旧アジアセンター知的交流課 事業実績 1996(平成8)年度 1.企画開発事業

(1)知的交流分野

アジア国際公益団体会議 ¥13,251,332

1997年2月13日~15日/東京
近年アジア地域において国際的な事業を展開している公益団体(助成財団、事業財団、研究機関、NGO等)の実務者を招聘し、将来に向けて協力関係のネットワークを築く機会を提供するとともに、共通に抱える課題やテーマについて討議し、具体的なプロジェクトへの取り組みの可能性を探った。「未来へのビジョン:アジアにおける国際公益団体の協力の可能性」を全体テーマとし、アジア・太平洋10カ国から36名、日本から37名の実務者が参加した。

アジア・パシフィック・ユース・フォーラム ¥9,448,098

1996年8月7日~13日/山形
文化的背景を異にするアジア各地の若者が一堂に会し、言語、宗教、価値観等の違いを乗り越えて共通の課題について討論し、相互理解・交流の輪を広げることを目的としたフォーラム。第6回目となる96年度は、「開発と文化」をテーマに山形県羽黒町で開催し、アジア・太平洋17カ国から24名の研究者、ジャーナリスト、NGO職員等が参加。(財)国際文化会館との共催。

アジア・リーダーシップ・フェロー・プログラム ¥21,046,668

1996年9月1日~10月31日/東京
アジアにおいて社会的影響力を有する知識人を分野を超えて選抜し、フェローとして最長6カ月間招聘するプログラム。9月~10月の2カ月間、東京でワークショップ、セミナー等の共同作業を通じて共通の問題意識や価値観醸成を図るとともに、アジア地域の知的ネットワーク形成を目的とする。96年度はインドネシア、フィリピン、シンガポール、タイ、マレーシアから5名の知識人が参加し、「開発と文化」を総合テーマに議論を深めた。11月29日にフェローをパネリストとする公開シンポジウム「東アジアにおける知識人の役割」を開催。(財)国際文化会館との共催。

次世代リーダーフェローシップ ¥15,176,518

将来を期待される日本国内の人文・社会科学系大学院生、及びアジア地域との共同作業を進めている非営利団体のスタッフをアジア諸国に派遣し、アジアの文化・社会を現地で学ぶ機会を提供するフェローシップ・プログラム。96年度は、大学院生5名をインド、マレーシア、インドネシア、ベトナム、スリランカへ、非営利団体のスタッフ1名をフィリピンへ派遣した。

東南アジア地域研究交流プログラム(SEASREP) ¥15,917,995

東南アジア人研究者による東南アジア研究の振興を目的として、語学研修、客員教授招聘、修士・博士課程研究奨励、国際共同研究の4つのサブ・プログラムを包括的に実施。フィリピン大学、マラヤ大学、タマサート大学、インドネシア大学、ガジャマダ大学が参加。(財)トヨタ財団との共同企画事業。95年度より開始したプログラムで、96年度はマニラと東京にて事務局体制を整えると同時に、ニュースレターの発刊、広報の充実を図った。

アジア地域研究センター支援

香港大学アジア研究センター(香港)
(1)変動する中国社会とそれがアジア諸国へ及ぼす影響に関する調査・研究 ¥13,251,332

香港返還に焦点を当てつつ、中国社会の政治、経済、文化の構造的変動とそれがアジアにもたらす影響を探るため、香港大学アジア研究センター及び東京大学東洋文化研究所が共同研究を実施した。ワークショップ、資料作成、ダイレクトリー作成、研究ネットワーク設立等、9つのプロジェクトを包括的に支援。両大学が核となり、他大学研究者も加わって運営委員会を組織した。

シンガポール東南アジア研究所(シンガポール)
(2)成功のためのネットワーキング ¥12,200,022

ASEANに新規加盟もしくは加盟予定国の若手研究者、政策立案担当者、ジャーナリスト、企業家を対象にASEANの構造、経済協力、外交政策等について「成功のためのネットワーキング」と題する1カ月間の集中研修を実施。日本人専門家2名がカリキュラム作成や講義等に協力した。

