日本語教育論集 世界の日本語教育 第10号 要旨

学習者にやさしい日本語教育: Andragogy の視点から
【PDF:831KB】
有泉 芳彦(ラフィエット大学 外国語・外国文学部日本研究助教授)

本稿は、アメリカにおける成人教育の中から生まれたアンドラゴジーの理念から見て、これからの日本語教育はどのように成人学習者の特殊なニーズに応えていったらよいかについて論じている。まず、さまざまな学習理論の中にアンドラゴジーを位置付け、それから、よく知られている2つの語学教育のアプローチ(オーディオ・リンガルとコミュニカティブ)をアンドラゴジーの視点から検討し、最後に、アンドラゴジーをどのように日本語教育に応用したらよいかについて提案している。

日本語を学習するアメリカ人大学生の不安感に関する予備研究
【PDF:1,020KB】
深井 美由紀(インディアナ大学ブルーミントン校
教育学部言語教育学科大学院(博士課程))

近年、外国語に対する不安感がその学習におよぼす影響に注目が集まり、多くの研究が行なわれている。しかしながら日本語学習者を対象にした研究は少なく、また先行研究のほとんどが統計を用いた量的研究で、質的分析・研究が不足している。本研究はこの溝を埋めることを目的とした予備研究である。本研究では質的研究のデータ採集方法としてインタビューを採用し、アメリカの大学の初級日本語コースに在籍する学生の、日本語学習に対する不安感について調査した。
データ分析の結果、日本語を学習するアメリカ人大学生はテストと日本語を話すことに対する不安感があることが示された。日本語を話すことについては、特に教師やクラスメートの前で誤りを含んだ発話をし、否定的な評価を受けることを懸念しているようである。テストに対する不安感は、研究者によっては外国語学習特有の不安感とみなされない場合もあるが、本研究では学習者がテストの形式や内容に慣れていないことが不安感の原因になってることが示唆された。またアメリカ人大学生学習者は不安感低減のために、教師に学習者を助けようとする、親しみやすい態度を求めていることがわかった。さらに「外国語学習に対する不安感を減少させる要素」として、「教師の援助的態度」「クラスメートとのよい関係」「組織立ったプログラム」が明らかになった。
これらの結果は先行研究と一致しており、教師が学習者の不安感において重要な役割を担っていることを示唆している。日本語教師は 1) 学習者の日本語学習を積極的に援助する態度を示す、2)特に学習者のまちがいを訂正する際、権威的ではなく、協力的な態度を示す、3) 学習者同士のインターアクションを促進するような、ペア、または小グループ活動を行なう、4) 学習者の日本語学習を手引きするような、よく構成されたプログラムを作る、5) 授業とテストの形式・内容を同様のものにする、といった方法を使って、学習者が日本語学習に対して不安感を抱かないようにし、日本語学習を促進する必要がある。


英語母語話者による長音と短音の知覚
【PDF:572KB】
小熊 利江(お茶の水女子大学 大学院博士後期課程)

日本語音声の習得の困難点として、母音の長短の問題が挙げられる。日本語学習者の長音と短音の識別能力について、日本語能力レベルごとの特徴、習得における難易の要因、および習得順序を探るため、英語を母語とする学習者を対象に実験を行なった。日本語能力レベルを初級・中級・上級の3段階に分け、単語内の長音の位置およびアクセント型を考慮した刺激による長音の聞き取りテストを行ない、長音と短音の知覚範疇形成という観点から統計的手法を用いて分析した結果、以下のことが明らかになった。

  1. 1)長音と短音の知覚能力は、日本語能力レベル中級から上級にかけて有意に向上する。
  2. 2)中・上級学習者は、長音を短音と誤認識する傾向がある。
  3. 3)長母音中のピッチ変化が、上級学習者による長音の知覚判断に影響を与える。
  4. 4)単語内の長音の位置による難易は、難しい順に「語末>語中>語頭」位置、習得順序は、逆に「語頭→語中→語末」位置の順である。
  5. 5)長母音のアクセント型による難易は、難しい順に「低低>高低>高高>低高」型、習得順序は、逆に「低高→高高→高低→低低」型の順である。

