旧アジアセンター知的交流課 事業実績 1998(平成10)年度 2.公募助成事業 (3)社会の平等と開放 (22件)

インドネシア・オボール財団(インドネシア)

国際シンポジウム:インドネシアにおける出版産業の再構築

¥1,622,302
1999年2月10日~11日/ジャカルタ

アジア経済危機による紙の価格の高騰で、インドネシアの出版業界は大打撃を受けた。経済危機が原因で出版界に生じた諸問題を論じるため、アジアを中心とする出版関係者や民主化を推進する海外NGOが主催して国際シンポジウム「経済危機下の出版業界の役割と戦略」を開催。続いて99年2月にジャカルタにて「書籍が果たす役割の高まり―インドネシアの新社会形成のために」を開催した。シンポジウムの結果は、『BukuDalamIndoneisaBaru(書籍と新しいインドネシア)』として出版された。

貧困層のための銀行活動ネットワーク(オーストラリア)

マイクロファイナンスに関するアジア実務家、専門家間の情報交換:貧民銀行(BWTP)ネットワーク訪日プロジェクト

¥2,471,000

貧民銀行は、貧困層のエンパワーメントのために銀行活動を行なうアジア9カ国の政策研究機関、商業銀行、NGO35団体から成る。第二年次の本年度は、近年日本でODA事業の対象として大きな注目をあびているマイクロファイナンス(少額の融資を通じて、貧困層の収入向上、生活福祉の支援を行なうこと)について、アジアで実践しているNGOや商業銀行のメンバーがインドネシア、インド、バングラデシュ、スリランカから来日し、ODA事業に関わる日本の政府団体、援助機関、開発研究機関、NGO等と情報交換やコンサルテーションを実施した。具体的な課題は、「持続性の原則」、「貧民層にとっての貯蓄の重要性」、「保守的・伝統的な金融システムの改善」、「マイクロファイナンスを支えるNGOや助成団体の役割」等。また、来日団は女性起業家を対象とするセミナーを視察する等、他のアジア地域には見られないマイクロファイナンスの施行状況を学んだ。

アジア市民社会運動研究所(韓国)

アジアの市民社会の組織化についての地域協力に関する研究

¥2,603,001

アジアにおける市民レベルの公益活動、NGO及びそのネットワーク、関連団体等についての理解を深め、これら団体間の情報交換を促進し、地域共通課題解決のための共同作業を促進するための調査を実施。1997年にアジアを襲った通貨危機は、奇しくも市民社会が世界市場や国際協力において果たす役割の重要性をクローズアップする結果となった。韓国の調査チームがフィリピン、香港、タイにおける市民レベル公益活動及び団体に関する資料調査、聴き取り調査を行ない、現在するネットワーク、関連団体を調査した。

梨花女子大学校アジア女性学センター(韓国)

アジア8カ国高等教育機関内の女性学の制度化と発展のための共同研究

¥2,631,396
1998年9月24日~26日/ソウル

アジアの高等教育における女性学の制度化と発展を目的として、大学関連研究機関で女性学プログラムを運営しているアジア8カ国の学者27名が参加し、国際ワークショップを開催。国別に2~3名が共同研究チームを結成し、「女性学成長の歴史と主要テーマ」と「女性学教科課程・制度の現況と問題」について国別の報告を行なった。同時に「女性学の制度化と発展のための共同研究課題・事業」について協議し、後続事業として実施する地域ワークショップの計画について意見交換を行なった。各国の報告は資料集として発刊し、韓国国内の女性学者に配付したほか、同センターのWebサイトに掲載することによって、全世界の女性学者や関連機関と情報の共有を図っている。

山岳民族教育開発財団(タイ)

山岳民族女性及び青少年のネットワーク・プロジェクト

¥1,865,781

伝統的に女性の地位が低いタイ北部山岳民族コミュニティにおいて、女性が村落開発により積極的な役割を担えるよう、女性のエンパワーメント、及び民族を超えた山岳民族女性のネットワーク化を図る事業。タイ北部5県において協力ネットワークを形成し、女性グループのリーダーやボランティアを集めた研修、女性を対象とした法律セミナーやスタディ・ツアーを実施したほか、99年3月には、タイ北部5県の女性代表及びNGOが、教育や国籍の取得等地域共通の課題について意見交換する山岳民族女性ネットワーク交流フォーラムを開催した。

東南アジア山岳民族の文化と開発、調査、記録、情報プログラム(タイ)

