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■ 2009年度
モロッコ

日本語教育の実施状況
教育制度と外国語教育
学習環境
教師
教師会
日本語教師派遣情報
学習目的
●シラバス・ガイドライン
●評価・試験
日本語教育略史
参考文献一覧

●2006年海外日本語教育機関調査結果
機関数集計円グラフ 教師数集計円グラフ 学習者数集計円グラフ
海外の日本語教育の状況について機関・教師・学習者を円グラフ化しました。

日本語教育の実施状況
●全体的状況
【沿革】
 1982年モハメッド五世大学(ラバト)に国際交流基金から日本語教育専門家が派遣されたのをきっかけに、モロッコの公的機関における日本語教育が開始された。従来、日本語は人文学部の学生のみを対象とした選択必修外国語科目の一つであったが、2000年から公開講座へ移行したのをきっかけに、一般の学習者を受け入れるようになった。モハメッド五世大学に加え、2002年に高等水産技術学院(アガディール)、2003年にハッサン二世モハメディア大学(モハメディア校)にJICAシニア海外ボランティアが派遣され、相次いで日本語講座が開講。また、2005年秋からは、ハッサン二世モハメディア大学(カサブランカ・ベンムシック校)、シディ・モハメッド・ベン・アブドゥラ大学(フェズ)でも新規日本語講座が開講された。ミデルトの青年の家で、約8年に渡って海外青年協力隊員が青少年活動の一環として、日本語を教えていたが、2009年1月に隊員派遣終了とともにミデルトにおける講座も終了した。

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【背景】
 一般にモロッコ国民は、日本に対して「高度経済、高い技術」「勤勉な国民性」などの好印象を持っており、そこから日本語に関心を持つ者が多い。また、空手・柔道・合気道等の武道が盛んであることから、そのイメージで日本語学習に興味を持つ者も少なくない。最近では、日本のアニメやマンガ、ビデオゲームの影響で日本語に関心を示す若年層も増え、なかにはインターネットの日本語入門サイトで学習し始めた者もいる。
【特徴】
 モロッコでは、高等教育における公開講座としての日本語教育が中心であり、実利的な目的よりは日本や日本文化に対する興味をきっかけとして日本語学習を始める者が少なくない。学習者は、大学生が多数を占めるが、昼間の講座であるにも関わらず、一般社会人の受講生も多い。土曜日コースは一般社会人を対象としている講座もある。日本語学習希望者は非常に多く、講座の説明会や登録日には、定員の何倍もの人が集まるが、教師不足により学習機会を十分に提供できない状況である。また、マラケッシュ等の観光地でも、日本語学習希望者が多いが、担当教師が不在であり、ニーズに対応できていない。今後の日本語教育の発展のためには、日本人教師の増員とモロッコ人日本語教師の養成が最大の課題である。現在、モロッコ人の日本語学習者数は全国で640名。

●最新動向
 2005年8月に高等教育機関への国際交流基金からの派遣が終了し、それ以降はJICA派遣の教師により講座運営がなされている。2009年4月現在の教師数は、高等教育5名、学校教育以外1名である。また、学習者数は高等教育で610名、学校教育以外で約30名にのぼる。(ただし、高等教育機関の学習者は変動がやや激しく、学期間の最終的な学習者実数は2分の1から3分の1に減少している)。全体で見ると、日本語教育は拡大傾向にある。


●教育段階別の状況
【初等・中等教育】
 日本語教育は実施されていない。
【高等教育】
 モハメッド五世大学、ハッサン二世モハメディア大学(モハメディア校およびカサブランカ・ベンムシック校)、シディ・モハメッド・ベン・アブドゥラ大学では、公開講座が開講されている。JICAから派遣された日本人教師4名とモロッコ人教師1名が各機関にてそれぞれ日本語講座を運営している。2002年から2005年6月までは、南部のアガティールにある高等水産技術大学(2年制)の必修科目として、日本語の授業が行なわれていた。
【学校教育以外】
 アガディールの語学学校で現地に住む日本人によって日本語教育が提供されている。対象は子供から成人までと幅広く、日本語教育以外にも日本文化紹介にも力を入れている。

教育制度と外国語教育
●教育制度
【教育制度】
 6-3-3制。
 小学校が6年間(6歳〜)、前期中等教育が3年間(12歳〜)、後期中等教育3年間(15歳〜)、高等教育機関は大学、高等専門学校等。他に各種職業訓練校がある。
【教育行政】
 国民教育・高等教育・幹部育成・科学研究省が、初等・中等教育及び高等教育を管轄している。

●言語事情
 公用語はアラビア語。
 日常会話では主にアラビア語モロッコ方言、地方のベルベル人の間ではベルベル語が用いられる。また、フランス語も広く使用されている。北部地域では、スペイン語を話す者も多い。
 2003年より、一部の公立小学校にて1年生からベルベル語の学習が始められている。