インドネシア社会科学院東南アジア研究プログラム(インドネシア)
(3)東南アジア研究プログラム振興 ¥5,007,885

インドネシアにおける学術研究の拠点であるインドネシア社会科学院の東南アジア研究プログラムの強化のため、「東南アジアの新しい都市」、「東南アジアのASEAN化」の2つの会議開催を支援するとともに、日本人専門家を派遣。また同社会科学院の2名の若手研究員をマラヤ大学、フィリピン大学に派遣し、研究交流を促進した。

CLV(カンボジア、ラオス、ベトナム)知的支援事業

(1)CLV巡回セミナー ¥2,524,611

1996年12月16日~26日/ラオス、べトナム、カンボジア
ASEAN新規加盟国または加盟予定国であり、今後アジア域内での交流の推進が期待されるなかで、知的人材基盤の強化が急務となっているベトナム、カンボジア、ラオスの研究機関に対し、日本人専門家による巡回セミナーを実施。名古屋大学の安田信之教授(ASEAN加盟のための法整備)、麗澤大学の成相修教授(移行期経済論)、三重大学の鈴木基義教授(日本ASEAN関係)が、ベトナムASEAN研究所、ラオス国家行政学院、カンボジア平和国際協力研究所にて講義を行なった。

(2)ASEANスタディーツアー ¥10,232,138

ベトナム、カンボジア、ラオスにおいては、ASEAN加盟に際し、他のASEAN諸国の社会・人文科学系研究機関との交流が緊急課題である。この3国の研究者及び行政官が、ASEAN諸国の拠点機関を訪問し、域内問題を協議するとともに、知的交流ネットワークの強化を図るためのスタディーツアーを実施した。ベトナム国家・人文科学研究センターのASEAN6カ国への訪問(96年6月、3週間)、カンボジア国際協力平和研究所のインドネシアへの訪問(97年4月、1週間)、ラオス国立経済戦略研究所のシンガポールへの訪問(97年4月、12日間)を支援。

アジアの英字紙編集人会議 ¥1,414,000

1997年4月23日/東京
アジア諸国において世論形成に大きな影響力を有する英字新聞の編集者を東京に招聘し、アジアから世界に向けての情報発信について意見交換を行なうとともに、アジア域内のジャーナリストのネットワーク化を図った。バンコク・ポスト(タイ)、ストレート・タイムス(シンガポール)、コリア・ヘラルド(韓国)、チャイナ・デイリー(中国)、インドネシア・タイムス(インドネシア)、サウスチャイナ・モーニング・ポスト(香港)、ジャパン・タイムス(日本)から編集者が参加。

東南アジア日本研究コロキアム ¥2,811,651

1997年3月20日~22日/バンコク
チュラロンコン大学社会発展研究センター、タイ・日本研究者ネットワーク及び国際交流基金の共催事業。国際コロキアム「グローバリズム、開発主義と日本」とシンポジウム「アジア・太平洋の文化関係と日本の役割」の2つのパートからなり、(1)ASEANの地域的課題と日本研究の役割、(2)ASEAN地域における日本研究者の相互協力の可能性、(3)ASEAN各国における日本研究の現状と問題点等につき、ASEAN各国及び日米の研究者が一堂に会して討議した。

チャンドラボーズ生誕百年会議「21世紀のアジアの関係」への専門家派遣 ¥1,229,022

1997年1月20日~23日/カルカッタ
国際関係の構造的変動の中で南アジア諸国が直面する課題について、インドのネタジ研究所が開催した同会議に東京大学の長崎暢子教授(当時、インド近代史)、法政大学の絵所秀紀教授(開発経済学)の2名のインド研究者を派遣。そのほかパキスタン、バングラデシュ、アメリカ、イギリスから専門家が参加し、歴史的、政治的、経済的視角から、南アジアと東南アジアの潜在的な協力関係の可能性について率直な議論を行なった。

