本の経済協力、工業製品への評価が高い。メディアを通し、文化面への関心もある程度存在する。
 一方、英国による委任統治とその後の親英米政策を反映し英語の地位は絶対的に高く、また欧州と地理的・文化的な距離が近いことからフランス語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語学習者も多い。
【特徴】
1)高等教育機関:ヨルダン大学
位置づけ: 2008年春学期からヨルダン大学文学部現代言語学科がヨーロッパ言語学科及びアジア言語学科の2つの独立した学科に分かれ、同年の秋学期から現代言語学科は外国語学部として新たに設立された。
日本語は外国語学部の選択必修科目および全学部対象の自由選択科目であり、第2外国語として位置づけられる(2007年秋学期新入生から他学部からの履修が出来なくなる)。日本語学科はないが、将来の日本語英語二重専攻の設立に向けて大学側からは博士号レベルの日本語教員の派遣を強く要請している。
学習動機: 理系学生においては日本のテクノロジーへの関心が主な動機であり、その他に日本文化(ポップカルチャーを含む)に対する関心がある。
2)一般社会人対象講座:JICA研修員同窓会日本語公開講座(JJLC)
位置づけ: ・一般社会人、ヨルダン大学以外の学生への日本語学習機会の提供
・ヨルダン大学での日本語コースを修了した後も継続学習を望む学生のフォロー
学習者規模: 初級1(20〜25人程度)、初級2(10人程度)、初級3(20人程度)、初級4(10人程度)、初級5(10人程度)を運営。初級後半クラス、コミュニカティブクラス及び日本語能力試験対策クラス(10〜15人程度)は必要に応じて開講される。
学習動機: ヨルダン大学学習者と同様の動機に加えて、日本企業・組織の雇用者、日本 訪問経験者や日本への研修・留学希望をする者等がある。

●最新動向
・ヨルダン大学外国語学部は、日本語・英語二重専攻設立の前向きな姿勢を示している。同大学は日本語教育関係機関である在ヨルダン大使館及びJICAに対し専攻設立の援助を要請している。
・当国で日本語教育を受けた学習者の中から初めて日本語教師が誕生した。日本で修士課程を修了し、現在ヨルダン大学外国語学部のアジア言語学科の日本語セクションにて正規現地人日本語教師として活躍している。
・ヨルダン大学において、「初級3」が正規に開講されているが、履修する学生の人数によって開講が中止される時期もある。
・2008年半ばからJICA事務所内で行われた一般人向け公開講座は現地組織であるJICA研修員同窓会(JAAJ)に移管された。
・ヨルダン大学や一般社会人向け公開講座の日本語学習を補助する教材の提供、首都アンマン以外の地方の日本語教育ニーズに応える目的で、ヨルダン大学日本語セクションにてEラーニングシステムを現在開発中。
・非公式ながら、バルカ実科大学でJICAシニアボランティアが日本語講座を開設し活況を呈したため、継続開設を検討中。
・私立ドイツヨルダン大学、私立スマッヤー王女大学が日本語講座設立を要請している。
・日本のIT企業が主に当国パートナー企業社員を対象に日本語初級講座を開設。
・Berlitz方式で知られている言語学校がある。「Berlitz」によるヨルダン初の商業ベースでの日本語講座が2008年春から開講しているが、委託されている日本語教師によれば、日本語学習希望者がいれば授業を行う由で恒常的に日本語クラスがあるわけではない。

●教育段階別の状況
【初等・中等教育】
 日本語教育は実施されていない。
【高等教育】
・ヨルダン大学外国語学科日本語コース
  外国語学部のアジア言語学科の選択必修科目および全学部対象の自由選択科目。1学期間ないし2〜3学期間しか日本語学習機会がなく、習得レベルは高くないため、 日本語をマスターし、それを生かした進路を多くの学生は期待していない。ただし、少数ながら日本への留学目的で学習している学生もいる。留学実現は文部科学省国費留学生となる他なく、機会が乏しいが(国費留学生5名枠に日本語学習者は毎年1名程度)、留学・研修希望者は多い。

【学校教育以外】

・JICA研修員同窓会日本語公開講座(JJLC)
  総じて知的興味から日本語を学習する者が多い。年齢層は10代から50代と幅広く、男女はほぼ同比。職業は中高生、大学生、主婦、公務員、会社員、教員、デザイナーなど多様。
教育制度と外国語教育
●教育制度
【教育制度】
 6-6-2(4)制
・初等教育:小学校(6年)
・中等教育:中等学校(6年)
・高等教育:短期大学(2年)、大学(4年)
小学校入学年齢は6歳、義務教育は10年間。

【教育行政】
 初等・中等教育を教育省が、高等教育を高等教育省が管轄している。難民キャンプを対象とする初等、中等教育は国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が実施(但し、難民がUNRWA以外の学校に入ることは可)。

●言語事情
 公用語はアラビア語。都市部を中心に英語が広く解される。
 また、知識人を中心にフランス語を話す層もある。

●外国語教育
 第1外国語として英語が小学校1年生から必須科目。

外国語の中での日本語の人気
 英語が絶対的な位置を占め、次いでフランス語、その後にドイツ、スペイン、イタリア語が続く。ヨルダン大学人文学部での選択科目としては、ヘブライ語、トルコ語、ロシア語、韓国語が人気があり、日本語はギリシャ語、中国語、ウルドゥ語と共に学生数では下位グループに位置するが、日本語教師によると学習意識の高い優秀な学生が集まっている。

