ホンジュラス(2016年度)

日本語教育 国・地域別情報

2015年度日本語教育機関調査結果

機関数 教師数 学習者数
初等教育 中等教育 高等教育 その他
教育機関
合計
5 17 95 55 75 392 617
15.4% 8.9% 12.2% 63.5% 100.0%

(注) 2015年度日本語教育機関調査は、2015年5月~2016年4月に国際交流基金が実施した調査です。また、調査対象となった機関の中から、回答のあった機関の結果を取りまとめたものです。そのため、当ページの文中の数値とは異なる場合があります。

日本語教育の実施状況

全体的状況

沿革

 ホンジュラスにおける日本語教育は、従来からJICAの青年海外協力隊員によって行われ、1970年代後半から約20年間、ホンジュラス自治大学テグシガルパ校にJICAの青年海外協力隊員日本語教師が派遣されてきたが、90年代後半に日本語教師の派遣は打ち切られた。その後、各方面からの日本語学習の機会を求める声の高まりを踏まえて、日本大使館、JICA事務所及び元国費留学生等が中心になり日本語教育の充実に向けた検討が進められ、2001年7月、テグシガルパのホンジュラス国立教育大学の教室を会場として、日本語教室が開設された。
 2016年現在の日本語教育実施状況は以下のとおり。
  《ホンジュラス国立自治大学》
 1970年代後半から約20年間、ホンジュラス自治大学テグシガルパ校にJICAの青年海外協力隊員の日本語教師が派遣されていたが、90年代後半以降は日本語教師の派遣は実施されていなかった。下記、ホンジュラス国立教育大学における日本語教室の閉鎖を受け、2014年5月に、元国費留学生を講師として、ホンジュラス国立自治大学内にて、日本語教室が再開講された。
  《ホンジュラス国立教育大学 テグシガルパ校》
 同大学外国語学部では、JICA青年海外協力隊日本語教師隊員により、 選択科目のひとつとして週4回日本語クラスが行われていたが、2013年1月を以て日本外務省のホンジュラスに対する危険情報が「十分注意」から「渡航の是非を検討」に引き上げられたことを理由に、同隊員を含め首都テグシガルパからボランティアが撤退したことから、現在まで、同校の日本語クラスは閉鎖を余儀なくされたが、2016年同大学言語センターにて日本語クラスが再開講された。
《ホンジュラス国立教育大学 サン・ペドロ・スーラ校》
 2008年5月より、JICAシニア海外ボランティア1名が週4回初級クラス(一般向け。学習者20名)及び入門クラス(同大学生向け。学習者20名)を開講していた。
 2009年からはテグシガルパ校と同様に単位取得科目として開講され、初級Ⅰのクラスが週4日実施されていた。2011年はシニア海外ボランティアの帰国により開講されなかった。2012年2月よりシニア海外ボランティアが派遣され、再開されたものの、2013年1月の危険情報引き上げに伴いボランティアは撤退した。
  《在サン・ペドロ・スーラ日本名誉領事事務所》
 2004年6月に開講したが、2016年現在は実施されていない。
  《その他》
 その他の地方都市においては、テグシガルパ市近郊のサモラノ国際農業大学(中米随一の農業大学で、日本財団が同大学の中米各国からの留学生約70名に対して奨学金を支給している。)には、日本語・日本文化の愛好サークル「サクラ」が存在していた(会員数約50名)が、2016年現在は存在していない。また、その他の中核都市(ラ・セイバ市、コマヤグア市、チョルテカ市、サンタ・ロサ・デ・コパン市、ダンリ市、テラ市、フティカルパ市等)においても日本語講座開講希望の声がある。更に、サン・ペドロ・スーラには精神文化院という文化センターで、50名程度の学生に対し、ホンジュラス人講師により日本語教室が開講されている。

背景

 ホンジュラスは中南米での最貧国のひとつであるが、戦後の奇跡的復興から世界第二位の経済大国への発展を遂げた日本人への憧憬の念が共通意識としてあり、日本に学びたいという関心が従来から存在している。これにアニメ、ポップカルチャー等を通じた一般国民への日本文化の浸透が加わり、日本及び日本文化への関心も多様化している。

