東アジアの若手キュレーターによる共同企画  オーストラリア、インドに続きいよいよ最終章シンガポールで開催 「Omnilogue:Your Voice is Mine

Omnilogue:Your Voice is Mineの写真

国際交流基金では、「21世紀東アジア青少年大交流計画」(JENESYS Programme)により2010年夏に日本に滞在する機会を得た東アジアの若手キュレーターと、同世代の日本人キュレーターとの共同キュレーションによる展覧会を2011年から2013年にかけてアジアの3都市での開催を企画し、若手日本人アーティストを積極的に紹介する機会を設けました。

展覧会は各都市の文化の固有性や地域の文脈を反映し、それぞれ異なる展覧会名と学芸的テーマを設けており、多方向の議論を示唆する造語「OmnilogueOmnilogue)」というタイトルのとおり、現代美術をとおして、21世紀の文化交流に関する新しい議論の可能性を切り拓くという目的を共有しています。参加作家たちは、シンガポールおよび東南アジアと日本の歴史的関係性、さらには会場であるシンガポール国立大学美術館が持つ歴史/文化/社会的文脈へと分け入り、そこに自らの立つ現実を投影しつつ新作を制作します。
他者の経験は、いかにして分かち持つことができるのだろうか。そもそも、「私」と「あなた」との境界線はどこにあるのか。「Your Voice is Mine」というサブタイトルは、他者と交差するポリフォニックな状況において、個人の内にある多面的なアイデンティティが拓かれる地平を示唆します。

Omnilogue:Your Voice is Mine

会期 2013年1月19日(土)~4月21日(日)月曜休館
会場 シンガポール国立大学美術館(NUS Museum, National University of Singapore
主催

国際交流基金、シンガポール国立大学美術館

出品作家

鯉江真紀子、佐々瞬、SHIMURAbros、冨井大裕、山川冬樹、山本高之
〔五十音順〕

キュレーター

シャビール・フセイン・ムスタファ (シンガポール国立大学美術館キュレーター)
ミッシェル・ホー(シンガポール美術館アシスタント・キュレーター)
池上司(西宮市大谷記念美術館学芸員)
藪前知子(東京都現代美術館学芸員)

* シンガポール国立大学美術館HPで、今回の展示作品画像がご覧になれます。

作家紹介

鯉江真紀子(こいえまきこ)

鯉江真紀子(こいえまきこ)の画像
From the series G, Kr-1
2008
Type C print
Courtesy of the artist

1969年京都府生まれ、京都府在住。特定の場や状況における目に見えない空気を可視化する写真作品を発表している。なかでも、スタジアムの群衆をとらえたシリーズは人々の感情のうねりを映し出すものとして高く評価され、2005年のVOCA展で大原美術館賞を受賞。また展示されている絵画と観客のイメージが交錯する美術館シリーズ、光に満ちあふれた緑の風景のシリーズなども展開している。2010年に初の写真集『Aura』を出版。主な展覧会に、「手探りのキッス 日本の現代写真」(東京都写真美術館、2001年)、「コレクション展II」(金沢21世紀美術館、2007年)、個展(大原美術館、倉敷、2009年)、個展(ツァイト・フォト・サロン、東京、2010年)など。

佐々瞬(ささしゅん)

佐々瞬(ささしゅん)の画像
Story of that (reference work)
2009
Eight speakers, Wood, Tools, e.t.c
Courtesy of the artist

1986年宮城県生まれ、東京都在住。音、構造物、テクストなどがあわさる多層的な表現により、フィクションと現実、異なる時空を交差させ、「現在」を複数の豊かな可能性の中に開く。近年は、展示とパフォーマンスを組み合わせた活動も行う。主な参加展覧会に、「No Man’s Land」(在日フランス大使館、東京、2009年)、「大邱フォトビエンナーレ2012 Dance on a Thin Line」(大邱芸術発展所、韓国、2012年)、「MOTアニュアル2012」(東京都現代美術館、2012年)など。

SHIMURAbros(シムラブロス)

SHIMURAbros(シムラブロス)の画像
SEKILALA - uncovered family(reference work)
2006-2008
Three-screen installation
Courtesy of the artist

