心を伝える民(たみ) の謡(うた)  大和×沖縄民謡 南米公演

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  ひと昔前の日本では、田んぼを耕したり、魚を捕ったり、お祝い事をしたりという日々の生活の中で、様々な民謡が歌われてきました。楽しいこと・おめでたいことは皆で楽しみ・祝い、苦しいことは唄に乗せて昇華させて、日々の暮らしを辛抱強く営んでいく、生活の彩りや人びとのたくましさが、民謡には込められています。
  親しまれる唄は地域によって異なり、歌唱法、楽器、演奏技法も様々です。この公演では、東北地方を中心に、本州~九州の民謡と、日本の最南西に位置する沖縄・八重山地方の民謡を取り上げ、人びとの心が込められた歌や音楽の宝庫である南米4カ国で公演します。圧倒的歌唱力で民謡を超えた音楽ファンを魅了する木津茂理を中心として、南北の大御所民謡奏者:澤田勝秋(青森)、大工哲弘・大工苗子(沖縄)による土のにおいやグルーブ感とともに、現代(いま)に生きる唄として民謡に込められた心を伝えます。
  チリおよびアルゼンチン公演では、4名のミュージシャンのほかに、あらゆるジャンルの枠にとらわれない個性派バイオリニスト:太田惠資が加わり、民謡の魅力の幅を拡げます。ウルグアイおよびブラジル公演では、澤田勝秋の門下で現代的なセンスによる曲弾き(即興をまじえ、津軽三味線のみで聴かせる奏法)の評価が高い澤田勝春が加わり、民謡のレクチャー・デモンストレーションも実施します。
  2011年3月に発生した東日本大震災では、民謡の宝庫である東北地方をはじめ、民謡のふるさとが甚大な被害を受けましたが、生命力溢れる民謡の響きにのせて、地球の裏側からプラスのエネルギーを送ることができればと思います。

大和(本州~九州)の民謡

日本各地にはさまざまな民謡があります。主に労働唄が基本となっており、農作業や漁などの集団作業において掛け声の役目を果たす唄、労働の辛さを昇華するための唄など、民衆の心をストレートに表現したものが多いのが特徴です。
また、祭礼の時に唄う唄、山の神や海の神に捧げる唄など、唄と日々の生活は密接に絡み合っていました。特に、日本には先祖の霊を迎える「お盆」という伝統行事があり、8月の暑い時期に、太鼓と唄にのせて、夜通し輪になって踊る「盆踊り」が日本各地に数多く残っています。
労働の機械化や個人作業の増加、生活の利便化や古くからの習慣の衰退など、時代の変化によって唄と人との関係は変わったかもしれませんが、四季折々、日本人の生活に無くてはならない存在だった民謡には、日本人の心や生活のリズムが刻まれています。

日本の子守唄
日本の子守唄は、母親が子供をあやす時に唄っていたものだけではありません。その昔、小さい子供が他人の家へ雇われて子守をしていた習慣があり、「子守奉公(こもりぼうこう)」と呼ばれていました。その「子守奉公」たちが自分を慰めて唄っていた子守唄も日本各地に残っており、子守奉公の辛さ、家へ帰りたいという哀切の気持ちなどを、子どもをあやしながら唄って昇華していた様子がうかがわれます。

八重山(やえやま)諸島とその唄
沖縄県の中でも最も南西にある島々で、大工哲弘さん・大工苗子さんの出身地である石垣島を中心とした10の有人島からなります。
八重山では各島、各村に、その村の風土と生活を称える歌が多くありますがこれは、役人である士族がやってくるようになったことの影響もあると考えられています。「良い世の中、豊かな世の中になってほしい」という庶民の願いが込められた歌や、自然描写の歌、圧政に抗う気持ちを込めて動物などを擬人化する歌が多いのも八重山の歌の特徴です。

公演日程:2011年9月14日 水曜日 から 10月2日 日曜日

チリ(サンティアゴ)

日時2011年9月14日 水曜日 19:00開演 会場: GAM(Centro Gabriela Mistral)
共演: Francesca Ancarola, Antonio Restucci, Juan Antonio Sanchez

[日本×チリ特別公演]
日時2011年9月15日 木曜日 20:00開演 会場: ペニャロレン区文化センター
共演: Francesca Ancarola, Elizabeth Morris, José Seves, Antonio Restucci,
Juan Antonio Sanchez

日本の「真裏」にあるチリには、過酷な時代背景の中で生まれた「ヌエバ・カンシオン(新しい歌)」運動により、生きた現在の表現として歌い創作されたフォルクローレなど、思いのこめられた力強い歌がたくさんあります。9月14日の公演では、ヌエバ・カンシオン流れを汲むチリの国民的人気歌手:フランチェスカ・アンカローラ(Francesca Ancarola、ギターとマンドリン演奏に定評のあるアントニオ・レストゥッチ(Antonio Restucci、さまざまな弦楽器に精通するフアン・アントニオ・サンチェス(Juan Antonio Sanchezの3名をゲストに迎え、日本の民謡奏者たちとともに力強く伸びやかな歌を届けます。フランチェスカと木津が歌うチリの名曲『Gracias a la Vida』も必聴です。