特徴

 日本語講座の学習者数は年々増加しており、日本語への関心・興味の高まりが見受けられる。学習者の多くは、日本の先進技術、戦後の高度成長、高い生活水準などへのあこがれや、伝統文化、近代文化、特にポップカルチャー(アニメ、Jポップ等)への興味から日本語を学び始めている。学習者は、高校生から社会人まで幅広い層にわたるが、特に大学生が多い。

最新動向

 国費留学を念頭において日本語学習を行っている者が漸増しており、ここ数年間のホンジュラスの国費留学生選考試験には多くの日本語学習者が受験している。また、2003年から2012年まで毎年日本語弁論大会が行われ(在ホンジュラス日本大使館、JICAホンジュラス事務所、国立教育大学等の共催及び国際交流基金の助成)、日本語学習のレベルアップ及び学習意欲喚起の役割を果たした。
 今後は、持続性の観点から、現地人日本語講師の育成を中心としつつ、全体的なレベルアップが求められる。
 2013年1月を以て日本外務省のホンジュラスに対する危険情報が「十分注意」から「渡航の是非を検討」に引き上げられたことから、首都テグシガルパ及び第二の都市サン・ペドロ・スーラに配置されていたJICAボランティアが撤退することとなったため、同年の日本語弁論大会が中止されるなど日本語教育の機会は縮小傾向にあった。その後、2014年5月より、元国費留学生を講師として迎え、ホンジュラス国立自治大学内にて、日本語教室が再開された等、縮小傾向に変化の兆しも見られる。2015年、2016年は日本語弁論大会が実施された(在ホンジュラス日本大使館、JICAホンジュラス事務所、ホンジュラス帰国留学生の会(AHBEJA)の共催及び国際交流基金の助成)。

教育段階別の状況

初等教育

 日本語教育は実施されていない。

中等教育

 日本語教育は実施されていない。

高等教育

 国立教育大学テグシガルパ校において、同大学の外国語学部の学生向けに選択科目(卒業単位として認定)として日本語教育が行われているほか、一般学生向けに日本文化クラスが行われていた。また、同大学サン・ペドロ・スーラ校では、2009年からはテグシガルパ校と同様に単位取得科目として開講され、初級Ⅰのクラスが週4日実施されていた。シニアボランティアの帰国により2011年は開講されなかったが、2012年2月よりシニアボランティアが派遣され、再開された。しかし、上述のとおり、2013年1月の危険情報引き上げにより、首都テグシガルパ及び第二の都市サン・ペドロ・スーラに配置されていた、JICAボランティアが撤退し、テグシガルパの日本語クラスは閉鎖を余儀なくされていた。2014年5月より、元国費留学生を講師として迎え、ホンジュラス国立自治大学内にて、日本語教室が再開講されている。

その他教育機関

 テグシガルパ市、サン・ペドロ・スーラ市及びラ・セイバ市において一般向け日本語講座が開講されている。

教育制度と外国語教育

教育制度

教育制度

 6-3-3制。
 初等教育が6年間(6~12歳)、前期中等教育が3年間(13~15歳)、後期中等教育が3年間(16~18歳)。高等教育は大学4年間。
 義務教育は、初等教育の6年間。

教育行政

 初等、中等、高等教育が教育省の管轄下にある。

言語事情

 公用語はスペイン語。
 私立学校では英語、スペイン語のバイリンガル教育を行っているところが多いが、一般社会への英語の普及は極めて限られている。また、ガリフナ語等の少数言語を第一言語とし、スペイン語を第二言語とする、先住民系民族及びアフリカ系民族が存在する。

外国語教育

 公立学校では、公用語のスペイン語で授業が行われており、英語教育は前期中等教育から開始されている。
 一方、バイリンガル教育を行っている私立学校においては、幼児教育から後期中等教育までバイリンガル制度が敷かれている。私立のバイリンガル学校は年々数が増加している。また、少数ではあるが私立学校においては、英語、スペイン語、フランス語の3か国語を授業に取り入れているところもある。
 なお、高等教育の授業はスペイン語で行われている。

