江戸写し絵東欧公演 ―蘇る江戸の幻想

江戸写し絵東欧公演 ―蘇る江戸の幻想の画像

国際交流基金では、約200年前に始まったとされる江戸の芸能、江戸写し絵の公演とワークショップを、東欧4カ国(ポーランド、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア)で実施します。

江戸写し絵は18世紀中頃の長崎へ海外から輸入された幻灯機がもととなり、江戸の庶民に愛された芸能です。輸入された幻灯機は金属製で、油に芯を立てて点した火を光源としていたため、非常に重く、熱いものでした。それが日本独特の発想と工夫によって木製に改良されたことで、手で持って絵を操ることができるようになり、独自の発展を遂げました。シンプルで無駄のないからくりと、繊細に作りこまれた絵の技術によって、動かないはずの絵が自在に動きストーリーを展開する様は、当時の民衆をひきつけてやまなかったはずです。映像研究の分野においては、昨今熱い注目を浴びる日本のアニメーションに通ずるという見解も聞かれます。

江戸写し絵の関連写真
©Swagato Chakravorty

一度は廃れてしまったこの幻想的な芸能を、独自の調査研究によって復元したのが、今回公演を実施する劇団みんわ座です。ヴィジュアルの面白さもさることながら、古典的な演目では、説経節の説経政太夫、尺八の設樂瞬山が、耳からも日本の魅力を伝えてくれます。人形劇などの伝統豊かな東欧で、蘇った江戸の幻想が人々を魅了することでしょう。

また、ハンガリーとルーマニアではワークショップも予定しています。子ども向けの影絵で遊ぶワークショップ、一般向けの江戸写し絵上演体験ワークショップ、映像関係を専攻する学生向けの幻灯機作成・上演ワークショップの3種類を予定しており、創意工夫の面白さやからくりの妙を伝えます。

江戸写し絵に関するより詳しい説明

公演日程・会場: 2011年11月18日 金曜日 から 11月28日 月曜日

ポーランド(ワルシャワ)
日程:
2011年11月18日 金曜日
会場:
ウヤズドフスキ現代博物館
日程:
2011年11月19日 土曜日
会場:
シフィト文化センター
主催:
国際交流基金、在ポーランド日本国大使館
ハンガリー(ブダペスト)
日程:
2011年11月21日 月曜日、22日 火曜日
会場:
メルリン劇場
ワークショップ(午前:専門学生向け / 午後:子ども向け)
日程:
2011年11月22日 火曜日
会場:
メルリン劇場
主催:
国際交流基金
共催:
在ハンガリー日本国大使館
ルーマニア(ブカレスト)
日程:
2011年11月24日 木曜日
会場:
オデオン劇場
ワークショップ(上映体験)
日程:
2011年11月25日 金曜日
会場:
国立映画演劇大学
主催:
国際交流基金、在ルーマニア日本国大使館
共催:
オデオン劇場
ブルガリア(ソフィア)
日程:
2011年11月27日 日曜日、28日 月曜日
会場:
国立演劇・映画芸術アカデミー
主催:
国際交流基金、在ブルガリア日本国大使館

上演演目のご紹介(解説:劇団みんわ座)

鼻曲がり三番叟

鼻曲がり三番叟の画像

舞台の清めの芸として上演される演目。写し絵でしかできない、光のからくりを駆使した独特の祝福芸。

あたま山

あたま山の画像

さくらんぼを食べたケチな男が、種をも呑み込んだ。 ところが頭に芽がでて木が生え、花が咲く。さぁ周りは、花見だ、踊りだと騒々しい。あげくの果てに頭に池ができ、魚が泳ぎ、投網が打たれ・・・。
 江戸の奇想天外な想像力が生んだSF的古典落語の白眉。写し絵ならではの表現と、さん喬師匠の巧みな話術に乗って、シュールな世界に迷い込む。

だるま夜噺

だるま夜噺の画像

家の主が、骨董屋で見つけた「だるまの掛軸」を床の間に掛けて、満足そうに眺めている。今日は両国の川開きで、花火の音が響いてきた。主が見物に出かけると、だるまが掛軸から飛び出し、主が残した酒を呑み、あらよ、と踊っている。騒がしいね、誰かいるの、と声がする。だるまが見ると、隣の部屋で奥方が布団に休んでるではないか。
争乱の幕末、爆発的に人気のあった滑稽芝居。

勧進帳

勧進帳の画像

源義経は兄の頼朝と不和になり、今では兄から追捕を受ける身になっていた。義経は家来の弁慶たちと山伏姿に身をやつして都を落ち、加賀の国安宅の関に差しかかった。関所では、関守富樫左衛門が待ち構えている。富樫が弁慶に、怪しい一行かなと問えば、弁慶は勧進の山伏と応える。しかし、富樫は義経を見たことがあった。そこな者が義経に似ていると、富樫が詰め寄ると弁慶は・・・。
歌舞伎の名場面として五本の指に入る傑作。語り芸の原点といわれる説経節を現代に甦らせた政太夫師匠と、勧進帳を現代的な新しい視点でとらえた劇団みんわ座による、江戸写し絵。

劇団みんわ座

1968年設立。稚内から八重山諸島にいたるまで、日本全国で影絵芝居を上演。小学校、特別支援学校、児童館等を回り、公演やワークショップを実施する傍ら、影絵や、影絵の手法を使った挿絵を用いた絵本の刊行などの実績も多数。影絵の技術と入念な調査研究を元に江戸写し絵を復元し、新内節、説経節、小唄、落語、琵琶・尺八・箏演奏などを取り込んだ公演も展開。日光江戸村の写し絵専門劇場「伝統劇場両国座」をプロデュース、2010年には国立劇場で上演するなど、国内外問わず注目を集めている。主な海外での江戸写し絵公演は2001年英国ブライトン国際映画祭公演、2008年米国ハリウッド映画アカデミー公演、2011年米国シカゴ大学公演。

劇団みんわ座の画像

出演メンバー:山形文雄、田中佑子、嘉数正彦、品田篤志、鈴木惇也、秋元乃里子、細山辰治、正木美緒、西尾直樹
演奏:説経政太夫(説経節)、設樂瞬山(尺八)

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