日本語教育論集 世界の日本語教育 第16号 要旨

日本語教師養成課程学生のパーソナリティ特性とその形成要因
-個人体験、 自己評価、 職業意識が及ぼす影響の検討より-
【PDF:112KB】
亀川順代(同志社大学大学院文学研究科教育学専攻博士課程)

本研究の目的は、日本語教師養成課程の学生が捉える自身のパーソナリティを明らかにし、その形成要因を社会的・心理的側面から検討し、学生の資質向上の支援を目指す養成教育に関する示唆を得ることにある。日本語教師の資質については「人間性」が重視されているものの、パーソナリティに関する実証的研究は日本語教育においてあまり行なわれていない。パーソナリティは職業との適合関係によって説明され、これまで職業心理学の分野でさまざまな集団のパーソナリティ傾向が明らかになっている。

以上の目的を果たすため、質問紙調査を実施した。被調査者は、一般の日本語教師養成講座受講生と日本語教育を専攻する大学生・院生の223名である。質問項目は、先行研究を参考にパーソナリティに関してはSD法による17の形容詞対、形成要因に関しては外国語能力、海外在住経験、教授経験、理想の教師像、被教育体験、日本語教師の基本的資質・能力、日本語教師に対する適性感・志望度で構成された.回答を統計的に分析した結果、学生は自身を、意欲的で責任感も強く、公平でまじめで親切ではあるが、特に明るくはないと捉えていること、外国語学習経験、 異文化体験、子どもの頃のリーダーシップ的役割や勉強・学校に対する肯定感、日本語教師の基本的資質・能力に関する自己評価の高さ、日本語教師に対する志向の強さは、パーソナリティ形成に影響を及ぼしていることを明らかにした。

本考察より、養成教育において行なわれる第二言語習得理論学習や異文化トレーニングは、学生の資質向上の機会として寄与する可能性が示された。以上のことから養成教育では 「社会・文化」「教育」「言語」に関わる領域が等価に位置づけられ、学生自身が自己と向き合い、能動性・自律性を見出していける内容の展開が必要であると考える。養成教育に関わる教師は、学生が自身に足りない部分があることに気付き、さまざまな要因との相互作用の中で自己意識を変化させていけるような場を与えていかなければならないであろう。

在日台湾人子どもの読解力の測定
-中国語母語話者と日本語母語話者の読解力を比較分析する-

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李美靜 (お茶の水女子大学リサーチフェロー)

我々は読むことによって情報や知識を獲得する。文章を読み進める際、文中の接続詞や指示語などの部分を繰り返し読むことによって推論する。そして文章の各部分を統合して文章全体の意味を理解する。本稿では、日本語を第二言語とする中国語の母語話者の学習者12名(日本語学習開始年齢によって7歳以前、7~10歳、11歳以降の3群に分ける)の在日台湾人の子どもを対象に、文章を読むとき、どの程度理解し、どの課題で理解不能となるかを調べた。

  まず、中国語と日本語の読解のテストを作成した。それぞれの言語の読解問題は、「理由」、「接続」、「説明」、「全体」、「指示」の設問に分かれている。次は中国語と日本語のそれぞれの読解のテストを用いて、文章理解の度合いを中国語と日本語の母語話者と比較し検討した。その結果、中国語の読解力の保持に関しては日本語学習開始年齢の高いほうが容易である。中国語読解に関しては「接続」「全体」「指示」の課題が最も困難になる。日本語読解に関しては「接続」「指示」の課題が最も困難になる。

  また、中日二言語間の読解力の間に強い正の相関がある。日本語の読みでは、漢字が占める割合が高いため、漢字圏の学習者の母語の漢語知識が読解力に影響を及ぼす原因の一つであると考えられる。このように、中国語の語彙をより習得した年長者群が日本語の読解においては有利になるであろうと考えられる。二言語の間で顕著な違いが見られる「接続詞」と「指示詞」に関して、在日台湾人の子どもの学習度合いはそれぞれの同学年の母語話者と比較して、習得度合いが低いと示唆された。