外国語の中での日本語の人気

 ホンジュラスの外国語学習人口は英語が圧倒的に多く、第2位にフランス語、第3位にドイツ語と並び、日本語は第4位にランクされる。2008年から2009年にかけて、テグシガルパ市及びサン・ペドロ・スーラ市の複数の大学(合計7大学)において中国語講座が次々と開講されたこともあり、中国語学習者が急増している。
 主要外国語学習者数については次の通り。

  • 英語:多数(学習者数を示す統計は存在しない。)
  • フランス語:約1,100名(出典は、在ホンジュラス・フランス大使館(2013年))
  • ポルトガル語:約7名(出典は、在ホンジュラス・ブラジル大使館(2013年))
  • ドイツ語:約300名(出典は、在ホンジュラス・ドイツ大使館(2016年))
  • 日本語:約572名(出典は、在ホンジュラス日本大使館)
  • 中国語:現在、台湾「大使館」による北京語クラスは開講されていない。
  • ヘブライ語:約0名(出典は、在ホンジュラス・イスラエル名誉領事館(2013年))

大学入試での日本語の扱い

 大学入試で日本語は扱われていない。

学習環境

教材

初等教育

 日本語教育は実施されていない。

中等教育

 日本語教育は実施されていない。

高等教育

 日本語教師が作成した独自の教材及び国際交流基金から寄贈された日本語教材を使用している。

その他教育機関

 日本語教師が作成した独自の教材及び国際交流基金から寄贈された日本語教材を使用している。

教師

資格要件

初等教育

 日本語教育は実施されていない。

中等教育

 日本語教育は実施されていない。

高等教育

 特に基準はない。

その他教育機関

 特に基準はない。

日本語教師養成機関(プログラム)

 日本語教師養成を行っている機関、プログラムはない。JICA青年海外協力隊員が派遣されていた当時は、国立教育大学テグシガルパ校においてJICA青年海外協力隊員が現地人教師の指導にあたっていた。

日本語のネイティブ教師(日本人教師)の雇用状況とその役割

 日本人教師は雇用されていない。

教師研修

 中米のJICAボランティアの日本語教師は、国際交流基金メキシコ日本文化センターがメキシコ市で開催している日本語教師短期研修会に出席している。ホンジュラス人の日本語教師については特別な研修などは行われていない。

教師会

日本語教育関係のネットワークの状況

 2009年に「中米カリブ日本語教育ネットワーク」が設立された。中米・カリブ地域の日本語教師がセミナーを開き、意見交換及び短期研修を行い、同地域における日本語教育の発展を目指している。

最新動向

 2009年より、国立教育大学テグシガルパ校及びサン・ペドロ・スーラ校の日本語教師の間で意見交換が随時実施されており、教材の検討等を行っている。「日本語弁論大会」においては、参加者の弁論指導を行っている。なお、2013年1月の日本外務省の危険情報引き上げによる日本語教育の規模縮小に伴い2013年の日本語弁論大会の開催は見送られた。2014年5月より、元国費留学生を講師として迎え、ホンジュラス国立自治大学内にて、日本語教室が再開講されている。

日本語教師派遣情報

国際交流基金からの派遣

国際協力機構(JICA)からの派遣

 国際交流基金、JICAからの派遣は行われていない。

その他からの派遣

 (情報なし)

日本語教育略史

2001年 テグシガルパのホンジュラス国立教育大学の教室を会場として、日本語教室開設
2004年 サン・ペドロ・スーラ市の日本名誉総領事館において日本語講座開講
ホンジュラス国立自治大学サン・ペドロ・スーラ校にて、日本語クラス開講
2008年 ホンジュラス国立教育大学サン・ペドロ・スーラ校にて、日本語講座開講
サモラノ国際農業大学の日本語・日本文化愛好サークル「サクラ」にて日本語教室開講
2013年 危険情報の引き上げにより国立教育大学テグシガルパ校の日本語教室閉鎖
2014年 元国費留学生(ホンジュラス人)を講師として迎え、国立自治大学内で日本語教室を再開講
2016年 ホンジュラス国立教育大学(テグシガルパ)言語センターにて、ホンジュラス人教師1名による日本語教室開講

参考文献一覧

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