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日本語教育

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■ 2009年度
タイ

日本語教育の実施状況
教育制度と外国語教育
学習環境
教師
教師会
日本語教師派遣情報
学習目的
シラバス・ガイドライン
評価・試験
日本語教育略史
参考文献一覧

●2006年海外日本語教育機関調査結果
機関数集計円グラフ 教師数集計円グラフ 学習者数集計円グラフ
海外の日本語教育の状況について機関・教師・学習者を円グラフ化しました。

日本語教育の実施状況
●全体的状況
【沿革】
 戦後の本格的な日本語教育は、1960年代中頃、タマサート大学およびチュラーロンコーン大学に日本語講座が設けられたことによって始まり、大学(とくにバンコクの総合大学)を中心に進んできた。1980年代になると、バンコクの総合大学の卒業生の中から日本語教師になる者が増え、徐々に他の総合大学へと日本語教育は広まった。また、1981年には、後期中等教育(高校)の第2外国語の1つ(8つの外国語から1つを選択)として正式に日本語が加えられたことにより、中等教育段階でも日本語教育が広まり始めた。1980年代後半から、高等教育では総合大学だけではなく、各地域にあるラチャパット大学(各地の教員養成大学から発展した地域密着型大学)でも日本語講座開設が増える一方、1990年代後半には、タマサート大学、チュラーロンコーン大学に大学院が設置された。また、日本語を教える中等学校(主に後期課程)の増加も著しい。

★日本語教育略史へ

【背景】
 このような日本語教育の進展の背景には、親日的感情、日本とタイの経済関係の強さ、アニメや歌、コンピューターゲームといった日本のサブカルチャーの流入などが挙げられる。また、大学を中心として発展してきた日本語教育の土台があることに加え、近年の中等教育の学習者の伸びには、バンコク日本文化センターとタイ教育省が共催で実施してきた中等学校現職教員日本語教師新規養成講座の存在も大きい。
【特徴】
 日本語は依然人気の高い外国語であり、中等教育や高等教育段階の学習者が多い。
 バンコク日本文化センターが独自に実施している日本語教育機関調査(2008年8月現在)によると、特に初・中等教育段階での増加が顕著で、283機関が日本語コースを開講、教師数は475名である。

●最新動向
・『仏暦2551年(西暦2008年)基礎教育カリキュラム』の発表
 2008年7月11日付タイ教育省令により、以下に詳述の通り、基礎教育機関(初等・中等)は「仏暦2544年(西暦2001年)基礎教育カリキュラム」の代わりに「仏暦2551年(西暦2008年)基礎教育カリキュラム」を使用することが公示された。
 教科は「タイ語」「数学」「理科」「社会科・宗教・文化」「保健体育」「美術・音楽・舞踊」「職業訓練・工業技術」「外国語」の8つのグループに分けられ、日本語は外国語の中に含まれている。
 新カリキュラムでは、外国語の4つの学習内容((1)コミュニケーションのための言語、(2)言語と文化、(3)言語とほかの学習内容グループとの関係、(4)言語とコミュニティーや世界との関係)の各学年における到達レベルが具体的に書かれていることと、各学年における学習時間数が明記されているのが特徴である。

「仏暦2551年(西暦2008年)基礎教育カリキュラム」の使用開始時期については以下の通り。
 A.モデル校と教育省が公示した学校
  2009年度 小学校1〜6年、中等学校1年と4年(日本の中学1年と高校1年に相当)
  2010年度 小学校1〜6年、中等学校1年、2年、4年、5年(日本の中学1年、2年と高校1年と2年に相当)
  2011年度以降は小学校1〜6年、中等学校1〜6年(日本の中学1〜 3年と高校1〜3年に相当)
 B.その他の一般の学校
  2010年度 小学校1〜6年、中等学校1年と4年(日本の中学1年と高校1年に相当)
  2011年度 小学校1〜6年、中等学校1年、2年、4年、5年(日本の中学1年、2年と高校1年と2年に相当)
  2012年度以降は 小学校1〜6年、中等学校1〜6年(日本の中学1〜 3年と高校1〜3年に相当)

