シンポジウム「人の移動と文化的アイデンティティ~日独社会への示唆~」

JF便り当事業に関する報告を、JF便り<日本研究・知的交流編・11号>に掲載しました。

グローバル化にともなう「人の移動」は、労働力の移動という観点のみならず、人に付随する言語、習慣、生活様式など、いわば文化一式も合わせて移動するという点で重要で、移動するその人自身、また彼らを受け入れる国にさまざまな影響を与えています。日本社会の文脈では、アジア諸国や日系移民の子孫の受け入れが政策論として議論されているものの、昨今の金融危機を発端とする世界同時不況の中、見直しが迫られ、また他方、ヨーロッパにおいてはより早くから中東や東欧から労働移民を受入れてきたものの現在は彼らの社会への統合が問題となるなど、変化が激しく、また長期的見通しを立てるのが難しい領域となっています。

本シンポジウムは、上記のような現状を踏まえ、アジアとヨーロッパからパネリストを招き、「人の移動」というコンセプトから日本とヨーロッパがともに抱える課題を、特に「ローカル(自治体)」「国」「地域(EU、ASEANなど)」の3つのレベルから議論します。外国人住民の受け皿となる「ローカル(自治体)」の現状と課題、政策や市民権を決定する主なアクターである「国家」のレベル、そして統合が進む「地域(EU、ASEANなど)」、というそれぞれの観点から議論を行ないます。さらに、「人の移動」が人や国家のあり方や個人のアイデンティティに与える影響も検証し、日本とドイツ、もしくはアジアとヨーロッパの将来を検討します。ご関心ある皆さまのご参加をお待ちしております。
概要
日時 2009年3月12日 木曜日 14時から18時
会場 pia NPO (大阪市港区築港2-8-24) アクセス
共催 国際交流基金(ジャパンファウンデーション)、
コンラード・アデナウアー財団 コンラード・アデナウアー財団ロゴ画像、関西国際交流団体協議会 関西国際交流団体協議会ロゴ画像
言語 日英同時通訳
プログラム
参加者略歴
参加費 入場無料
お申し込み方法 ご参加希望の方は、3月2日 月曜日までに、お名前・ご所属・ご連絡先(Eメールもしくは電話・Fax番号)を下記EメールもしくはFaxにてお申し込みください。

E-mail
Fax: 03-5369-6041
* 先着順150名とさせていただきます。
お問い合わせ先 ジャパンファウンデーション 日本研究・知的交流部欧州・中東・アフリカ課
「人の移動と文化的アイデンティティ」シンポジウム担当 (後藤)
電話: 03-5369-6071 / ファックス: 03-5369-6041
〒160-0004 東京都新宿区四谷4-4-1 E-mail

プログラム

開会・基調講演

14:00
開会
14:10
基調講演:井口泰 関西学院大学教授 「人の移動をめぐる日本とドイツの現実」

第1セッション: 3月11日開催の専門家会議からの報告
「自治体レベル、国レベル、地域レベル:人の移動とアイデンティティに関する現状と課題」

14:30-15:45

モデレーター:中山暁雄 国際移住機関駐日代表

  • 自治体レベルの政策
    北脇保之 東京外国語大学教授
  • 国レベルの政策
    ブレント・アスラン  ドイツ・トルコフォーラム議長
  • 地域統合の政策
    ポントゥス・オドマルン エジンバラ大学講師
<ディスカッション>
15:45-16:00
休憩

第2セッション: パネルディスカッション
「アジアとヨーロッパの人の移動と地域統合:個人・国家・地域におけるアイデンティティの今と未来」

16:00-17:40
モデレーター:井口泰教授
パネリスト:大石奈々国際基督教大学准教授
       井上洋 日本経済団体連合会産業第一本部長
       トマス・クフェン 北ライン・ウェストファリア州移民長官
       太田泰彦 日本経済新聞社編集委員兼論説委員
       エヴィ・アリフィン 東南アジア研究所客員研究員 (略歴後日掲載)
<会場との質疑応答>
17:40-17:50
座長総括・提言(井口泰教授)
閉会
 
17:50
閉会の辞
レセプション
終了後 ~ 19時30分ごろ

参加者略歴

《座長・モデレーター》

井口 泰(いぐちやすし) 関西学院大学経済学部教授 少子経済研究センター長

1976年一橋大学経済学部卒業、労働省入省。80-82年、ドイツ連邦共和国エアランゲン・ニュルンベルク大学に留学。87年以降、外国人雇用問題に関わり、GATTウルグアイ・ラウンドのサービス貿易交渉に労働の専門家として参加。外国人雇用対策課長を最後に労働省を離れ、95年から関西学院大学経済学部助教授。97年より同大学教授。99年、博士(経済学)取得。著書に『国際的な人の移動の労働市場』(日本労働研究機構、1997年)、『グローバル時代の外国人労働者』など。研究分野は、(1)主要先進国の労働市場及び労働市場政策の比較研究、(2)主要なアジア諸国の労働市場や技術移転の研究、(3)高度な人材を含む国際的な人の移動。外国人集住都市会議アドバイザー、内閣府・規制改革会議専門委員(海外人材担当員なども兼ねる。

