第14回アジアン・アート・ビエンナーレ・バングラデシュ2010 日本参加

名和 晃平 『Swell-Tiger』の写真 名和 晃平
Swell-Tiger
2010年 / ミクストメディア
撮影:表 恒匡
Courtesy of SCAI THE BATHHOUSE, Tokyo
名和 晃平 『Swell-Deer』の写真 名和 晃平
Swell-Deer
2010年 / ミクストメディア
撮影:表 恒匡
Courtesy of SCAI THE BATHHOUSE, Tokyo

名和晃平氏が出品します!

全体概要

「アジアン・アート・ビエンナーレ・バングラデシュ」は、1981年にアジア14カ国の参加を得て開始された国際展で、現在ではアジア以外の地域も30以上の国・地域からの参加のある、アジアで長い歴史を持つ国際展のひとつです。国際交流基金では、バングラデシュ政府からの要請を受け、日本参加の主催者として、1981年の第1回展から継続して日本人作家の作品を展示してきました。
第14回目となる今年のビエンナーレでは、川村記念美術館の林寿美氏を日本参加のコミッショナーにお迎えし、名和晃平氏の新作を紹介する予定です。近年ますます活動の場を広げる名和晃平氏のバングラデシュという場での新作に、どうぞご期待ください。

会期 2010年10月8日 金曜日 から 11月7日 日曜日
会場 オスマニ記念ホール、バングラデシュ・シルパカラ・アカデミー、バングラデシュ国立博物館
主催 バングラデシュ・シルパカラ・アカデミー
日本参加主催 国際交流基金(ジャパンファウンデーション)
出品作家 名和晃平(1975年生まれ、京都造形芸術大学准教授、大阪在住)
日本コミッショナー 林寿美(川村記念美術館学芸部学芸担当課長)

コミッショナー・メッセージ

老若男女を問わず、国民の90%近くが携帯電話を持ってメールでやりとりし、朝夕の通勤・通学電車の車内では、新聞や漫画雑誌に代わって、ニンテンドーDSのような携帯型ゲーム機を手にする人が増え続ける日本。人々の目に映るものは、日々たんなる情報として彼らのなかに取り込まれ、内容が咀嚼されることなくたちまち消えていく。そうした上滑りな社会において、視覚芸術はいったいどのような役割を担うというのか。

本展の日本代表作家となる名和晃平は、現地で制作した新作を発表する。SCUMあるいはSWELLと名づけられたシリーズに属するそれらは、名和がダッカ市内で自ら買い求めた玩具や置物を原型とし、分厚い発泡ポリウレタンの衣をまとっている。しかしそれは、何かを覆い隠すための「衣服」ではない。作品が新たな次元で居場所を見つけるために進化を遂げた皮膜といえばよいだろうか。名和はそれを「膨張した表皮」と呼ぶ。つまり、作品の原型となった物体は内側に閉じ込められるのではなく、自身が外に向かって膨らみながら、別の様相を呈するのである。しかも、質量の変わらないそれは、膨らめば膨らむほど中身が空疎になり、ついには表皮だけが現実世界との接点になる。実体感を生み出すのは、物の存在ではなく、外側の表皮だけ。だがそこには、確かに、私たちの目=精神を強くとらえる実像がある。

この重みを伴わないリアルで鮮烈な視覚体験こそが、名和作品を支え、そこにはかりしれない強度を与えている。不確実性に満ちた世界において、それは芸術がとりうる最も有効な手段にほかならない。表皮はただ見つめられるのを待っている。

(林 寿美)

出品作家について

名和晃平(なわ・こうへい)

彫刻家・京都造形芸術大学准教授・SANDWICH代表
1975年大阪府生まれ。2003年、京都市立芸術大学大学院美術研究科博士課程彫刻専攻修了。「ものの表皮」への意識から発して、PixCell=Pixel(画素)+Cell(細胞・小部屋)というコンセプトを機軸に、ビーズやプリズム、シリコーンオイル、発泡ポリウレタン、グルーなど様々な素材を介した多様な作品展開をしている。作品制作の傍ら、創作のためのプラットフォームとして「SANDWICH」を京都に立ち上げ、様々なプロジェクトが進行中。2007年に京都府文化賞奨励賞受賞。 2009年、東京のメゾンエルメス・フォーラムにて個展「L_B_S」を開催。ブリスベンのAsia Pacific Triennial(2009/2010)、Busan Biennale(2010)など国際展への参加も多数。2011年6月には日本の美術館での初個展を東京都現代美術館にて開催予定。

コミッショナーについて

林 寿美(はやし・すみ)

川村記念美術館学芸担当課長。
兵庫県生まれ。国際基督教大学教養学部卒業後、1989年より川村記念美術館設立準備室に勤務。「なぜ、これがアートなの?」(1998年)、「眠り/夢/覚醒」(2002年)、「ロバート・ライマン」(2004年)、「ゲルハルト・リヒター」(2005年)、「マーク・ロスコ」(2009年)などの展覧会を企画。

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