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■ 2009年度
オランダ

日本語教育の実施状況
教育制度と外国語教育
学習環境
教師
教師会
日本語教師派遣情報
学習目的
●シラバス・ガイドライン
●評価・試験
日本語教育略史
参考文献一覧

●2006年海外日本語教育機関調査結果
機関数集計円グラフ 教師数集計円グラフ 学習者数集計円グラフ
海外の日本語教育の状況について機関・教師・学習者を円グラフ化しました。

日本語教育の実施状況
●全体的状況
【沿革】
 オランダの高等教育機関における日本語教育は、1855年、ライデン大学に日本学科が設立されたことを始まりとし、ライデン大学は今日なお欧州でも指折りの日本研究及び日本語教育の拠点として知られている。1980年代半ば以降、南オランダ大学(旧マーストリヒト外国語大学、1988年)、ロッテルダムビジネススクール(旧アジア貿易経営専門学校、1998年)等においても日本語教育が行なわれるようになった。

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【背景】
 ライデン大学の所在するライデン市は、出島の商館付医師を務めたシーボルトが日本から帰国した後居住した地であり、同人が日本から持ち帰った博物学コレクションは、オランダにおける日本への関心を惹き起こすのに寄与したといえる。近年では、両国間の好調な通商関係を背景とした日本の経済及び科学技術への関心にとどまらず、日本の現代文化への関心から日本語学習を始める例も増えてきている。
【特徴】
 オランダの大学生は、大学進学以前にほとんどが英語、ドイツ語、フランス語等、複数の欧米諸言語を習得しており、日本語学習は追加的な言語習得とみなされている。

●最新動向
 (1) 青少年層で現代日本文化(特にアニメ・マンガ)に対する関心が高まっていることなどから、日本語学習者は増加の傾向にあり、例えばライデン大学日本学科への入学者は、2006年度から毎年100名を超えている。
 (2) 日本語教育を行なう高等教育機関では、日本の大学との学生交換協定の締結を積極的に進めており、日本語を専攻する学生のうち相当数が日本留学の機会を得るようになっている。
 (3)ライデン大学では、日本語教材をオンライン・データベース化し、ヨーロッパの大学での共有を図る「欧州日本学データベース開発プロジェクト(EJSD)」に取り組んでいる。

●教育段階別の状況
【初等・中等教育】
 日本語教育は実施されていない。
【高等教育】
 (1) ライデン大学文学部日本学科は、現在、オランダにおいて日本研究を専攻することができる唯一の学科であり、研究者の育成を目的とした古典の教育も行なわれている。同大学は京都大学、長崎大学、慶應義塾大学等と学生交換協定を締結している。
 (2) 日本研究センターを有するフローニンゲン大学でも日本語講座が随時開講されている。
 (3) HBO(「教育制度」参照)である南オランダ大学、ロッテルダムビジネススクール等では、通訳の養成やビジネスでの活用を主眼とした教育が行なわれており、学生は交換留学に加えて日本企業での研修も経験する。
【学校教育以外】
 (1) オランダ教育文化科学省の主導により、1995年から2008年まで、大学卒業生を対象とした1年間の日本研修プログラム「ジャパン・プライズウィナーズ・プログラム(JPP)」が実施された。このプログラムは、ライデン大学(オランダ)及び日蘭学会(日本)で日本語及び日本社会に関する集中研修を受けた後、日本の企業、政府機関等で5か月間の研修を受けるというものであり、計210名が修了した。
 (2) 社会人向けに様々な講座を開く各地の「国民大学」(volksuniversiteit)や民間の語学教室で初中級の日本語教室が開かれている。