大学入試での日本語の扱い
 大学入試で日本語は扱われていない。また、日本語学習歴の入学試験得点への加算もない。

学習環境
●教材
【初等・中等教育】
 日本語教育は実施されていない。
【高等教育】
・メイン教科書:『みんなの日本語初級Ⅰ』スリーエーネットワーク(スリーエーネットワーク)*初級1学習者には「ローマ字版」を使用
・文字学習:『かなをまなぼう』(国際交流基金カイロ日本文化センター)
【学校教育以外】
・メイン教科書:『みんなの日本語初級Ⅰ』(前出)*初級1学習者には「ローマ字版」を使用
・文字学習:『かなをまなぼう』(前出)現在漢字のオリジナルテキストを使用

●マルチメディア・コンピューター
・2009年の秋学期から、ヨルダン大学は日本語セクションに教室と教師専用ワークワークスペースを含む専用の新しい部屋を提供。インターネット、テレビなどのマルチメディア設備が整っている。
・JICA研修員同窓会日本語公開講座では、コンピュータを利用した教材をときどき実験的に授業に取り入れている他、文化イベントでは多用している。
・コストとインフラの点で、ヨルダンにおける高速インターネットへのアクセスが比較的容易になったため、ネットを通じた日本語によるコンテンツ(ドラマ、アニメ、歌、漫画等)への接触頻度が高まっている。
教師
●資格要件
【初等・中等教育】

 日本語教育は実施されていない。
【高等教育】
 日本語教育専攻で修士号あるいは博士号を有すること。但し、青年海外協力隊員ならびにその助手はこの要件を特別に免除されている。
【学校教育以外】
 特になし。JICA研修員同窓会日本語公開講座の場合は青年海外協力隊員、日本語教師資格をもつヨルダン人日本語教師が実施する。その他の講座では日本留学経験者等。

●日本語教師養成機関(プログラム)
 日本語教師養成を行なっている機関、プログラムはない。

●日本語のネイティブ教師(日本人教師)の雇用状況とその役割
 青年海外協力隊員1名とヨルダン人日本語教師がヨルダン大学講座と、JICA研修員同窓会日本語公開講座の教室運営を行なっている。

●教師研修
 現職の日本語教師対象の研修はない。
教師会
●日本語教育関係のネットワークの状況
  国内に日本語教育関係のネットワークはないが、中東諸国(エジプト、アラブ首長国連邦、イエメン、イラン、カタール、サウジアラビア、シリア、チュニジア、トルコ、バーレーン、モロッコ、ヨルダン、レバノンほか)の日本語教師のネットワークがある(国際交流基金カイロ日本文化センターが主催)。

●最新動向
 ヨルダン、シリア、エジプトの間では、各国日本語弁論大会審査員の相互派遣を行ない、視察、意見交換等の活発な交流を行なっている。
 ヨルダン大学にてJFカイロ日本文化センターの協力のもと、教師対象Eラーニングに関するワークショップを開催。

★教師会・学会一覧へ

日本語教師派遣情報
●国際協力機構(JICA)からの派遣(2009年4月1日現在)
青年海外協力隊
ヨルダン大学外国語学部アジア言語学科 1名

★JICAのページへ

学習目的(2006年海外日本語教育機関調査結果)

 
1.
日本の文化に関する知識を得るため  
9.
日本との親善・交流を図るため(短期訪日や日本人受入)  
 
2.
日本の政治・経済・社会に関する知識を得るため  
10.
日本語によるコミュニケーションが出来るようにするため  
 
3.
日本の科学技術に関する知識を得るため  
11.
母語、または親の母語(継承語)である日本語を忘れないため  
 
4.
大学や資格試験の受験準備のため  
12.
日本語という言語そのものへの興味  
 
5.
日本に留学するため  
13.
国際理解・異文化交流の一環として  
 
6.
今の仕事で日本語を必要とするため  
14.
父母の期待に応えるため  
 
7.
将来の就職のため  
15.
その他  
 
8.
日本に観光旅行するため   (1.〜15.から5つ選択)  
高等教育/学習の目的棒グラフ 学校教育以外/学習の目的棒グラフ
シラバス・ガイドライン
【初等・中等教育】
 日本語教育は実施されていない。
【高等教育】
 現在初級3までが公式なクラスとして開講され、最長で144時間の学習が可能である。ヨルダン大学では初級3が修了した時点で初級日本語の教育課程の約4分の1が修了できるシラバスを作成している。
【学校教育以外】
 JICA日本語公開講座では初級5までが開講され、初級5修了時点で初級日本語の教育課程の前半が修了できるシラバスを作成している。
評価・試験
 国内には共通の評価基準や試験はなく、受験希望者はカイロの日本語能力試験に参加している。日本語能力試験は学習者間でオーソライズされており、学習モチベーションにもつながっている。ただし、カイロまで自費で出かけ受験できる学習者は限られている。
日本語教育略史
1993年 ヨルダン大学人文学部での講座開設(青年海外協力隊隊員)
1996年 ヨルダン大学日本語ガイド養成講座開設
2002年 JICA日本語公開講座開設
2003年 ガイド養成講座閉鎖
米英の武力行使によるJICA関係者待避
ヨルダン人日本語教師の誕生
2008年 ヨルダン大学における現地教師の活動開始
恒常的ではないものの、Berlitz方式で知られている言語学校で、ヨルダン初の商業ベースでの日本語講座が開講している。

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