第7回「日中韓文化交流フォーラム」

1. 日時

2011年9月21日 水曜日 9時から12時半

2. 会場

韓国・慶州現代ホテル サファイアホール

3. テーマ

「東アジアにおける文化交流を推進するための方策~災害と文化の関り、及び 市民主導の文化交流の役割~」

4. 出席者

日本

委員長:
小倉 和夫(国際交流基金理事長)
委員:
松尾 修吾(国際交流基金理事)
委員:
宮田亮平(文化財保護・芸術研究助成財団理事長)
委員:
小宮 浩(文化財保護・芸術研究助成財団専務理事)
事務局:
大海渡憲夫(国際交流基金参与)
事務局:
村木 茂(文化財保護・芸術研究助成財団事務局次長)
講演者:
岡田 健(東京文化財研究所 保存修復科学センター 副センター長)

中国

委員長:
劉 徳有(中国対外文化交流協会常務副会長)
委員:
井 頓泉(中国人民対外友好協会副会長、中日友好協会副会長)
委員:
馮 佐庫(中国人民対外友好協会副会長、中韓友好協会副会長)
事務局:
程 海波(中日友好協会友好交流部 部長)
事務局:
孫 学慶(中韓友好協会 事務局長)
事務局:
周 笑丹(中韓友好協会 職員)
講演者:
苑利 (文化部 中国芸術研究院 研究員)

韓国

委員長:
鄭 求宗(韓日文化交流会議委員長)
委員:
孔 魯明(世宗財団理事長、前駐日大使、前外交通商部長官)
委員:
權 丙鉉(韓中文化青少年協会「未来の森」代表、前駐中大使)
委員:
李 元泰(韓中友好協会副会長)
事務局:
李 康民(韓日文化交流会議事務局長)
事務局:
徐 鉉宰(韓中友好協會 事務局長)
事務局:
趙 有情(韓日文化交流会議事務局)
講演者:
崔 楨苾(世宗大 博物館長)

5. 会議内容

全体会議の写真
全体会議

開会にあたり鄭委員長(韓国)は「韓中日の三カ国は数千年にわたる文化交流を続けている」「この度の文化芸術公演は三カ国に伝わる伝統仮面劇だが、そこには東洋的な共通点があり文化の源流でつながっている。また、文化芸術を行う主役は市民であるという意識を持ちたい」と挨拶。続いて、劉委員長(中国)が「三カ国の文化は似て非なるもの。相互に深く研究し、学ばなければならない。今後も三カ国の共同の文化の発展に寄与していきたい。これは三カ国の民間交流に活力を与えるものだ」と発言。小倉委員長(日本)からは「韓中両国に対し、東日本大震災への見舞いに対し心から感謝している」「震災により文化活動の中止を余儀なくされたが、無形文化財の継承が懸念される」「三カ国ともに文化の破壊と復興という歴史のくりかえしを経験しながら文化の継承に努力を重ねてきた。破壊には自然災害と人的災害があり、各国がそれらをどのように乗り越えてきたのか経験と知識を共有することは意義がある」「文化の交流は単なる相互紹介を超えて、異なる社会的・経験的付加価値が深まるということに意義があろう」との発言があった。
続いて自由討論に移り、再び小倉委員長より、以下の発言があった。
文化と災害には四つの次元がある。

  1. 災害防止と文化活動の関連
    災害を防止するために社会意識を変える必要があり、とりわけ効果的なのは演劇や映画であり、東アジアにおいてその分野での次世代リーダーを育てるプログラムを構築すべきである。
  2. 災害そのものが芸術活動のインスピレーションとなる
    災害から詩が生まれる。それらの詩を発表したり、仮設住宅のデザイン・コンクール等を行うことが考えられる。また、被災実態を記録にとどめ三カ国で共有することが望ましい。
  3. 文化財修復・復興の問題
    大学と市民との間で連携する努力が必要。無形文化財をどのように維持するか、有形文化財の保護よりも困難な問題である。
  4. 勇気を与える文化活動
    インドネシア・アチェでの紛争は子供たちの心に傷跡を残したが、紛争終結後、敵対していた両方の陣営の子どもたちを集め演劇ワークショップを実施。はじめは交じり合わなかった子供たちも最後には仲良くなった。このような試みは災害で心の傷を負った子供たちにも適用できるのではないか。

