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日本語教育

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■ 2009年度
シリア

日本語教育の実施状況
教育制度と外国語教育
学習環境
教師
教師会
日本語教師派遣情報
学習目的
●シラバス・ガイドライン
●評価・試験
日本語教育略史
参考文献一覧

●2006年海外日本語教育機関調査結果
機関数集計円グラフ 教師数集計円グラフ 学習者数集計円グラフ
海外の日本語教育の状況について機関・教師・学習者を円グラフ化しました。

日本語教育の実施状況
●全体的状況
【沿革】
 1979年、在シリア日本大使館主催の日本語講座開講(1999年に閉鎖)によって、シリアの日本語教育は開始された。
 1995年にはホテル観光学校日本語コース(2000年に閉鎖)に、またSSRC(シリア国立科学技術研究所)にも日本語コース(1999年に閉鎖)が設置されたが、日本語教育機関・学習者数ともに近年までは顕著な発展は見られなかった。
 しかし1995年にアレッポ大学学術交流日本センター、1999年にはダマスカス大学付属言語センター・日本センター(元「ダマスカス大学付属言語研究所・日本研究センター」2009年1月より正式名称変更。)と、大学内に本格的な日本研究機関が設立されると、これらを中心に日本語学習者は数・習熟度ともに飛躍的な向上を見せた。2002年9月にはダマスカス大学人文学部内に日本語学科が開設された。アレッポ大学学術交流日本センターやダマスカス大学付属言語センター・日本センター(ダマスカス大学日本語学科の学生も一部参加)では受講者が日本語教師のサポートを得つつ、自主的に日本文化祭を企画・運営するなど、日本文化をシリアで積極的に紹介しようとする動きが見られる。
 2001年にはエジプトで中東日本語弁論大会が開催され、シリアからも代表が参加した。
 日本語能力試験は、約10名程度の日本語学習者が受験している。2008年には2級を6名が受験し3名合格、3級を1名が受験し合格。

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【背景】
 日本は、第二次世界大戦の敗北から奇跡的な経済復興を成し遂げた国として(特に経済力及び技術力の高さにおいて)注目されており、国民は概して親日的である。
 日本に関する情報はあまり多くないが、対シリア経済協力の増加や大使館及び各日本語教育機関主催日本文化行事の開催により、日本への関心はさらに高まりつつある。文部科学省研究留学生の応募者の倍率が、例年約40〜50倍に上るほど、日本留学希望者が年々増加しており、留学準備としての日本語学習者も増加している。また、近年では、当国でテレビ放映されたアニメ等日本のポップカルチャーの影響で日本語を学習する者も増えている。
【特徴】
 2009年5月現在、ダマスカス、アレッポの2都市3機関で日本語教育を実施している。一般社会人にも開放されている機関もあるため、社会人学習者も多い。
 設立から約10年を経たアレッポ大学学術交流日本センター及びダマスカス大学付属言語センター・日本センターでは、卒業生の中から日本語教師を育成する動きがある。一方で、第一期卒業生を2006年9月に送り出したダマスカス大学付属言語センター・日本センターは、日本研究者育成が大きな課題となっている。各機関は、学習者の意欲は旺盛であるものの、それに応える施設、教材の不足、教師の待遇の悪さ等の問題を抱えている。2006年にダマスカス大学人文学部日本語学科は第一期卒業生14名を送り出し、2008年3月にダマスカス大学学長の主導で卒業式が盛大に行なわれた。卒業生のうち、3名が日本語学科日本語教員に採用され(現在は3名とも退職し、新たに別の非常勤講師が1名雇用されている)、3名が日本に留学(日本語学科研究助手であった2名も2009年4月より研究留学)、他はJICA他関連子会社、他シリア企業、湾岸諸国企業などに就職した。

●最新動向
 日本語スピーチコンテストを毎年開催(2009年は第12回目)。参加者の日本語レベルは毎年向上している。

●教育段階別の状況
【初等・中等教育】
 日本語教育は実施されていない。
【高等教育/学校教育以外】
 以下の3機関で日本語教育が行なわれており、うち2機関では大学単位として認定されている。
 (1)ダマスカス大学人文学部日本語学科(大学単位認定)
   同学科在籍者(2009年5月現在2年生29名、3年生16名(うち2名留学中)、4年生19名)のみ対象
   教師:日本人4名、シリア人3名(別に学科長1名)。
 (2)ダマスカス大学付属言語センター・日本センター
   一般社会人、学生対象(2009年5月現在約50名)
   教師:日本人2名(JOCV2名)、シリア人2名
 (3)アレッポ大学学術交流日本センター(一部、大学単位認定)
   一般社会人、学生対象(2009年5月現在124名)
   ※アレッポ大学文学部第2外国語として単位認定。
   教師:日本人2名、シリア人1名