・日本語教育国際シンポジウム「東南アジアにおける日本語教育の展望」開催:
 2006年にインドネシアで開催された東南アジア日本語サミットに引き続き、東南アジアにおける日本語教育の発展を目指し、ネットワーク構築の促進、学術的な交流を目的とした国際シンポジウムが、2008年10月16、17日、タマサート大学教養学部日本語学科主催で開催された。1日目の午前中には、東南アジア7カ国の日本語教育関係者をパネリストとし、「東南アジアにおける言語政策と日本語の位置づけ」というテーマでディスカッションが行われ、1日目の午後と2日目の午後は研究発表が行われた。

・タイ初の日本語教育関係の学会が誕生:
 タイ日本語教師会(通称:JTAT)が2009年1月に法人化され、その名称を「タイ国日本語日本文化教師協会(英語名:Japanese Language and Culture Teachers Association of Thailand/通称はこれまでどおりJTAT)」に変更した。法人となったことにより、タイで初の日本語教育関係の学会が誕生したことになる。

●教育段階別の状況
【初等・中等教育】
 1981年に、日本語は後期中等教育学校(高校)の第2外国語(全部で8言語)の中の1科目に加えられ、その後は年を追うごとに機関数、教員数、学習者数が増加している。教員は約70%がタイ人だが、日本人教師も30%ほどおり、貢献している。2008年7月、教育省より新カリキュラムが発表され、この中で日本語は、8つの学習カテゴリー(タイ語、数学、外国語など)のうちの「外国語科目」の1つとして位置付けられている。
 前期中等教育学校(中学校)では、近年日本語を新設するところが出てきた。一方、初等教育では日本語教育を行なう機関はまだ少なく、国立大学附属学校などでわずかに行なわれている。
【高等教育】

 バンコク日本文化センターが独自に実施している日本語教育機関調査(2008年8月現在)によると、国立・私立大学を合わせて全112校のうち89の大学で日本語教育が行なわれている。そのうち主専攻学科を持つ大学は、国立が16校(19学科)、私立が5校である。主専攻学科は文学部や人文(社会)学部に設置されている。
 国立大学の中のラチャパット大学では40校中31校で日本語コースが開講されており、主専攻コースを開講するラチャパット大学は13校ある(2009年6月現在では12校)。観光学科の日本語履修コースも多く、実務日本語指向も強い。
 ラチャパット大学や私立大学では日本人教師の占める割合が多く、前者は41.3%、後者は59.4%が日本人教師となっている。

・日本語主専攻課程(学士号)を開講している高等教育機関は以下の通り(2009年6月現在)

●中部タイ
(国立大学)
カセサート大学人文学部日本語学科
キングモンクット工科大学(ラーカバン校)産業教育学部日本語学科
シーナカリンウィロート大学人文学部日本語学科
シラパコーン大学文学部日本語学科
タマサート大学教養学部日本語学科
チュラーロンコーン大学文学部日本語学科
ラチャモンコン工科大学クルンテープ(ボピットピムックマハーメーク校)教養学部日本語科
ラチャモンコン工科大学ラタナコーシン(ボピットピムックチャカワット校)応用教養学部日本語科
スワンスナンター・ラチャパット大学人文社会学部日本語学科
テープサトリー・ラチャパット大学人文社会学部日本語学科
ブラパー大学人文社会学部日本語学科
ブラパー大学教育学部日本語教育プログラム
チャンカセーム・ラチャパット大学人文社会学部ビジネス日本語学科
バーンソムデットチャオプラヤー・ラチャパット大学人文社会学部日本語学科
プラナコーンシーアユタヤー・ラチャパット大学人文社会学部日本語学科
ラーチャナカリン・ラチャパット大学人文社会学部日本語学科
(私立大学)
アサンプション大学文学部ビジネス日本語学科
タイ商工会議所大学人文学部日本語学科
ランシット大学教養学部日本語学科

