ドイツ(2016年度)

日本語教育 国・地域別情報

2015年度日本語教育機関調査結果

機関数 教師数 学習者数
181 457 13,256
学習者数 内訳
教育段階 学習者数 割合
初等教育 152 1.1%
中等教育 1,896 14.3%
高等教育 6,690 50.5%
その他 教育機関 4,518 34.1%
合計 13,256 100.0%

2015年度日本語教育機関調査結果 学習者数グラフ
2015年度日本語教育機関調査結果の学習者数に関する帯グラフ。初等教育は152名で全体の1.1%、中等教育は1,896名で全体の14.3%、高等教育は6,690名で全体の50.5%、学校教育以外は4,518名で全体の34.1%。

(注) 2015年度日本語教育機関調査は、2015年5月~2016年4月に国際交流基金が実施した調査です。また、調査対象となった機関の中から、回答のあった機関の結果を取りまとめたものです。そのため、当ページの文中の数値とは異なる場合があります。

日本語教育の実施状況

全体的状況

沿革

 ドイツにおける日本語教育は、1887年にベルリン大学に東洋言語学科が設立されたことに始まる。1980年代に大学での日本関連学科の設置と語学コース開設が相次ぎ、Volkshochschule(略称:VHS 一般成人を対象とした生涯教育機関。市民大学の類)での日本語コースも急増した。また、1982年には、中等教育機関のギムナジウム(Gymnasium)でも日本語教育が開始され、1999年には、連邦レベルで、大学入学資格試験(アビトゥア)の試験科目として、日本語科目が認められた。
 2009年、ノルトライン・ヴェストファーレン州において日本語が中等教育の教員養成科目として認定され、2011年10月に日本語教員養成課程(学士)がケルン大学に新設され、2012年7月に担当教授が着任した。2014年10月からは、同課程(修士)がスタートした。また、ボーフム大学においても、2014年4月に日本語教員養成課程(修士)が新設された。

背景

 1980年代、日本経済が好調だった時期には、日本語学習者の顕著な増加が見られた。1990年代末から、増加は頭打ちとなり、数年間は変化が見られなかった。その後は、2005年までは学習者は増加傾向を見せていた。その理由は、マンガ、アニメ、テレビゲームなど日本のポップ・カルチャーの浸透で若年層の学習者が増えたことが挙げられる。2006年度の日本語教育機関調査では学習者数はやや減少しているが、2009年度の同調査以降は微増となっている。

特徴

 ドイツの日本語学習者は多様で、大学などの高等教育機関だけでなく中等教育、一般成人教育、企業内研修、継承語教育など、さまざまな場所で日本語が学習されている。日本語能力試験の受験者数は、日本経済が停滞した時期も減少せず、ドイツにおける日本語学習が、堅実な学習者で支えられていることがわかる。2016年10月現在、ドイツでは、ベルリン、シュトゥットガルト、デュッセルドルフ、ハンブルクの4都市で日本語能力試験が実施されている。2007年には受験者が1,000名を超え、その後も少しずつ増加している。

最新動向

 特になし。

教育段階別の状況

初等教育

 初等教育においては、異文化理解教育の範疇で、あるいは課外選択科目として日本語が取り入れられ始めたところがある。ラインラント・プファルツ州では2007年9月、州教育省の施策として地区単位で知的優秀児を選抜し週1日を特別授業日として英才児教育を始め、同州のニーダーブロンバッハ小学校の日本語コースは開始後10年続いている。
 また、ドイツ国内には、日本の文部科学省から補助金を受けている補習授業校が13校あるが、そこでは、継承語としての日本語教育が行われている。学んでいる生徒の約半数は、国際結婚家庭の子どもである。

