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■ 2009年度
スペイン

日本語教育の実施状況
教育制度と外国語教育
学習環境
教師
教師会
日本語教師派遣情報
学習目的
●シラバス・ガイドライン
●評価・試験
日本語教育略史
参考文献一覧

●2006年海外日本語教育機関調査結果
機関数集計円グラフ 教師数集計円グラフ 学習者数集計円グラフ
海外の日本語教育の状況について機関・教師・学習者を円グラフ化しました。

日本語教育の実施状況
●全体的状況
【沿革】
 公的機関で正式に日本語が教えられ始めたのは、1975年、マドリード国立語学学校が最初である。1980年代末から1990年代にかけて、各地の大学を中心に日本語講座設置の動きが活発化し、2003年3月には、日本を含むアジア研究への需要に鑑み、スペイン政府により東アジア研究学士課程の設置が承認され、マドリード・アウトノマ大学、バルセロナ自治大学、サラマンカ大学、カタルーニャ公開大学の4大学において同学士課程が新設された。2008年より、サラマンカ大学の東アジア研究課程は学士課程から修士課程に移行された。その他、全国20校以上の大学において付属語学センターなどで日本語講座が設置されている。

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【背景】
 スペインでは70年代中頃以降、30年近く続いていた独裁政権から民主化への移行に大きなエネルギーが注がれたため、他の欧州諸国と比べ国際化という点で大きく遅れをとり、アジア地域を含む欧州以外の地域に対する関心が低かった。しかし、EU加盟後の目覚しい経済発展の後押しを受け、それまで関係が薄かった国・地域に対する関心が高まり、現在では官民をあげて日本やアジア諸国との関係強化に取り組んでいる。2001年には、政府が掲げた「プラン・アジア」に基づき、スペインとアジア諸国の学術・文化・経済交流促進を目的としたカサ・アシアが設立された。また、2003年には国内の大学における東アジア研究課程の設置が認められ、国内4大学において同課程が開講された。
 市民レベルにおいては、日本に関する情報が十分に広がっているとは言えないものの、対日評価・対日関心は非常に良好であり、伝統文化、日本食、武道などに対する関心が高いほか、近年では、日本のマンガ・アニメへに傾倒する若年層を中心に日本語を学習する人々が増加しており、大学、公立語学学校のほか、民間語学学校において日本語コースを増設する需要が高まっている。
【特徴】
 大学を中心とする高等教育機関、公立語学学校(EOI)、および民間語学教育機関(いわゆる語学学校)による日本語教育が中心であり、初等・中等教育機関での日本語教育は行なわれていない。

●最新動向
(1)2003年3月、スペイン政府により東アジア研究学士課程の設置が承認され、マドリード・アウトノマ大学、バルセロナ自治大学、サラマンカ大学、カタルーニャ公開大学の4大学において同学士課程が設置された。サラマンカ大学では2008年に同研究課程を修士課程へと移行した。しかし、現在欧州内で進められている高等教育制度改革の影響で、当国では未だマイノリティーの存在である東アジア課程の存続が危ぶまれており、今後注視していく必要がある。
(2)昨今のスペインにおける日本ブームを反映した形で、全国各地の大学、語学学校において日本語コースが新設され、毎年徐々に増加傾向にある。近年では2007年にオビエド大学および公立語学学校2校(ビゴ、ア・コルーニャ)、2008年にはサラゴサ大学、カナリア諸島の公立語学学校2校(テルデ、オロタバ)において日本語講座が新設された他、カタルーニャを中心とする民間語学学校における日本語講座開設も目立っている。
(3)スペインでは従来、バルセロナ市のみにおいて日本語能力試験が実施されてきたが、近年の受験者数の増加を受けて2006年より初めてマドリード市においても同試験の実施を開始したところ、同年のスペイン全体の受験者数は前年比約2倍と急増した。2007年、2008年も引き続き増加しているが、特に2008年においては、応募者数増加率が前年比約30%と急伸し、欧州地域の受験者数で見ると、ロシア、フランス、ドイツに続き第4位の位置を占めるまでになっており、当国における日本語ブームを反映していると言える。


●教育段階別の状況
【初等・中等教育】
 日本語教育は実施されていない。
【高等教育】
 大学学部の選択科目の1つとして設置されているほか、大学付属の語学センターにおいて、通年または夏季集中講座として日本語講座を設置されているケースも多く見られる。なお、東アジア研究課程に基づく日本研究コースにおいては日本語履修が必修である。日本語学習者の中には文部科学省国費留学生、国際交流基金等による各種日本関連研修などに応募する者が少なくない。
【学校教育以外】
 公立語学学校(EOI)9校と、マドリード、バルセロナを中心に、民間の語学教育機関(いわゆる語学学校)20校以上において日本語コースを設置。