●北部タイ
(国立大学)
チェンマイ大学人文学部日本語学科
ナレースワン大学人文学部日本語学科
ナレースワン大学(パヤオ校)教養学部日本語学科
ウッタラディット・ラチャパット大学人文社会学部日本語学科
チェンマイ・ラチャパット大学人文社会学部日本語学科
チェンライ・ラチャパット大学人文社会学部日本語学科
ピブーンソンクラーム・ラチャパット大学人文社会学部日本語学科
(私立大学)
パーヤップ大学人文学部日本語科
ファーイースタン大学教養学部ビジネス日本語学科

●東北部タイ
(国立大学)
ウボンラーチャターニー大学教養学部日本語学科
コンケン大学人文学部日本語学科
コンケン大学教育学部日本語教育課程
マハサラカム大学人文社会学部日本語学科
スィーサケート・ラチャパット大学教養理学部人文社会学科日本語プログラム
ナコーンラーチャシーマー・ラチャパット大学人文社会学部日本語学科

●南部タイ
タクシン大学人文社会学部日本語科
プリンス・オブ・ソンクラー大学(パッタニー校)人文社会学部日本語学科

・日本語関連専攻の修士課程を開講している高等教育機関
チュラーロンコーン大学文学部日本語専攻(日本語学コース、文学コース)修士課程
タマサート大学教養学部日本研究専攻修士課程
チュラーロンコーン大学外国語としての日本語(日本語教師養成プログラム)修士課程

・日本語関連専攻の博士課程を開講している高等教育機関
チュラーロンコーン大学文学部文学・比較文学学科博士課程

 各機関では、卒業生の追跡調査を行なっておらず、全体の把握は難しいが、例としてタマサート大学が2000年6月に実施した調査では、以下のような結果であった。
<対象者>1982入学年度〜1996入学年度の日本語主専攻の卒業者の500名。

<進路先内訳>
日系企業勤務 :408名(81.6%)
翻訳・通訳(フリーランス) :39名(7.8%)
自営業 :27名(5.4%)
日本語教師 :25名(5.0%)
大使館勤務 :1名(0.2%)
(バンコク日本語センター(現バンコク日本文化センター日本語部)で2000年12月実施の主専攻13大学日本語学科長会議資料)

 また、タマサート大学大学院修士課程修了者の卒業後の進路は以下の通りである。
<対象者>2003年7月までの修了者30名。
<進路先内訳>
日本語教育機関 :17名
日本留学 :3名
一般企業 :9名
政府機関 :1名
(バンコク日本語センター(現バンコク日本文化センター日本語部)調べ)

【学校教育以外】
 主に社会人を対象とした語学学校の他に、大学夜間講座でも日本語が教えられており、日本語の人気は漸増している。大手の語学学校2校では施設拡張を実施し、急増する初級学習者に対応している。学習者は、日本のサブカルチャーなどから日本語や日本文化に関心を持つようになった若者や、日系企業で日本語を使って働く社会人が多い。中・上級レベルのニーズも徐々に増え、クラスが整備されてきているが、このレベルを指導するタイ人教師が不足している。

教育制度と外国語教育
●教育制度
【教育制度】
 6-3-3制。
 初等学校(6年間)、前期中等学校(3年間)、後期中等学校(3年間)。なお、前期普通中学校3年生修了後、職業専門学校(3年間)に進学することもできる。 高等教育は、総合大学(4年間)、ラチャパット大学(4年間)、職業高等専門学校(2〜3年、4年)などがある。また、大学における教員養成課程は5年制となった。務教育は、1999年の国家教育法改正で9年間となった。
【教育行政】
 担当官庁は教育省。2003年7月に教育省(初等教育、中等教育、一部の大学を管轄)、大学庁(総合大学を管轄)、国家教育委員会が統合され、新しい教育省となり、省内機構改革も実施された。

●言語事情
 公用語はタイ語。

●外国語教育
第1外国語:英語(必修)。初等学校は1997年より開始。前期中等学校での開始年は不明。英語は小学校1年次から学習を開始する。
第2外国語:原則として後期中等教育(高校)より開始。ドイツ語、フランス語、日本語、中国語、アラビア語、パーリ語、スペイン語、イタリア語の8科目から1科目選択。