中等教育

 中等教育では、1987年から1993年までの6年間、ベルリン、ハンブルク、ノルトライン・ヴェストファーレン、ニーダーザクセン、ラインラント・プファルツ、ヘッセンの6州で日本語を導入するためのモデル試行(Modellversuch)が行われ、特別の予算措置が取られた。その後1999年に、全州教育大臣会議で、大学入学資格試験(アビトゥア)の試験科目として日本語科目が認められた。2014年6月のドイツ語圏中等教育日本語教師会の発表では、日本語を教えている学校は63校である。
 日本語が単位取得科目として学習されるのは、ギムナジウムの5年目、6年目にあたる9~10年生の段階から3~4年間に、第三外国語(英語、その他の欧州言語に次ぐ)としてである場合が多い。この他に、課外選択科目として学習される場合も少なくないが、この場合、学校の事情や担当できる教師の有無、履修希望者の増減などで、開・閉講が容易に起こり得るため、安定して学習に取り組むことが難しい場合がある。
 すべての州で9年間から8年間へのギムナジウム就学年数短縮が導入され、課外選択科目の日本語が廃止となったり、大学入学資格試験(アビトゥア)における日本語の位置づけが消極的な方向で見直されたりするケースも見られた。一方で、新制度(8年制)の生徒が最終学年を迎える年度と、それより1年早く旧制度(9年制)でギムナジウムに入った生徒が最終学年を迎える年度が重なることで日本語学習者の数が一時的に増え、これを受け入れるだけの日本語教員数が確保できないという問題が起こった。なお、ギムナジウムの8年制は、導入後に問題が多いことが判明した州が多く、2016年現在、5つの州で9年制への逆戻り(8年制ギムナジウムとの並行含む)が実施・検討されている。
 また、中等教育で日本語が教えられ始めたころ(1980年代前半)の第一世代の教師が、定年退職の時期を迎えている。後任者にうまく引き継げるところもあるが、学校がその機をもって日本語教育をカットしようとしたり、続けようとしても適任者が見つからなかったりといった問題もある。

高等教育

 2007年春にケルン日本文化会館が行った日本研究学科を持つ国内17の大学での聞き取り調査によると、学習者の関心や学習動機には、マンガ等のポップ・カルチャーの影響の強いことが確認されている。日本学専攻の学生について、2003年頃から日本学、日本語学習希望者が急増し、一時はかつての3~4倍になったが、1999年に採択されたボローニャ宣言により導入されたBachelor/Master(BA/MA)コース制度により、定員制を採用する大学(学科)が増え、2009年の日本語教育機関調査では、日本学専攻の学生数は、2003年以前の水準よりも減少したが、その後は増加の傾向を見て取ることができ、2016年現在、約3,000名程度の学生がいるものと確認している。またこうした制度の導入によって卒業までの年数が短くなった影響で日本語学習時間数が減少してしまい、教育水準の維持に困難をきたしたというケースも見られる。
 なお、近年、州の大学予算削減等の理由により、多くの大学では、日本研究学科や日本語講座がアジア学として組織再編・あるいは廃止されるなど、激しい変化に遭遇している。他組織に統合される場合もある。
 一方、2011年にケルン大学、2014年にボーフム大学に日本語教員養成課程が設置され、また、2012年には、ゲッティンゲン大学に日本学専門の教授が着任して日本語講座が復活した。

その他教育機関

 公的な一般成人向け生涯教育機関として、VHSが全国に存在し、2016年現在、4,500名程度の日本語学習者がいるものと把握している。ドイツはVHSによる一般成人教育が盛んで、その語学プログラムも充実している。VHSの日本語講座は大きな町だけでなく、都会からはるか離れた小さな町にも存在することが珍しくない。
 VHSのほか一般成人を対象とした日本語教育機関としては、国際交流基金ケルン日本文化会館、ボーフム・ルール大学外国語教育研究所(元ノルトライン・ヴェストファーレン州立言語研究所)日本語学科≪ヤポニクム≫、ハンブルク大学アジア・アフリカ研究所、ベルリン日独センター、日本文化言語センター(フランクフルト)、ミュンヘン大学日本センターなどが挙げられる。その他、民間の外国語学校でも日本語講座が開講されている。

教育制度と外国語教育

教育制度

教育制度

初等教育 中等教育 高等教育
小学校Grundschule(4年間)→ 基幹学校
Hauptschule(5年間)→
職業訓練
実科学校
Realschule(6年間)→
職業訓練
実業専門学校/実業高等専門大学
ギムナジウムGymnasium
(8/9年間)→
総合大学/教育大学/芸術大学/高等専門大学
総合制学校
Gesamtschule
(8年間)→
実業専門学校/実業高等専門学校/高等専門大学/総合大学/教育大学/芸術大学

 小学校Grundschuleにおける4年間(州により6年間の場合もある)の初等教育を終えると、生徒は、基幹学校Hauptschule、実科学校Realschule、ギムナジウムGymnasiumという3つの異なった種類の学校に振り分けられる。基幹学校は5年制で、卒業後は職業訓練/見習いとして就職する。実科学校は6年制で、中級の技術者などの養成を行う。実科学校卒業後、専門性を高めるため高等教育機関まで進学する者もいる。ギムナジウムは8年制または9年制で伝統的な大学進学コースである。これらの3つの学校形態をまとめた総合制学校Gesamtschuleもあるが、数は少ない。義務教育は、多くの州では9年間、一部の州では10年間である。

