ホーム > 日本語教育 > 調査研究・情報提供 > 国・地域別の情報 > 日本語教育国別情報> 2009年度> スロベニア

日本語教育

日本語教育> 調査研究・情報提供
日本語教育国別情報トップへ国別一覧へ
■ 2009年度
スロベニア

日本語教育の実施状況
教育制度と外国語教育
学習環境
教師
教師会
日本語教師派遣情報
学習目的
シラバス・ガイドライン
評価・試験
日本語教育略史
参考文献一覧

●2006年海外日本語教育機関調査結果
機関数集計円グラフ 教師数集計円グラフ 学習者数集計円グラフ
海外の日本語教育の状況について機関・教師・学習者を円グラフ化しました。

日本語教育の実施状況
●全体的状況
【沿革】
 旧ユーゴスラビア時代にはベオグラード大学が日本語教育に早くから力を入れていた(ベオグラード大学における日本語講座開設は1976年)。スロベニアにおいては、1980年代にボランティアメンバー(スロベニア東方学会)による日本語講座が設けられたことに始まり、1995年に初めてリュブリャナ大学文学部アジア・アフリカ研究学科に日本研究講座(Japonologija, Japanese Studies)が設置された。現在は9名の教師陣のもと、約200名の学生が日本語を学び、人気のコースのひとつに数えられている。
 ※スロベニア共和国は1991年に旧ユーゴスラビアより独立。

★日本語教育略史へ


【背景】
 EU各国語をはじめとする広範な地域の言語教育に意欲的に取り組んでいる。「中欧」という地理的な条件や、自国語の通用範囲が限定的であることから、ヨーロッパ言語を中心に複数の外国語を取得している人々が多く、日本語や日本文化についても興味関心が高い。インターネットの普及率が高いこともあって、日本のポップカルチャー(アニメ、マンガ、ファッションなど)への関心をきっかけとして、日本語学習を始める学生が多い。
【特徴】
 1995年、リュブリャナ大学文学部アジア・アフリカ学科の設立及び同学科内の日本研究講座の設置は、アンドレイ・ベケシュ教授(文部科学省研究留学生OB、外国人叙勲受章者)の尽力に因るところが大きい。同講座は日本語教育に係る充実した教師陣を誇り、初級から上級までの講座を提供している。卒業には高いレベルの日本語能力と、成果が問われるため、厳しい講座のひとつとして位置付けられているが、その分有能な人材を輩出しているとも言える。また、筑波大学、群馬大学、東京外国語大学、東京工業大学、東北福祉大学、日本女子大学との留学生・教員・研究者交流が活発に展開されており、日本とスロベニアの人材交流に大きく貢献している。
 同大学は一般市民を対象とした公開講座も実施しており、2009年4月現在の日本語学習者総数は約200名。

●最新動向
 リュブリャナ大学では、日本語・日本研究分野に限らず、広範囲にわたった日本関連の情報発信を実践しており、客員教授の招聘による集中講義や公開講座、日本伝統芸能の紹介を取り入れた授業なども、積極的に行なっている。2009年度には、初の試みとして日本語スピーチコンテストが計画されている。また、国内第2の都市マリボルにおいても、2008年11月からマリボル大学に一般市民を対象にした公開講座が設置されている。

●教育段階別の状況
【初等教育】
 日本語教育は実施されていない。
【中等教育】
 複数の高校で課外活動的な位置づけで日本語教育が行なわれており、高校で選択科目として取り上げることを検討中である。
【高等教育】
 1995年、リュブリャナ大学文学部アジア・アフリカ学科内に日本語・日本研究講座が設置された。日本研究に必要な日本語理解力をつけると共に、スロベニアと日本との交流を支援できる専門家、即ち、翻訳・ビジネス・コンサルティング・貿易・観光・報道・語学教師などの専門家として活躍するのに必要な技能を身につけることを目的としている。常勤講師数9名(2009年4月現在)、日本語学習者数約200名(2009年4月現在)。ダブル・メジャー制をとっており、4年間で日本語を初級から上級までマスターし、日本語を使って日本に関する研究をしながら、もう一つの専攻も修了する必要があるため、通常卒業までに5〜6年を要する。
【学校教育以外】
 リュブリャナ大学及びマリボル大学が一般市民(中学生、高校生、社会人)を対象とした公開講座を実施している。リュブリャナ大学における学習者数は、初級15名、中級15名程度である。(2009年4月現在)。マリボル大学の講座は、2008年11月に開設されたものである。

教育制度と外国語教育
●教育制度
【教育制度】
 (別図参照 出典スロベニア教育科学スポーツ省ホームページ
  Education System in Slovenia, General Description Structure,