メコン地域のハニ族・アカ族の無形文化財の記録、保存、公開

¥2,591,663

タイ、ミャンマー、ラオス、中国の山岳地帯に在住するハニ族・アカ族の口承伝統を記録し保存することで、次世代への継承をめざす事業の第二年次。本年度は、中国やミャンマーのアカ族研究者も参加し、グローバル化が進む中でハニ・アカ文化を記録保存していく重要性や、アカ語の表記をめぐっての国際ワークショップを開催した。また、人間と動物のライフサイクルを表した叙事詩、アカ族の歌謡集等3冊を古代アカ語、現代アカ語、タイ語の3語併記で出版。活動2年目に入り、ネイティブを含むハニ・アカ族研究者間の国際的なネットワークが形成される中で、国際的なハニ・アカ語の表記システムや、史料に関する科学的分析についての合意がなされた。ニュースレターやビデオ等で研究成果の広報を行なった。

NGO活動推進センター(日本)

日本とアジアの拠点NGO間のネットワーク作りに関する調査研究―21世紀に向けての新しいパートナーシップの確立をめざして

¥3,070,000

97年度に引き続き、アジアの国の中でも日本のNGOが高い関心を寄せ協力活動を行なっているフィリピン、タイ、ベトナム、ラオスを対象に、日本のNGOのネットワークとパートナーシップに関する調査を実施した。本年度は、ラオスで活動するNGOの参加を得て、ラオスでの2回目のワークショップを開催したほか、日本のNGOの直接のパートナー団体へのアンケート調査を実施した。また、「フィリピンと日本のNGO間のパートナーシップ・セミナー」を東京で開催、上記調査の成果の報告と討論を行ない、日本とフィリピンのNGO間での情報交換、域内協力、拠点NGOの役割、協力のあり方等について討議した。今後、和英両語による行動計画を含む報告書と、アジア6カ国のNGOのディレクトリーを発行し、関係団体、行政機関に配付する予定。

カンボジア―日本法律家の会(日本)

カンボジアにおける法曹養成支援の推進

¥2,420,000

ポルポト政権時代に崩壊したカンボジアの法制度の整備支援の一環として、現地法律家養成を目的とし、教材の作成・配布及び刑法セミナーを実施した。法律の入門書(中山研一著「刑法入門」)をクメール語に翻訳して出版し、プノンペン大学法経学部、司法省、カンボジア弁護士協会等の法律関係機関へ無料で配付したほか、プノンペン大学の学生30名を対象に刑法に関するセミナーと、カンダール州裁判所への訪問を行なった。

フェアトレード推進委員会(日本)

フェアトレード概念確立のための実態調査

¥1,640,000

フェアトレードとは、第三世界において経済的、社会的に不利な状況に置かれている生産者が生産する商品を、NGO等を介して先進国と継続して取引を行なう貿易のことで、近年市民の間での認知度が高まってきている。本件は、フェアトレードの実態調査を行ない、フェアトレードの発展にとって必要な情報の蓄積、統一した定義・判断基準の構築をめざす事業の第一年次。本年度は、ネパール国内の10のフェアトレードグループに対し、雇用促進・産業育成、国際協力、伝統文化継承の3つの観点から組織概要、労働者、生産物、市場に関する調査を行なった。それにより、企業体もフェアトレードの担い手となりうること、フェアトレードが貧困層、特に貧しい女性の生活の改善につながっていること、また伝統文化の保存と継承にある一定の役割を果たしていることが確認された。

基礎造形学会(日本)

1998年アジア基礎造形学会中国大会

¥816,600
1998年6月26日/広州

近年アジア諸国では、産業振興を優先させた結果、地球レベルでの資源乱用、大気や水質の汚染、大量の廃棄物の発生を招いた。本件はこのような環境問題に配慮しつつ、アジア地域固有の生活文化と造形文化の継承と、アジアにおける新しい造形文化とユニバーサルな産業の創出を支援することを目的とする事業で、広州にて第一回アジア基礎造形学会を開催した。広州美術学院関係者及び韓国、台湾、日本の学会員が参加し、各国の大学における基礎造形教育の現状を報告したほか、高齢者や障害者を意識したバリアフリーのデザイン等の諸問題についてアジア全体で取り組んでいくことが確認された。

国際子ども権利センター(日本)

児童労働と子どもの参加に関する日印共同研究・交流プログラム

¥2,970,000
1998年11月21日~23日/東京、大阪

インドにおける児童労働に伴う子どもの権利侵害や、彼らの社会参加阻害要因を日印のNGOが共同で研究し、対話を重ねて子どもの権利促進をめざす3カ年計画事業の第一年次。本年度は、インドで働く子ども、ストリート・チルドレン、インドで児童労働に取り組むNGOスタッフを日本に招聘し、インドの児童労働の実態とその原因、特に文化的側面や価値観について話し合うシンポジウムを開催した。また、子どもによるワークショップを通して日印の子ども同士の交流を深めたほか、NGO関係者による意見交換を行ない、子どもの権利や児童労働問題への意識を高めた。