教育行政

 教育に関する権限は各州に委ねられており、州教育省が州単位で教育政策を決定・実施する。国レベルの連邦教育・研究省も設置されているが、連邦政府は一部の権限を持っているにすぎない。
 連邦と州の間の調整機関としては、各州文部科学大臣常設会議、連邦・諸州教育計画研究助成委員会が、審議機関としては学術審議会等があるが、例えばカリキュラムの編成、教科書の検定等、いずれも各州に存在する学校法、教育省令、学校指導要領等によって詳細が定められている。

言語事情

 公用語はドイツ語。

外国語教育

 外国語教育は英語が必修で、通常5年生から開始されるが、3年生から始める州が増えている。
 実科学校では第二外国語は選択科目で、ギムナジウムでは第二外国語(概ねフランス語かラテン語)は7年生から必修科目である。ギムナジウムの9年生、10年生の段階では、第三外国語が選択できるところもあり、日本語がそのひとつになっている場合もある。しかし、多くの場合、11年生、12年生の段階で第四外国語(選択科目)として学習される。日本語科目の運営形態としては、その学校が独自のコースを設けている場合と、複数の学校が合同でコースを設けている場合がある。
 学習指導要領の作成は、州の基本法や学校法に基づいて行われるため、その内容は州ごとにかなり異なっている。また、どの外国語を教えるか、それを必修科目とするか選択科目とするかについても、州・学校によって差が大きい。中等教育後期の到達目標は、多くの州で第一外国語ではCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)のB2、第三外国語ではB1とされている。

外国語の中での日本語の人気

 伝統的な日本文化や日本語の古典作品の魅力から日本語を学習する人々は、相対的に減っている。それに対し、インターネットの普及とIT技術の発展に伴って、個人的・直接的に取り入れた日本の情報を魅力的だと感じ、日本語の学習動機とする学習者が増えている。J-POPを聞いたり、動画サイトを通して日本の映画やTVドラマを見たりする高校生・大学生の学習者も少なくない。ドイツ語に翻訳された日本のマンガは、書店に必ずマンガコーナーがある程、ドイツ社会に浸透している。これらの点は、日本語が、他の外国語(ヨーロッパ言語)と比較した場合でも、特別な言語ではなくなりつつあることを表しているだろう。

大学入試での日本語の扱い

 1999年、全州教育大臣会議で、大学入学資格試験(アビトゥア)の試験科目として日本語科目が認められた。これによって理論的には、ドイツ全州で大学入学試験の試験科目とすることができるようになった。

学習環境

教材

初等教育

 一例としては、スイス日本語教師会が制作した継承語教育のための教科書『にほんご1ねんせい-このゆびとまれ-』『にほんご2ねんせい-はないちもんめ-』などを参考にしながら、担当教師が独自に教材を作っているケース、また、特定の教材は使わず、おりがみや歌などを中心に授業を行っているケースもある。

中等教育

 次の教科書がよく使われている。
 『Japanisch fuer SchulerBand1,2 Berlin(Germany).Senatsverwaltung fuer Schule, Berufsbildung und Sport
 『Japanisch fuer Junge Leute1 Setsuko MochidaSanshusya
 『みんなの日本語』スリーエーネットワーク(スリーエーネットワーク)

高等教育

 次の教科書がよく使われている。
 『初級日本語 げんき Ⅰ Ⅱ』坂野永理ほか(ジャパンタイムズ)
 『みんなの日本語』(前出)
 『GRUNDSTUDIUM JAPANISCH』1,2 Noriko Katsuki-PestemerDÜRR & KESSLER
 『Japanisch im Sauseschritt』1、2A Association for Japanese-Language TeachingDr.Hammes Doitsu Gakuin Ltd.

その他教育機関

 次の教科書がよく使われている。
 『JAPANISCH, BITTE!Yoshiko Watanabe-Rogner他Langenscheidt
 『Japanisch im Sauseschritt』1(前出)
 『みんなの日本語』(前出)
 『まるごと 日本のことばと文化』国際交流基金(三修社)

マルチメディア・コンピューター

 大学の日本語教育においては、授業と並行して進められる“e-learning”によって、インターネットを利用した自律学習を取り入れるところが多くなってきた。コンピュータ・リテラシーは学年が下がるにつれて高まる傾向があるようである。日本の民間の放送局のサイトにアクセスして、テレビの動画ニュースを定期的に見ている学生も多い。インターネットで日本の新聞を読んでいる学生もかなりいる。

