舞踏中国公演−「舞踏−大いなる魂」

舞踏中国公演-「舞踏-大いなる魂」

国際交流基金(ジャパンファウンデーション)は、北京において日本の舞踏を紹介する事業「舞踏-大いなる魂」を開催します。

1960年代に土方巽により創始された舞踏は、西洋の伝統的な舞踊とは異なる新しい身体概念のもとに、日本における舞踊の概念を変革するものとして確立されました。土方の没後25年を経てなお、その革新的な身体哲学と優れた芸術性によりヨーロッパを中心に世界各地で高く評価され、今や舞台芸術の一つのジャンルとして確立された評価を得ています。京劇をはじめとした優れた伝統的な舞台芸術の歴史を誇る中国では、これまで日本の現代的な舞踊が紹介された例は非常に限られていましたが、近年の経済的な発展や開放政策により、特に北京などの大都市において現代的なアートへの関心が高まっており、日本の舞踏も現代の舞踊の一つのジャンルとして新たに注目を集めています。

今回は、舞踏の創始者である土方巽の舞踏を中心に、舞台公演のフィルム上映、舞踏家によるパフォーマンス、専門家によるレクチャー、記録写真や公演ポスターの展示を行い、舞踊というひとつのジャンルにとどまらず美術や写真、映画など60~70年代に沸き起こった前衛芸術と深く結びついて発展した舞踏の姿を振り返り総合的に紹介するとともに、現在の日本のコンテンポラリーダンスにまで与えたその影響について考察します。フィルム上映では、土方巽の舞踏世界を代表する作品と言える「肉体の叛乱」「疱瘡譚」を上映。舞台公演では、土方巽の直系の弟子である和栗由紀夫が今回のために演出・振付を行い、自らのカンパニー「東雲舞踏」でも活躍する舞踏手・川本裕子、マレーシアで舞踏を学んだLai Chee Yeow、そして北京でのワークショップ参加者という多国籍の出演者による舞踏作品を上演。国を超えて人々を驚嘆させ、感動を巻き起こした土方巽の精神世界が甦ります。

■ フィルム上映・レクチャー

平成23年2月26日 土曜日 14時~ フィルム上映・レクチャー

会場:国際交流基金北京日本文化センター
上映作品:「肉体の叛乱」「疱瘡譚」
レクチャー:森下隆(慶應義塾大学アート・センター 土方巽アーカイヴ)

平成23年2月27日 日曜日 16時~ フィルム上映・レクチャー

会場:ユーレンス・センター・フォー・コンテンポラリー・アート(UCCA
上映作品:「肉体の叛乱」「疱瘡譚」
レクチャー:森下隆(慶應義塾大学アート・センター 土方巽アーカイヴ)

■ 舞踏公演

和栗由紀夫+好善社 舞踏公演 「魂の旅」
平成23年3月5日土曜日 から 6日日曜日 19時30分開演

会場:九個劇場内 TNT劇場
出演:和栗由紀夫、川本裕子、Lai Chee Yeow

土方巽について

土方巽(1928~1986)
舞踏の創始者であり、1960年代にアヴァンギャルド宣言のもと、実験的なダンスを展開し、ダンスの概念の変革とともに舞踏を確立した。その後も、1970年代から1980年代にかけて、日本の風土と文化に規定された身体に表現の可能性を見出し、画期的なメソッドの開発により、世界にも類のないダンスの創造に挑むなど、たえず舞踏の革新を図った。
土方によるダンスの革命は、後に世界で活躍する多くの舞踏家を生み出した。さらに、その影響は、ダンスのジャンルにとどまらず、舞台芸術から美術、写真、映像、さらには文学にまで幅広く及び、異端から出発しながら、戦後日本の文化史に大きな足跡を残すことになった。
その独自の身体哲学が肉体の芸術としての舞踏に結びつき、舞踏が世界に広まり、舞台芸術の一潮流となる思想的基盤を与えた。また、独特の言語感覚から生まれた傑作「病める舞姫」など、文章の世界にも稀有な才能を発揮し、著作は「土方巽全集」にまとめられている。

