JENESYS若手日本語教師派遣プログラム 活動報告 八嶋 康裕(タイ)

JENESYS若手日本語教師派遣プログラムの派遣先での写真

派遣国:タイ
派遣期間:2008年6月~2009年3月
氏名:八嶋 康裕

 私はタイのサムットプラカーン県に10カ月赴任しました。派遣校のナワミントラチニュティット・スアンクラーブウィッタヤラ高校は中高一貫の公立校で、全学3,000人の学生のうち、中学生が選択、高校生が選択必修というかたちで、合わせて200名ほどの学生が日本語を勉強しています。私はその中で、主に高校3年生の日本語科目を担当しました。

 それまで日本での日本語教育しか見たことのなかった私にとって、海外の、それも中等教育機関での日本語教育は、とても新鮮で驚くことが多いものでした。朝7時から1時間目が始まる学校のシステム、教室の中が100名以上になることもあるクラス、間接法での日本語の授業など、当初は慣れないことも多く、学校でただ一人のネイティブの外国語教師としてどのように授業をするのが学生にとっていいのか、ということを考えていました。

 しかし、派遣校の教師や学生とのコミュニケーションを重ねるにつれ、そして、派遣校以外の中・高等教育の現場を実際に見たことで、徐々に自分のやるべきことが明らかになってきました。それは、できることをする、という当たり前のことでした。この当たり前のことは、異文化に対して無意識に身構えていた状態では、思い及ばなかったことでした。

 派遣期間は10カ月という短い時間でしたが、その中で自分ができること、何を伝えられるかということを模索し、できる限り実行しました。できなかったことや、もっと挑戦したかったことを挙げるときりがありませんが、授業で教える日本語だけでなく、文化紹介活動などを通して、生の日本を少しでも伝えることができたのではないかと思います。

 自分が何かを伝えようとすることは、同時に、それ以上のことを教えてもらうことでもありました。すしを作ったり、折り紙を折ったり、年賀状を交換したり、歌を歌ったり、そのたびに、タイのこと、学生ひとりひとりのこと、日本のこと、そして自分自身のことを教えてもらいました。

 私がサムットプラカーンで出会い関わった人に、多くのことを学び影響を受けたように、私が関わった人たちにとっても、日本語、日本文化に興味を持つきっかけや、異文化理解を考えるきっかけになってくれていたらと願ってやみません。

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