教育制度と外国語教育
●教育制度
【教育制度】
 6-3-3制。
 中等教育以降の教育機関として、大学および専門学校(2年間ないし3年間)がある。
 大学は学部が4年間から6年間(工学部、薬学部5年間、医学部6年間)で、それ以降のコースとしては、1年間のディプロマ・コース、2年間の修士コース、3年間の博士コース(最高学位)がある。大学卒業後、海外留学を希望する者が多く、各国政府奨学金への応募者が非常に多い(日本の文部科学省奨学金の他にフルブライト奨学金、フランス政府、ドイツ政府奨学金等)
 義務教育は9年間。
【教育行政】
 初等・中等教育は教育省の管轄。
 高等教育は高等教育省の管轄となっている。

●言語事情
 アラビア語が公用語。
 国民の大半はアラビア語を母語とするが、一部少数民族の言語(アルメニア語、クルド語、チェルケス語、アラム語等)も存在する。教育は一部を除いてすべてがアラビア語で行なわれている。

●外国語教育
 バッシャール・アル=アサド大統領は、2000年の就任以後、教育改革の一環として、外国語教育重視策をとり、英語教育の低年齢化の傾向にある。2003年以降、6歳(初等教育1年)から英語教育を開始し、フランス語教育は、13歳(中等教育1年)から開始する。
 高等教育では、大学内に正式に学科のある外国語は、ダマスカス大学をのぞいては英語、フランス語のみで、それ以外の言語(日本語を含む)は大学附属の語学センター等で教えられている。従来、第2外国語の選択肢は、フランス語、ドイツ語、ロシア語等に限られていたが、2001年より、アレッポ大学では第2外国語の選択肢の一つとして日本語が加えられるようになった。

学習環境
●教材
【初等・中等教育】
 日本語教育は実施されていない。
【高等教育】
 アレッポ大学学術交流日本センター :『みんなの日本語初級ⅠⅡ』スリーエーネットワーク(スリーエーネットワーク)、『中級日本語』東京外国語大学留学生日本語教育センター(凡人社)
 ダマスカス大学人文学部日本語学科 :『みんなの日本語初級ⅠⅡ』(前出)、『ニューアプローチ中級日本語 基礎編改訂版・完成編』小柳昇(AGPアジア語文出版)、『トピックによる日本語総合演習 中級前期・中級後期・上級』専修大学国際交流センター(スリーエーネットワーク)
【学校教育以外】
 アレッポ大学学術交流日本センター :『みんなの日本語初級ⅠⅡ』(前出)、『中級日本語』(前出)
 ダマスカス大学付属言語センター・日本センター:『みんなの日本語初級ⅠⅡ』(前出)、『日本語中級J301-基礎から中級へー』土岐哲ほか(スリーエーネットワーク)

●マルチメディア・コンピューター
 シリアでは、コンピューターが充分に普及しておらず、マルチメディア・コンピューターを使用した日本語教育については、教師・学生の双方から強く希望されているが、設備が充分に整っておらず、今後の課題となっている。
教師
●資格要件
1.
ダマスカス大学人文学部日本語学科:学位条件有
1)教授:Ph.Dの学位保有者
2)講師:学士号以上保有者(ただし、学士号のみの保有者は取得後5年以上経っていること)
日本人教員4名のうち、3名は国際交流基金派遣日本語教育専門家、ジュニア専門家及び海外日本語教育指導助手。1名は大学が採用した専任講師。
3)シリア高等教育省は2007年度に3名のシリア人助手を募集、採用(うち1名は辞退)。
2.
ダマスカス大学付属言語センター・日本センター、アレッポ大学学術交流日本センター
JICA派遣青年海外協力隊員が日本語教師を務めている。
3.
シリア人日本語教師
1) 日本留学経験者(1年以上の長期留学者。日本語教育学位の必要はない)。
2) 当国日本語学習者:大卒以上、学習歴2年以上(初級修了程度)かつ日本語能力試験3級の取得を目安としている。アレッポ大学では、数年後の教師採用に向け、初級修了者をトレーニング中。
*ダマスカス大学付属言語センター・日本センター:大卒以上、日本語能力試験2級レベル

