美麗新世界:当代日本視覚文化

2007「日中文化・スポーツ交流年」 2007「日中文化・スポーツ交流年」事業

展覧会カタログBeautiful New World 美麗新世界』(定価:2,300円)は、販売終了となりました。

企画概要

いつの時代にも人々は、より良い社会、新しい世界を希求していますが、平和な新しい時代が望まれた21世紀の幕開けは、それと逆行するような世界規模の社会不安で始まりました。戦後日本は、高度経済成長期の1964年、東京オリンピックを機に都市化や国際化が進んだ一方で、1970年大阪万博後には終末論が流行。1990年代以降はバブル経済崩壊、阪神淡路大震災などによる新たな社会不安が、激化する国際紛争などと繋がって、人々の心の深層に拡がっています。1930年代、オルダス・ハックリーも『すばらしい新世界』で機械文明の発展したアンチ・ユートピアの姿を描き、日本の漫画でも地球征服や自然破壊などによる世界終焉の場面が繰り返し描かれます。さらに「新世界」という言葉が娯楽施設や遊技場などの通俗的な名称に用いられる際には、現実世界を抜け出した仮想の夢世界への誘惑を想わせます。このように、「美しく、素晴らしい、そして新しい世界とは何か」という問いは、栄枯盛衰を繰り返す歴史のなかで常に私たちに向けられています。

日中国交正常化35周年を記念して開催される「美麗新世界:当代日本視覚文化」展では、現代美術を中心に、メディアアート、建築、ファッションから漫画やアニメーションなどのポピュラーカルチャーまで、34名のクリエイターを紹介。中国で1990年代以降の日本の現代文化を網羅的に紹介する初めての機会となります。全体を「1. 美しきリアルワールド」、「2. ニューメディアワールド」、「3. 世界の終焉と未来世界」の3セクションに分け、「美しさ」や「新世界」という言葉から多層的に広がる表現を通して、現代社会を多角的に検証します。世界各地で複雑な社会的、政治的課題が挙げられる現代、「美しい世界」、「新しい世界」への問い掛けは、一国家や文化を越えた地球規模の議論であり、本展が人類共有のより良い未来をともに考えるひとつの機会になれば幸いです。

金氏徹平 teenage fun club 2007 Courtesy Kodama Galleryの写真

金氏徹平
teenage fan club
2007
Courtesy Kodama Gallery

開催概要

北京(中国)
会期: 2007年9月25日 火曜日 から 10月21日 日曜日 11時から19時 月曜日休
プレス内覧会:9月24日 月曜日 15時から
オープニング:9月25日 火曜日 17時から
会場: 北京大山子芸術区「798」内
(4 Jiuxianqiao Road, Chaoyang District, Beijing, 100015)
Section 1
Section 2
Section 3
広州(中国)
会期: 2007年12月25日 火曜日 から 2008年1月20日 日曜日 9時から17時 月曜日休
会場:

広東美術館(Guangdong Museum of Art)
(38 Yanyu Road, Er-sha Island, Guangzhou, 510105)
Tel: 86-(0)20-8735-1468 Fax: 86-(0)20-8735-3773

主催: 国際交流基金、中央美術学院、長征空間、インターアーツセンター、B.T.A.P.
広東美術館、広州美術学院
共催: 中国対外文化集団公司
協賛:

日本航空ロゴ画像資生堂のロゴ画像

協力:

日本科学未来館 日本科学未来館のロゴ画像

メディアパートナー:

メディアロゴ

お問い合わせ先:

国際交流基金(ジャパンファウンデーション)
芸術交流部 造形美術課 
担当:古市保子E-mail、チェ・キョンファE-mail

Section 1

美しきリアルワールド@長征空間(Long March Project)

「美しさ」の価値観や「リアリティ」の意味を再考し、そこから派生・逸脱する表現を探る。広告、ファッション界など女性のイメージを中心にした「美しさ」の定義、その変貌、表面と本質の関係性などをテーマにした作品や、日本の漫画やアニメーションにみられるボーイズ・ワールド、ガールズ・ワールド的なジェンダーの固有性、「かわいい」文化、あるいはそこから派生する「一人遊び」系のパーソナルな世界観にも注目する。また、1990年代以降、日常的な出来事や現象のなかに新しい価値観やリアリティを見出し、その等身大な表現で見る者の共感を得て来た作家も紹介する。

会田 誠、エキソニモ、金氏撤平、鴻池朋子、草間彌生、村山留里子、西山美なコ、小谷元彦 、岡崎京子、パラモデル、さわひらき、島袋道浩、高嶺 格、田中功起、宇治野宗輝、渡辺豪、西京人(小沢剛、「陳」の簡体字の画像劭雄、ギムホンソック)、やなぎみわ