コア図式を用いた複合動詞習得支援のための基礎研究
-「とり~」を事例として-

【PDF:108KB】
松田文子 (岡山大学教育学部専任講師)
白石知代 (千葉大学国際教育センター非常勤講師)

日本語複合動詞は文法形式と語彙の両面の要素を持ち、日本語の語彙の中でも極めて重要な役割を果たすが、日本語を学ぶ者にとってその習得は容易ではないことが指摘されている。本稿は、近年新しい意味提示の方法として提案されているコア(コア図式)を用いた複合動詞の習得支援の方向性と可能性を探ったものであり、事例として多義動詞「とる」を前項とする「とり+後項動詞(V2)」を取り上げている。

  「とり+V2」は「財布をとり出す」「ゴミをとり除く」のように「とり」に本動詞「とる」の意味がそのまま引き継がれているものと、「先生をとり囲む」「靴をとり揃える」のように「とる」の意味は希薄化しているようにみえるものがある。本稿では、このいずれの場合であっても日本語母語話者の「とり+V2」の意味づけは本動詞「とる」のコアをベースになされていると仮定し、母語話者を対象とした調査データからこの点を明らかにした。具体的には、「囲む」と「とり囲む」のような「単純動詞」と「とり+V2」の意味的差異に着目した調査をおこない、その結果から母語話者の「とり+V2」の意味理解は「とる」のコアがさまざまな形で反映していることを示した。またこれと併せて非母語話者についても同様の調査をおこない、非母語話者は「とり+V2」の意味をどのように捉えているかを観察した。

  その結果、非母語話者の捉え方には母語話者とは異なる特徴がみられた。上記の結果を踏まえると、非母語話者が母語話者と「とり+V2」の意味を共有するためには、「とる」のコアを介在させた意味理解が望ましいと考えられるが、コアは言語使用や学習を通して徐々に形成されるものである。そこで本稿では、時間的制約のためコアの内在化には困難を伴う非母語話者に対しては、自然な内在化を待つだけでなく、意識的なコアの内在化を助けるような支援ツールが必要であることを提案し、その支援の方向性を提示した。

中級日本語作文における学習者の相互支援活動
-言語能力の差はピア・レスポンスにとって負の要因か-

【PDF:136KB】
原田三千代 (お茶の水女子大学大学院博士後期課程)

日本語作文教育において、教師主導型の添削に対し、最近ピア・レスポンスが注目を集めている。ピア・レスポンスとは、学習者同士で進める推敲活動のことであり、学習者が協働で互いの作文を推敲することから、相互支援的な活動として評価することができる。

  本研究では、そのような協働作文活動にとって、学習者の組み合わせにおける言語能力の差が負の要因となるかどうかを問題とする。本研究では、ピア・レスポンスが日本語能力に差のある組み合わせにおいて、対等で相互支援的な活動として展開されているかを探ることを目的とし、研究1,2を行なった。研究1は、言語能力の差が読み手、書き手という役割の遂行の仕方に影響を及ぼすかどうか、研究2は、役割の遂行の仕方に違いがあるとすれば、それが活動の積み重ねによって変化するかどうかを検討する。

  発話機能と会話例の分析の結果、研究1では、初期のピア・レスポンスにおいて、日本語能力にかかわらず読み手、書き手という役割意識があり、両者にはアドバイスの伝達・受容という一方向的な関係が観察される。しかし、話し合いの場の調整や社会的関係性の構築に向けての努力が行なわれ、日本語能力の低い読み手が書き手に対して発言を繰り返すことによって、書き手にもそれを受け止める兆しが表れている。

  研究2では、活動の積み重ねによる変化に焦点を当てた。その結果、活動の推移とともに、読み手と書き手の発話機能がアドバイスの授受から「意見」「反論」「説明」「補足」などへと変化した。このことは会話例によっても裏付けられ、学習者の間には対等な立場で問題解決に取り組もうとする、相互支援的な活動が生じていると考える。活動の積み重ねによって、支援の方向は一方向から双方向へと変化し、読み手の日本語能力が書き手より低い場合であっても、対等で相互支援的な関係に基づく対話生成の過程が展開されていると考える。

