第12回バングラデシュ・ビエンナーレ

第12回バングラデシュ・ビエンナーレで
日本から出品の藤浩志氏が優秀賞(グランプリ)を受賞しました。

Grand Award
  1. 1.Hiroshi Fuji (Japan)
  2. 2.Mr. Dhali Al-Mamoon (Bangladesh)
  3. 3.Sedaghat Jabbari (Iran)
Honourable Mention Award
  1. 1.Mrinal Haque (Bangladesh)
  2. 2.Maria-Kristiina Ulas (Estonia)
  3. 3.Tejosh Halder Josh (Bangladesh)
  4. 4.Jagath Ravindra (Sri Lanka)
  5. 5.Salman Al Malik (Qatar)
  6. 6.Hilda Hyari (Jordan)
  7. 7.Egidijus Rudinskas (Lithuania)
  8. 8.Rasheed Abdul Rahman (Oman)
藤浩志 「かえっこバザール」の様子の写真
藤浩志 「かえっこバザール」の様子
照屋勇賢の作品の写真
照屋勇賢

アジア、アフリカ、南米、太平洋地域の国が参加
日本からは、藤浩志と照屋勇賢が参加
コミッショナーは、NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ
テーマは、「利用/誤用/再利用」

第12回 アジアン・アート・ビエンナーレ・バングラデシュ2006 日本参加報告書』(本体価格:477円)を、 国際交流基金本部1階のショップでお買い求めになれます。

日本からの参加の概要

会期 2006年3月5日(日曜日)~31日(金曜日)
オープニング 3月5日(日曜日)
場所 オスマニ・メモリアル・ホール(バングラデシュ、ダッカ)
主催 国際交流基金(ジャパンファウンデーション)
コミッショナー NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]
アーティスト 藤浩志照屋勇賢

内容

国際交流基金(ジャパンファウンデーション)は、諸外国と日本の相互理解を深めるための活動のひとつとして、各種の美術交流事業を行なっています。中でも、ヴェネチアサンパウロ、インド、バングラデシュの国際美術展には、日本を代表し毎回参加しています。(参加実績はこちら)

第12回バングラデシュ・ビエンナーレ、コミッショナーのNPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]は、藤浩志氏(1960年鹿児島生まれ、福岡在住)と照屋勇賢氏(1973年沖縄生まれ、ニューヨーク在住)を選出しました。

藤氏や照屋氏は、私たちの身の回りにある素材、あるいはすでに使われた中古の日用品を使い、社会に新しいシステムを提案するあるいは喚起を促す作品を制作しています。バングラデシュ・ビエンナーレでは、2006年1月の調査旅行を経て構想した両者の作品を、オスマニ・メモリアル・ホールの吹き抜け空間に展示する予定です。

藤氏は、日本で収集し続けている使い古しのオモチャと、生活廃棄物から作られた鳥型の立体作品を、照屋氏は、ダッカで集めた紙袋をつかった作品や、トイレットペーパーに切り込みをいれて作った彫刻作品を展示する予定です。人々の間で使われてなくなったものが循環、再利用されていくことに関心のある藤氏は、訪れた観客に詩を即興で作ってもらい、その詩と日本のオモチャを交換し、観客がオモチャを持ち帰ることができる仕掛けを計画しています。また、ビエンナーレ終了後も、残ったオモチャをさらにどのように使うことができるか、ダッカの人々にアイディアを募集し、その実現を試みます。照屋氏は、ダッカの町を歩いて見つけたお店で、品物をいれるために使う紙袋を収集し、それを用いて新作を制作します。

近年の現代美術における表現は、絵画や彫刻、インスタレーションなどの「もの」を作品として呈示するオブジェクト中心型から、「もの」の周りにできるオーディエンスとの関係や新たなコミュニケーションも作品とする「社会と関わるアート(socially engaged art)」までに、その領域が拡大しています。アカデミックな手法による作品が多くを占めるバングラデシュ・ビエンナーレにおいて、日本の現代美術の流れの一端を藤氏と照屋氏の作品を通して紹介します。

作家について

藤 浩志(1960年鹿児島生まれ、福岡在住)