外国語の中での日本語の人気
 近年、中国語の人気にやや押されつつあるが、日本語は依然として中等教育機関、高等教育機関において人気の高い外国語である。

大学入試での日本語の扱い
 2006年度入学の学生から新しい入試制度Admissionsが導入された。高校の成績30%(全科目の平均点が10%と各専攻が指定した科目のみの点が20%)に2種類の共通試験(基礎的内容のO-NET<Ordinary National Educational Test>が35〜70%と発展的内容のA-NET<Advanced National Educational Test>が0〜35%、合計で70%)が課される。日本語は、英語以外の外国語として発展的内容に採用が可能だが、実際に採用されるかどうかは大学学科ごとに決められる。また、この共通試験を採用せずに独自で大学が入試を作成・実施することも可能である。
 A-NET で日本語、中国語、フランス語を選択した各人数を以下に挙げる。

2007年2008年2009年
日本語 3,418名 3,697名 3,791名 
中国語 3,675名 4,647名 5,820名 
フランス語 6,059名 5,549名 5,084名 

 このように、日本語受験者数は近年増えているが、中国語受験者数の増加が著しい。また、フランス語受験者は年々減少の傾向にある。
 2009年度大学入試では25大学(国立16校、私立9校)104専攻で日本語が採択された。こうした状況が中等教育での日本語の広がりを後押ししていると考えられる。

学習環境
●教材
【初等・中等教育】
 国際交流基金バンコク日本文化センター『あきこと友だち』(紀伊國屋書店(タイランド))、『みんなの日本語』(スリーエーネットワーク)、『日本語よろしく』(泰日経済技術振興協会)、泰日経済技術振興協会編『にほんご・あいうえお』(泰日経済技術振興協会)、『日本語初歩』国際交流基金日本語国際センター(凡人社)などが使用されている。
【高等教育】
 初級では主に『みんなの日本語』(前出)、東京外国語大学留学生日本語教育センター『初級日本語』(凡人社)または自主制作教材を使用している。中級以上はタイで作られた教材はほとんどなく、日本製のものや自主制作教材が使われている。小山悟『J.Bridge』(凡人社)、松田浩志ほか『テーマ別中級から学ぶ日本語』(研究社)がよく使われているが、技能別教材も多く使用されている。
【学校教育以外】
 初級では、『みんなの日本語』(前出)、『日本語初歩』(前出)、『日本語よろしく』(前出)、『基礎日本語』(泰日経済技術振興協会)が使われている。中級以上では、『J.Bridge』(前出)、『日本語中級』(泰日経済技術振興協会)、『日本語上級』(泰日経済技術振興協会)、その他に日本で出版された中級教材も使用されている。なお、『みんなの日本語』と『J.Bridge』はタイ語版が出版されており、タイ全国に流通している。

●マルチメディア・コンピューター
 視聴覚教材として絵教材やビデオが使用される。コンピューターを使って教材作成をする教師は比較的多い。また、インターネットで情報収集をする教師・学習者も増加している。大学によっては、宿題や授業のフィードバックをインターネット上に掲載し、学習者の自主的な学習を促すところや、授業でパワーポイントを使用するところもある。さらに、作文授業や異文化交流の一環として日本在住の日本人とE-mailでやりとりをする大学・高校もある。
教師
●資格要件
【初等・中等教育】
 満20歳以上、学士号または同等の学位を持つもので、タイ教員評議会(The Teachers’ Council of Thailand)の定めた教育機関において1年間以上の教育実習を修了した者に免許が与えられる免許制度が採用されている(2005年より)。これによって大学の教員養成課程が従来の4年から5年になった。国立の中等学校(タイでは多くが国立)の専任講師(公務員)になるためには、教員採用試験に合格する必要がある。最近では、公務員ではなく、学校との直接契約の教師もいる。現状では、大学で日本語を専攻した日本語教師はわずかであり、英語やフランス語、タイ語など他教科の教師が大学の副専攻やその後学習して日本語を教えるようになった者がほとんどである。1994年から2004年までバンコク日本文化センターとタイ教育省が共催で実施した「中等学校現職教員日本語教師養成講座」によって、約160人の教師が本来の専門の科目以外に日本語が教えられるようになった。この講座は2006年に再開し、2008年度までの3年間の修了生を合わせると約200人の教師がこの講座を修了したことになる。
 コンケン大学教育学部(2004年)とブラパー大学教育学部(2005年)に日本語教育学科が新設され、新たな教員養成コースとして注目されている。
【高等教育】
 大学の日本語学科の卒業生の中から高等教育機関の日本語教師になる者もいる。多くは、日本などの国外または国内の大学院を修了した者。
【学校教育以外】
 各教育機関が独自に雇用する。何らかの日本語学習歴や訪日経験によりある程度日本語ができること。  