教師

資格要件

初等教育

 特になし。

中等教育

 ギムナジウムの教員となるには、大学で科目毎の教員養成課程を修了しなければならず、また、2教科の教員資格を取得する必要がある。実際に教壇に立ちながら行われる教育実習の期間も長期で、教員資格を得るまでにかかる年数は日本の場合よりはるかに長い。今まで大学に教員養成課程のなかった日本語科目において、日本語を教えているドイツ人教師が、どんな教科で資格を取得しているかは様々であるが、例として挙げられるのは、体育とフランス語、ドイツ語(国語)と歴史、数学と物理などである。ドイツ人の日本語教師で、教師会のリーダー的存在となっている教師は、日本留学歴がある、DAAD(ドイツ学術交流会)の派遣により日本の大学でドイツ語教育歴がある、横浜ドイツ学園での教育歴がある等の事情で、長期日本滞在歴・日本語学習歴を持っている。これらのドイツ人教師は、自分が資格を持っている教科を教え、さらに日本語も教えているという場合が多いが、勤務校で単位取得科目として日本語が教えられている場合は日本語だけを教えている場合もある。
 2009年、ノルトライン・ヴェストファーレン州において日本語が中等教育の教員養成科目として認定されたのを受け、2011年10月よりケルン大学において、2014年4月よりボーフム大学において、日本語教員養成課程が開設された。日本語の教員資格を持つ教師が、今後増えるものと期待される。

高等教育

 常勤講師になるためには、原則として修士号以上の学位が必要であるが、大学(学科)によっては、日本語教育は特殊であるとして、経験などがあれば学士号のみでも可能である。

その他教育機関

 VHSの場合は学士号以上の学位が必要である。

日本語教師養成機関(プログラム)

日本語のネイティブ教師(日本人教師)の雇用状況とその役割

 VHSの日本語教師の場合は、大半が日本語のネイティブ教師である。多くはドイツ人の配偶者を持ち、居住する地域の人的リソースとして見出され日本語を教えるようになったケースが多い。ドイツで就労するには労働ビザが必要であり、労働ビザの取得は一般的には困難であるが、ドイツ人の配偶者がいる場合にはその問題がないことがその背景にある。日本語教育や外国語教育等を専門に勉強した経験、あるいは実際の教授経験がない教師も多いが、教師会の会員になるなどして熱心に研鑽を積んでいる。特に小さい町などでは、初めて接する日本人が日本語教師だというケースもあり、その影響力は大きい。VHSでは基本的に講師をフリーランスの労働者として学期毎に契約しており、一定数の申込者が集まらず、講座が開講されないというケースも少なくなく、雇用状況は不安定である。報酬は州によって差はあるがVHS講師の職だけで生計をたてることはきわめて難しい。
 中等教育機関の日本語教師の場合、正規職員となるためには大学で教員養成課程を修了し、国家試験を受け、教員免許を取得しなければならない。現在ギムナジウムで教えている日本語ネイティブ教師は、当該校の教育方針等により例外的に採用された教師らで、自治体と直接、雇用関係を結んでいる。そのため身分が不安定で、報酬のランクも低いことがある。
 高等教育機関(大学)の場合、語学講師はひとつの職場で最長2年(契約延長なし)、しかも同じ州では再び期間限定付きで契約することができない場合が多く、安定したポストに就くのは容易ではない。

教師研修

現職教師研修プログラム(一覧)

 日本語が母語か非母語かにかかわらず、日本語教師としての専門性を高めるための研修は、各種行われている。各教師会が主催し、国際交流基金が支援を行っている研修には、以下のようなものがある。

  • ドイツ語圏中等教育日本語教師会セミナー:中等教育日本語教師対象、2泊3日の合宿研修。
  • ドイツ語圏大学日本語教育研究会シンポジウム:大学の日本語教師対象。会期3日間。
  • ドイツVHS日本語講師の会研修:VHSの日本語教師対象。2泊3日の合宿研修。
  • ヨーロッパ日本語教師会シンポジウム:対象は設定していない。会期3日間で、主に日本語講座を持つ大学を会場としてヨーロッパ内の都市を巡回して開催される。

 この他、国際交流基金ケルン日本文化会館主催の日本語教師研修会(1日研修)が2007年からベルリンで年1回、2011年からケルンで年3~4回、開かれている。国際交流基金の日本語国際センターの実施する研修のうち、非母語話者教師のための短期/長期研修、指導者研修(修士課程)にもドイツから参加している。また、国際交流基金パリ日本文化会館が2006年からアルザス欧州日本語教育研修会を開催するようになり、ドイツから毎年数名が参加している。ベルリン州では、1997~1999年、1999~2002年の2期にわたり、中等教育の日本語教師養成研修が行われ、この研修を修了した6名は同州のギムナジウム等で日本語を教えている。

