メキシコ(2016年度)

日本語教育 国・地域別情報

2015年度日本語教育機関調査結果

機関数 教師数 学習者数
68 322 9,240
学習者数 内訳
教育段階 学習者数 割合
初等教育 775 8.4%
中等教育 863 9.3%
高等教育 3,393 36.7%
その他 教育機関 4,209 45.6%
合計 9,240 100.0%

2015年度日本語教育機関調査結果 学習者数グラフ
2015年度日本語教育機関調査結果の学習者数に関する帯グラフ。初等教育は775名で全体の8.4%、中等教育は863名で全体の9.3%、高等教育は3,393名で全体の36.7%、学校教育以外は4,209名で全体の45.6%。

(注) 2015年度日本語教育機関調査は、2015年5月~2016年4月に国際交流基金が実施した調査です。また、調査対象となった機関の中から、回答のあった機関の結果を取りまとめたものです。そのため、当ページの文中の数値とは異なる場合があります。

日本語教育の実施状況

全体的状況

沿革

 メキシコにおける日本語教育は、日本からの移民が多い他のラテン・アメリカ諸国同様に、日系人子弟を対象として始まった。榎本武揚らによる初めての入植(1897年)以降、日本人移民入植地のチアパス州アカコヤグア村で、照井亮次郎ら入植者たちによって設立された「日墨協働会社」が寺子屋式の「暁(アウロラ)小学校」を設立(1906年から15年間継続)して、日本人子弟教育として日本式のローマ字を用いた日本語教育を行った。おそらくこれが中南米での最初の組織的な日本語教育であったと思われる。戦前、墨都日本人会(のちの日墨協会)が日本語教育を行ったが、その時には日本の文部省からも教師が派遣されている(1930年)。第二次大戦中から戦後にかけても日系人子弟への日本語教育は継続されており、1944年に中央学園開校、北バハ・カリフォルニア州では、1955年からメヒカリ日本語学園が日本語教育を行っている。
 1960年代になると、日系人以外の成人を対象とした日本語教育が始まった。1964年エル・コレヒオ・デ・メヒコにアジア・アフリカ研究センターが設立され、日本語は日本研究科の必修科目となった。1967年にはメキシコ国立自治大学文学部東洋研究所が日本語学科を設置、またこれに前後し日本大使館後援の日本語通訳養成コース(のちの日墨文化学院)が開講された。これは1968年のメキシコオリンピックに向けての必要性からであった。
 1970年代に入るとメキシコに進出する日系企業が増加し、駐在企業の子弟が急増したことからこれまでの日本人学校では手狭となる一方、戦前から開講してきた日系人の日本語学校側(タクバヤ学園、トラルパン学園、タクバ学園)には、日系企業子弟の日本人学校と統合した総合学園を建設するという熱意があった。こうした背景もあり、1977年には日本人学校とメキシコの初等・中等教育機関を併設した日本メキシコ学院(小中学校〔高校は1980年開校〕)が設立され、そのメキシココースでは日本語が必修科目となり現在に至っている。また同年には国立工科大学の外国語センターでも日本語教育が始まった。
 1980年代後半から1990年代初めにかけては、継承語としての日本語教育が減少していくのと対照的に、外国語教育としての日本語教育が増加した。
 2003年7月には「社団法人メキシコ日本語教師会」が組織され、教師向けの研修事業や日本語弁論大会の開催など、メキシコの日本語教育のレベルアップを目指した活動を展開している。
 2004年の日墨経済協定前後には米国国境地域(バハ・カルフォルニア州、チワワ州、コアウイラ州、ヌエボ・レオン州)へ進出する日系企業の増加に伴い、同地域を中心に日本語講座を開設する機関が増加傾向にあったが、近年は新規に開講した機関は見当たらない。国際交流基金は、設立(1972年)以降1997年まで、日本語教育の専門家をメキシコの主要な日本語教育機関であるエル・コレヒオ・デ・メヒコ、メキシコ国立自治大学(UNAM)、日墨文化学院に派遣してきた。1999年4月から2003年5月、及び2009年11月から現在に至るまで、メキシコを中心とした中米地域の日本語教育をカバーするために、「日本語教育アドバイザー」として日本語専門家が国際交流基金メキシコ日本文化センターに派遣されている。
 国際交流基金メキシコ日本文化センターは日墨文化学院(2012年1月~2013年12月)、日本メキシコ学院(2012年8月~現在)、アジア研究学会(2013年1月~12月)と共催により日本語講座(以下、JF講座)を開講した。また、2014年5月から同センター内でもJF講座を開講している。さらに、2016年9月より日墨協会日本語教室でも共催事業として『まるごと』を使用した日本語講座が開講されている。

背景

 今日では日本語学習者の大半は非日系人で占められており、継承語として日本語教育を行っている機関は、年少者を対象とした中央学園1校のみとなった。80年代後半から90年代に入ると多くの大学で外国語教育としての日本語講座が開講されるようになった。これら学習者の多くは、アニメ、マンガ、ポップカルチャーといった日本文化に対する関心が学習の動機付けとなっていると思われる。
 2012年以降、メキシコ中部グアナファト州に日系の自動車関連企業(マツダ、ホンダ)が進出しはじめ、日本語通訳などの必要性から日本語の需要が高まりつつある。

特徴

 メキシコは中南米34か国・地域のうち、日本語教育機関は68機関(2015年の機関調査より)、学習者数もブラジルについで2番目に多い国である。とさらに、機関に所属せず個人でインターネットを使って日本語を勉強している学習者の割合が増加している日本語学習者のレベルは初級から中級前半のレベルが大半を占め、中級後半から上級の学習者は少ない。2003年に設立したメキシコ日本語教師会が確実に活動を拡大しており、メキシコのみならず近年は中米カリブ地域とも連携を深めている。