●日本語教師養成機関(プログラム)
1.国際交流基金バンコク日本文化センター/中等学校現職教員日本語教師養成講座
 現職のタイ人公務員高校教師(他教科教師)で日本語教師になる意思のあるものを対象に行なう日本語と日本語教授法の研修である。期間は10ヶ月。国際交流基金バンコク日本文化センターとタイ国教育省普通教育局基礎教育委員会との共催で実施する。
2.コンケン大学教育学部日本語教育課程
 2004年開設。中等教育機関で教える日本語教師を養成する。5年制で、最終学年の5年次は、中等教育機関で教育実習を行なう。
3.ブラパー大学教育学部日本語教育プログラム
 2005年開設。中等教育機関で教える日本語教師を養成する。5年制で、最終学年の5年次は、中等教育機関で教育実習を行なう。

日本語のネイティブ教師(日本人教師)の雇用状況とその役割
【初等・中等教育】
  日本からの各種の派遣プログラムによって派遣された教師と各教育機関が独自に雇用した教師がいる。また、タイ在住日本人のボランティア教師(無給)もいて、タイ人教師のアシスタントとして授業に協力している。初級の日本語指導に加えて、年中行事などの伝統文化及び若者のライフスタイルなど最新の日本事情紹介も期待される。
【高等教育】
  日本からの派遣プログラムを通じて雇用するか、各教育機関が独自に雇用する。会話(発音指導を含む)や作文を担当することが多い。ほとんどの大学では、日本語教育または関連分野での学士・修士号取得を条件としており、さらに教授経験や日本語教育能力検定試験合格が問われることもある。主専攻課程がある機関では中級指導に加え、課程のカリキュラムへの助言や日本の大学との交流事業への協力が期待されることがある。
【学校教育以外】
  各教育機関が独自に雇用する。初級から中級の指導及び日本語能力試験対策などが期待される。機関によってはタイ人教師とのチームティーチングを行なうこともある。日系企業などの社員に対する日本語教育に関わることもある。

●教師研修
1.国際交流基金(バンコク日本文化センター)主催

  ・バンコク水曜研修:タイ人日本語教師対象、6〜9月、11〜翌年2月
  ・バンコク金・土曜研修:タイ人日本語教師対象、6〜9月、11〜翌年2月 (実施曜日は年によって異なる)
  ・日本語教育研修会(通称「集中研修」):タイ人日本語教師対象、4月および10月 の5〜10日間、年2回
  ・通信教育講座:タイ人日本語教師対象、5〜11月
  ・地方研修:研究の機会が少ない地方のタイ人日本語教師対象、学期中の週末や連休に行なう1日半、2日間の研修。
  ・北部及び東北部における金曜・土曜研修:チェンマイ、ウドンタニーに赴任している専門家が、主に中等教員を対象に実施している研修。

2.その他の機関が主催するセミナー
 民間日本語教育機関が日本の民間財団や国際交流基金との共催や助成を受けて、毎年1ないし2回(1回につき2日間)のセミナーを開催している。教育省や大学も1〜2日間のセミナーを開催する場合があるが、定期的なものはない。
<実施例>
・東芝国際財団助成、タイ国元日本留学生会主催日本語教授法セミナー2008年10月18日、19日