《モデレーター》

中山 暁雄(なかやまあきお) 国際移住機関(IOM)駐日代表

1995年オーストラリア国立大学アジア太平洋地域研究所で国際関係の修士号を取得。1996年に国際移住機関(IOM)マニラ事務所にアソシエート・エキスパートとして赴任。コソボ、パキスタン勤務を経て、2001年から2004年までIOM本部でドナー担当官を務めた。2004年7月から駐日事務所代表に着任し、世界的な人の移動に関する日本との協力関係強化と日本が直面する移民問題に対する支援を行なっている。

《パネリスト》

ブレント・アスラン(Bülent Arslan) ドイツ-トルコフォーラム議長

1975年トルコ生まれ。両親とともにドイツに移住し、22歳でドイツ市民権を得る。政治経済学と政治学をドゥイスブルグ大学にて1994~2000年に学ぶ。1995年以降はアデナウアー財団のフェロー。卒業後、異文化マネジメント・政策コンサルティング研究所(imap)を設立。現在所長を務める。1991年にキリスト教民主同盟(CDU)青年部に参加、1996~2004年はフィアセン支部において外国人長官を務めた。1997年以降はCDU北ライン・ウェストファリア州支部でドイツの移民統合政策を推進するドイツ-トルコフォーラム議長。2002~2004年ドイツ-トルコ友好同盟議長。2002年と2005年にはドイツ連邦議会議員に立候補するが落選。メルケル首相が提唱したイスラム会議委員でもある。

井上 洋(いのうえひろし) 日本経済団体連合会産業第一本部長

1980年早稲田大学商学部卒業、社団法人経済団体連合会(現、社団法人日本経済団体連合会)事務局入局。2002年に社団法人日本経済団体連合会社会本部総合企画グループ長として、日本経団連の新ビジョン「活力と魅力溢れる日本をめざして」(2003年1月1日公表)のとりまとめを担当。2004年4月~2006年6月総務本部副本部長兼秘書グループ長、2006年6月より現職。

大石 奈々(おおいしなな) 国際基督教大学社会科学科 准教授

1967年生まれ。1990年国際基督教大学教養学部卒業。カナダ政府国費留学生として1992年トロント大学大学院修了。1993年よりILO(国際労 働機関)ジュネーブ本部に勤務。1996年に研究休暇を取得しフルブライト留学生としてハーバード大学大学院に留学。社会学博士。ILOに復職後、 2002年-2003年にフィンランド大統領らを座長とする「グローバル化の社会的側面に関する世界委員会」に政策分析官として出向。2003年9月より 国際基督教大学助教授(2007年より准教授)。専門は国際労働移動。

太田 泰彦(おおたやすひこ) 日本経済新聞社論説委員 兼 国際部編集委員

北海道大学理学部卒(物理化学専攻)、米マサチューセッツ工科大学大学院(科学技術・公共政策)修了。1985年日本経済新聞社に入社。科学技術部、産業部、国際部を経て、94年~98年米国ワシントン支局、主に米国経済と日米通商問題を担当。98年に帰国後、経済部編集委員。通商・産業政策、景気問題、金融市場、日本銀行の金融政策などを担当。2000年~2003年 フランクフルト支局長、欧州中央銀行(ECB)の金融政策、欧州経済およびコラム「地球回覧」担当。2004年から論説委員、兼国際部編集委員 主に国際経済を担当、一面コラム「春秋」担当。

ポントゥス・オドマルン(Dr. Pontus Odmalm) エジンバラ大学講師(イギリス)

政治学講師。専門はヨーロッパ比較の視点による移民の社会的および政治的影響。特に、(国家およびEU)市民権、政治的流動性、組織・機関が移民の政治参加に与える影響に関心を持っている。2009年~2011年はイギリス経済社会研究評議会(ESRC)の支援によって'Old Politics, New issues and Institutional Constraints: How to Explain Parties' Positions on EU Membership and Immigration' のテーマで研究活動を行なう。

北脇 保之(きたわきやすゆき) 東京外国語大学多言語・多文化教育研究センター長、教授

1952年生まれ。1974年東京大学法学部卒業、1981年米国コーネル大学卒業。政治学修士。1974年-1995年自治省。1996年-1999年衆議院議員。1999年-2007年浜松市長。2001年に「外国人集住都市会議」を提唱。2007年より東京外国語大学教授(現職)。2008年より東京外国語大学多言語・多文化教育研究センター長。専門は移民政策。

トマス・クーフェン(Thomas Kufen) 北ライン・ウェスト州移民長官(ドイツ)

1973年生まれ。高校卒業後事務職として勤務後、1993年から1997年にキリスト教民主同盟(CDU)青年部のエッセン地区、その後2002年まではルアー地区の議長を務めた。2000年に北ライン・ウェストファリア州議会に当選、2005年まで議席を保った、2005年からはCDUルアー地区議長代理を務めている。彼の政治人生においてもっとも重要な課題は、移民のドイツ社会への統合であり続けている。そのような背景から、ドイツ・トルコ・フォーラム共同発起人かつ議長代理を務めている。北ライン・ウェストファリア州の移民長官も務める。

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