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■ 2009年度
トルコ

日本語教育の実施状況
教育制度と外国語教育
学習環境
教師
教師会
日本語教師派遣情報
学習目的
シラバス・ガイドライン
評価・試験
日本語教育略史
参考文献一覧

●2006年海外日本語教育機関調査結果
機関数集計円グラフ 教師数集計円グラフ 学習者数集計円グラフ
海外の日本語教育の状況について機関・教師・学習者を円グラフ化しました。

日本語教育の実施状況
●全体的状況
【沿革】

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【背景・特徴】
 トルコでは一般的に対日関心が高く、日本語学習者および日本語教育機関は特に1990年代以後増加している。現在、全国の28機関で日本語教育が実施されている。
 高等教育以上の日本語学習者が多く、欧米主要言語に次いで実務レベルでの必要言語の1つに位置付けられている。
 また学習者は日本語を専攻している大学生に限らず、理工系の学生、社会人等多岐にわたっている。
 2004年、トルコ国家教育省の決定により、中等教育機関、特に高校において第2外国語として日本語を選択することができるようになった。

●最新動向
 2008年10月よりチャナッカレ大学とエンジェルス大学が大学院設置の準備に入った。2009年度、エンジェルス大学は「人文・社会研究科、東洋言語・東洋文学専攻」としての開設を取りやめ、各言語学科がそれぞれに申請を出すことになった。2009年には博士号取得者が日本語日本文学科だけで3名になるので「人文・社会研究科、東洋言語・東洋文学専攻(日本語・日本文学)」としての申請が認められる可能性が高い。
 また、チャナッカレ大学では日本語教育専攻という学科の特質を生かした布陣にするため、現在日本で博士課程留学生の帰国を待って申請の予定。
 2006年から、イズミール工科大学、サバンジ大学、ファーティヒ大学、チャンカヤ大学など、単位認定の選択科目として新規開講が相次いでいる。チャナッカレ市の高校でも2007年から単位認定で日本語講座が始まった。さらに、アンカラより東部の地域で日本語コースを開設しようという動きが活発になっている。

●教育段階別の状況
【初等・中等教育】
 1992年以来、2つの国立高校(ラジオ・テレビアナトリア工業高校、イスタンブール商工会議所アナトリア商業高校)、2007年からチャナッカレ市の高校にて正規の科目として日本語教育が実施されている。また、アンカラの有名私立一貫教育校では2009年秋から4年生以上に第3外国語の選択科目として日本語が取り入れられる。
【高等教育】
 アンカラ大学(1986年日本語講座開設:国立)、チャナッカレ・オンセキズマルト大学(1993年日本語講座開設:国立)、エルジェス大学(1994年日本語講座開設:国立)で日本語日本文学、日本語教育専攻の学科が設置されている。その他、イスタンブールにおいてはボアジチ大学(国立)、イスタンブール工科大学(国立)、ビルギ大学(私立)、イェディテペ大学(私立)、サバンジュ大学(私立)、ファーティヒ大学(私立)、アンカラにおいては中東工科大学(国立)、ビルケント大学(私立)、チャンカヤ大学(私立)、イズミールではエーゲ大学(国立)、イズミール経済大学(私立)、イズミール工科大学(国立)、その他エスキシェヒルのアナドル大学で選択科目として日本語の授業が行なわれている。
 また、2008年よりチャナッカレ大学では大学院設置に向けて動き出し、エンジェルス大学では大学院設置の認可待ちである。
【学校教育以外】
 土日基金文化センター、アンカラ大学附属外国語研修学校(TOMER)、日土婦人友好協会イスタンブール支部、日本文化情報センター等、いくつかの機関で日本語教育が行なわれている。学習者の多くは社会人および学生である。
 アンカラ大学附属外国語研修学校(TOMER)ではアンカラ、イズミール、イスタンブール、アンタルヤなど11箇所に学校を持っているが、日本語コースが開かれているのはアンカラ、イズミール、イスタンブールの3箇所である。

