「コンテンポラリーの出現・日本の前衛美術1950-1970」
日本の戦後美術史に焦点を当てたブラジル初の美術展を開催

  • 元永定正 「作品」の画像
    元永定正 「作品」, 1961
  • 高松次郎 「瓶の紐」の写真
    高松次郎 「瓶の紐」, 1963  撮影: 山本糾
    ©The Estate of Jiro Takamatsu, Courtesy of Yumiko Chiba Associates, Tokyo,
    Fergus McCaffrey, New York and Stephen Friedman Gallery, London
  • 羽永光利 「松澤宥『第10回現代日本美術展』」の写真
    羽永光利 「松澤宥『第10回現代日本美術展』」,
    1971  参加=荒川修作 風倉匠 河口龍夫 工藤哲巳 高松次郎 田中信太郎 プレイ 前山忠 松澤宥 水上旬 吉村益信ほか

国際交流基金(ジャパンファウンデーション)は、2016年7月から8月にかけて、リオ・デ・ジャネイロにて美術展「コンテンポラリーの出現・日本の前衛美術1950-1970」を開催致します。

これは、国際交流基金が、リオ・デ・ジャネイロ オリンピック・パラリンピック開催にあわせ、リオから東京へとバトンをつなぐ取り組みとして、オリンピック開催前の7月から8月にかけ、日本・ブラジル共同で美術、映像(映画上映)、舞台芸術分野(ポップスコンサート)の文化交流事業を総合的に展開するものの一環として行われます。

本展では、1950年代から70年代に至る日本の戦後美術史に焦点を当てたブラジル初の美術展として、具体や実験工房などの世界のアート界で注目されている抽象表現、思想的な潮流に触発されて社会に新しいベクトルをもたらした建築やアート、人間の身体とは何かを模索したパフォーマンス、言葉とものとの関係性を追及した具体詩やもの派等にいたるまで、実験精神にあふれた約70点の作品を紹介します。社会的にも経済的にも激動の時代であるこの時代には、1964年の東京オリンピックなどの大きな社会現象に触発され、アーティストや建築家が新たな作品を生み出しました。社会や都市の劇的な変化を迎えているリオ・デ・ジャネイロ市内にて、日本が活力にあふれた時代を振り返り、同時に、1964年東京、2016年リオ・デ・ジャネイロ、2020年東京へと、共に未来を志向し、つなげていくものです。

「抽象の政治学」「アートと社会」「都市空間への介入」「もの、コンセプト、アート」の4つのセクションに分けられ、東京オリンピックのポスターを含む絵画、立体作品、映像、デザイン、出版物からパフォーマンスまで、様々なメディアの作品を展示します。

今回の美術展のために、アーティスト・グループ、ハイレッド・センターが1964年、東京で行ったパフォーマンスを2016年のリオに移し変えて、新しいコンセプトのもとでリオの若いアーティストによる作品を制作します。また、1962年に建築家・磯崎新氏が発表した「孵化過程」を、このたびの美術展で新たにリオ・ヴァージョンを制作し、展示する予定です。このほか、具体代表作家である元永定正氏の「作品(水)」をパソ・インペリアル美術館の空間で再現したインスタレーションや、もの派を代表する作家菅木志雄氏による新作「空臨耕」など、この場でしか見ることができない貴重な作品が数々含まれています。

他、映画上映、ポップスコンサートについては、ウェブページをご覧ください。

概要

会期 2016年7月14日(木曜日)~8月28日(日曜日)
会場
キュレーター ペドロ・エルバー(コーネル大学准教授)
企画協力 鈴木勝雄(東京国立近代美術館主任研究員)
主催 独立行政法人国際交流基金、パソ・インペリアル美術館
特別助成 公益財団法人 石橋財団石橋財団のロゴ
協力 Lufthansa Cargo AGLufthansa Cargo AGのロゴ

パソ・インペリアル美術館

18世紀ポルトガル植民地期に政府庁舎として創立。その後19世紀前半に王立宮殿へと移行し、1984年以降には、リオ市の主要文化センターとして、美術や音楽、映画などを題材とする展覧会を実施。同市の中心街に位置し、歴史的建造物として市民に親しまれるとともに、観光スポットとしても人気。

ペドロ・エルバー(キュレーター/コーネル大学准教授)

コーネル大学にてブラジル思想史、文学、美術史等を教えるほか、日本及びブラジルの戦後の美術史や思想史を比較研究できる希有な若手研究者として活躍中。国際交流基金の日本研究フェローとして日本に留学、研究対象には日本美術や日本の思想史も含まれ、日伯における戦後美術史を比較した「Breaching the Frame」等の書籍を出版。

報告書

THE EMERGENCE OF THE CONTEMPORARY: AVANT-GARDE ART IN JAPAN, 1950-1970

本書は、同展覧会の報告書として、展示会場や出品作品の写真紹介のみならず、本展キュレーターのペドロ・エルバー氏ならびに企画協力者の鈴木勝雄氏による、読み応えあるエッセイも掲載されています。

  • 執筆:ペドロ・エルバー、鈴木勝雄
  • 出版社:国際交流基金
  • 刊行: 2016年12月27日
  • 頁数: 121ページ
  • 言語: 英語、ポルトガル語
  • サイズ: 21 x 29.7 x 1 cm(A4サイズ)
  • ISBN:978-4-87540-177-3
  • 非売品

THE EMERGENCE OF THE CONTEMPORARY: AVANT-GARDE ART IN JAPAN, 1950-1970のカタログ表紙

プレスリリース

[お問い合わせ]

国際交流基金(ジャパンファウンデーション)
文化事業部 事業第1チーム
担当:西藤、岡部、鈴木(慶)
電話:03-5369-6061 ファックス:03-5369-6038
Eメール:arts1@jpf.go.jp
(メールを送る際は、全角@マークを半角@マークに変更してください)

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