教育制度と外国語教育
●教育制度
【教育制度】
 8-4(〜6)-4(〜6)制。
 義務教育年齢は5〜16歳の12年間。初等教育は小学校(12歳までの約8年間。義務教育は満5歳からだが満4歳から入学可)で行なわれる。
 中等教育は、進路別に、大学進学中等教育(VWO:6年間)、上級一般中等教育(HAVO:5年間)または職業訓練中等教育(VMBO:4年間)で行なわれる。
 高等教育は、大学(WO:4〜6年)および上級職業教育(HBO:4年間)で行なわれ、それぞれVWO、HAVOの修了者が主として進学する。従来、WOでは、卒業者に対して学士号ではなく修士号を授与する独自の制度が採られてきたが、2002年以降、学士・修士制度が新たに導入された。HBOは、実務目的を目的とした教育機関であり、研究を主な目的とするWOとは本来は異なる位置付けにあったが、学士・修士制度の導入により、HBO卒業者も制度上はWOの卒業者と同じく学士号を授与されることになり、HBOも「大学」と称されるようになった。
【教育行政】
 教育機関は基本的には教育文化科学省の拠出金をもとに運営されている。

●言語事情
 主要言語はオランダ語。近年、社会人の読み書き能力の向上と移民の社会統合を進めるためにオランダ語教育を強化している。

●外国語教育
 基礎教育では、ほとんどの初等学校において最終1年間もしくは2年間の英語が必修。中等教育では英語が必修。VWOではフランス語、ドイツ語も必修であり、HAVOでは第2外国語として8か国語のなかから1言語を選択できる。

外国語の中での日本語の人気
 日本との長い交流の歴史を有するオランダでは、もともと日本語に根強い人気があるところ、近年は現代日本文化(特にアニメ・マンガ)への関心の高まりなどから、日本語の人気は、青少年層を中心に更に高まっている。

大学入試での日本語の扱い
 大学入試で日本語は扱われていない。
学習環境
●教材
【初等・中等教育】
 日本語教育は実施されていない。
【高等教育】

 大学により使用される教材は様々であるが、『みんなの日本語』スリーエーネットワーク(スリーエーネットワーク)の人気が高い。
【学校教育以外】

 初心者向けの英語教材など。

●マルチメディア・コンピューター
 各大学ともにコンピューターを読み書きや聞き取りの訓練に積極的に活用している。また、インターネットに流れている生の日本語を教材として取り入れている。
教師
●資格要件
 特になし。

●日本語教師養成機関(プログラム)
 日本語教師養成を行っている機関、プログラムはない。

●日本語のネイティブ教師(日本人教師)の雇用状況とその役割
 高等教育機関では、日本人教師の半数程度が日本人であり、常勤講師ではその割合は更に高い。

●教師研修
 国際交流基金パリ日本文化会館が実施する欧州日本語教師研修会に参加している。
教師会
 日本語教育関係のネットワークはない。
日本語教師派遣情報
 国際交流基金、JICAからの派遣は行なわれていない。
学習目的(2006年海外日本語教育機関調査結果)

 
1.
日本の文化に関する知識を得るため  
9.
日本との親善・交流を図るため(短期訪日や日本人受入)  
 
2.
日本の政治・経済・社会に関する知識を得るため  
10.
日本語によるコミュニケーションが出来るようにするため  
 
3.
日本の科学技術に関する知識を得るため  
11.
母語、または親の母語(継承語)である日本語を忘れないため  
 
4.
大学や資格試験の受験準備のため  
12.
日本語という言語そのものへの興味  
 
5.
日本に留学するため  
13.
国際理解・異文化交流の一環として  
 
6.
今の仕事で日本語を必要とするため  
14.
父母の期待に応えるため  
 
7.
将来の就職のため  
15.
その他  
 
8.
日本に観光旅行するため   (1.〜15.から5つ選択)  
高等教育/学習の目的棒グラフ 学校教育以外/学習の目的棒グラフ
日本語教育略史
1855年 ライデン大学に日本学科設立
1988年 南オランダ大学(旧マーストリヒト外国語大学)にて日本語教育開始
1998年 ロッテルダムビジネススクール(旧アジア貿易経営専門学校)にて日本語教育開始
2000年 フローニンゲン大学にて日本語教育開始
参考文献一覧
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