教育制度と外国語教育
●教育制度
【教育制度】
 5-3-3制。
 初等教育が5年間(6〜11歳)、前期中等教育が3年間(11〜14歳)で、この8年間は一貫教育制。後期中等教育機関のうち一般高等学校、理科系専門高校および職業高校は3年間(15〜17歳)、イマム・ハティップ高校(宗教者養成校)、アナトリア高校(外国語授業校)、アナドル職業高校、アナトリア技術高校は準備課程を含め4年間(15〜18歳)。高等教育は原則4年間(18〜22歳)。
 一貫教育の8年間が義務教育。
【教育行政】
 初等教育機関および中等教育機関は国家教育省が管轄する。
 高等教育機関は高等教育審議会(YOK)が管轄する。

●言語事情
 公用語はトルコ語。

●外国語教育
 中学校1年から外国語が必修で、英語、ドイツ語、フランス語の3つから選択する。高校からは、第2外国語として、上記の語学に加えて、中国語、スペイン語、イタリア語、ロシア語、日本語を選択することができる。ただし、各教育機関にその語学の教師チームが存在している必要がある。
学習環境
●教材
【初等・中等教育】
 『みんなの日本語初級ⅠⅡ』スリーエーネットワーク(スリーエーネットワーク)
【高等教育】
 『初級日本語』東京外国語大学留学生日本語教育センター(凡人社)、『みんなの日本語初級ⅠⅡ』(前出)、『JAPANESE FOR BUSY PEOPLE』国際日本語普及協会(講談社インターナショナル) 、『日本語中級ⅠⅡ』国際交流基金日本語国際センター(凡人社)、『日本語中級読解入門』富岡純子ほか(アルク)、『テーマ別中級から学ぶ日本語』松田浩志ほか(研究社)、『表現テーマ別にほんご作文の方法』佐藤政光ほか(第三書房)、『生きた素材で学ぶ中級から上級への日本語』鎌田修(ジャパンタイムズ)、『自然な日本語』桜井晴美(凡人社)、『ニュースで学ぶ日本語』堀歌子ほか(凡人社)、『How to read a Japanese Newspaper』、『やさしい日本語』、『Japanese Life Today -現代日本事情-』等
【学校教育以外】
 『わかる日本語1〜4』今井幹夫(千駄ヶ谷日本語教育研究所)、『新日本語の基礎ⅠⅡ』(前出)、『みんなの日本語ⅠⅡ』(前出)、『中級へ行こう 日本語の文型と表現59』平井悦子ほか(スリーエーネットワーク)、『テーマ別中級から学ぶ日本語』(前出)、『会話の日本語』佐々木瑞枝ほか(ジャパンタイムズ)、『日本語を話しましょう(初・中・上)』等

●マルチメディア・コンピューター
 日本政府ODA(文化無償資金協力)として、アンカラ大学、エルジェス大学、チャナッカレ3月18日大学、土日基金文化センター日本語講座、ボアジチ大学に日本語教育のためのLL機材が供与されており、利用されている。
教師
●資格要件
【初等教育】
 外国語教育を想定していないため特段の規定はない。
【中等教育】
 日本語日本文学科を卒業している必要があるが、中等教育教員免許を取得ないし教員養成プログラムの成績優秀者である必要がある。
【高等教育】
 助教授以上では博士号を取得していることが条件となっている。講師の場合は学士号を取得していることが条件となっている

●日本語のネイティブ教師(日本人教師)の雇用状況とその役割
 各教育機関が独自に雇用しているが非常勤講師の場合は不安定な立場にある。私立大学の場合は受講生が一定の数を満たさないと講座を開講しない場合があり、日本語教師は受講生の数を確保するために、学生の空き時間に合わせコマ数を増やさざるを得ない現状にある。