会田誠のEncounter of the Fat and the Slim with Ten-thousand Yen Bill Background
会田誠
Encounter of the Fat and the Slim with Ten-thousand Yen Bill Background
2007
©Makoto AIDA
Courtesy Mizuma Art Gallery Courtesy Kodama Gallery

Section 2

ニューメディアワールド@インターアーツセンター(Inter Arts Center)

新しいメディアは私たちの世界の見方を変化させる。映像や音響を扱う技術の発達が知覚に与える影響に注目することで、これまでにない身体の感覚やコミュニケーションの可能性を模索する作品は、現代社会について考えるうえで重要性を増している。人と人、あるいは人と環境との関係性を固定的にではなく、流動的にとらえていく考えがそうした可能性を切り開いていると言えるだろう。新しい技術に媒介された作品のみならず、幅広く、都市や衣服、モノとの関係性も視野に入れた試みを紹介する。

アトリエ・ワン、ダブルネガティヴス、アーキテクチャー、津村耕佑、藤 浩志、池田亮司、押井 守、横山裕一、日本科学未来館

池田亮司data.tron[prototype] 2007の画像
池田亮司
data.tron[prototype] 2007
©Ryoji Ikeda

Section 3

世界の終焉と未来世界@東京画廊(B.T.A.P.)

天災や戦争、虐殺などによる社会や都市の崩壊、「死」とその恐怖から、都市の再生、未来都市など、日本の社会や文化に根強い終末観思想と、そこで希求される未来都市像などをテーマにする。また、永遠性、持続性を示唆する作品も考慮する。

藤幡正樹、畠山直哉、宮島達男、宮本隆司、大巻伸嗣、浦沢直樹、ヤノベケンジ、米田知子

宮本隆司 Kowloon Walled City 1987の画像
宮本隆司
Kowloon Walled City
1987
©Ryuji Miyamoto
Courtesy TARO NASU

イベント

[公開プログラム](入場無料)

シンポジウム「日本の現代美術と社会を考える」
日時: 2007年9月26日 水曜日 10時30分から13時
会場: 中央美術学院 (北京)
パネリスト: 吉見俊哉 (東京大学/社会学)、斎藤環(精神科医)、蔡国強(美術家)他
アーティストトーク
日時: 2007年9月26日 水曜日 17時から19時
会場: 「798内」展示会場
*集合場所:長征空間
出席者: 「盧」の簡体字の画像杰(Lu Jie, 長征空間ディレクター)、出品作家、キュレイター
ワークショップ1 ロボット体験ワークショップ
日時: 2007年10月6日 土曜日
会場: インターアーツセンター
企画: 日本科学未来館
ワークショップ2 「かえっこ」
日時: 会期中
会場: インターアーツセンター
出席者: 藤浩志

[関連プログラム](非公開)

ワークショップ メディアワークショップ
日時: 2007年9月27日 木曜日から9月29日 土曜日
会場: 中央美術学院
出席者: 藤幡正樹

企画運営

キュレイター

片岡真実
[かたおか・まみ]
森美術館シニア・キュレイター
1965年愛知県生まれ。1998年から2002年まで東京オペラシティアートギャラリー・キュレイター。現在、森美術館とヘイワードギャラリー(ロンドン)のシニアキュレーター兼務。企画した展覧会に、「JAM:東京-ロンドン」展(2002年)、「アンダー・コンストラクション:アジア美術の新世代」展(2002年)、「六本木クロッシング:日本美術の新しい展望」(2004年)など。
住友文彦
[すみとも・ふみひこ]
東京都現代美術館学芸員
1971年東京生まれ。スパイラル/ワコールアートセンター、金沢21世紀美術館建設事務局、NTTインターコミュニケーションセンター(ICC)を経て、2006年より現職。NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウの副ディレクターも務める。
キム・ソンジョン 在韓国インディペンデント・キュレイター
1965年ソウル生まれ。1993年から2004年まで、アートソンジェセンター主任キュレーター。現在、韓国芸術総合大学教授であり、インディペンデント・キュレイターとしても活躍。2005年にはヴェネチア・ビエンナーレでの韓国パビリオンのコミッショナーも務めた。

[中国]

プロジェクト・マネージャー: 李振華(インディペンデント・キュレイター)
アシスタント・プロジェクト・
マネージャー:
李詩
プロジェクト運営管理: 栗山政幸、黄海存

[日本]

プロジェクト・ディレクター: 古市保子
プロジェクト・コーディネーター: チェ・キョンファ、帆足亜紀
プロジェクト運営管理: 吉岡憲彦、佐野明子
会場デザイン(北京): 早野洋介+MAD
カタログデザイン: 大島依提亜

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