教育制度と外国語教育
●教育制度
【教育制度】
 6-4-2制。
 幼児教育が3年間(3〜6歳)、義務教育は、小学校6年間(6〜12歳)、前期中等教育機関(エソ)4年間(12〜16歳)までの10年間。その後、後期中等教育機関(バチリェラト)2年間(16〜18歳)。高等教育機関は大学(4〜6年。専攻によって異なる)、技術系大学、職業教育を中心とする3年課程の短期大学など。
【教育行政】
 教育法に定められた基本的枠組みの中で、17の自治州に対して教育制度に関する自治が認められており、各自治州によってカリキュラムの内容等は異なる(例えば、カタルーニャやバスクなど、スペイン語以外の公用語を持つ自治州では、州公用語の授業の義務化など)。

●言語事情
 憲法によってスペイン語がスペイン全土の公用語として定められているが、自治州によってはその州の言語が併用されている(ガリシア州、バスク州、カタルーニャ州、バレンシア州等)。

●外国語教育
 小学校1年生より英語を履修(必修)。中学校1年生より第2外国語を選択。一部の学校では試験的に中国語教育を開始。

外国語の中での日本語の人気
 近年は、日本のマンガやアニメの人気が高まっていることもあり、「マンガを原語で読みたい」というような動機で日本語学習を始める例が多く見られ、日本語の人気は高いと言えるが、相対的な学習者数は、英語や主要欧州言語、中国語よりも少ない状況である。

大学入試での日本語の扱い
 大学入試で日本語は扱われていない。
学習環境
●教材
【初等・中等教育】
 日本語教育は実施されていない。
【高等教育】
 日本で出版された教材(主に『みんなの日本語』スリーエーネットワーク(スリーエーネットワーク))が使用されている。
【学校教育以外】
 近年の傾向として、スペイン語による日本語教材の出版があり、マンガで学ぶ日本語教材(Japones en Vinetas)は初心者に広く受け入れられているほか、『NIHONGO』、『スペイン語圏の人たちのための日本語基礎文法』などが出版されている。

●マルチメディア・コンピューター
 通信教育を利用する日本語学習者数も増加傾向にある。
教師
●資格要件
【初等・中等教育】
 日本語教育は実施されていない。
【高等教育】
 日本語教師としての資格は未だ明確ではないが、各大学の日本語講師の場合、学士号以上の学歴を有し、日本語教育の経験を有していることが一応の基準となっている模様。なお、各大学独自の選考によって採用が決定されている。
【学校教育以外】
 スペイン人が公立語学学校(EOI)の教師となる場合は、学士号を有し、かつ公立語学学校(EOI)の日本語学科を卒業していることが条件となり、書類審査、採用試験を経て決定される。

●教師研修
 スペイン国内では、現職の日本語教師対象の研修制度はない。
 海外研修としては、国際交流基金の日本語教師訪日研修やパリ日本文化会館主催の日本語教師研修プログラムがある。
教師会
●日本語教育関係のネットワークの状況
 バルセロナ日本語教師会が存在し、会員は約20名。これまでスペイン全土を網羅するネットワークは存在しなかったが、現在2009年内の発足を目処にスペイン日本語教師会立ち上げの準備が進められている。

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日本語教師派遣情報
国際交流基金、JICAからの派遣は行なわれていない。

●その他からの派遣
 アルカラ・デ・エナーレス大学では大学間交流の日本語講師派遣として1名が派遣されている。
学習目的(2006年海外日本語教育機関調査結果)

 
1.
日本の文化に関する知識を得るため  
9.
日本との親善・交流を図るため(短期訪日や日本人受入)  
 
2.
日本の政治・経済・社会に関する知識を得るため  
10.
日本語によるコミュニケーションが出来るようにするため  
 
3.
日本の科学技術に関する知識を得るため  
11.
母語、または親の母語(継承語)である日本語を忘れないため  
 
4.
大学や資格試験の受験準備のため  
12.
日本語という言語そのものへの興味  
 
5.
日本に留学するため  
13.
国際理解・異文化交流の一環として  
 
6.
今の仕事で日本語を必要とするため  
14.
父母の期待に応えるため  
 
7.
将来の就職のため  
15.
その他  
 
8.
日本に観光旅行するため   (1.〜15.から5つ選択)  
高等教育/学習の目的棒グラフ 学校教育以外/学習の目的棒グラフ
日本語教育略史
1975年 マドリード国立語学学校にて日本語教育開始
1980年代末
〜1990年代
各地の大学で日本語講座設置が活発化
2003年 スペイン政府により東アジア研究学士課程の設置が承認される(現在までに、マドリード・アウトノマ大学、バルセロナ自治大学、サラマンカ大学、カタルーニャ通信制大学において新設)
2007年 オビエド大学および公立語学学校(ビゴ、ア・コルーニャ)にて日本語講座開講
2008年 サラゴサ大学および公立語学学校2校(テルデ、オロタバ)において日本語講座開講
参考文献一覧
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