教師会
●日本語教育関係のネットワークの状況
 現在タイ国内の教師会は下記の9団体(設立順、活動休止中も含む)。
タイ国日本語教育研究会: タイで日本語を教える教師の全国組織。
北部タイ日本語教師会: チェンマイ周辺の日本語教師を中心とした教師会で、周辺県の教師たちとともに活動している。
イーサーン日本語教師の会: 東北タイの日本語教師の会。
南部日本語教師会: ソンクラーを中心とした南部地域の各機関の日本語教師により組織されている。
ラチャパットの日本語教育を考える会: 全国のラチャパット大学の教師による会。
東北タイ中等学校日本語教師の会: 東北タイの中等学校で日本語を教えている教師により構成されている。
タイ国日本語日本文化教師協会: 主にバンコク周辺の大学、ラチャパット大学、高校のタイ人日本語教師によって組織されている。
北部タイ中等教育日本語教師会: ジュニア専門家が実施する北部の研修会参加教師が中心。
タイにおける母語・継承語としての日本語教育研究会: 主に年少者に母語または継承語として日本語を教える教師と保護者の会。
  各活動状況としては、日本語のセミナーや勉強会を主催している。

●最新動向
・タイ日本語教師会(通称:JTAT)が2009年1月に法人化され、その名称を「タイ国日本語日本文化教師協会(英語名:Japanese Language and Culture Teachers Association of Thailand/通称はこれまでどおりJTAT)」に変更した。法人となったことにより、タイで初の日本語教育関係の学会が誕生したことになる。

★教師会・学会一覧へ

日本語教師派遣情報
●国際交流基金基金の派遣(2009年4月1日現在)
日本語教育専門家
国際交流基金バンコク日本文化センター 2名
コンケン大学 1名

ジュニア専門家
国際交流基金バンコク日本文化センター 1名
タイ中等教育機関 2名

★「世界の日本語教育の現場から」のページへ

●国際協力機構(JICA)からの派遣(2009年4月1日現在)
青年海外協力隊

カムソイ ピタヤサン中高校 1名 ブランクー高校 1名
ベンジャマラートランサリト第3中学校 1名 プラチュアブ ウィタアライ校 1名
サグアンイン校 1名 ピヤチャートパッタナ中高校 1名
ロンクワン・アヌスン中高校 1名 プラチン ラツァドン中高校 1名
ムアンチャリアン中高校 1名 サンカー中高校 1名
サンパトン ウィッタヤコム中高校 1名

★JICAのページへ



●その他からの派遣
 主な派遣プログラムは次の通り。
 新世界語学院(New Global)
 関西6大学連合(京都教育大学を中心とする国立ラチャパット大学への派遣を行なう)
 国際親善文化交流協会(IFCA)

学習目的(2006年海外日本語教育機関調査結果)

 
1.
日本の文化に関する知識を得るため  
9.
日本との親善・交流を図るため(短期訪日や日本人受入)  
 
