白井剛「THECO」ルクセンブルグ公演

白井剛「THECO」ルクセンブルグ公演の画像

国際交流基金(ジャパンファウンデーション)では、欧州のルクセンブルグ大公国にて、新進振付家/ダンサー白井剛と若手音楽家とのコラボレーション・ダンス作品THECO - ザコ - The Performance COncert with COntemporary, MUSIC COmposers & a DANCE ChOreographerの上演を実施します。ベルギー、フランス、ドイツに囲まれた人口46万人の小さな国ルクセンブルグでは地理的に豊かな文化が往来しています。今回は、中世より歴史のある古い修道院を改装した文化複合施設“ノイミュンスター修道院文化会館“でのダンス公演と、2005年にルクセンブルグ文化・高等教育・研究開発省により設立されたコンテンポラリー・ダンスの専門機関“ 3C-L(Centre de Creation Choreographique Luxembourgeois)” にて、一般市民やダンス経験者を対象としたダンス・ワークショップを実施します。

上演作品THECO - ザコ」は白井剛が2006年に受賞した振付家の発掘と育成を目的とした 「トヨタ・コレオグラフィーアワード 2006 “次代を担う振付家賞(グランプリ)”」の副賞として制作し、翌2007年に東京のシアタートラムで初演しました。東京初演後、初めてとなる今回のルクセンブルグ公演では、作品構成を改訂してダンスと音楽の新たな関係を切り開きます。日本のコンテンポラリーダンスの次代を担う若手アーティストの作品とワークショップを通し、ルクセンブルグの人々とともに同時代に共通する感性や眼差しを交感する機会となることを期待します。

Yota Kataoka
photo by Yota Kataoka

ワークショップ・公演情報

ダンス・ワークショップ 日時:2009年3月25日 水曜日、26日 木曜日 19時から20時30分
会場:3C-L(Centre de Creation Choreographique Luxembourgeois)
公演 日時:2009年3月31日 火曜日 20時
会場:ノイミュンスター修道院文化会館(Centre Cultural et Rencontre Abbaye de Neumunster
企画・演出・
振付・出演
白井剛AbsT

音楽・出演

粟津裕介locolo code、発条ト)/ドラム、ギター
森川祐護Polygon Head)/ギター
尾引浩志(倍音S)/口琴、ホーメイ
スカンクNIBROLL、バネセンパイ、MEXI)/ギター

スタッフ

大久保歩/舞台監督  
関口裕二(balace.inc DESIGN)/照明デザイン
牛川紀政/音響     
岡本真理子/映像オペレーター、ワークショップ・アシスタント
竹内美樹子/制作、ツアーマネージメント

制作

高樹光一郎(ハイウッド)

共催

在ルクセンブルグ日本大使館ノイミュンスター修道院文化会館3C-L(Centre de Creation Choreographique Luxembourgeois)

*以下の団体、企業より白井氏の活動および本作品「THECO - ザコ」に対し支援がされています。
助成

財団法人セゾン文化財団 財団法人セゾン文化財団のロゴ画像

協賛

トヨタ自動車株式会社 トヨタ自動車株式会社のロゴ画像

コンテンポラリーでエキセントリックな音楽作曲家たちと一人の舞踊振付家による、演奏会選集。

四人の音楽家と一人のダンサーによる、演奏会。

奏でるカラダと踊るカラダ。一緒に作曲と振付を考えたなら、どんな音楽とダンスができるだろう。

体の波動と音の波動。視角と聴覚、違う種類の振動だけれど、音楽とダンス、その二つはたぶん、むかしむかし人の原初のころ、双子のように一緒に産まれた。

見分けがつかない双子のように、区別ができない行為だった音楽とダンス。その後、それぞれ違う個性で育ったけれど、ふたつの秘密の関係は、今でも私たちのカラダの中でつながっている。

互いに惹かれ合い、擦れ合い、喰らい合い、もつれ合う、音楽とダンスの交感。人の純情と欲望を露呈させるその二つは、性的な衝動のように、見えない触手を相手に伸ばす。かつての双子の、それは相姦?うまくいけばその果てに、言語以前の、ひとつの小さな世界を産み落とす。音と身振り。空間に放たれて溶けだして消えてゆく、ひとひらの時間。

ところで、むかしむかし中国でつくられた「喜」という漢字。「よろこび」を表すこの文字は、太鼓の形を象った上の部分と、人のくちびるの形を象った下の部分からできているそうだ。音階やメロディーを奏でられる楽器が人の声だけだったその昔、人々は何かを叩いてリズムをだし、それにのせて歌を歌った。そのことが、すなわち「喜び」を表す文字となったのだ、と民族音楽の研究者が言っていた。太古の人々の宴。そこには、歌いながら舞い躍る人々の姿も思い浮かぶ。