9月15日の公演では、2010年のチリ大地震、2011年の東日本大震災などから立ち上がろうとする人々への思いをこめて、日本とチリのアーティスト計10名による合同公演を実施します。チリ人アーティストには、初日の共演者3名に加え、フォルクローレに対する広く深い知識をもつ、チリを代表するフォルクローレバンド・インティイリマニ(Intiillimani)の代表的歌手:ホセ・セベス(José Sevesと、ホセとDUOとしても活動する現在のチリの代表的ヌエバ・カンシオン歌手:エリザベス・モリス(Elizabeth Morrisの2人が加わります。日本とチリ、それぞれの土地に息づくリズムと歌によって、復興に向け、会場全体からプラスのエネルギーを送ります。

アルゼンチン (ブエノスアイレス)

広い国土を有すアルゼンチンにも、それぞれの地域に根ざし愛されるフォルクローレがたくさんあります。多くのミュージシャンたちがそれらの音楽を下地として、現代的アプローチでさまざまな音楽的展開を見せているのもアルゼンチン音楽の特徴のひとつと言えるでしょう。9月20日の公演にはアルゼンチンのフォルクローレ音楽において、歌唱力・表現力からあらゆるミュージシャンから敬われる大御所歌手:スナ・ロチャ(Suna Rocha、サポートとしてギターのペドロ・フリオ(Pedro Furió)、パーカッションのラウル・トゥルヒヨ(Raúl Trujillo)を迎えます。アルゼンチンに多く住まわれている日系の方々への思いもこめて、日本とアルゼンチンの唄をお届けします。

ウルグアイ (モンテビデオ)

今年、建国200周年・日本との国交40周年を迎えるウルグアイには、アフリカを起源とする太鼓とダンスが特徴的なカンドンベ(Candombe)、スペインを起源として独自の発展を遂げた歌劇ムルガ(Murga)など、独特の音楽が根付いています。この公演に迎えるゲストは、ウルグアイ・ポップスでも注目と人気を集め、現在のムルガを語る上で欠かすことのできないエドゥ・ピトゥフォ・ロンバルド(Edu Pitufo Lombardoを中心に、ギターのネイ・ぺラサ(Ney Peraza、パーカッションのマルティン・イバルブル(Martin Ibarburuの3名です。ウルグアイの伝説的シンガーソングライター:エドゥアルド・マテオ(Eduardo Mateo)の名曲『Y Hoy Te Ví(イ・オイ・テ・ビ)』をピトゥフォと木津が歌います。

ブラジル

[リオデジャネイロ公演]
日時2011年9月28日 水曜日 19:00開演 会場: ネルソン・ロドリゲス劇場
[サントス ワークショップ]
日時2011年9月30日 金曜日 15:00開演 会場: SESCサントス(SALA1)
[サントス 公演]
日時2011年10月1日 土曜日 18:00開演 会場: SESCサントス
[サンパウロ公演]
日時2011年10月2日 日曜日 16:00開演 会場: エスパッソ・カシュエラ

ブラジルは、日系人も多く、日本とのゆかりの深い国です。そして、言わずと知れた音楽の宝庫でもあります。リオデジャネイロ、サントス、サンパウロの3都市で、公演に加え、ワークショップも実施します。

出演者プロフィール

木津茂理 Shigeri KITSU (歌、太鼓)

木津茂理氏の写真

民謡尺八奏者の父より民謡(唄)を、三味線界の大御所・本條秀太郎に三味線を、山田鶴喜美に鳴り物(太鼓)を師事。幼少より、テレビやラジオの民謡番組、舞台に出演。1997年、ウズベキスタンで開かれた第1回世界民族音楽祭に日本代表として参加し、審査員特別賞受賞。2002年に、津軽三味線の澤田勝秋とのユニット「つるとかめ」を結成。2人の圧倒的な演奏力と歌唱力は、民謡ファンを超え、細野晴臣や坂田明など洋楽系のアーティストや評論家からも熱い支持を集めている。2004年アテネ・オリンピックのシンクロナイズド・スイミングの音楽「阿波おどり」は、2人の演奏。つるとかめのCDは『つるとかめ』(2002年)、『あいのかぜ(北の国)』(2003年)、『しゃっきとせ』(2007年)。『しゃっきとせ』には、細野晴臣、浜口茂外也(パーカッション)などが応援で参加している。つるとかめは2008年に国際交流基金主催で中央アジアを巡回、各地で大きな成功を収めた。
ソロとしても「愛・地球博」(2005年)で世界最大規模の壁面緑化展示として話題を呼んだショー「バイオラングシンフォニー~環~」のテーマソングや、「題名のない音楽会」でこぶしジャズを披露するなど、細野晴臣、宇崎竜童、坂田明、渡辺香津美などの洋楽系ミュージシャンとの共演など、高い実力と優れた音楽性で、ジャンルを超えた活動を展開している。
海外公演は、2002年米国(ロサンゼルスの米国日系人協会招聘)、2003年インドネシア・シンガポール(国際交流基金主催)、2004年にニューヨーク、2008年ジャズの坂田明と共にイタリア・ドイツ、2010年上海万博(国際交流基金主催)、および中央アジア(上記)、2011年極東ロシア(国際交流基金主催)など。