藤浩志は、人々の社会活動において、地域資源、適正技術、協力関係を基盤とした新たな仕組みや枠組みづくりをするアーティスト。1985年に京都市立芸術大学大学院美術研究科修了後、1986年?88年にかけて青年海外協力隊員としてパプアニューギニア国立芸術大学の講師をつとめる。1988年より(株式会社)社会開発センターにてコンサルタントとして活動した後、1992年より藤浩志企画制作室設立。これまでに多くの個展やグループ展、建築的プロジェクトに参加、近年では、「越後妻有トリエンナーレ」に出品している。
藤は、私たちの社会のなかで「もの」が移動するシステムについて関心をよせてきた。人々がものを消費し、ゴミを生産するなかで、藤とその家族はゴミをださない生活を試みている。実際に彼は家庭ゴミを集め、洗浄し、それらを使って様々な作品を制作してきた。たとえば、ポリ袋を素材や色に分類し、それを織物にして日用品をつくる「ポリクラフト」を展開している。また、2000年より始めた「かえっこバザール」は、子どもたちがいらなくなったオモチャを持ち寄り、「かえるポイント」という通貨に交換、新たなオモチャを手に入れることができるプログラムで、子どもたちがリサイクルの考えや価値の変換を経験的に学べる仕組みをつくった。現在では、全国各地の商店街、町内会、学校や美術館、また海外でも年間約30箇所以上で開催されている。

照屋勇賢(1973年沖縄生まれ、ニューヨーク在住)

照屋勇賢は、多摩美術大学油絵課を卒業後、ニューヨークのSchool of Visual ArtsMFAプログラムを修了。2002年より欧米を中心に個展やグループ展に参加しているほか、「横浜トリエンナーレ2005」にも出品した。2002年VOCA奨励賞(上野の森美術館)、新人作家賞2002(オールドリッチ現代美術館、コネチカット)。照屋は、身の回りにあるものを使って、小さな「介入」をほどこすことでそのものの意味を変換させる作品を制作している。
現代の資本主義社会の仕組みに関心がある照屋の作品には、たとえば、店で商品をいれてもらう紙袋の側面を木の形に切り取り、袋の中に木の立体物を立ち上がらせるものがある。あらかじめ紙袋に関係する土地の木を写真におさめ、それをもとに繊細に小さな木が再現されている。そこでは、私たちが買い物をするとき、どのくらい商業システムや大量生産の仕組みについて知っているかを考えさせる。
また、沖縄と米国の政治的・歴史的な関係について扱うものもある。日常的な素材を使って、思いがけない経験を与える彼の作品は、人々が日常生活のなかでいかに多くの異なるシステムに依存しながら生きているかにふれている。多くの人は、紙が木の伐採による産物であることを知識として知っているが、さらに掘り下げて考えれば、いかに身の回りにあるあらゆる状況や事物が、政治的な仕組みに由来し、人々がそれに取り込まれているかに気づかされる。

バングラデシュ・ビエンナーレとは?

1981年にアジア14カ国の参加を得て開始された現代美術の国際展です。主催は、バングラデシュ・シルパカラ・アカデミー(バングラデシュ文化省所属の国立美術・舞台アカデミー)で、これまで、ほぼ2年ごとに開催され、現在では、アジア以外の地域も含む30以上の国・地域からの参加があります。

NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]とは?

AIT(Arts Initiative Tokyo)は、2002年5月に東京都より認証をうけたNPO法人で、東京を中心としたさまざまな場所に現代の視覚芸術にアクセスするための「プラットフォーム」の創出をめざして設立されました。「プラットフォーム」とは、AITが企画、制作していくさまざまなプログラムで、アートに興味のあるすべての人が立ち寄れる場です。AITでは、教育プログラム「MAD(Making Art Different)」のほか、アーティストやキュレーターなどによるトーク、シンポジウム、ワークショップ、展覧会、ラウンジ系イベントなどのイベント・プログラム、国内外のアーティストやキュレーターを対象としたレジデンス・プログラム、視覚芸術にかかわる批評や文化の今をバイリンガルで発信するパブリケーションがあります。AITは、「不必要なコストを最小限に、必要なコンテンツを最大限に」を活動哲学に、個人や企業、財団、文化機関などと連携しながら、軽やかにフレキシブルに、視覚芸術を考える場の創出をめざします。

関連企画

バングラデシュ最新報告会として、AITと松下電器産業株式会社が企画する時間限定の美術館「12時間美術館」内で、ダッカより帰国直後の藤浩志がビエンナーレの様子を紹介します。

日時:
2006年3月5日(日曜日) 14時~
場所:
パナソニックセンター東京 (江東区有明2-5-18 電話. 03-3599-2600)

[お問い合わせ]

特定非営利活動法人アーツイニシアティヴトウキョウ [AIT/エイト]
担当:小沢有子/ロジャー・マクドナルド
〒150-0033 東京都渋谷区猿楽町30-3 ツインビル代官山A-502 
電話: 03-5489-7277 ファックス: 03-3780-0266
http://www.a-i-t.net

国際交流基金(ジャパンファウンデーション)
芸術交流部造形美術課
担当:高取秀司

ページトップへ戻る