国内上映事業 The Japan Foundation Film Series Part 3 イベント

Flashback / Flashforward: Staging the Past

フラッシュバック/フラッシュフォワード:過去への視線

座談会:“すべての映画はアニメになる” 2005年6月24日 金曜日 20:00~

ゲスト:押井守、上野俊哉(社会学者、和光大学教授)、トマス・ラマール(カナダ、マギール大学教授)

押井守は単なるアニメーション映画監督に留まることなく、実写映画も手がけてきた。より正確にいうなら、アニメーションと実写映画における彼の仕事は、それらの境界線に挑戦しており、「アニメーションとは、どういうものであり、何をするのか?」という問いを私たちに強いるものである。
だがこれは押井にとって、単に美学的な問題を意味するものではない。一貫して彼の映画は映像技術の政治的効果を強調してきたし、人形と犬、サイボーグとメカ、といったものについての探求の中で、彼の作品の政治的次元もまた明確にあらわされている。
したがって押井の仕事とは、映画の限界についての諸問題とともに、人間や生命の限界についての諸問題をも提起する試みだといえる。
人間、そして生命についての一般に信じられている定義は、映画という枠組みを超えて、ひとつの作用となっている。そして、私たちはそれを”アニメリティ”と呼ぶこととなるだろう。 このディスカッションでは、押井本人も交えて、彼の作品について重要と思われる問題点を検討する。

-映画とアニメーションはどのように異なるのか?
-彼は最近の著書で「すべての映画はアニメになる」と言っているが、それはどのような意味なのか?
-こうした変化のたどり着く先は?
-押井の作品は、戦後日本における政治的アクティヴィズムの流れをどのように描いているのだろうか?
-非-人間的なものやアニメ、即ち”アニメリティ”の持つ力は、どのような新たな問題を私たちに提起しているのだろうか?
-”アニメリティ”政治と美学の関係を考える新しい方法をどのように切り拓くのか?

押井守
1951年生まれ。東京学芸大学卒業後、TVアニメのプロダクションを経て、フリーとなる。主な劇場用アニメ作品として、「うる星やつら オンリー・ユー」(1983)、「うる星やつら ビューティフル・ドリーマー」(1984)、「機動警察パトレイバー劇場版」(1989)、「機動警察パトレイバー2 the Movie」(1993)。「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」(1995)は、アメリカやイギリスでも公開され、世界的話題作となった。
実写による劇映画も手がけ、「紅い眼鏡」(1987)「ケルベロス 地獄の番犬」(1991)「トーキング・ヘッド」(1992)「Avalon」(2000)などがある。アニメ最新作である「イノセンス」(2004)はカンヌ映画祭コンペティションで上映された。

講演:レイ・チョウ(周蕾)
時空間政治学の映画演出―黒澤明『わが青春に悔なし』 2005年6月26日 日曜日 15:00~

レイ・チョウによる『わが青春に悔なし』の読解にヒントを得て、国際交流基金(ジャパンファウンデーション)とキネマ倶楽部は、日本の巨匠たちによる戦後の作品を上映します。
時間に対してさまざまなアプローチを試みて第二次大戦に引き続く日本の戦後政治を描いた作品が中心にお届けします。監督たちは、近過去を考える新たな方法を模索するため、フラッシュバックやフラッシュフォワード、さらに、時間を表す際の映画独特の柔軟性などを創造的に活用しています。

レイ・チョウ(周蕾)
香港生まれ。スタンフォード大学で近代思想と近代文学の博士号を取得。現在はブラウン大学教授(現代文化・メディア論学部、比較文学学部に所属)。主な著書として、現代中国映画を扱った「プリミティヴへの情熱-中国・女性・映画」、「女性と中国のモダニティ―西洋東洋、その読みの政治学」、「ディアスポラの知識人」など。

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