差別とたたかう共同体全国連合(共同連)(日本)

第四回日韓障害者国際交流大会

¥800,000
1998年5月14日~18日/慶州

日韓両国の福祉・障害者施策の現状についての情報交換の場、また障害者の交流の場として、95年以来開催されてきた障害者国際交流会の第四回大会を韓国の慶州にて開催。「生き方、働き方、暮らし方を考える-共にアジアの障害者として」をテーマに、互いの国情、福祉・労働政策、雇用状況、障害者運動の現状等についての理解を深めた。韓国から約90人、日本から約50人の障害者が参加し、障害者の労働権保障と障害者施策の政策について意見交換をしたのち、総括討論を行なった。欧米式の福祉施策を乗り越え、アジア本来の良さに依拠した障害者施策、運動の方向性を探ること、及び日韓のみならず広くアジアへの交流拡大をめざすことを確認した。

(財)アジア太平洋人権情報センター(日本)

アジアにおける「国連人権教育の10年」の推進に向けて:アジアの文化的価値と人権の調和

¥3,344,000

「国連人権教育の10年」の推進をめざして、「アジアの文化的価値観と人権の調和」をテーマにアジア各国と共同研究を実施、その成果を人権教育に生かすことを目的とした事業。97年度にバンコクで行なわれた人権教育地域会議での合意に基づき、「学校における人権教育のアジア小地域ワークショップ」をシリーズで開催した。インドネシアのスラバヤ市(5月14日~17日)を皮切りに、韓国のソウル(8月10日~13日)、インドのニューデリー(10月15日~18日)にて実施。各ワークショップには、関係地域の学校教員、教員トレーニング機関、政府の教育省、NGOが参加し、文化的価値観と人権教育のつながりを見直すと共に、学校における人権教育についての教材・経験の共有、人権教育の推進、情報交換を行なった。

(財)大阪府男女協働社会づくり財団(日本)

大阪府海外女性招聘事業

¥1,112,400
1998年12月12日/大阪

アジア太平洋地域と大阪の女性との連携・交流を深め、共通する課題の解決や女性の地位向上について考えるため、女性の政策提言活動が進んできている韓国、及び政策決定や政治への参画率の高いフィリピンのNGOで活躍する女性を招聘し、シンポジウム、ワークショップ、展示会等を開催。シンポジウム「女性がエンパワーメントするために~アジアの女性から学ぶもの~」には約200名が参加し、女性学特別講演会では「韓国の女性学の現状」、NGOによる勉強会では「フィリピン女性と住民参加」をテーマに、パネリストと参加者が意見交換を行なった。本事業の成果は報告書としてまとめて日本国内の女性センター、府内の女性団体・図書館、海外のNGO等に配布する予定。

(社)日本建築学会(日本)

第二回アジアの建築交流国際シンポジウム

¥3,229,200
1998年9月8日~10日/神戸

アジアにおける建築資格制度や建築教育のあり方について共通認識を醸成することを目的とし、日本建築学会、大韓建築学会、中国建築学会の三学会が初めて共同で行なった事業。アジア各国から建築家、技術者、都市計画家、研究者等をパネリストとして招聘し、今後の都市づくりの参考として淡路・阪神大震災の復興の様子を具体的に紹介したほか、「建築史のポリティクス」、「建築家・建築技術者の資格制度と建築教育」、「震災と建築構造技術」、「震災復興まちづくり・すまいづくりの方策」、「歴史的環境と保存」、「伝統的建築技術と環境共生」をテーマに分科会を実施した。シンポジウムの結果は論文集・報告書として出版。三学会の国際化に寄与した本シンポジウムは、今後も三学会持ち回りで継続して開催される予定である。

第三回ローエイシアビジネス法会議組織委員会(日本)

第三回ローエイシアビジネス法会議

¥1,000,000
1998年11月9日~10日/東京

アジア太平洋地域25カ国の法律家、企業法務担当者、法律関係学者から成るローエイシアビジネス法会議組織委員会が、アジア地域における経済発展と近年の経済危機を背景に、ますます要求されてきている法の支配(RuleofLaw)と、それに依拠した社会の形成(法化社会)、特に経済分野における商業法の向上をめざして開催した国際会議。「法を通じての社会改革」を基調テーマに、「金融ビッグバンとアジアにおける経済構造」及び「アジア社会におけるコーポレート・ガバナンス(企業統括)」に関する講演や討議を行なった。国内外併せて300人以上の法律家が参加。特にアジア地域の法律家より日本における法化社会の進捗状況に強い関心が示され、活発な質疑応答がなされた。

日中刑事法研究会(日本)

