アジア理解講座 2000年度 第3期




2000年度 第3期
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[月曜日] 「アジアの森林と社会~生活から環境問題を考える~」

[火曜日] 「交錯する地域・民族・文化~"周縁"からみたアジア~」

[木曜日] 「エイシャン・ネットワーク~アジア系移民の現在~」

※講師、講座内容等、詳細につきましては、各曜日のボタンをクリックしてください。

月曜日

「アジアの森林と社会~生活から環境問題を考える~」

日程

2001年1月15日~3月26日の毎週月曜日、ただし2月12日は祝日のため休講

コーディネーター:

柳澤 悠(東京大学東洋文化研究所教授)

講師【五十音順】

  • 井上 真(東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部助教授)
  • 上田 信(立教大学文学部教授)
  • 応地 利明(滋賀県立大学人間文化学部教授)
  • 佐藤 仁(東京大学大学院人文社会系研究科・文学部教授)
  • 田中 耕司(京都大学東南アジア研究センター教授)
  • 信田 敏宏(東京都立大学人文学部助手
  • 南 真木人(国立民族学博物館助手)
  • 柳澤 悠(東京大学東洋文化研究所教授
  • 吉住 知文(埼玉県立大宮中央高等学校教諭)

コーディネーターからのメッセージ

赤道直下の熱帯に生い茂る原生林の広大な広がり、数十年前まではトラが徘徊したというインド世界、広大な中国の山地から広がる森林。アジアには、様々な森林の形があり、その森林と関わって生きる人々の社会が生まれてきました。森林に生活する人たちだけでなく、農業をいとなむ人々などにとっても、森林との関わりは深かったのです。
しかし、アジアの森林が大昔からごく最近まで変わらなかったわけではありません。長期にわたって、森林は変化してきました。しかし、ここ数十年の間に森林減少や劣化は加速化し、その絶滅さえも危惧される事態となっています。その背景には、木材輸出のための森林伐採だけでなく、土地なしの貧困層による森林の農地化や、都市や農村での薪の需要、村落共有地の減少による放牧地の必要、ダム建設や経済開発の進行など、それぞれの地域での生活や社会の大きな変動があります。

この講座では、長い歴史のなかで森林を減らしてきた中国、森林の維持管理をめぐって国家と地域との関係を模索してきたインド、木材・非木材森林産品輸出や小農・プランテーションのために開墾される東南アジアの熱帯雨林、森林植生から見た南アジア、耕地化される村落共同利用地と林、「森林保護」政策と貧しい地域住民がせめぎあうタイ、オラン・アスリと総称されるマレーシアの先住民の世界観、変動する森林環境の中でのインドネシアの焼畑民の生活などをとりあげて、アジアの社会と森林との関わりについて歴史と現在を捉え、その中から浮かび上がるアジアの人と環境・生態について、共に考えてみたいと思っています。

(柳澤 悠)

講座概要 【PDF:36KB】

火曜日

「交錯する地域・民族・文化~"周縁"からみたアジア~」

当講義内容が本になりました。(アジア理解講座1「境界を超えて」)

日程

2001年1月16日~3月27日の毎週火曜日、ただし3月20日は祝日のため休講

コーディネーター:

中見 立夫(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授)

講師【講義順】

  • 中見 立夫(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授)
  • 名和 克郎(東京大学東洋文化研究所助教授)
  • 萩原 眞子(千葉大学文学部教授)
  • 浜田 正美(神戸大学文学部教授)
  • C・ダニエルス(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授
  • 毛里 和子(早稲田大学政治経済学部教授)

コーディネーターからのメッセージ

「アジアはひとつ」とは、岡倉天心の有名なことばであるが、実際は岡倉自身も認めるように、アジアは多様な"地域"、"民族"、"文化"から構成されている。しかも、それぞれがはっきりとした輪郭をもつ実体ではなく、お互いに重なりあい、交じりあっている。ネパール、ブータンなどヒマラヤ地域住民からみた南アジア世界と東アジア世界。アイヌ民族、ツングース系民族、あるいはロシア極東の先住民族からみた東北アジア地域と東アジア地域。中国と中央アジア諸国にまたがるテュルク系民族にとっての、中央ユーラシア文明と東アジア文明。西南中国のタイ族からみた東南アジア文化圏と東アジア文化圏。今回は、歴史的にも、地理的にも、交錯する空間に焦点をあて、そこに生活するひとびとの視点から、"地域"、"民族"、"文化"とはなにかを考えてみたい。

(中見 立夫)

講座概要 【PDF:29KB】

木曜日

「エイシャン・ネットワーク~アジア系移民の現在~」

日程

2001年1月18日~3月22日の毎週木曜日

コーディネーター:

水島 司(東京大学大学院人文社会系研究科教授)

講師【講義順】

  • 水島 司(東京大学大学院人文社会系研究科教授)
  • 関口 真理(亜細亜大学非常勤講師)
  • 杉本 星子(京都文教大学人間学部助教授)
  • 川島 耕司(国士舘大学政経学部助教授)
  • 澤 宗則(神戸大学発達科学部助教授)
  • 弘末 雅士(立教大学文学部教授)
  • 田嶋 淳子(淑徳大学社会学部教授)
  • 田村 慶子(北九州大学法学部教授)
  • 山下 清海(東洋大学国際地域学部教授)
  • 田中 恭子(南山大学総合政策学部教授)

コーディネーターからのメッセージ

外の世界へ何世紀にもわたって人を送り続けてきたアジア。とりわけインドと中国からは、多くの移民が海を渡り、故郷を遠く離れた土地で生きることになりました。 印僑、あるいは華僑と呼ばれ、短い時間のサイクルで故郷との間を往き来していた彼らも、次第に仮の住まい(僑)を終の住処とし、結婚し、子供を育て始めるようになります。しかし、20世紀に入り、国境を絶対的前提にする近代国家が地球の隅々に続々と誕生したことによって、彼らは移動先の土地で誕生した多民族国家の一員として否応なく生きることになります。それは、彼ら一人一人が、仲間とは、故郷とは、国家とは、国民とは、そして自分とは何か、他者とは何か、という問いかけに、自らが生きる場で答えを見出さざるを得ない道程への出発をも意味したのです。
アジアの多くの国々が外資の積極的導入によって発展を遂げようとしたのと対照的に、極めて内向的な政策をとってきたインドと中国においても、80-90年代に大転換が生じ、開放政策がとられるようになりました。鳳仙花のように、移民という種子を外へ放ち続けてきたインドと中国は、この転換と平行して、地に根付き、芽生え、ようやく陽の光を浴びて咲きはじめたそれらの花々を、母国へとつなぎ寄せ、いっそう大きな花を咲かせようと懸命となり始めたのです。
しかし、地味も空気も水も異なる領域に飛び立ったそれらの種子は、必ずしも同じ色、形で咲きそろっているわけではありません。時には別の種子と交じり合い、あるいはまた、ありかさえわからぬように息をひそめている場合もあります。果たして、これらの花々は、今後どのようにつながることになるのでしょう。今回の講座では、このエイシャン・ネットワークの現在を、各地で現地調査を重ねてきた専門家10名がお伝えします。そして、私たち日本人がそこから何を学びうるのかを一緒に考えてみたいと思います。

(水島 司)

講座概要 【PDF:36KB】

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