ジョージア(2016年度)

日本語教育 国・地域別情報

2015年度日本語教育機関調査結果

機関数 教師数 学習者数
初等教育 中等教育 高等教育 その他
教育機関
合計
5 12 0 128 109 0 237
0.0% 54.0% 46.0% 0.0% 100.0%

(注) 2015年度日本語教育機関調査は、2015年5月~2016年4月に国際交流基金が実施した調査です。また、調査対象となった機関の中から、回答のあった機関の結果を取りまとめたものです。そのため、当ページの文中の数値とは異なる場合があります。

日本語教育の実施状況

全体的状況

沿革

 ジョージアでは、1991年にトビリシ・アジア・アフリカ大学(Tbilisi Institute of Asia and Africa、現在はトビリシ自由大学に所属)で日本語教育が本格的に始められて以来、同大学を中心に活発な活動が続けられている。
 また、2010年に一般文化無償「トビリシ国立大学日本語学習機材整備計画」(総額1,870万円)によりトビリシ国立大学にLL機材及び日本語学習用教材の供与が行われたのを機に、同大学に日本文化・言語センターが開設された。

背景

 ジョージアは親日国であり、日本に寄せる関心は高いが、日本語を学ぶ環境はまだまだ十分ではなく、今後の更なる整備が期待される。加えて、現時点では日・ジョージア経済関係がそれほど活発ではないこともあり、日本語を学んだ学生の受け皿が十分にないことも、今後検証されていく必要がある。

特徴

 政府関係者の日本に対する関心は経済分野、特に戦後日本の経済発展プロセスに向けられていることが多いが、一般市民のレベルでは日本の社会や文化、スポーツに対する関心も高い。

最新動向

 2009年より、トビリシ・アジア・アフリカ大学はトビリシ自由大学(Free University of Tbilisi)の一部となった。
 2016年11月現在、日本語教育を行う初等・中等教育機関は2機関、高等教育機関は3機関であり、学習者数は、初等・中等機関が172名、高等教育機関が142名である。

教育段階別の状況

初等教育

 下記【中等教育】を参照。

中等教育

 トビリシ市内の第34中学校(旧名称「Author Educational Centre "Georgian School"」)においては、ジョージア人日本語教師の下、6年生から12年生まで72名の生徒が日本語を学んでいる。また、トビリシ郊外の私立中等学校であるブリタニカ英語学校でも日本語が教えられており、7年生から11年生までの100名が日本語の授業を受けている。

高等教育

 トビリシ自由大学は、日本学科のほかにも中国、アラブ、ペルシャ、トルコ、韓国等様々なアジア地域の学科を有するなど、伝統的にアジア研究に重点を置いており、実績も多く上げている。アジア地域を中心に11か国の大学とも提携を行っている。日本人教師はいないため、同大学からは常勤の日本人日本語教師の派遣を要望する声が強く上がっている。なおジョージア人教師については、その日本語能力向上のため、国際交流基金のプログラムを中心とした訪日研修の機会も増えており、徐々にではあるが状況は改善されつつある。
 日本語を学習する学生数は、トビリシ自由大学で74名、トビリシ国立大学で41名である(2016年11月現在)。なお、トビリシ国立大学では、現在は主専攻科目としての日本語教育は行われておらず、副専攻のみである。また、2015年よりジョージア大学で新たに日本語学習が開始され、2016年11月現在27名の学生が日本語を学んでいる。

その他教育機関

 日本語教育は実施されていない。

教育制度と外国語教育

教育制度

教育制度

 3‐6‐3制。
 ジョージアでは、旧ソ連の学校教育制度(10年制)から、12年制の初等・中等教育に移行した。
 12学年のうち、1~3学年が初等教育、4~9学年が前期中等教育、10学年以降が後期中等教育にあたる。義務教育は1学年から9学年までであるが、高等教育を受けるためには10~12学年の修学が必要であり、実際には大部分の生徒がこの課程に進学している。高等教育は、12学年卒業後に大学(4年間)、または単科大学(4年間)で学び、学士号を取得する。

教育行政

 初等、中等、高等教育機関のほとんどが、教育省の管轄下にある。

言語事情

 公用語はジョージア語。旧ソ連時代の影響から、中高年の多くがロシア語を解するが、近年ではむしろロシア語以外の外国語教育に重点が置かれているため、若年層の間ではロシア語を話せない人々も増えている。