澤田勝秋 Katsuaki SAWADA (歌、津軽三味線)

澤田勝秋氏の写真

青森県生まれ。津軽三味線・民謡の大御所。6歳より津軽の手踊り、15歳より津軽三味線を習い、19歳で上京し、民謡酒場で研鑽を積む。津軽民謡の本筋である「唄づけ」(唄に対して即興で応えていく、津軽三味線本来の高度な技術)ができる数少ない演奏家として高い評価を受けている。CDは、1970年にテイチクレコードより初アルバムがリリースされて以降、数え切れないほどリリースされている。木津茂理とのユニット「つるとかめ」として2002年・2004年に米国、2003年インドネシア・シンガポール(国際交流基金主催)、2008年イタリア・ドイツ公演、2010年中央アジア(国際交流基金主催)、2011年極東ロシア(国際交流基金主催)など、海外公演にも精力的に従事。2010年、その永年の功績を讃えて、日本郷土民謡協会より最高の章である民謡栄誉章が授与された。
現在、全国組織・澤田会を率い、自身の演奏活動のみならず、若手の育成にも力を注ぐ。

大工哲弘 Tetsuhiro DAIKU (歌、三線)

大工哲弘氏の写真

沖縄県石垣島生まれ。八重山地方に伝承される多彩な島唄をこなし、八重山民謡の第一人者としての地位を築いている。島唄に愛情をこめて歌う姿勢には共感者が多い。1977年に琉球新報主催古典芸能コンクール笛の部、1980年に同三味線部門にて最高賞受賞し、琉球民謡音楽協会・師範、野村流伝統音楽協会・教師の免許をもつ。1998年には沖縄県無形文化財(八重山古典民謡)保持者に指定される。
県内外及び海外公演にも多数出演しており、現在までに、南西アフリカ諸国(国際交流基金主催)、スイス、イギリス、フィンランド、ハンガリー、グァテマラ、ドミニカ共和国、チリ、アメリカなどでの公演、1998年エイジアンファンタジーツアー(インド、ベトナム、フィリピン、国際交流基金主催)参加など。世界の民族音楽家、ジャズやロックのミュージシャンなどとの共演、県内外の民謡教室での講師など琉球民謡の普及、育成にも力をそそぐなど、幅広く活動している。

大工苗子 Naeko DAIKU (歌、琴)

大工苗子氏の写真

沖縄県石垣島生まれ。1991年筝曲興陽会から教師免許を授与され、1993年琉球古典芸能コンクール琴の部門にて最高賞受賞。同93年、琉球民謡音楽協会師範免許を授与され、琉球琴の師範として後進の指導にあたる傍ら、琴奏者・歌い手として大工哲弘の国内外すべての公演やレコーディングに参加、1998年のエイジアンファンタジーツアー(インド、ベトナム、フィリピン、国際交流基金主催)にも参加した。琴伴奏のみならず、八重山民謡の女性の歌い手としても貴重な存在である。

太田惠資 Keisuke OTA (バイオリン) 
※チリ・アルゼンチンのみ

太田惠資氏の写真

民族音楽(トルコ、アラブ、インド、東欧、アイルランド)やジャズ、即興演奏を得意とし、日本人離れした声によるパフォーマンスにも定評がある。また、作曲家としてはCM、映画、演劇や、ファッションショー、プラネタリウムなどの音楽を数多く手懸けている。1995年夏、ユダヤ人のヴァイオリン弾きとして出演した演劇『GHETTO』(栗山民也 演出)は読売演劇大賞、毎日芸術大賞などを受賞するなど、映画・演劇作品の役者出演も少なくない。
多数のグループのレギュラーメンバーとして世界各地で公演し、伝統・コンテンポラリー、音楽・ダンスなどジャンルを問わず、海外アーティストとの共演経験も多い。2008年には今掘恒雄(g.)、岡部洋一(per.)を迎え初のリーダーバンドYolcu-Yoldas(ヨルジュ・ヨルダシュ)を結成。
る。

澤田勝春 Katsuharu SAWADA (津軽三味線) 
※ウルグアイ・ブラジルのみ

澤田勝春氏の写真

中学1年で三味線を始め、1981年津軽三味線の最高峰澤田勝秋門下に入門、1985年NHK邦楽オーディション合格。1986年に澤田流名取となり自身のグループを創立。1993年には青森県津軽三味線全国大会(第五回)で優勝する。長山洋子、細川たかし、コロッケ米国公演などの演奏で高い評価を得ており、華やかな曲弾きを得意とする。海外公演は、2009年ベトナム・バングラデシュ・インド・マレーシア(国際交流基金主催)、2011年極東ロシア(国際交流基金主催)、ほか。

舞台監督:三田晴夫
音響:井上哲司
照明:山縣朋嗣

チラシ・ポスター・プログラムデザイン:北川正
出演者写真:鈴木敏也

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