日比共同制作ホラー・コメディー・ミュージカル 『バケレッタ』

バケレッタの写真

国際交流基金(ジャパンファウンデーション)では、諸外国の芸術家・団体等との共同制作を通じ、国際交流を通じた新たな芸術創造を目指しています。

今年の日比国交回復50周年を祝う日比友好年の主要事業の一つとして、ジャパンファウンデーションは、フィリピンの国立タンハーラン・フィリピーノ劇団と共同で、ホラー・コメディー・ミュージカル「バケレッタ」(BEWARE - DON'T OPEN THE TOILET DOOR!)を制作、公演します。

「バケレッタ」は、「そして僕らはそこで夢を見た」というタイトルで、劇作家・脚本家の鄭義信(チョン・ウィシン)氏が、姫路の劇団であるドラマティックシティHIMEJIのアトリエ第50回記念公演のために書き下ろした作品で、長年劇団を支えてきた団長・演出家の死と、彼を愛する二人の女優との三角関係、周りを取り巻く劇団員の人間関係を描いています。

今回は、舞台をマニラの劇団に移し変えて、タガログ語バージョンとして改訂した脚本を、鄭氏自らがフィリピン人俳優を演出して、マニラで上演します。現代演劇の分野で日本の演出家(在日韓国人)によるフィリピンにおける現代演劇制作としては史上初の試みです。

すでに、フィリピン人俳優のオーディションを終え、いよいよ稽古が、9月12日よりマニラで始まります。日比の舞台人が共同で作り上げる公演にご期待ください。

概要
日程・会場 2006年10月20日(金)~22日(日) シナーグ・アーツ・スタジオ
11月10日(金)~26日(日) フィリピン文化センター
*上演言語はタガログ語、英語字幕付
問い合わせ

東京/芸術交流部 舞台芸術課(担当:広田) Tel:03-5369-6063
マニラ/ ジャパンファウンデーション マニラ日本文化センター(担当:鈴木) Tel:+63-2-811-6155

共催 フィリピン文化センター、国立タンハーラン劇団、シナーグ・アーツ・スタジオ
協力 フィリピン国家文化委員会
後援 在フィリピン日本大使館、フィリピン外務省、同観光省他
鄭 義信氏の写真

鄭 義信 CHONG WISHING(ちょん うぃしん) プロフィール

1957年生まれ 兵庫県姫路市出身。

同志社大学文学部を中退、横浜放送映画専門学校(現・日本映画学校)美術科に学ぶ。松竹で美術助手に就くが、その後演劇に活動を転じ、劇団『黒テント』を経て、1987年には劇団『新宿梁山泊』の旗揚げに参加。

大掛かりな舞台装置とアジア各地でも公演活動を展開する座付き作家として、90年の『千年の孤独』では、第17回テアトロ賞を受賞、ドイツ・エッセン国際演劇祭(91年)に参加した『人魚伝説』などのほか、『映像都市~チネチッタ』、『青き美しきアジア』などスペクタクル感溢れる話題作を連続して発表し、新進気鋭の劇作家として各方面から熱い視線を集めた後、93年に発表した『ザ・寺山』で第38回岸田國士戯曲賞を受賞。現代の演劇界を語る上では欠かせない存在となる。

旺盛な演劇活動の一方で、映画脚本にも参加し、91年の東映Vシネマ『襲撃 Burning Dog』で崔洋一監督との共同脚本を担当する。93年には、混沌とした現代日本をタクシー運転手の視点から描いた『月はどっちに出ている』の脚本で、エネルギッシュな笑いと鋭い人間観察によるキャラクター描写が絶賛を浴びて、毎日映画コンクール脚本賞、キネマ旬報脚本賞、日本アカデミー賞優秀脚本賞などを受賞した。この作品は映画興行でも約半年間のロングランを記録し、時代を代表するヒットとなる。

1996年に新宿梁山泊を退団以降は、映画と舞台の両輪で活動し、再び崔監督とコンビを組んだ『東京デラックス―平成無責任一家』(95)、井筒和幸監督との『岸和田少年愚連隊』(96)、松田優作の企画を崔監督が映画化した『犬、走るーDOG RACE―』(98)など話題作を次々執筆。98年には、下田治美の処女長編を映画化した『愛を乞うひと』で平山秀幸監督と初めてコンビを組み、キネマ旬報脚本賞、日本アカデミー賞最優秀脚本賞、第一回菊島隆三賞、アジア太平洋映画祭最優秀脚本賞など数々の賞を受賞した。

さらに『真夏のクリスマス』(00/TBS)、平成13年度芸術祭賞大賞を受賞した『僕はあした十八になる』(01/NHK)などをはじめとしたテレビ・ラジオのシナリオでも活躍する一方、エッセイ集『アンドレアスの帽子』なども出版。現在も、<文学座><こんにゃく座>ほか企画公演に戯曲を提供する傍ら、自身も作・演出を努めるユニット<海のサーカス>にも参加している。

今や映画、舞台、TVと全メディアの賞賛を得て、その才能を遺憾なく発揮している。

ページトップへ戻る