日本語 Can-do-statements を利用した言語行動記述の試み
-日本語能力試験受験者を対象として-

【PDF:95KB】
島田めぐみ (東京学芸大学留学生センター助教授) 
三枝令子 (一橋大学教授)
野口裕之 (名古屋大学教授)

本研究は、具体的な言語使用場面における日本語能力を自己評定方式で測定する Can-do-statements調査を用いて、日本語能力試験受験者が具体的にどのようなことができるかを明らかにすることを目的として実施した。

まず、Can-do-statements 調査が日本語能力に関する尺度として有効に機能することを確認するため、Can-do-statements 調査の結果と日本語能力試験及び日本語プレイスメントテストの各結果との関連性について検討した。その結果、日本語能力試験の結果を反映する尺度としての有効性が確認された。

次に、Can-do-statements 各項目を分析した結果、日本語試験との関連が弱く、試験の結果から自己評定結果を予測することが困難な項目が4項目認められた。それらの項目は、1)日本語以外の能力・知識に依存する程度の大きい項目、2)回答者によって言語行動場面の判断が異なる可能性のある項目、3)経験の有無が日本語能力の判定に影響を与えている項目に分類することができる。最後に、その4項目を除外した56項目の言語行動について、日本語能力試験の成績別受験者群がそれぞれどの程度達成できるかを示し、1級及び2級合格者の日本語能力の典型的なパタンについて考察した。

研究発表の演習授業における「質疑・応答」活動の可能性
-発表の内容面に対する「内省」の促進という観点から-

【PDF:112KB】
金孝鑄 (東京大学大学院工学系研究科国際交流室非常勤講師)

アカデミック・スキルの養成を目指す日本語の口頭発表授業において、教室内の指導では主に、日本語の形式面の内省を促すことに関心が置かれており、内省の対象が話す内容面には及んでいない。しかし、アカデミック・スキルの養成を、批判的思考力の養成を含むものとして考えられるとすれば、学習者に必要なのは、言語の形式面のみならず、言語が伝える内容について内省する機会を持つことである。

本研究では、授業実践として、大学院進学を希望する研究留学生を対象にして、中上級者向けの日本語(話す・聞く)の授業で研究発表とそれに引き続く質疑・応答活動を実施した。本研究の目的は、口頭研究発表に関する批判的思考力の養成において、当該の質疑・応答活動がどのように貢献できるかを検討することである。研究の方法としては、質疑・応答活動におけるやり取りを分析し、研究発表の内容面への内省を促す活動となるかという点からその意義を探った。

分析の結果、大きく次の2点が明らかになった。(1)質疑・応答活動では、研究発表の内容面に関して、1,「発表内容(研究)の背景/前提」、2.「用語の意味/用語間の関係」、3.「分析結果(観点)の妥当性」についての議論が行なわれていた。(2)聴衆役の学習者は様々な視点から発表者に質問を行ない、その質問によって発表者は自身の発表内容と学習のプロセスを内省する機会を得ていることが分かった。

これらの結果から次の点が示唆される。(1)日本語の口頭発表の授業において、質疑応答セッションを意識的に組み入れることは、研究発表に関する批判的思考力の養成に貢献できる。(2)質疑と応答を通じた相互行為の中で、聴衆役から提供される様々の視点は発表者(及び他の学習者)の発表の内容面に対する内省を促進しうる。

禁止の場面における現実の言語表現-医師と美術館員の場合-
【PDF:110KB】
清ルミ (常葉学園大学教授)