次に井委員(中国)より「日中韓文化交流フォーラムは、三カ国文化交流のプラット・フォームになっており、一昨年、中国・揚州で一般人が千人集まったイベント(仏教フォーラム)のようなものに広がればと願っている。中国での直近の日本・韓国との交流イベントは、『第6回茶文化平和フォーラム』、ファンが中国各地から集まった『スマップの北京公演』、『北京のオリンピック競技場での中日韓歌謡コンサート』等がある。また、韓国の高校生を200人中国に招待した。このような青少年交流に三カ国は努力を傾けるべきである」との発言があった。

權委員(韓国)は、「韓国と中国の学生がいっしょになって中国で植林活動(「グリーン奉仕団」)を行っており、日本にも参加を呼び掛けている」と述べた。
宮田委員から「三カ国の若者が自国の花をテーマに歌うことを提案したい。日本はサクラ、中国はモリファ(ジャスミン)、韓国はムグンファ(木(むく)槿(げ))。実現すれば大変ユニークで新鮮なコーラスの競演となる」との提案があった。

馮委員(中国)は、「市民がリードして参加する国際文化フォーラムをいかに開発していくかが重要。中国の大学生の韓国語スピーチ大会を支援。韓中の青少年相互交流では韓国人100名中国人300人が相互にホームステイをした。中国は外部交流の機会の少ない西部地域の若者が大部分であった」との紹介があった。
李元泰委員(韓国)から「近々、大学生フォーラムの一環で『韓中日キャンパス・ハーモニー』を実施。国籍の違う三カ国の学生が三人でいくつかチームを作り美術作品の制作を行う」との説明があった。

松尾委員は、「音楽バンドU2のリーダーBonoが、若者に向けてビジネスをやりながら交流して色々学ぼうというシステムを作り日韓で実施した。具体的には、疑似企業を設立し、名称・理念・ロゴ・役職を決め、コンサートのライブを企画し、コンサート収入の一部を寄付するというやり方で成功している。このような活動を行うNPOが各国で生まれており、今後、日中韓三カ国で実施してはどうか」との提案があった。

劉委員長から「震災で被災した人類共通の文化遺産の保護・復興および記録の保存のために『遺跡博物館』を設立すべきである」「『演劇ドラマ』を活用した三カ国の交流を行う努力をしたらどうか、中国にそのようなドラマ制作のプラット・フォームがあり、1994年にスタートし、これまで18回の共同制作が実施された。大変、素晴らしい交流実績を挙げている」との話があった。

続いて、三カ国からゲスト参加している文化財専門家の文化遺産保護に係る各国の事情について説明があったが、その中で、岡田健(東京文化財研究所 保存修復科学センター 副センター長)氏から東北大震災の文化財レスキュー事業について話しがあり、これに関連し、小宮委員から財団が文化庁とともに取り組んでいる文化財レスキュー活動について説明があった。
最後に、締めくくりとして、各国委員長から以下の発言があった。

劉委員長

来年2012年は第8回で中国主催となる。同時に、日中国交正常化40周年、中韓国交正常化20周年の年となり、フォーラムを大成功に導きたい。

小倉委員長

今回は、良い会議ができた。来年に向けて以下を提案したい。

  1. 文化財・文化遺産保存についての三カ国の協力、民間レベルでの協力、これをどのように進めるべきかについて議論できればと思う。
  2. 個々の国が推薦する文化観光地を結ぶ観光ルートを共同企画で開発することを提案したい。
  3. 文化遺産の保存と環境保護の問題について、三カ国で何ができるか、また、どのような交流ができるか意見交換をしたい。

鄭委員長

各国委員から貴重な意見を聞くことができ、また課題も明らかにすることができた。フォーラムを成功裏に終えることができ協力に感謝する。

6. 関連イベント

フォーラム開催に際し、下記の文化交流イベントが行われた。

(1) 文化芸術公演(日中韓の伝統仮面劇)

  • 日時:
    2011年9月21日 水曜日 14時から15時40分
  • 会場:
    慶州世界文化エキスポ公園 百結(ペッキョル)公演場
  • 内容:
    鳳山タルチュム(韓国)、變臉(中国)、能(日本)

プログラム

14:00-14:25 日本・能(東京芸術大学)
※邦楽科7名の学生により「羽衣」の舞囃子が上演された。

14:30-14:55 中国・変臉(公演者: 范万珠)

15:00-15:25 韓国・鳳山タルチュム(韓国芸術総合学校)

能・「羽衣」よりの写真
(能・「羽衣」より)

変臉の写真
(変臉)

ポンサン・タルチュムの写真
(ポンサン・タルチュム)

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