●外国語教育
 小学校2年生より、第1外国語としてフランス語を学習。現在、段階的に第2外国語の学習開始年数を早める試みがなされており、公立校の一部及び私立校の多くでは3年生より英語の授業が設けられている。他校では、9年生(前期中等教育3年生)から第2外国語として、英語、スペイン語、イタリア語、ドイツ語から選択し履修。(ただし、現在9年生は、実質英語又はスペイン語のみの実施)。また、私立校においては、小学校1年生よりフランス語教育が行なわれ、各教科の学習もアラビア語に加えてフランス語でも行なわれているところがある。
学習環境
●教材
【初等・中等教育】
 日本語教育は実施されていない。
【高等教育】
 主に『みんなの日本語』スリーエーネットワーク(スリーエーネットワーク)シリーズを使用。日本で市販されている各種教材や自主制作教材も適宜使用している。辞書、文法説明等は、フランス語、英語のものを用いている。
【学校教育以外】
 『みんなの日本語』(前出)、フランス語文法説明書。
教師
●資格要件
【初等・中等教育】
 日本語教育は実施されていない。
【高等教育】
 大学が独自の予算で現地人教師を採用する場合は博士号が条件とされており、モロッコ人が正式な教師となった前例はない。現在、モハメッド五世大学で日本語教師として養成されたモロッコ人が教壇に立っているが、大学の採用条件を満たしていないためボランティア教師の立場となっている。
【学校教育以外】
 アガディールの語学学校では現地に住む日本人が日本語を教えている。

●教師研修
 国内において現職の日本語教師対象の研修はない。日本語教師希望者に対しては日本人教師が個別に対応している。

教師会
●日本語教育関係のネットワークの状況
 「JICAモロッコ日本語教師会」(2006年1月発足)
 前身は「モロッコ日本語教師連絡会」(2003年〜2006年1月)
 在モロッコ日本語教師間の相互交流の促進、及びモロッコの日本語教育環境向上のための情報交流を目的として設立。日本語弁論大会の運営等の催事開催のほか、コース運営や教材等の情報交換を行っている。
 またその他に、中東諸国(エジプト、アラブ首長国連邦、イエメン、イラン、カタール、サウジアラビア、シリア、チュニジア、トルコ、バーレーン、モロッコ、ヨルダン、レバノンほか)の日本語教師のネットワークがある(国際交流基金カイロ日本文化センターが主催)。

●最新情報
 2009年2月に日本語弁論大会を実施した。

★教師会・学会一覧へ

日本語教師派遣情報
●国際協力機構(JICA)からの派遣(2009年4月現在)
シニア海外ボランティア  
モハメッド五世大学(アグダル) 1名
ハッサン二世大学(モハメディア校) 1名
ハッサン二世モハメディア大学(カサブランカ・ベンムシック校)  1名
シディ・モハメッド・ベン・アブドゥラ大学  1名

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学習目的(2006年海外日本語教育機関調査結果)

 
1.
日本の文化に関する知識を得るため  
9.
日本との親善・交流を図るため(短期訪日や日本人受入)  
 
2.
日本の政治・経済・社会に関する知識を得るため  
10.
日本語によるコミュニケーションが出来るようにするため  
 
3.
日本の科学技術に関する知識を得るため  
11.
母語、または親の母語(継承語)である日本語を忘れないため  
 
4.
大学や資格試験の受験準備のため  
12.
日本語という言語そのものへの興味  
 
5.
日本に留学するため  
13.
国際理解・異文化交流の一環として  
 
6.
今の仕事で日本語を必要とするため  
14.
父母の期待に応えるため  
 
7.
将来の就職のため  
15.
その他  
 
8.
日本に観光旅行するため   (1.〜15.から5つ選択)  
高等教育/学習の目的棒グラフ
日本語教育略史
1982年 モハメッド五世大学(ラバト)にて日本語教育(選択必修外国語科目)開始
2000年 モハメッド五世大学(ラバト)における日本語教育が公開講座に移行
2002年 高等水産技術学院(アガディール)にて日本語講座開講
2003年 モハメッド五世大学(ラバト)における日本語教育が公開講座に移行
ハッサン二世モハメディア大学(モハメディア校)にて日本語講座開講
ミデルト青年の家にて日本講座開講
2005年 ハッサン二世モハメディア大学(カサブランカ・ベンムシック校)、シディ・モハメッド・ベン・アブドゥラ大学(フェズ)にて日本語講座開講
2009年 ミデルト青年の家の日本語講座終了(海外青年協力隊員の派遣終了のため)
参考文献一覧
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