第六回日中刑事法学術討論会

¥1,500,000
1999年3月15日~18日/名古屋

日本と中国における犯罪法・刑事法の現状と課題を報告しあうと共に、大学関係者、弁護士、実務家、学生の参加を得て、両国の刑法に関する共通の課題について考察する日中共同のプロジェクト。「正当防衛」、「薬物犯罪」、「少年犯罪」をテーマに日中のパネリストが論文の発表と討論会を実施したほか、中国側の参加者が名古屋刑務所を見学した。発表論文は『第6回日中刑事法学術討論会資料日本・中国報告者論文』として日本語と中国語で出版されている。

日本カンボジア救援会(日本)

デスクトップ出版を通してのカンボジアのジャーナリズム・ワークショップ

¥3,356,250
1998年11月21日~23日/東京、大阪

若手カンボジア人ジャーナリスト及びプノンペン大学の学生を対象に、民主的な社会においてジャーナリズムの果たす役割の重要性に対する意識を高め、コンピューター技術の向上を図る事業の第二年次。昨年に引き続き、米国人専門家講師によるジャーナリズム論、ニュース・ライティング、倫理等の講義と、コンピューター技術、デスク・トップ・パブリッシングについての研修を実施したほか、ジャーナリスト、研究者、行政官、一般人を対象に、ジャーナリズム関係図書や世界の主要新聞・雑誌を収集し公開する「メディア・ライブラリー」の運営を開始した。

オークランド大学ニュージーランドアジア研究所(ニュージーランド)

グローバル化における原(先)住民の経済参加、人権、アイデンティティ

¥3,106,512
1998年12月4日~6日/チェンマイ

96年6月、97年8月に開催した政策コンサルテーション「人権、主権、移民」、「アジア太平洋の経済統合と文化的アイデンティティ」の成果を受け、「グローバル化の時代における先住民の経済参加、人権、アイデンティティ」をテーマとした政策ワークショップを開催。オーストラリア、ニュージーランド、ミャンマー、香港、マレーシア、フィリピン、台湾、タイからNGO関係者、研究者等34名が参加し、各国の少数民族の現状についての報告を行なったほか、異なる少数民族が共通に抱えているアイデンティティや人権の問題、経済自由化がもたらす経済格差等について論じた。これらを長期的なアジェンダとして検討していくために、98年にオークランドで開催されるAPECと平行して「アジア太平洋先住民・少数民族会議」の開催を決議し、南太平洋、東南アジアの先住民間のネットワーク形成をめざしていく。

アジア経営大学院(AIM)(フィリピン)

ラオスとベトナムにおける開発経営学修士課程コースのフィージビリティ・スタディ

¥3,233,912

市場経済への移行が進むラオス、ベトナムを対象とし、開発経営修士課程設立のためのフィージビリティ調査を実施した。その結果、学位取得を目的としない短期コースの開設を検討することとなった。今後、短期コース開設に向け、日本及びベトナムのカウンターパートと協議を行なっていく予定。

フィリピン・ビジネス社会開発財団(フィリピン)

東南アジアにおける財団・市民団体活動強化

¥3,469,520
1998年5月19日~22日/タガイタイ

CivilSocietyResourceOrganization(CSRO:市民社会を基盤とした団体)は、私企業、外国の支援団体、政府機関等から財政を確保し、NGOやその他の市民団体への運用活動を行なっている。本件は、97年に米・シナゴス研究所が行なった「CSROの支援が東南アジアの同種団体に果たした役割」についての調査プロジェクト(笹川平和財団が助成)から発展した事業で、東南アジアにおけるCSROの多岐にわたる活動の現状を把握し、東南アジアの財団や市民団体の活動を強化することを目的とする会議。インドネシア、シンガポール、フィリピン、マレーシアから参加したCSROの関係者40名と、国際的な助成団体・財団の代表が情報交換を行ないながら、財政的な継続性、組織力の強化についての施策を論じた。

民主女性知的基金(モンゴル)

第三回東アジア女性フォーラム

¥2,058,787
1998年2月9日~14日/河北省

北京女性会議を契機に設立された東アジア域内の女性関連NGOのネットワークである東アジア女性フォーラムの第三回大会。フォーラムには、日本、韓国、中国、香港、台湾、モンゴルより300名以上が参加し、過去2年の各国における女性の状況について報告を行なったのち、「グローバル化と女性の仕事と生活」、「女性の人権」、「政治と女性のエンパワーメント」と題するワークショップを実施。各ワークショップをさらに3つのサブ・グループに分け、より具体的な課題をとりあげた。2000年に向け、域内各国の社会的経済的発展に伴う女性の役割を規定し、女性が直面している問題を解決するための提案とアクション・プランを採択した。

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