旧アジアセンター知的交流課 事業実績 1998(平成10)年度 1.企画開発事業

(1)知的交流分野

第三回アジア国際公益団体会議予備会合

¥1,766,380
1998年12月10日~11日/ジャカルタ

近年アジア地域において国際的な事業を展開している公益団体(助成財団、事業財団、研究機関、NGO等)の実務者レベルのネットワーク形成を目的とし、共通に抱える課題やテーマについて討議し、具体的なプロジェクトを実施する事業。本年度は、インドネシア環境友好基金がホスト役を務め、1999年11月に香港で行なわれる第三回会議(日本財団が助成)の予備会合を開催。本ネットワークの組織構造に関する意見交換をもとにワーキング・ペーパーを作成したほか、3つのテーマ別プロジェクト(「環境と持続性」、「市民社会」、「文化交流と文化協力」)の査定、第三回会議のプランニングを行なった。

アジア・リーダーシップ・フェロープログラム

¥27,313,206

アジアにおいて社会的影響力を有する知識人を分野を超えて選抜し、フェローとして最長6カ月間招聘するプログラムの第三年次。9月~10月の2カ月間、東京でワークショップ、セミナー等の共同作業を通じて共通の問題意識や価値観醸成を図り、アジア地域の知的ネットワーク形成をめざす。98年度は、インドネシア、シンガポール、タイ、中国、フィリピン、マレーシアから6名の知識人が参加し、「開発と文化」を総合テーマに議論を深めた。10月28日にフェローをパネリストとする公開シンポジウム「変化するアジア:グローバリゼーションと地域戦略」を開催。(財)国際文化会館との共催。

次世代リーダーフェローシップ

¥16,866,364

日本国内の人文・社会科学系大学院生及び非営利団体のスタッフを対象としたフェローシップ・プログラム。アジアを研究対象とする若手研究者の優れた調査研究を奨励し、アジアの国々との共同作業を担っていく次世代の人材育成を目的とする。98年度は合計9名をインド、インドネシア、韓国、フィリピン、ベトナム、マレーシアへ派遣。それぞれの研究テーマは以下のとおり。「インドの大衆教育・社会変革・開発における伝統芸術・芸能の役割」、「インドネシア、フィリピン両国におけるNGO環境保全戦略の比較」、「インドネシアの新体制における開発への大衆動員・参加:情報官の役割とその限界をめぐって」、「イリヤンジャヤ先住民の権利回復運動とインドネシアの民主化運動」、「韓国近代文学研究:特に言文一致の成立と韓国ナショナリズムの成立についての研究」、「フィリピン、ネグロス島における持続可能な農業形態の研究」、「ベトナム・ドイモイ(刷新)期における文芸運動に関する現地語資料研究・調査」、「マレーシア北部におけるバレー民族の伝統医療に関する研究」。

東南アジア研究地域交流プログラム(SEASREP)

¥20,000,507

95年度よりトヨタ財団と共同で行なっている継続事業で、東南アジア研究者による東南アジア研究の振興を目的として、語学研修、客員教授招聘、修士・博士課程研究奨励、国際共同研究の4つのサブ・プログラムを包括的に実施している。フィリピン大学、アテネオ・デ・マニラ大学、インドネシア大学、ガジャマダ大学、マラヤ大学、マレーシア国民大学、タマサート大学、チュラロンコン大学が参加。マニラと東京に事務局があり、マニラ事務局では毎年2回小冊子『SoutheastAsianStudiesBulletin(東南アジア研究)』を発行。

アジア地域研究センター支援

香港大学アジア研究センター(香港)

(1)変動する中国社会とそれがアジア諸国へ及ぼす影響に関する調査・研究

¥2,520,000

平成7年度から9年度までアジアセンターの支援により香港大学と東京大学東洋文化研究所が共同実施した「変動する中国社会とそれがアジア諸国に及ぼす影響に関する調査・研究」の評価のため、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所のクリスチャン・ダニエル教授を香港大学に派遣した。

シンガポール東南アジア研究所(シンガポール)

(2)成功のためのネットワーキング

¥21,673,055

日本とシンガポール東南アジア研究所の研究者が連携を図りながら、近年ASEANに新規加盟した、もしくは近く加盟を予定している国の高等教育機関の知的基盤を強化し、域内の円滑な交流と協力を促進していくことを目的とする継続事業。本年度はラオス、ベトナム、ミャンマー、ラオス各国から若手研究者、政策立案担当者、ジャーナリスト、商工関係者を招聘し、政治、経済、法律、環境、社会の視点からASEANの目的、意義、歴史、構造、機能、問題点、域外大国との関係等について集中的に研修を実施した。日本人研究者を講師として派遣し、「日本外交から見る日本とASEANの関係」をテーマにセミナーを行なったほか、バンコクの主要関係機関を訪問した。