母国語および外国語としての日本語テキストの読解:
Think-aloud 法による3つのケース・スタディー

【PDF:782KB】
森 雅子(ネバダ大学ラスベガス校 外国語学部日本語助教授)

本研究は、日本語能力の異なる三人 (日本人の純子、アメリカ人の中級および上級の日本語学習者、AmyLisa) の日本語テキストの読解過程を、think-aloud (発話思考) 法を用いて解釈的に調べた。その際、読解の程度をチェックするために、母国語で内容の要約文を書かせ、読解テストを行なった。結果は、純子の母国語(L1)としての日本語テキストの読解は、社会的・感情的次元において、作者と対話する形で進められていた。外国語(L2)としての日本語テキストの読解では、中級レベルの Amy の場合、単語や短い句の解読 (decoding)、翻訳等ボトムアップ・ストラテジーが中心で、また、自己の理解度をチェックしたり、読解の仕方に言及する metacognitive ストラテジーも多くみられた。ただし、テキストの内容はあまり理解していなかった。上級レベルの Lisa は、未知の単語はかなりあったが、要約、内容に対する疑問など、トップ・ダウン・ストラテジーを多く用い、未知の単語の意味を推測することにも部分的に成功した。文の内容もほぼ正確に理解していた。しかし、Lisa の読解はあくまでテキストの世界に限定されており、純子のような社会的・感情的次元での読みとは質的に異なっていた。この事実は、L2の読解の限界性を示しており、特に上級学習者の読解を指導する際、教師が考えねばならない問題を示唆していると思われる。

日本語学習者による語彙習得: 差異化・一般化・典型化の観点から
【PDF:748KB】
松田 文子(お茶の水女子大学 大学院人間文化研究科国際日本学専攻博士後期課程)

本稿は動詞の意味習得に焦点を当て、語の概念形成の観点からその習得状況を見ようとするものである。語の概念(=意味知識)は「差異化・一般化・典型化」の三つの認知作用を通して形成されるとする「概念形成理論」 (深谷、田中 1996) を援用し、学習者が動詞「割る」に対して持つ知識を三つの観点から調査した。「割る」は基本語彙として学習の初期に提示されることが多くまた日常的にも頻繁に使われることから、一見、習得が容易であると考えられる項目であるが、調査の結果、学習の進んだ上級者においても、「割る」を適用する意味境界に関する知識は不十分であり、また多義的拡張用法に関する意味理解も不十分であることが明らかになった。このことは語彙指導において、意味的に関連する類義語との意味境界や多義的拡張の転用のプロセスにも目を向けた指導の必要性を示唆するものであると考えられる。

「は」と「が」の習得: 初級学習者の作文とフォローアップインタビューの分析から
【PDF:820KB】
八木 公子(埼玉大学 大学院政策科学研究科非常勤講師)

「は」と「が」の使用について、学習時間が異なる2グループの初級学習者の作文データを比較、分析し、その内の1グループに対して行なったフォローアップインタビューの結果と併せて考察した。その結果と考察をまとめると以下のとおりである。両グループに共通して、(1) 主格主語を主題化する「は」のみが突出して適切に使える段階であった。また、インタビューの結果からは、学習者が「「は」は主語であり主題である文成分を表す」と認識している様子が窺えた。そこに至った要因としては、 教育の影響、 学習者の母語からの機能的転移、高頻度のインプット等が考えられる。(2) 主格主語以外の文成分では、時の連用成分に続く「は」の使用、正用が目立った。しかし、インタビューの結果、学習者は直感や感覚に頼ってこれらの「は」を使っていたことがわかった。(3)「が」は、「好きだ」など、ごく限られた表現とのみ適切に使われていた。インタビューでも、「が」は主語を表すと説明した学習者は皆無であった。「が」は定型表現の一部として記憶され、使われていたと考えられる。いわゆる「は」と「が」の使い分けの習得はほとんど進んでいない状態であった。一方、「が」格以外の文成分を主題化する「は」の正用率では、2グループに大きな違いが見られた。その一つの要因として考えられるのは、クラスにおけるインプットの質・量の影響である。