(2)文化振興分野

アジア地域博物館研修ワークショップ ¥11,993,882

1997年2月26日~3月10日/東京、大阪、沖縄
博物館がこれまで担ってきた希少な資料の収集、保存、展示という役割を超えて、地域住民の参加にもとづいた文化環境保存の試みとして、近年コミュニティー・ミュージアムという新しい動きが世界中で起こっている。コミュニティーが抱える課題を解決し、コミュニティーの文化の継承を行なう上で、博物館に何ができるかを考えるとともに、アジア・太平洋地域の博物館関係者の交流を図るため、2日間の研修とワークショップを開催した。オーストラリア、インド、インドネシア、韓国、タイ、日本、フィリピン、マレーシアより9名が参加。

ブータン国立パロ博物館支援 ¥3,000,558

ブータン唯一の博物館であり、同国のアイデンティティーの確立に大きな役割を果たしているパロ国立博物館に対する包括的な支援。展示のリニューアルに際し、「ブータン史の黎明期と初期」と題するシンポジウムを開催し、ブータン人研究者による歴史研究を振興するとともに、一般市民に自国の歴史や文化を理解する機会を提供した。また、博物館スタッフの人材育成のため、インドで開催された研修への参加やインド国内の博物館の視察を支援したほか、9世紀に書かれた「瞑想の準備段階」と題する古典文献の復刻を行なった。

「アンコール遺跡修復とカンボジアへの文化協力」シンポジウム ¥7,297,137

1996年10月19日/東京
人類共通の文化遺産として広く認識されているアンコール遺跡に関し、これまでアンコール遺跡国際調査団、日本国政府アンコール救済チーム及び国立奈良文化財研究所等の日本の民間及び公的機関が、それぞれ独自に協力を行なってきた。そこで、それぞれの協力事業の総括を行ない、専門者間の情報の共有を図るとともに、一般の日本人のアンコール遺跡に対する理解を深めることを目的として同シンポジウムを開催した。クメール文化瞑想センター(カンボジア)所長のチェンポン氏が特別講演を行なった。

第7回資料保存国際シンポジウム ¥2,400,500

1996年11月18日~19日/東京
インド、韓国、中国、ベトナム、モンゴル、オーストラリアの代表的国立図書館及びアーカイブの資料保存専門家を招聘し、「保存環境を整える―厳しい気候から、各種災害から資料をいかに守るか」と題した公開シンポジウムを開催。また「アジア地域における保存情報ネットワークの構築を考える」というテーマのもとにワークショップを実施した。国際図書館連盟資料保存コアプログラム・アジア地域センターとの共催。

アジア染織共同調査 ¥3,215,982

1996年11月27日~12月8日/沖縄、台湾、フィリピン
沖縄、台湾、フィリピンへ日本人専門家を派遣し、それぞれの地域の生活に根ざした民族文化とその交流の歴史をふまえ、各地に残る伝統的染織、特に植物繊維、植物染料に関する比較研究を行なった。伝統的な染織技術の今日的な意義を問い直し、その再生をめざすとともに、アジア地域の染織専門家のネットワーク形成を行なった。

アジア染織アーティスト・グループ研修報告書作成 ¥2,000,659

95年度にカンボジア、ラオス、タイ、インド、インドネシアよりテキスタイルに関わるデザイナー、研究者等を招聘し、それぞれの風土に根ざした自然の素材と伝統的な技法をいかに現代に継承するかを模索するため、東京、京都、沖縄でワークショップを実施した。日本人専門家との交流や、アジア域内のテキスタイル専門家のネットワーク形成に寄与した同研修事業の成果を広く普及するために、96年度には報告書を作成した。

「アジア及びムスリム世界における伝統音楽」シンポジウムへの日本人専門家派遣 ¥2,129,273

1997年4月2日~5日/ラホール
パキスタンのラホールにてパキスタン国立芸術協議会が開催したシンポジウム「アジア及びムスリム世界における伝統音楽」に、琉球大学の中村透教授(琉球音楽研究者、作曲家)、親泊米子氏及び宮城克年氏(琉球民謡、三味線、笛の専門家)を派遣した。伝統音楽をとりまく社会的状況、及び教育・継承のあり方について報告を行なうとともに、琉球音楽の演奏を行なった。

ページトップへ戻る