CLVM(カンボジア、ラオス、ベトナム、ミャンマー)知的支援事業

ラオスにおける知的支援基盤整備の現状調査

¥1,770,288
1998年8月2日~28日/ヴィエンチャン

アジアセンターでは、長い戦乱や社会主義体制の下での経済発展の遅れから、高等教育研究機関の知的基盤が脆弱であるカンボジア、ラオス、ベトナム、ミャンマーに対して継続的な知的支援を行なってきた。その一環として、市場経済への移行期にあるラオスの政府職員23名を対象に、三重大学の鈴木基義教授を派遣して「マクロ・ミクロ経済学ワークショップ」を開催した。また、同期間にラオスにおける知的支援整備の現状について実地調査を行ない、ラオス国内の人材養成機関、文化機関の現状や、ラオスにおける諸外国の知的支援機関について調査した。調査の成果は1999年1月に行なった報告会にて発表された。

多国籍文化ミッション

(1)総括会合

¥13,298,703
1998年4月14日~17日/東京

21世紀に向けた多角的な文化交流・文化協力に関する提言を行なうことを目的とする「多国籍文化ミッション」事業の第三年次。97年の第1回会合で採択された行動指針第一部と、ASEAN各国を巡回して有識者、文化人、文化施設等を訪問した活動を踏まえ、98年4月に東京にて総括会合を開催。今後のASEANと日本の文化交流・文化協力事業に関するより具体的な提言について議論し、行動指針第二部を採択した。

(2)日本・ASEAN国際文化交流調査・文化協力事業の変遷、現状、課題調査

¥409,500

97年度、日本・ASEAN間を中心とする国際文化交流・文化協力の変遷、現状に関する総合的な調査を、東京大学の平野健一郎教授が主催する文化交流研究会に委託し、外務省をはじめとする関連省庁、国際交流基金、民間団体等が実施している対ASEAN諸国の文化交流・協力事業の現状を調査した。97年度に英語で発行した報告書を、本年度は日本語に翻訳・出版した。

(3)日本・ASEAN文化対話フォーラム「危機を超えて:文化からアジアを語る」

¥7,322,498
1999年3月10日~11日/東京

グローバル化という大きな時代の流れが日本とASEANの文化的側面に及ぼしている影響を探り、グローバル化の時代におけるアジア域内の文化対話の持つ意味をめぐって議論する対話フォーラムを開催。「現代アジアの文化を創造する」、「アジア史における新しいパラダイム」、「現代アジアの文化課題を再考する」の各セッションにおいて、日本とASEAN間の歴史的・文化的つながりを再確認しながら、21世紀に向けた新しい対話の可能性を探った。日本、ASEAN各国から学者、芸術家、文化人16名が参加。「日本・ASEAN多国籍文化ミッション」のフォローアップ事業として実施。

沖縄国際フォーラム

(1)グローバリゼーションとアジア文明:アジア経済危機の意味するもの

¥9,975,000
1999年1月28日~29日/沖縄

世界的な経済統合とグローバル化が進展する中で発生したアジアの通貨・経済危機は、それまでアジア経済の成長を背景として主張されてきた資本主義、または「アジア的価値」をめぐる評価を問い直すきっかけとなった。このような状況の下、「グローバリゼーションとアジア文明:アジア経済危機の意味するもの」を総合テーマに、グローバル化がもたらしつつある諸影響を文化的な側面から検討し、沖縄とその歴史が提供するものを改めて理解しながら、21世紀に向けての文明の共生について討議する会議を開催した。アジア太平洋地域から12名の識者が集まり、「文明の対立と共生」、「アジア危機の文化的側面~未来へのインプリケーション」、「沖縄からみた文明の共生」の各セッションで報告と討論を行ない、最後に「共生に向けて我々が成すべきこと」を中心に会議を総括した。

(2)平成9(1997)年度沖縄国際シンポジウム報告書作成

¥1,155,140
1999年3月10日~11日/東京

独自の文化と歴史を持つ沖縄が、アジア太平洋地域が抱えている共通課題に対していかなる貢献を行いうるかという視点で開催した国際シンポジウム、「21世紀の知的、文化的国際貢献の可能性」の報告書を作成した。

核実験後の日印関係セミナー

¥611,415
1998年12月2日/ニューデリー

98年5月にインドで実施された核実験以来悪化した日印関係を再構築することをめざし、両国の市民レベルでの対話を促進するセミナーを実施。日印両国から3名ずつ参加したパネリストを中心に、核の紛争抑止効果、核実験を促したインド国内の政治的要因、核実験後の南アジアの国際関係、日本の経済制裁に対する反応、今後の日印関係における基本的課題等について、インドの研究者、政策決定者、日印交流関係者、ジャーナリスト等約70名が意見を交え、政策背景まで掘り下げた討論を行なった。日本から参加した東京大学藤原帰一助教授(当時)は、「地域紛争における核の抑止効果の限界」と題する基調報告を行なった。

(2)出版

アジアセンターニュース

¥13,379,490

アジアセンター事業の3つの柱である(1)アジア域内の知的交流、(2)アジアの文化振興の支援、(3)日本におけるアジア理解の促進を推進すると共に、アジアセンター事業の普及をめざして実施している出版事業。アジアの文化や社会事情、アジアセンターで行なっている事業の紹介、日本におけるアジアに関するイベント情報等を掲載し、年3回発行している。アジアセンターニュースに掲載されている内容は、国際交流基金のWebサイト上でも公開されている。

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