日本語学習者の一、二人称および三人称談話における指示表現の選択
【PDF:1,016KB】
柳町 智治(北海道大学 留学生センター助教授)

本研究では、英語を母語とする日本語学習者の口頭談話において主語位置の指示表現(名詞句、代名詞、ゼロ代名詞)がどう選択されるのかを調査した。与えられたストーリーを再現するタスクとロールプレーにより、一人称から三人称の独話資料を初級、中級、上級計36名の学習者と15名の日本語母語話者から収集し分析した。その結果、学習者の談話は、一、二人称指示では省略される主題主語の割合が高く母語話者の水準に近かったのに対して、三人称指示では母語話者の場合に比べ省略の割合が低くなり明示的な指示表現を多用する傾向がみられた。本稿では、このバリエーションは指示表現の言語的機能(一、二人称かあるいは三人称か)および談話環境(文脈性が高いか否か)の違いによって生じたという仮説を提示する。日本語習得研究に限らず、第二言語習得研究一般に対する示唆として、学習者の談話における指示のシステムは、先行研究で議論されてきたように指示表現を余剰に使用する段階からゼロ代名詞を使用する段階へすすむ、あるいはその反対の発達経路をたどるといった一方的な発達をするのではなく、選択される指示表現の言語的機能および談話環境に条件づけられた有機的な発達を遂げる可能性のあることを提唱する。

接触場面における「依頼」のストラテジー:
日本人とフランス人日本語学習者の場合

【PDF:762KB】
猪崎 保子(フランス)高等社会科学研究所 言語科学課)

本依頼は相手にある行為を要求する性質上、Face Threatening Act であり、間接的発話や negative politeness の対象となると言われている。しかし依頼の目標を達成するストラテジーには文化・言語により相違がある。本論は日仏語の依頼の談話ストラテジーの相違とそれが原因となっておこる規範からの逸脱と期待のずれを観察することを目的とした、談話の展開メカニズムを調べたところ、日本人の場合は日本人同士であれ、接触場面であれ、〈依頼の予告〉 〈依頼〉 〈依頼応答〉 の展開になる。これに対してフランス人の場合はフランス語場面でも接触場面でも、〈依頼の先行発話〉 〈先行発話応答〉 〈依頼〉 〈依頼応答〉 の展開になる。そしてこの相違が談話ストラテジーの選択にも影響を与える。日本人は「メタ言語発話」により依頼を予告し、その背景事情を「~んだけど」により説明することで被依頼者の理解を期待し、最後に依頼を受諾してくれることを被依頼者の好意に訴える。しかしフランス人の場合、〈先行発話〉 での「間接的発話」により被依頼者が依頼を推測してその申し出をするストラテジーが好まれる。また被依頼者のストラテジーについて、日本人は相づちを含む「感情を表す注目表示」により依頼者の発話を評価する。この「注目表示」に会話への参加態度が示され、依頼者はこれを手がかりに続く発話を調整するが、非母語話者にはこれを的確に解釈して応答することは難しい。

所有の「ある」と「もっている」
【PDF:708KB】
菊地 康人(東京大学 留学生センター助教授)

所有をあらわす用法の「ある」と「もっている」とは、言い換えがきく場合も、きかない場合もある。たとえば「才能がある」「才能をもっている」はともに使えるが、「相談がある」は「相談をもっている」とは言えず、逆に「(この選手は)日本記録をもっている」は「日本記録がある」とは言えない。
本稿では、所有の「ある」が使われる条件、「もっている」が使われる条件をそれぞれ明らかにし、両者の使い分けについて説明を与える。要点は次の通りである。
(A) 所有の「X(に)はYがある」が使われる条件は、次のいずれかを満たすことである:

  1. [1]YがXに 〈その不可分な要素・一面〉 としてそなわっていて、「Yがある」ことが、Xの 〈属性〉 となっていること。
  2. [2]「Yがある」ことが、〈Xの置かれた状況〉 を示すこと、あるいは 〈X(の行動)に影響を与える要因〉 として捉えられること。
  3. (B)「もっている」が使われる条件は、次のいずれかを満たすことである:
  4. [I]〈その時点で、具体的なものを手の中などに所持している〉 こと。
  5. [II]〈資産として、具体的なものや抽象的なものを所有している〉 こと。
  6. [III]〈責任下にあるものとして負っている〉 こと。
  • とくに(A)については具体的に幾つかの場合に分けて、細かく検討する。
  •  

条件文とモダリティ: 「ば」文の機能と意志表現の再考察
【PDF:1,283KB】
由紀 ジョンソン(ミシガン大学 日本語言語学助教授/日本語プログラムコーディネーター)

英語を母国語とする者にとって、習得が最もむずかしいとされている日本語の文法項目の一つに条件文がある。これは、英語では "if" または "when" の2つの概念が日本語では脈絡次第で「と」「ば」「たら」「なら」など4つの条件辞で表されるからである。
これらの条件辞のうち、「ば」には、前件に含まれている述語が非状態性であると、後件に意志表現を伴えない(例:「田中さんに会えば、よろしく伝えてください」は非文法的)という制限があることはすでに指摘されている点である。しかし、なぜそのような制限があるかに関しては、まだ充分な考察がなされていない。本稿はまず「ば」文の性質を再考察し、その考察から新たに導き出されたことをもとに、上記のような疑問に回答を与えることを目的としている。
分析の結果、過去の研究結果に反して、述語の状態性/非状態性の分類は必ずしも「ば」文の後件に意志表現が伴えないという制限を正確に説明する鍵にはなっていないということが明らかになった。これは非状態性の述語を伴う「ば」前件が後件に意志表現を伴いうる例がたくさんあることから支持できる。例えば、「君が行けば、僕も行くよ」などは「君が行くなら」の方がより適切ではあるものの、不自然ではなく、日常よく使われていると答えた日本語話者がほとんどであった。このように、様々な例文から、述語の性質が状態性/非状態性かというよりは、むしろ、「ば」前件の述語が話者にその真性・現実化性が知り得るか、または話者の意志によってコントロールし得る出来事であるかどうかという点が、後件に相入れる表現を決定しているということを例証するに至った。
真実性/決定性/コントロールの可能性に欠ける出来事は、なんらかの文法的工夫が無いかぎり、仮定の意味のみを表す傾向がある。仮定的状況というのはまだ現実化されていない状況であり、従って意志表現のような非現実の状況を表す表現は、決定しえない、意志のコントロールの及ばない出来事を表す述語を伴う「ば」前件と相入れあうわけである。この論点から観ると、真実性/決定性/コントロールの可能性に欠ける出来事を伴う「ば」前件は、その後件に使われる意志表現の中に前件との適合性に度合いが認められるようになり、「~よろしく伝えてください」など現実化を強要するような命令に近い策動表現は、その適合性が極めて低いということも説明が可能になるのである。

松下文法「待遇」の本質とその理論的可能性: 「価値の意味論」の枠組
【PDF:846KB】
彭 国躍(神奈川大学 外国語学部助教授)

松下大三郎(1901)は、かつて日本語の敬語現象について、ことばによる人間の「待遇」行為の一種として捉えた。彼の待遇表現体系の中に、狭義的敬語表現のようなプラス待遇だけでなく、卑罵表現のようなマイナス待遇や一般的な非敬語表現のようなゼロ待遇が含まれている。
本研究はまず松下文法の待遇表現体系の基本的構造、理論的前提について考察する。そして非言語的待遇行為の性質の分析を通して、言語表現における価値的意味の存在を指摘する。さらに形態、概念的意味、含意および発話行為などの各レベルに現れた価値的意味の特徴について分析する。
最後に価値の意味論の立場から、待遇表現について最も広義的な解釈を試み、松下文法以来の「待遇」的な捉え方に含まれた普遍性と理論的発展の可能性について論じる。