ユカ(1976年生まれ)とケンタロウ(1979年生まれ)による姉弟ユニット。ともに横浜市生まれ、横浜市を拠点に活動。映画史に深い関心を寄せ、そのメディアとしての既存の枠組みを脱構築することで、見る者の身体感覚を刺激する新たな映像表現を創り出す。その実験的な着想はフィルム上映から立体作品にいたるまで様々な形で実体化され、数々の展覧会のほか、ベルリン国際映画祭、カンヌ国際映画祭などにも参加している。主な展覧会に、個展(BankArt Studio NYK、横浜、2008年)、「第13回文化庁メディア芸術祭」(優秀賞、2009年)、個展「映画なしの映画」(タカ・イシイギャラリー京都、2010年)、「動く絵、描かれる時間 ファンタスマゴリア」(横浜市民ギャラリー、2012年)など。

冨井大裕(とみいもとひろ)

冨井大裕(とみいもとひろ)の画像
Gold Finger (reference work)
2011
Thumbtacks
Photo by Keizo Kioku
Courtesy of Organizing Committee for Yokohama Triennale

1973年新潟県生まれ、東京都在住。既製品に最小限の手を加えることで、それらを固定された意味から解放し、色や形をそなえた造形要素として、「彫刻」のあらたな可能性を模索する。主な参加展覧会に、「再考現学/Re-Modernologio phase2:観察術と記譜法」(国際芸術センター青森、2011年)、「横浜トリエンナーレ2011」(横浜美術館、2011年)、「MOTアニュアル2011」(東京都現代美術館、2011年)、「水と土の芸術祭2012」(万代島旧水揚場、新潟、2012年)など。また、2008年よりアーカススタジオにて、作品が朽ちるまで続く実験的な個展「企画展=収蔵展」を開催、Twitterにて毎日発表される「今日の彫刻」などと併せ、既存の展示空間や制度を批評的に考察する活動でも注目を集める。

山川冬樹(やまかわふゆき)

山川冬樹(やまかわふゆき)の画像
The Voice Over (reference work)
1997-2008
Sound and video installation
Courtesy of Museum of Contemporary Art Tokyo

1973年ロンドン生まれ、神奈川県在住。音楽、美術、舞台芸術の分野で活動し、トゥバ共和国に伝わる歌唱法「ホーメイ」を駆使しながら、心音などの身体内部の現象をテクノロジーを用いて拡張、視覚化するパフォーマンスで知られる。また、遺された声と記憶を再構成したインスタレーション「The Voice-over」を制作、同作品は、釜山ビエンナーレ(2008年)、ヨコハマ国際映像祭(2009年)などで発表された後、東京都現代美術館に収蔵された。近年は、音楽、パフォーマンス、インスタレーションが合体した舞台作品「黒髪譚歌」(Vacant、東京、2010年)、「Pneumonia」(あいちトリエンナーレ、2010年)を発表するほか、宮本亜門演出の「金閣寺」(神奈川芸術劇場ほか、2011年)に出演するなど、活動の幅を広げている。

山本高之(やまもとたかゆき)

山本高之(やまもとたかゆき)の画像
New Hell (Aichi) (reference work)
2010
Video-based installation
Courtesy of the artist

1974年愛知県生まれ、愛知県在住。ロンドン留学後、小学校教師を経て、子どものためのワークショップを開催するとともに、それをもとにした映像/インスタレーション作品を多数制作。子どもの視線を通して、既存の価値観や因襲など、「大人」の社会の硬直した思考を解きほぐす。主な参加展覧会に、「笑い展 現代アートに見る『おかしみ』の事情」(森美術館、東京、2007年)、「あいちトリエンナーレ2010」(長者町、名古屋、2010年)、「PHANTOMS OF ASIA - Contemporary Awakens the Past」(サンフランシスコ・アジア美術館、2012年)「高松コンテンポラリー・アート・アニュアルVol.2」(高松市美術館、2012年)、「EXPERIMENTA 5th International Biennial of Media Art」(RMIT Gallery、メルボルン、2012年)などがある。

お問い合わせ

国際交流基金 文化事業部 アジア・大洋州チーム
Tel:03-5369-6062 Fax: 03-5369-6038
担当:古市保子 鈴木慶子

ページトップへ戻る