2.
日本の政治・経済・社会に関する知識を得るため  
10.
日本語によるコミュニケーションが出来るようにするため  
 
3.
日本の科学技術に関する知識を得るため  
11.
母語、または親の母語(継承語)である日本語を忘れないため  
 
4.
大学や資格試験の受験準備のため  
12.
日本語という言語そのものへの興味  
 
5.
日本に留学するため  
13.
国際理解・異文化交流の一環として  
 
6.
今の仕事で日本語を必要とするため  
14.
父母の期待に応えるため  
 
7.
将来の就職のため  
15.
その他  
 
8.
日本に観光旅行するため   (1.〜15.から5つ選択)  
初等・中等教育/学習の目的棒グラフ 高等教育/学習の目的棒グラフ 学校教育以外/学習の目的棒グラフ
シラバス・ガイドライン
【初等・中等教育】
 タイでは初等教育・中等教育をあわせて基礎教育と位置づけているが、この12年間の教育の学習目標や科目の指針となる「仏暦2544年基礎教育カリキュラム」が2001年11月に発表された。そして、2008年7月にはこのカリキュラムの改訂版とも言える「仏暦2551年基礎教育カリキュラム」が発表された。2001年版との大きな違いは、各学年における到達レベルと学習時間数が具体的に書かれていることである。
【高等教育】
 総合大学の日本語主専攻コースでは、これまでの成果に基づきシラバスやカリキュラムは大学独自に設定されている。新規に主専攻課程を開講する場合は、教育省の審査・認可を受ける。
【学校教育以外】
 教育省が定めたガイドラインにそったシラバスやカリキュラムを作成する必要がある。認可を受けずに独自に設定している機関もある。

★シラバス・ガイドライン一覧へ
評価・試験
 日本語学習者の到達度を測る試験としては、日本語能力試験、ジェトロビジネス日本語能力テスト、また、日本留学希望者のための日本留学試験が実施されている。2008年度の日本語能力試験の受験者は約16,000人で毎年増加傾向にある。
日本語教育略史
1947年 ボピットピムック後期中等教育日本語講座開設
1964年 タイ国元日本留学生協会附属日本語学校日本語講座開設
1965年 タマサート大学日本語講座開設(1982年主専攻)
1966年 チュラーロンコーン大学日本語講座開設(1971年主専攻)
1969年 在タイ国日本国大使館広報文化センター日本語学校日本語講座開設
1973年 泰日経済技術振興協会附属日本語学校日本語講座開設
1974年 第1回日本語弁論大会開催
1976年 カセサート大学日本語講座開設(1983年主専攻)
1977年 チェンマイ大学日本語講座開設(1987年主専攻)
1980年 コンケン大学人文学部日本語講座開設(2004年主専攻)、タイ商工会議所大学日本語講座開設(1986年主専攻)
1981年 日本語が後期中等教育課程に正式科目として採用される。
1982年 プリンス・オブ・ソンクラー大学パッタニー校日本語講座開設(1996年主専攻)
1983年 シラパコーン大学日本語講座開設(1997年主専攻)
1984年 日本語能力試験開始(第1回目)
1984年 ブラパー大学日本語講座開設(1996年主専攻)
1986年 ナレースワン大学日本語講座開設(1995年主専攻)
1986年 タマサート大学日本研究センター創立
1987年 キングモンクット工科大学ラカバン校日本語講座開設(1997年主専攻)
1988年 アサンプション大学日本語講座開設(1988年主専攻)
1988年 タイ国日本語教育研究会設立
1989年 ランシット大学日本語講座開設(1998年主専攻)
1991年 国際交流基金バンコク日本語センターがバンコク日本文化センターに併設される。
1992年 日本語センター、バンコク日本文化センターの「日本語部」へ改組
1994年 中等学校現職職員日本語教師新規養成講座開始(2004年から9期実施)
1997年 タマサート大学大学院修士課程「日本研究」研究科開設
1998年 大学入試科目に日本語が採用される。
1999年 チュラーロンコーン大学大学院修士課程「日本文学および日本語学研究科」開設
2002年 シーナカリンウィロート大学人文学部日本語主専攻課程開設
2003年 JTAT(Japanese Teachers Association in Thailand)設立
2004年 中等教育用日本語教科書『あきこと友だち』完成
コンケン大学教育学部日本語教育学科開講
2005年 国際交流基金制作「日本語を話そう」テレビ放映
2006年 中等学校現職職員日本語教師新規養成講座再開(10期〜)
2007年 チュラーロンコーン大学大学院修士課程「外国語としての日本語(日本語教師養成プログラム)」開設
泰日工業大学(Thai-Nichi Institute of Technology)開学
2008年 タイ教育省『仏暦2551年(西暦2008年)基礎教育カリキュラム』を発表
日本語教育国際シンポジウム「東南アジアにおける日本語教育の展望」開催
2009年 JTATが法人化され、タイ初の日本語教育関係の学会となるタイ国日本語日本文化教師協会が誕生
参考文献一覧
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