ノダとその否定をめぐって
【PDF:624KB】
戴 宝玉(上海外国語大学 日本文化経済学院助教授)

本稿は、ノダの基本的用法を情報の流れにおいて追究し、あわせていわゆるノダの否定について掘り下げて考えてみようとするものである。ノダに関して、推論の根拠となる事態を一次情報、推論の結果となる事態を二次情報と仮称し、一次情報は異なる話者でも共通の理解が得られやすいことから、即物的かつ一義的であり、しかも常に新情報の担い手という特性を持つ。二次情報は、話者が異なれば結論も異なりがちであることから、恣意的かつ複数選択股が可能という特性を持つものと考える。そして一次情報をもとに推論を行ない、話者によって社会的なコンテキストにおいて自らの判断が示された場合、これが二次情報となり、その文末表現にノダなどが選択される。本稿ではノダを二次情報に関与する助動詞だと考える。
ノダが、複数選択股のうち一つだけを選択し提示するのと対照的に、ノデハナイは、表現意図に要請されて、複数ある選択肢の中から一つだけを他との対照・比較において排除することを表す。その際、文の述語だけではなく、述語を含むことがら全体が非選択的に排除されるため、ノダとノデハナイを、選択・非選択の関係にあるものと見なし、特に分類しないことにした。

人間関係からみた課題解決の会話の連鎖構造
【PDF:823KB】
椙本 総子(大阪外国語大学 大学院言語社会研究科博士後期課程修了)

本稿の目的は、組織の中で上下関係のある会話者と対等な立場の会話者の会話を比較し、どのような会話の連鎖構造や言語形式で会話を行なうことが会話者の上下・対等関係を示すことに関わるのかを解明することである。本稿では、特に課題解決を導き出すことを目的とする会話を分析の対象にした。
分析から、課題解決の会話の連鎖構造には、指示タイプの命令型と指示仰ぎ型、提案タイプの強制型と自発型の四種があることが明らかになった。さらに、自発型には提案提供要求、提案提供、提案の判定要求、提案の協働作成の四つの方法が観察された。
命令型と強制型が多く、連鎖構造の中で誰がどの位置でどの発話を行なうかが固定したタイプの会話は、上下関係が明確に実践さている会話である。同様に、提案が自由に行える自発型が多くても提案発話を行なう会話者が固定されていたり、提案の決定に関する力をもつ会話者ともたない会話者がわかれている場合も上下関係が実践されている会話だといえる。それに対して、対等関係が実践されている会話はデータでは、自発型の提案の判定要求や協働作成の方法が頻繁に見られた。そこでは、一人の会話者による明示的な提案の提示が避けられ、皆で提案が作り上げられており、それによって会話者は対等な関係であることを示しているのである。
これまで、人間関係に応じた会話の方法は、待遇に関わりのある文末表現や語彙の選択によって特徴づけられると論じられてきたが、どのような会話の流れで会話を行なうかも重要であることを本稿では明らかにした。

学習者のあいづちの機能分析:
「聞いている」という信号、感情・態度の表示、そして turn-taking に至るまで

【PDF:749KB】
村田 晶子(日本外国語専門学校 専任講師)

本研究ではイギリス人学習者のあいづちを機能面から分類し、学習者のあいづちがそれぞれの機能分類の中でどのように現れているかを考察した。
考察では第一に、「聞いている、理解しているという表示」の機能として、学習者のあいづちによる聞き流し、あいづちと聞き返しの使い分け、用件の切り出しに対するあいづちの有無の3つを取り上げた。第二に、感情・態度を表す「共感の表出」、「感情の表出」、「情報の追加」の機能としては、学習者のあいづちによる共感表示の例、驚きなどの感情表現の例、さらに、あいづちへの短いコメントの追加、あいづち的な表現から turn-taking をする例などを取り上げた。そして最後にそれらの日本語教育への応用についても論じた。


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