 独立後スロベニアは教育制度改革を徐々に推進し、1996年から2000年にかけて教育に関する新しい法律が多く立法化された。
 義務教育に関しては、1999年、2000年より、8年制から9年制への変更が進んでいる。8年制では、2サイクル(各4年)から構成される基礎学校に6歳6ヶ月から入学。9年制基礎学校は3サイクル(各3年)から構成され、5歳6ヶ月から入学。
 中等教育は、一般教育高等学校(ギムナジヤ)、職業教育高等学校、専門学校等から成り、期間も様々であるが一般教育高等学校、職業教育高等学校は4年制。一般教育中高等学校ならびに職業教育高等学校の終了時には卒業試験を経て大学入学資格を取得する。
 大学では、4年から6年をかけてディプロマ及び最初の学位を取得。研究を進める学生は大学院に進学し、修士号に相当する2つ目の学位(マギステル)、更には博士号を取得する。
【教育行政】
 教育・科学・スポーツ省が教育全般を所管している。
 専門学校教育、特別なニーズを持った児童のための特別教育、職業教育等については、一部他の省庁(労働・家族・社会省、雇用促進省、厚生省など)が所管。

●言語事情
 公用語はスロベニア語(母語話者約90パーセント)。少数民族言語はイタリア語とハンガリー語で、少数民族居住地域の公用語として併用。その他、旧ユーゴ諸民族の言語が母語話者によって使用されている。

●外国語教育
 基礎学校より第1外国語(必修科目)として、英語・ドイツ語・フランス語・イタリア語・ハンガリー語より選択。一般教育高等学校より、第2外国語として英語・ドイツ語・フランス語・イタリア語・ハンガリー語、ロシア語、スペイン語から選択。
学習環境
●教材
【初等・中等教育】
 日本語教育は実施されていない。
【高等教育】
 初級 "SODOBNI JAPONSKI JEZIK" I: PRVI KORAKI (『現代日本語 I 上』)
"SODOBNI JAPONSKI JEZIK" II: OSNOVE (『現代日本語 I 下』)
(リュブリャナ大学文学部出版)
 中級 『文化中級日本語I』文化外国語専門学校(文化外国語専門学校)ほか
 上級 『文化中級日本語II』文化外国語専門学校(文化外国語専門学校)ほか

【学校教育以外】
 リュブリャナ大学の公開講座では、講師が適宜選択。

●マルチメディア・コンピュータ
 日本語教育にマルチメディア・コンピューターは使用されていない。
教師
●資格要件
【初等・中等教育】
 日本語教育は実施されていない。
【高等教育】
 助教授以上は博士号所有、研究業績、国内・国外における日本語教育・日本語研究の業績等が要求されている。助手およびlektor(母語話者の語学教員)の場合は、修士号、教師経験等一定程度の業績が必要。
【学校教育以外】
 リュブリャナ大学の公開講座は、大学の講師が担当。

●日本語のネイティブ教師(日本人教師)の雇用状況とその役割
 リュブリャナ大学では、常勤講師数9名のうち、日本人講師4名。

●教師研修
 交流協定の一環として、筑波大学などの学生が毎年5〜10名前後集まり、集中教育実習を行なっている。
教師会
●日本語教育関係のネットワークの状況
 日本研究が行なわれているのがリュブリャナ大学の1機関しかないため、同大学の学科会議がその役割を果たしている。
日本語教師派遣情報
 国際交流基金、JICAからの派遣は行なわれていない。
学習目的(2006年海外日本語教育機関調査結果)

 
1.
日本の文化に関する知識を得るため  
9.
日本との親善・交流を図るため(短期訪日や日本人受入)  
 
2.
日本の政治・経済・社会に関する知識を得るため  
10.
日本語によるコミュニケーションが出来るようにするため  
 
3.
日本の科学技術に関する知識を得るため  
11.
母語、または親の母語(継承語)である日本語を忘れないため  
 
4.
大学や資格試験の受験準備のため  
12.
日本語という言語そのものへの興味  
 
5.
日本に留学するため  
13.
国際理解・異文化交流の一環として  
 
6.
今の仕事で日本語を必要とするため  
14.
父母の期待に応えるため  
 
7.
将来の就職のため  
15.
その他  
 
8.
日本に観光旅行するため   (1.〜15.から5つ選択)  
高等教育/学習の目的棒グラフ
シラバス・ガイドライン
 統一シラバス、ガイドライン、カリキュラムはない。
評価・試験
 共通の評価基準や試験はない。
日本語教育略史
1976年 ベオグラード大学にて日本語講座開設(旧ユーゴスラビア時代)
1980年代 ボランティアメンバー(スロベニア東方学会)による日本語講座開始
1995年 リュブリャナ大学文学部アジア・アフリカ学科に日本語・日本研究講座設置
2008年 マリボル大学文学部に、公開講座として日本語講座設置
参考文献一覧
★参考文献検索ページへ

国別一覧へ




このページの先頭へもどる