ベトナム青年劇場関係者招へい(ASEAN諸国向け文化協力事業)

ベトナム青年劇場・現代劇団Ⅱ『人形の家』 (イプセン)のワンシーン (2006年初演時)の写真
ベトナム青年劇場・現代劇団Ⅱ『人形の家』
(イプセン)のワンシーン
(2006年初演時)

国際交流基金(ジャパンファウンデーション)は、ベトナムに12ある国立劇場の中でも最も活発に活動し、最も多くの劇団数を擁する青年劇場(Youth Theatre)の関係者を中心とした27名から成る視察団を、11月20日(水曜日)~12月5日(木曜日)にかけて日本に招へいします。来日するメンバーには、ベトナムを代表する女優・演出家で青年劇場の副館長を務めるレー・カイン氏も含まれています。
本事業は、平成25年度新規事業として開始する、ASEAN諸国を対象にした、文化芸術分野の人材育成・技術支援プロジェクト(事業名「ASEAN諸国向け文化協力事業」)の第一弾です。
音響、照明、舞台美術のスタッフ等、今回初めて訪日する団員が多いなか、彼らが日本の演劇界を見て、どのような刺激を受け、明年3月から本格的に実施される日本での中長期の研修・交流を通じて、どのように変化していくのか、ベトナム側の関係者・メディアからも、期待が寄せられています。

概要

来日期間 2013年11月21日(木曜日)~12月5日(木曜日)(15日間)
来日者

ベトナム青年劇場館長、副館長、ベトナム文化スポーツ観光省舞台芸術局長、ハノイ映画演劇大学副学長ほか計27名

主な訪問先 国立劇場、新国立劇場、東京芸術劇場、彩の国さいたま芸術劇場、神奈川芸術劇場、静岡芸術劇場、神戸ダンスボックス、新潟りゅうとぴあ、北九州芸術劇場、山口芸術情報センター、豊島公会堂、日本橋公会堂、劇団四季、歌舞伎座、パシフィック・アートセンター、金井大道具など

ベトナム青年劇場

1978年に設立された国立劇場・劇団のひとつ。2013年11月現在、現代劇を扱う現代劇団Ⅰ、現代劇団Ⅱ、歌と踊りのパフォーマンスを行う歌舞劇団、フィジカルシアター(ベトナムで唯一)の4劇団を擁する。団員数は、事務スタッフ、技術スタッフを含めて約200名。児童劇からミュージカルまで幅広いレパートリーをもち、一年間で、約10のプログラムを青年劇場内で350回以上、地方巡回で250回以上、上演。年間観客数は、地方巡回も含めて45万人以上を動員しており、ベトナムで最も活発に上演している劇団のひとつである。2010年には、第1回国際イプセン演劇祭(主催:特定非営利活動法人舞台21/於:あうるすぽっと)の招待を受け、現代劇団Ⅱが訪日。2006年に初演した『人形の家』を再演している。なお、青年劇場の劇場は、3階席まであり、客席数は618席。

公演の様子の写真1
現代劇団Ⅰ 『5兄弟』
演出:アイン・トゥ(Anh Tu
初演:2011年

公演の様子の写真2
現代劇団Ⅱ 『おしん(家政婦)の家』
演出:レー・カイン(Le Khanh
初演:2012年

公演の様子の写真3
歌舞劇団 『子ども天国』
演出:レー・フン(Le Hung
初演:2012年

公演の様子の写真4
フィジカルシアター
『ハン・マック・トゥ(詩人)の最後の100分』
演出:レー・フン(Le Hung) 初演:2006年

レー・カイン(Le Khanh)人民芸術家、女優、演出家、青年劇場副館長

レー・カインの写真

1963年ハノイ市生まれ。1970年から女優としてのキャリアを開始。青年劇場所属の看板女優として、多数のテレビ、演劇、映画に出演。トラン・アン・ユン監督の『夏至』(2000)では、三姉妹の一人「カイン」を演じた。2010年には、池袋の「あうるすぽっと」で開催された国際イプセン演劇祭に参加、『人形の家』でノラを演じた。

ASEAN諸国向け文化協力事業とは

経済発展著しいASEAN諸国は、大きな成長マーケットとして世界の注目を集めている一方で、国によっては、まだ相対的に文化資本の蓄積が十分でなく、インフラの未整備・ノウハウの不足などから、自国の文化芸術関係者が必ずしもフルに創造性を発揮できない環境にあるところもあります。
ASEAN諸国向け文化協力事業」では、ASEAN諸国の文化芸術分野に関わる人材について、文化芸術を取り巻く周辺技術(音響、照明、舞台美術、機材・備品管理、劇場/美術館管理、演出/キュレーティングなど)を担う人々からアーティストまで、すべてを対象とし、包括的・総合的な育成を行うため、日本からの専門家派遣、日本への招へい(日本国内研修)、日本とASEANとの共同制作などを通じ、単なる単発的・一方的な技術指導にとどまらない、中長期的な双方向の交流・協力を進めます。

お問い合わせ先

国際交流基金(ジャパンファウンデーション)
文化事業部アジア・大洋州チーム
担当 :伊藤、尾利出(おりで)
電話 : 03-5369-6062
E-mail:Q_Asia_Oceania@jpf.go.jp
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