●教師研修
 国内では、各所属機関独自で行なう研修会の他、国際交流基金の協力を得て大使館および総領事館が実施する日本語教育セミナーがある。
 訪日研修としては、国際交流基金が実施している教師研修に参加している。
教師会
●日本語教育関係のネットワークの状況
 年に1度国内の日本語教育機関の教員が集まり、研究発表、実践報告、機関紹介、情報交換等を行なう場として「トルコ日本語教師会大会」が開催されている。2002年9月に第1回大会(チャナッカレ・オンセキズマルト大学)、2003年9月に第2回大会(ボアジチ大学)、2004年9月に第3回大会(アンカラ大学)、2005年第4回大会(エルジエス大学)、2006年第5回大会(中東工科大学)、2007年第6回大会(ビルギ大学)で行なわれた。
 2008年8月にはチャナッカレ・オンセキズマルト大学においてヨーロッパ教師会大会がトルコ教師会との共催で開催された。その他、個別の機関が運営・開催する日本語教育関連会議として、2003年9月開催の「日本語教育ワークショップ」(アンカラ大学)、2004年8月開催の「第17回日本語教育連絡会議」(土日基金文化センター)2008年9月には、「トゥルク諸語国の日本語教育を考えるセミナー」がアンカラ大学で開かれた。なお、トルコ国内の教師たちの連絡・意見交換などはトルコ日本語教師会のメーリングリストを通じてなされている。

●最新動向
 2009年8月の 第8回トルコ教師会大会は土日基金文化センターで開催される。

★教師会・学会一覧へ
日本語教師派遣情報
●国際交流基金からの派遣(2009年4月1日現在)
日本語教育専門家 (2009年9月よりジュニア専門家)
土日基金文化センター 1名

★「世界の日本語教育の現場から」のページへ

学習目的(2006年海外日本語教育機関調査結果)

 
1.
日本の文化に関する知識を得るため  
9.
日本との親善・交流を図るため(短期訪日や日本人受入)  
 
2.
日本の政治・経済・社会に関する知識を得るため  
10.
日本語によるコミュニケーションが出来るようにするため  
 
3.
日本の科学技術に関する知識を得るため  
11.
母語、または親の母語(継承語)である日本語を忘れないため  
 
4.
大学や資格試験の受験準備のため  
12.
日本語という言語そのものへの興味  
 
5.
日本に留学するため  
13.
国際理解・異文化交流の一環として  
 
6.
今の仕事で日本語を必要とするため  
14.
父母の期待に応えるため  
 
7.
将来の就職のため  
15.
その他  
 
8.
日本に観光旅行するため   (1.〜15.から5つ選択)  
初等・中等教育/学習の目的棒グラフ 高等教育/学習の目的棒グラフ 学校教育以外/学習の目的棒グラフ
シラバス・ガイドライン
 2004年に中等教育機関、特に高校において第2外国語として日本語を選択することができるようになったことを受けて、トルコ国家教育省が独自のテキストを作成中である。
評価・試験
 統一シラバス、ガイドライン、カリキュラムはない。
日本語教育略史
1978年 アンカラ大学言語地理歴史学部中国語学科に選択科目として日本語が採用
1986年 アンカラ大学言語地理歴史学部内に日本語日本文学科が設置
1988年 ボアジチ大学にて日本語講座が選択科目として開講
1989年 中東工科大学にて日本語講座が選択科目として開講
1992年 ラジオ・テレビアナトリア工業高校、イスタンブール商工会議所アナトリア商業高校日本語教育(正規科目)実施
1993年 チャナッカレ・オンセキズマルト大学教育学部外国語教育学科内に日本語教育学科設立
1994年 エルジエス大学文理学部東洋言語学科に日本語日本文学専攻が開設
ビルケント大学にて日本語講座が選択科目として開講
1996年 ビルギ大学にて日本語講座が選択科目として開講
2003年 イズミール経済大学にて日本語講座が選択科目として開講
2006年 イズミール工科大学にて日本語講座開講
サバンジ大学にて日本語講座が選択科目として開講
2007年 ファーヒティヒ大学にて単位認定の選択科目として開講
チャナッカレ市 ミッリピアンゴ高校にて単位認定科目として開始
2008年 メルシン市の市民講座が閉鎖。(JICAシニア・ボランティアの帰国による)
エンジェルス大学に大学院設置申請
チャンカヤ大学で単位認定の選択科目として新規開講
参考文献一覧
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