■ プログラム詳細

上映作品(制作年順):

肉体の叛乱 (1968年制作・モノクロ)
監督:中村宏 出演:土方巽

疱瘡譚 (1972年制作・モノクロ・短縮版)
監督:大内田圭弥 出演:土方巽

レクチャー:

土方巽の舞踏
森下 隆(慶應義塾大学アート・センター 土方巽アーカイヴ)

上演作品:

魂の旅
演出・振付:和栗 由紀夫
舞踏手:和栗 由紀夫 川本 裕子 Lai Chee Yeow
音響・照明:曽我 傑

展示作品:調整中

※上映・展示作品は予定です。
※上映・上演・レクチャー・展示の内容・日時等についてはやむを得ない事情で変更になることがございます。

出演者プロフィール

■和栗 由紀夫

和栗 由紀夫氏の写真

1952年、東京生まれ。土方巽直系の舞踏家。硬質かつしなやかな肉体、切れのよい美しい型、微妙なニュアンスまで繊細に踊り分ける表現力を持つ。その変貌を主体とする踊りの多様さは、今後の舞踏の新たなる可能性を示している。また、言葉を通して身体イメージを喚起する、土方系独自の『舞踏譜』を使った振付法の継承と展開、他ジャンル芸術家とのコラボレーションにも力を注いでいる。98年には、CD-ROM『舞踏花伝』を出版、土方作舞法に焦点をあてた舞踏再評価の契機を作った。現在、種々の公演活動の他、国内外の大学、研究機関での舞踏ワークショップを広く開催している。
主な出演作品に、土方巽公演「四季のための二十七晩」(1972年)、土方巽公演「静かな家」(1973年)、「白桃房連続公演」(1974~78年)。主な振付作品に「沈める瀧」(1995年)、「舞踏花伝」(1996年)、「エローラ・石の夢」(1997年)、「地の骨」(2000年)、「魂の旅」(2003年、NY舞踏フェスティバル参加作品)、「肉体の迷宮」(2010年)など。

■川本 裕子

1992年、土方巽の後期の弟子である和栗由紀夫に師事。以後98年に退団するまで“和栗由紀夫+好善社”にて、主要ダンサーとして活躍。2000年に舞踏集団 “東雲舞踏”を立ち上げる。
立っているだけで空気を変えてしまう存在感には定評があり、ユーモアあふれる作品にファンも多い。また人を引き込んでいくパワーと魅力は舞台だけにとどまらず、ワークショップや作品を創っていく過程にもあらわれており、加えて、和栗由起夫から習得した土方メソッドを受け継ぐ、若手では数少ない舞踏家である。最近では海外の大学や高校でのワークショップや振り付けの依頼も多い。
主な振付作品に、「ひとびれ」(2000年 “第4回 パークタワーネクストダンスフェスティバル”参加作品)、「ハルノ唄」(2007年)、共同振付作品に「0120」(川本裕子×点滅、2008年)、「CURATURS OF METROPORIS」(Frances Barveとの共作、2009年 London Butoh Festival招待作品)など。

講師プロフィール

■ 森下隆

1950年生まれ。1972年より、土方巽のアスベスト館にて舞台制作に携わる。出版社勤務を経て、1986年の土方巽の死後、土方巽記念資料館の設立と運営に参画。土方巽をめぐる展覧会やシンポジウム等の企画・構成を行う。
現在、慶應義塾大学アート・センターに設置されている土方巽アーカイヴを運営。慶應義塾大学文学部非常勤講師。NPO法人舞踏創造資源代表理事。著書に、『土方巽 舞踏譜の舞踏―記号の創造、方法の発見』。

■ お問い合わせ

国際交流基金(ジャパンファウンデーション) 文化事業部 舞台芸術チーム
担当:北川陽子
Tel. 03-5369-6063 Fax. 03-5369-6038

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