本論は、「コミュニケーション能力」、「コミュニケーション」が日本語教育のキーワードとして浮上している現状を踏まえ、今後の日本語教育の教育方法、教材開発、教員養成のあり方を探ることを前提に、教科書と現実の言語使用の比較考察を行なうものである。具体的には、先行研究において禁止の機能としては使用されない可能性が明らかにされた「ないでください」(以下「な」と記す)を軸に、「な」が禁止表現として扱われる場面・状況と提出されている表現を教科書から抽出し、それと同じ現実場面を選択して、現実の自然発話データを採取する事例研究を行ない、教科書との比較考察を図った。

  調査は、医師が患者の行為を制する場面、美術員が写真撮影をしようとしている客を制する場面の2場面実施した。両場面における自然発話データは、前者の場合は看護師に依頼し、後者の場合は調査協力者が実際にカメラを構えることにより発話を引き出して採取し、分析した。その結果、医師の場合は、患者の生命に危険が及ぶ可能性の低い事項を禁ずる場合には共感性の高い心積もり依頼表現、心積もり誘発表現、あたかも依頼表現の使用率が高く、外科において患者を制しなければ患者に致命的な不利益を与える場合には、肯定依頼表現、断定宣告表現、否定依頼表現の使用率の高いことが明らかになった。

  一方、美術館員の場合は、100%が謝罪および呼びかけ表現を使用しており、約半数が規則に関する事実陳述以外の禁止理由に言及し、相手が納得しやすく相手の面子を傷つけないための配慮がみられた。また、62%が動詞を使用せず言い切らない形式で相手に行動変容を促していた。動詞を使用した場合も、写真を撮る立場に立っての不可能表現や、注意する立場からの恩恵表現つき不可能表現が使用され、相手への共感を示すことにより丁寧度の高い表現が使用されていた。医師、美術館員いずれのケースも、「な」の使用は1例もみられなかった。本事例研究の結果から、1.「な」が禁止の機能として学習項目化されている現行の教材は適切ではない、2. 禁止の場面においては相手の面子を傷つけない配慮表現が使用される、という二点について今後の教材開発に向けての教育的視点が見出せた。

接続語「だから」の意味・用法
-前件と後件に因果関係が認められる「だから」を中心に-

【PDF:94KB】
劉怡伶 (東呉大学日本語文学系助理教授)

本稿は前件と後件に因果関係が認められる「だから」の意味・用法を記述することを目的とするものである。「だから」を用いる時に話し手の中に因果関係の知識が働いていると考えられる。本稿では、この因果関係の知識の特徴、及び前件と後件との関係の考察を通して「だから」の意味・用法を記述した。その結果、「だから」の前件と後件の基底には必然的に知識「P→Q」があることが明らかになった。

  また、話し手は「だから」を用いる時、自分の中にある知識「P→Q」が聞き手の中に成立していない(または成立しない)と仮定する場合があることが分かった。このように「だから」の特徴を把握することにより、共起の特徴に対しても、 文脈によって生じる異なるニュアンスに対しても統一的な説明を与えることを述べた。

テノ名詞句の意味と形式
【PDF:94KB】
茂木俊伸 (国立大学法人鳴門教育大学講師)
森篤嗣 (実践女子大学文学部国文学科助手)

本研究は、「階段に座っての食事」「全力を尽くしての結果」のように、テ節を内部に含む名詞句(「テノ名詞句」と呼ぶ)について、(1)主要部の被修飾名詞の特性、(2)名詞句内のテ節の意味・用法、(3)テノ名詞句の統一的な意味、 という三つの観点から分析を行なったものである。

本研究では、まず、先行研究の記述の整理を行ない、問題となる点を明らかにした上で、形態的な基準に基づいて被修飾名詞を「述語性名詞」と「非述語性名詞」に分類し、それぞれの名詞とテ節との関係が異なることを指摘した(上記(1)(2))。先行研究で中心的に扱われてきた述語性名詞の場合、文(動詞句)に並行的な構造を持っており、テ節と名詞とは連用修飾に相当する意味的関係にある。この構造的特性から、テノ名詞句において、一部の用法のテ節のみが生起可能であることが説明される。一方、非述語性名詞の場合、文に並行的な構造を持っておらず、連用修飾との関係は薄い。むしろ、この非述語性名詞には、「外の関係」の連体修飾に相当する意味的関係を持った名詞の多くが該当するということが指摘できる。