外国語教育

 ジョージアの初等・中等教育は12年制学校で行われるが、外国語教育の実態は学校の種類により異なる。
 普通学校では、1学年から外国語の授業が始められる。大部分の場合、学ぶ外国語は1つで英語(あるいはドイツ語)であることが多い。また、多くの学校で、外国語の授業とは別にロシア語の授業も行われている。第一外国語は必修科目であり、その他、選択科目としての外国語の授業が行われている。これは日本の選択科目より自由な性質を持つものであり、評価や履修の記録は成績表に特に残されないことも多い。
 専門学校(一般的な学校よりも特定の科目に力を入れた学校)では、だいたい第2学年から1~2つの外国語の授業が始められる。
 その他、リツェイ、ギムナジア等では、入学と同時に2つもしくはそれ以上の外国語の授業が始まる。授業のレベルは比較的高い。専門学校やリツェイでは外国語は必修科目であることが多く、その他に選択科目としてほかの外国語の履修も可能である。
 教えられている外国語は、学校によって異なるが、第一外国語はほとんどの場合、英語、ドイツ語、フランス語のうちのどれかであり、中でも英語であることが多い。また、上記の言語と並行してロシア語の授業が行われている場合がほとんどである。その他、スペイン語、イタリア語、日本語、中国語等は高等教育課程から教えられる場合が多い。
 選択科目として、ソ連時代からペルシャ語、アラビア語、トルコ語、ヘブライ語等の授業が行われており、1991年からは日本語の授業も開始された。

外国語の中での日本語の人気

 例えばトビリシ自由大学の場合、学生総数1,869名のうち日本語を学んでいるのは74名のみであり、英語など他の外国語と比較して人気が高いとは言い難い状況である。

大学入試での日本語の扱い

 大学入試で日本語は扱われていない。

学習環境

教材

初等教育

 【中等教育】の項を参照。

中等教育

 教科書使用の状況は様々であるが、いずれも深刻な教材不足が問題となっている。

高等教育

 トビリシ自由大学で主に使用されている教科書は次のとおり。

  • 1年生:『JAPANESE FOR YOUNG PEOPLE』国際日本語普及協会(講談社USA
    『みんなの日本語1』スリーエーネットワーク(スリーエーネットワーク)
    BASIC KANJI BOOK Vol. 1』加納千恵子ほか(凡人社)
  • 2年生:『みんなの日本語2』スリーエーネットワーク(スリーエーネットワーク)
    BASIC KANJI BOOK Vol. 2』加納千恵子ほか(凡人社)
  • 3年生:『ニューアプローチ中級日本語』小柳昇(語文研究社)
    Intermediate Kanji Book Vol. 1』加納千恵子(凡人社)
  • 4年生:『ニューアプローチ中上級日本語』小柳昇(語文研究社)
    Intermediate Kanji Book Vol. 1』(前出)
    『ビジネス日本語 Ⅰ、Ⅱ』(凡人社)
  • 1-4年生:『レベル別日本語多読ライブラリー』NPO多言語多読(アスク出版)

その他教育機関

 日本語教育は実施されていない。

マルチメディア・コンピューター

 実施されていない。

教師

資格要件

初等教育

 下記【高等教育】を参照。

中等教育

 下記【高等教育】を参照。

高等教育

 ジョージアの教育機関で日本語を教えるためには、日本語専攻で高等教育機関を修了(学士号・修士号を取得)していることが基準となっている。ほとんどの日本語教師が、大学卒業後、就業するまでに国際交流基金等のプログラムで日本での研修に参加している。

その他教育機関

 日本語教育は実施されていない。

日本語教師養成機関(プログラム)

 日本語教師養成を行っている機関、プログラムはない。

日本語のネイティブ教師(日本人教師)の雇用状況とその役割

 日本語ネイティブの教師はいない。

教師研修

 国内では、現職の日本語教師対象の研修はない。
 国外の研修としては、国際交流基金の研修がある。

現職教師研修プログラム(一覧)

 特になし

教師会

日本語教育関係のネットワークの状況

 ジョージア独自の組織は現時点では存在していない。

最新動向

 特になし

日本語教師派遣情報

国際交流基金からの派遣

国際協力機構(JICA)からの派遣

 国際交流基金、JICAからの派遣は行われていない。

その他からの派遣

 日本語教師の派遣は行われていない。

日本語教育略史

1983年 Tbilisi Institute of Foreign Languages, Faculty of English Languageにおいて第二外国語として日本語導入(実施は1983-1986年、1989-1992年の間のみ。1993年以降休止中)
1990年 Japanese Language Coursesにて日本語教育開始(1992年まで。1993年以降休止中)
1991年 トビリシ・アジア・アフリカ大学にて日本語教育開始
1992年 Secondary School N34, Author's School “Georgian School”で日本語教育(選択科目としての外国語の授業)開始
2001年 トビリシ国立大学に日本語学科設立
2006年 Georgian-English SchoolBritanica”において日本語教育開始
2015年 ジョージア大学において日本語教育開始

参考文献一覧

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