●教師研修
 ダマスカス大学日本語学科: 同学科で勤務しているシリア人講師に対し、実際に「日本事情」「文法」「読解」等の授業を担当してもらい、毎週、授業教案の提出を義務づけ、助言を行なう。また、中級日本語の教授法勉強会を実施し、教材の使い方、カリキュラム作成法、会話授業の工夫等を指導。
 ダマスカス大学付属言語センター・日本センター:日本留学経験者やシリアで日本語教育を受けた者等、公募にてシリア人日本語講師を募集し、合格者に対して全15回の研修(教授法理論、実習等)を行なっている。(経験や能力等により研修期間は異なる。)採用までの試用期間中(7週間)は授業前に補助教師と打ち合わせを行ない、補助教師が授業見学をし、フィードバックを行なう。また国際交流基金海外日本語研修へシリア人教師の派遣も行なっている。
 アレッポ大学学術交流日本センター:受講者の成績優秀者をアシスタントとして採用し、初級クラス(レベル1)の前回授業の復習部分を30分程度担当。また、体験コース(1週間)で日本語、及び日本文化紹介を行なったり、行事の運営補佐を務めたりする。
教師会
●日本語教育関係のネットワークの状況
 「在シリア日本語教師会」があり、当国在住の日本語教師らが会員となっている。
 同会は日本語スピーチコンテストを毎年開催しており、情報交換を随時行なっているが、定期的な教師会や学会は存在しない。
 また、中東諸国(エジプト、アラブ首長国連邦、イエメン、イラン、カタール、サウジアラビア、シリア、チュニジア、トルコ、バーレーン、モロッコ、ヨルダン、レバノンほか)の日本語教師の組織である「中東日本語教師連絡会」がある。

●最新動向
 2009年第12回目となる日本語スピーチコンテストを開催。

★教師会・学会一覧へ
日本語教師派遣情報
●国際交流基金からの派遣(2009年4月1日現在)
日本語教育専門家

ダマスカス大学 1名

ジュニア専門家
ダマスカス大学 1名

日本語教育指導助手
ダマスカス大学 1名



★「世界の日本語教育の現場から」のページへ

●国際協力機構(JICA)からの派遣(2009年4月1日現在)
青年海外協力隊

アレッポ大学学術交流日本センター 2名
ダマスカス大学付属言語センター・日本センター 2名

★JICAのページへ

学習目的(2006年海外日本語教育機関調査結果)

 
1.
日本の文化に関する知識を得るため  
9.
日本との親善・交流を図るため(短期訪日や日本人受入)  
 
2.
日本の政治・経済・社会に関する知識を得るため  
10.
日本語によるコミュニケーションが出来るようにするため  
 
3.
日本の科学技術に関する知識を得るため  
11.
母語、または親の母語(継承語)である日本語を忘れないため  
 
4.
大学や資格試験の受験準備のため  
12.
日本語という言語そのものへの興味  
 
5.
日本に留学するため  
13.
国際理解・異文化交流の一環として  
 
6.
今の仕事で日本語を必要とするため  
14.
父母の期待に応えるため  
 
7.
将来の就職のため  
15.
その他  
 
8.
日本に観光旅行するため   (1.〜15.から5つ選択)  
高等教育/学習の目的棒グラフ
日本語教育略史
1979年 在シリア日本大使館主催の日本語講座開講(1999年に閉鎖)
1995年 ホテル観光学校日本語コース設置(2000年に閉鎖)
SSRC(シリア国立科学技術研究所)にも日本語コース設置(1999年に閉鎖)
アレッポ大学学術交流日本センター設立
1999年 ダマスカス大学日本研究センター(1999年時点での正式名称:ダマスカス大学付属言語センター・日本研究センター)設立
「シリア日本語教師会」発足
2002年 ダマスカス大学人文学部内に日本語学科開設
2009年1月 ダマスカス大学「言語センター・日本研究センターLanguage Center Japanese Studies Center」が「ダマスカス大学付属言語センター・Japanese Language Section, Higher Language Institute of Damascus University」と正式名称を変更
参考文献一覧
★参考文献検索ページへ

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