以上のように、本研究では、従来は明確な整理がされてこなかったテノ名詞句を二つに区分した上で、さらに、二つのタイプのテノ名詞句でそれぞれ観察される制限から、テノ名詞句全体に共通する意味的特徴を抽出した(上記(3))。この特徴は、「時間的展開の内包」であり、最終的には、テ節が持つ一般的な特徴に還元できるものである。

外国語の学習、教授、評価のためのヨーロッパ共通参照枠(CEF)の
日本語教育における活用
-ドイツ・ベルリン州の中等教育日本語ガイドラインの例-

【PDF:100KB】
松尾馨 (デュースブルク・エッセン大学現代日本学科博士課程後期)
濱田朱美 (ボーフム・ルール大学言語学習教育研究科博士課程後期)

ヨーロッパ評議会 (Council of Europe) により開発された言語教育の評価基準である、外国語の学習、教授、評価のためのヨーロッパ共通参照枠(Common European Framework of Lan-guages、以下CEF) と言語学習記録のためのツール、言語ポートフォリオ (European LanguagePortfolio、以下ELP) は、ドイツの学校教育において着実に導入が進んでいる。一例として、2003年、2004年に相次いで策定された、第一外国語の「教育スタンダード」には、CEFの能力モデルが全面的に取り入れられている。

ベルリン州では2003/04年度にこの「教育スタンダード」の能力モデルに基づき、全ての外国語科目の中等教育後期用ガイドラインの改訂が行なわれた。 外国語科目のひとつである日本語のガイドラインも、CEF に基づいて改訂され、ドイツの学校における日本語に初めて CEF の基準が適用された。

本稿では、まず、このガイドライン開発の契機となった教育スタンダードを概観し、ドイツの教育界が「パラダイムの変化」を遂げようとしている点を指摘する。そして、ヨーロッパ言語を中心に開発されたCEFの外国語能力記述が、中等教育の日本語教育へどのように応用されているかを、ベルリンの日本語ガイドラインの分析を通して明らかにする。最後にこれらの分析を通して、CEFを採用した改訂版日本語ガイドラインが授業の現場と教師、更にドイツの日本語教育に及ぼしうる影響に言及する。また、CEFにみる外国語教育の合理主義への動きと、それと並存しうる人文主義的教育の重要性を指摘し、教師の新たな役割についても論じる。

タイにおける中等学校日本語教員養成講座の概要と追跡調査報告
-タイ後期中等教育における日本語クラスの現状-

【PDF:182KB】
野畑理佳 (国際交流基金関西国際センター日本語教育専門員)
ウィパー・ガムチャンタコーン (タイ商工会議所大学専任講師)

近年、タイの中等教育レベルにおける日本語教育の拡大は目覚しく、ここ10年間で日本語クラスを開講した中等学校数、また中等教育レベルの学習者数は著しく増加した。その背景には、タイ国教育省および国際交流基金日本文化センターとの共催により開講された日本語教員養成講座によって日本語教員が養成されたという経緯がある。本稿ではこの講座とタイにおける中等学校日本語教員養成の全体的な枠組みを紹介し、修了生への追跡調査の結果を踏まえて後期中等教育機関の日本語クラス開講の現状と現場に立つ日本語教員の現状を報告する。

この教員養成講座の参加者が多くの学校で日本語を開講したことは、日本語教育の地域的な拡大にもつながった。またこのような中等教育レベルでの日本語教育事情の変化は、高等教育機関へも影響を及ぼしている。教員養成講座への参加者はすべて現職の中等学校の教員であり、ほぼゼロ初級から日本語学習を開始するが、講座を修了した後も訪日研修や各地で開催される金曜研修、通信による学習などの研修に参加し、継続的に学習を続けることによって教員としての自信を深めている。教員養成の枠組みとして、段階的に現職教員支援のための研修が用意されていることへの評価は高い。

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