日本研究フェローランチセミナー 和紙と木版摺り

祝儀袋の写真
写真提供:株式会社 榛原

2014年には、「和紙 日本の手漉和紙技術」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に認定され、またパリのグラン・パレで開催された「北斎展」の入場者が約35万9千人に上るなど、改めて日本の伝統文化・芸術が世界的に関心を集めました。今回の日本研究フェローセミナーでは「和紙と木版摺り」をテーマに、江戸時代の摺物について研究を行っている2014年度日本研究フェローのキャサリン・ブルックス氏と、文化3年創業の和紙専門店「榛原」にて同店に伝わる文献資料や歴史的な資料の保管・調査に携わる中村陽子氏にご講演いただきます。中村氏による、和紙と千代紙を使った簡単な祝儀袋の作り方のレクチャーも予定しています。

日時 2015年3月6日(金曜日) 12時30分~14時30分
場所 国際交流基金 本部2階 JFICスペース「けやき」
住所:東京都新宿区四谷4-4-1  アクセス
電話: 03-5369-6071
プログラム
講演1
キャサリン・ブルックス
ハーバード大学博士課程、2014年国際交流基金日本研究フェロー
「宝物の共有:江戸時代の摺物制作をめぐるグループダイナミクス」(仮訳)
小さく、精巧で、個人用に印刷された「摺物」は、エンボスやメタリックな着色、見事な彫刻、詳細な構成といった高い印刷効果が評価されています。しかし、摺物は美術史に関心の高い人々の間においても、芸術作品としてあまり研究されてきませんでした。現在取り組んでいる博士論文の調査に基づき、今回の講演では特に大田南畝の功績に注目し、刷物を広めた18世紀末の詩人コミュニティについて取り上げます。浮世絵史における重要人物である大田南畝は、参加者が架空の来歴を持つ物体を持ち寄り、詩のインスピレーションを得る「宝合わせ」という集まりを開催していました。この物体(「宝」)は、度々摺物の題材となり、摺物の静物画のジャンルが発展していく上での重要なベクトルとなったのです。
講演2
中村 陽子
学芸員、株式会社 榛原
「日常生活の中の美 -和紙と木版摺りが支える日本の贈答文化-」
清浄な白さを持つ和紙は、古来より真心の象徴とされ、金銭や品物の受け渡しに利用されました。この風習は時代と共に発達し、やがて水引結びや、色鮮やかな木版摺りの熨斗祝儀袋など独自の贈答文化につながります。この度は、日本古来の「包」と「結」の文化について講演を行い、また和紙と千代紙を使って、簡単な祝儀袋の作り方をレクチャーします。
言語 英語(通訳なし)
定員 30人
申込 どなたでもご参加いただけます。お申込は、下記Eメールにてご一報ください。
入場無料。 セミナー中に昼食をとられる方はご持参ください。
※定員に達した場合は申込みを締切らせていただきますので、ご了承ください。
Eメール:oca@jpf.go.jp
(メールを送る際は、全角@マークを半角@マークに変更してください)

[お問い合わせ]

国際交流基金(ジャパンファウンデーション)
日本研究・知的交流部 欧州・中東・アフリカチーム
担当:中村
電話:03-5369-6071 ファックス:03-5369-6041

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