音楽の身体性。ダンスの音楽性。身体的音楽。音楽的身体。太古の双子を、現代で再出産。音楽とダンスの蜜月やいかに…。

何はともあれ、音楽もダンスも、なんて面白くって楽しいものだろう。

text by 白井剛

プロフィール

白井剛(しらい・つよし) / AbsT

白井剛(しらい・つよし)
photo by Ryo SHIRAI

ダンサー、振付家。1976年、長野県飯田市生まれ。
96年から2000年、ダンスカンパニー「伊藤キム+輝く未来」の作品に出演。98年「Study of Live works 発条ト(ばねと)」の設立に参加。『Living Room -砂の部屋』にて、「バニョレ国際振付賞(Prix d'Auteur du Conceil general de la Seine-Saint-Denis 2000)」受賞。04年、ソロ作品『質量, slide , & .』を発表。04・05年、香港のYuri NG(ユーリ・ン)振付『悪魔の物語』(ストラヴィンスキー『兵士の物語』より)、05年、伊藤キム振付『禁色』(原作:三島由紀夫)へダンサーとして出演。06から08年にかけて、現代音楽カルテット「アルデッティ弦楽四重奏団」とのコラボレーション公演 -ジョン・ケージの『アパートメントハウス1776』を国内計9都市  にて行う。06年、「トヨタ・コレオグラフィーアワード 2006」にて「次代を担う振付家賞(グランプリ)」受賞。07年、 第一回日本ダンスフォーラム賞を受賞。06年より、新ユニット「AbsT」を設立し、翌年2月、新作『しはに-subsoil』を発表。07年8月、トヨタ・コレオグラフィーアワード 2006 受賞者公演にて、7人の音楽作曲家たちとのコラボレーション作品『THECO-ザコ』を発表。2007年、ダムタイプのメンバー(藤本隆行、川口隆夫)と共演した『true- 本当のこと』で国内3都市巡演、翌08年にシンガポールとニューヨークにて公演を果たす。 本年2月/3月に新作『blue Lion』 を京都と東京で発表した。

粟津裕介(あわづ・ゆうすけ) / locolo code、発条ト

公式Webサイト

粟津裕介(あわづ・ゆうすけ)
photo by Akira Kasuga

舞台音楽作曲家。ミュージシャン。CMWebのサウンドコンテンツの作曲も手がける。自身が主催するバンド「locolo code」にて、2008年、1st album『ねじれのいち』を発表。ダンサー・振付家の森下真樹らと活動し、その楽曲は坂本龍一、冨田恵一らにも絶賛されている。

千葉大学在学中の1996年に、コンテンポラリーダンスグループ「Study of Live works 発条ト(ばねと)」を主宰の白井剛らと結成。その後「Leni-Basso」「三条会」他でもコンテンポラリーダンスや演劇の舞台音楽家として活動し、手がけた舞台作品は国内外で数多く発表されている。また、他のパフォーミングアーティストとのコラボレーションやワークショップ等も多数行っている。2007年より千葉大学にて非常勤講師を務める。

森川祐護(もりかわ・ゆうご) / Polygon Head

公式Webサイト

森川祐護(もりかわ・ゆうご)
photo by Akiko HONDA

ギタリスト/作曲家/トラックメイカー。13才よりギターを手にし、Frank ZappaIgor Stravinskyなどの多彩で刺激的なスタイルを持つ作曲家に傾倒。独学で作曲を始める。自身のロックバンド「ポリゴンヘッド(Polygon Head)」ではテクニカル面でそれらの影響を残しつつ独自の繊細なポップロックを展開中。

尾引浩志(おびき・ひろし) / 倍音S

公式Webサイト

尾引浩志(おびき・ひろし)
photo by Sakura ARISE

アジアのど真ん中”トゥバ共和国”に伝わる倍音唱法“ホーメイ(Khoomei)”を中心に、口琴、イギル(トゥバの馬頭琴)など、倍音の特徴のある声や、楽器を操る「倍音アーティスト」。日本各地で倍音の魅力を伝承中。

SKANK(スカンク) / NIBROLL、バネセンパイ、MEXI

公式Webサイト

SKANK(スカンク)
photo by GO

アーティスト集団"ニブロール"の音楽ディレクターでありバンド"MEXI"では形態を定めず実験的なサウンドで都内ライブハウスを中心に活動。また1本弦の創作ギターを6人のギタリストで演奏する"SSS,T(文化庁メディア芸術祭受賞)"への参加など多くのミュージシャンとも積極的にセッションをしている。他にも丹野賢一、黒沢美香、白井剛など多くのダンサーに楽曲の提供、演奏やコラボレーションを国内外でする他、映像、写真など他ジャンルのアーティストとも積極的にセッションしている。

お問い合わせ先

ジャパンファウンデーション 芸術交流部 舞台芸術課  担当:今野
Tel: 03-5369-6063 Fax: 03-5369-6038

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