教師会

日本語教育関係のネットワークの状況

 教育段階別に、「ドイツ語圏大学日本語教育研究会」、「ドイツ語圏中等教育日本語教師会」、「ドイツVHS日本語講師の会」という3つの教師会がある。これらの会の会員は、それぞれ大学、ギムナジウム、VHSで日本語を教えている教師が主であるが、一人で複数の教育段階の機関で教えている場合も珍しくなく、3教師会の全ての会員になっている教師もいる。その他に、日本学研究者を主な対象とした「ドイツ語圏日本研究学会」がある。

日本語教師派遣情報

国際交流基金からの派遣(2016年10月現在)

日本語上級専門家

 国際交流基金ケルン日本文化会館 1名

日本語専門家

 国際交流基金ケルン日本文化会館 1名

国際協力機構(JICA)からの派遣

 なし

その他からの派遣

 (情報なし)

シラバス・ガイドライン

初等教育

 特になし。

中等教育

 ドイツは連邦制の共和国であり、国内行政のあらゆる面において地方自治体の力が強い。そのため、教育行政においても全国統一シラバスは存在しない。中等教育については、ドイツ16州のうち12州で日本語教育を行っているが、そのうち5州で独自の日本語教育公式ガイドラインを持っている。1999年、各州文部科学大臣常設会議の認可によって、日本語が大学入学資格試験(アビトゥア)の科目として認められ、同試験の日本語全国統一基準(EPA)【PDF:117KB】が発表された。しかし、EPAはあくまで同試験の問題形式、出題範囲、レベル等の目安を示したもので、中等教育で扱うべき学習項目や指導要領などを示したものではない。

高等教育

 ドイツの大学は基本的に州政府の管理下にあるものの、統一基準、統一シラバスは存在せず、各大学で独自のカリキュラム、独自の評価基準を採用している。唯一、全国の大学を中心とした50以上の機関が加盟するUNICERTという外国語能力認定システムがあるが、これは主に教養科目、非専攻科目としての外国語の修了認定に使われており、テスト自体は各大学で作成し、合否についてはUNICERTの委員会の承認を受けるというものである。
 到達目標レベルはそれぞれの大学(学科)によって異なるが、日本学研究科の場合は、専門の日本語文献が読め、ある程度の質疑応答、意見交換、討論ができるレベルである。日本学研究科以外の日本語教育の場合は、簡単な日常会話と将来の日本語能力養成のための基礎を作ることにある。

その他教育機関

 学校教育以外の日本語教育共通シラバスのようなものは存在しない。多くのVHSでは、半年に1度、開講講座のプログラムを出しているが、語学講座のレベルを表すのにヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)を使うところが増えている。

評価・試験

 日本語能力試験はデュッセルドルフVHS、シュトゥットガルトVHS、フンボルト大学(ベルリン)、ハンブルク大学で実施されている。これには、近隣国(ベルギー、オランダ等)からの受験者もいる。
 ドイツの公的機関による日本語能力認定試験はない。
 1999年の全州教育大臣会議で、大学入学資格試験(アビトゥア)の試験科目として日本語科目が認められた。

日本語教育略史

1887年 ベルリン大学に東洋言語学科が設立される
1914年 ハンブルク大学にドイツで初めて日本学教授が就任する
1980年 ノルトライン・ヴェストファーレン州立言語研究所に日本語部門≪ヤポニクム≫が設立され、日本語集中講座の実施が始まる
1980年代 大学において日本関連学科や語学コースが急増する
VHSの日本語講座も急増する
1982年 ギムナジウムで日本語教育が開始される
1985年 デュッセルドルフで日本語能力試験の実施開始
1992年 シュトゥットガルトで日本語能力試験の実施開始
1995年 ベルリンで日本語能力試験の実施開始
1999年 国内全州の教育大臣会議で、日本語が大学入学資格試験(アビトゥア)の試験科目として認可される
2006年 ≪ヤポニクム≫が、ノルトライン・ヴェストファーレン州立言語研究所日本語科からボーフム・ルール大学外国語教育研究所日本語学科となる
2007年 ラインラント・プファルツ州で州教育省の施策として地区単位で知的優秀児を選抜し週1日を特別授業日として英才児教育を開始
2009年 ノルトライン・ヴェストファーレン州において日本語が中等教育の教員養成科目として認定される
2010年 ハンブルクで日本語能力試験の実施開始
2011年 ケルン大学において、中等教育日本語教員養成課程が開設される
2014年 ボーフム大学において、中等教育日本語教員養成課程(修士)が開設される

参考文献一覧

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