最新動向

 2014年5月から国際交流基金メキシコ日本文化センター内でJF講座を開講。また、日本メキシコ学院と共催開講中のJF講座は2015年8月から中等部、高等部すべてのクラスで『まるごと』が使用されている。ベラクルス州立大学やメヒカリのUNISERなど『まるごと』教材を使用する日本語教育機関が年々増えてきている。
 2015年8月にグアナファト州グアナファト市とサラマンカ市のグアナファト大学付属高校に日本の高専制度を取り入れた高専コースが開講し2016年1月より日本語が教えられている。メキシコで公立の中等教育で日本語が必須となる初めてのケースであり、当地域における今後の日本語教育の発展が期待されている。
 2016年9月にグアダラハラ大学で日本研究センターが設立された。

教育段階別の状況

初等教育

 日本語はSEP(Secretaria de Educacion Publica:メキシコ教育省)のカリキュラムで認められた科目になっていないため、日本語教育を実施している公立の初等教育機関は存在しない。一方、私立の機関では1977年に日墨両政府の合意のもとに開校された「日本メキシコ学院」のメキシココースにおいて日本語教育を長年実施しており、小学部から高等部まで正規の授業として日本語が必修とされている。また、サテリテ日本語学校でも日系人子弟を対象に1クラス開講されている。

中等教育

 公立の学校としては州レベルで初めて2016年1月よりグアナファト大学付属高校高専コースで日本語が必修科目として教えられている。一方、私立の中等教育機関ではチワワ州で中学校1機関(サンパトリシオ学園)、ヌエボ・レオン州で高校1機関(モンテレイ工科大学付属高校クンブレス校)において日本語教育が行われており、メキシコ市内の日本メキシコ学院、を含め計3機関確認されている。

高等教育

 メキシコには日本語教育の専攻課程を有する大学は存在していないが、多くの大学で日本語講座を選択科目として開講している。また、日本の大学と姉妹提携を結び、大学間交流に積極的に取り組み始める大学が増えている。主な大学としてプエブラ州立大学と天理大学、国立農牧省チャピンゴ自治大学と東京農業大学、国立工科大学と電気通信大学、グアナファト大学と創価大学、グアダラハラ州立大学と神田外語大学などが交流事業に取り組み始めている。また、モンテレイ大学は長岡技術科学大学とツイニングプログラムを結び、日本語を習得した学生の編入制度を実施している。唯一日本研究で修士、博士の学位を取得することができるエル・コレヒオ・デ・メヒコ(大学院大学)の日本研究コースでは、日本語が必修科目となっている。

その他教育機関

 日系人の継承語教育として始まった日本語学校は、今ではその学習者の9割以上が非日系人で占められており、もはや継承語教育といった側面は消滅していると言える。この部門の教育機関の種類としては、一般人に開放されている大学の語学センターと民間の非営利法人の語学学校が大半であり、学習者の多くは大学生以上の成人層で占められている。これまで年少者のみを受入対象としてきたメキシコ市の中央学園でも土曜日に成人コースを開講するなど、成人層の日本語指導にも力を入れ始めている。

教育制度と外国語教育

教育制度

教育制度

 6-3-3制。
 就学前教育(3~5歳)、幼稚園(4~6歳)、初等教育(小学校7~12歳)、中等教育(中学校13~15歳)、普通高校または専門高校(16~18歳)の各段階に分けられる。このうち義務教育は、小学校と中学校の9年間である。小学校では1日4時間、年間800時間の授業が義務付けられており、午前の部、午後の部、夜間の部の3部制を取るところもある。中学校では1日6時間の授業が義務付けられており、午前の部、午後の部の2部制が多い。
 高等教育は、①大学、②技術専門校、③教員養成単科大学、④技術大学の4種類で構成されている。一般専門課程は4年間で、専門性を高めるためにさらに半年が加わることもある。(たとえば心理学は4年だが、臨床心理学は4年半)。そのほか医学部は6年、会計学は5年など、専門によって多少の年限の違いがある。大学院は、修士課程2年、博士課程3年だが、単位制であるためこの年限で修了しない場合が多い。

教育行政

 就学前教育から中学校までは、SEP(メキシコ教育省)が公立私立を問わず全てのカリキュラムを認定している。公立校の予算は教育省から受けるが、私立については独立採算制である。
 高校以上については教育省と国立自治大学のいずれかのコントロール下にあり、カリキュラムの認定を受ける。私立といえども独自にカリキュラムを作成することはできない。予算的には私立は独立採算制、国立自治大学傘下は同大学から予算を受ける(国立自治大学は教育省を経由せず独自に政府から予算を受けている)。そのほかは教育省から予算を受ける。

言語事情

 公用語はスペイン語。
 ただし、ナワトルやマヤなど固有の言語を持つ民族集団が50以上存在し、州・地域によってはスペイン語との二重言語教育も行われている。

外国語教育

 第一外国語:英語教育が小学校から始まる。私立の学校では幼稚園から英語のクラスを開始しているところもある。大学入学の際、学校によっては外国語(英語)の成績証明書も求められるが、試験制度は学校によって異なり、国立大学の場合、入試に英語は取り入れられていない。しかし入学後は第一外国語として英語が必修とされている。
 第二外国語:必修科目ではないが、大学によっては選択科目として卒業単位となるところもある。言語の指定は特にないが、多くの大学生が第二外国語にフランス語を専攻しており、その次にドイツ語が多い。その他の言語として、イタリア語やロシア語などがあり、日本語を選択する学生は全体から見れば少ない。中国語講座を開講する大学が増え始めているが、日本語学習者数への影響はほとんど聞かれない。

外国語の中での日本語の人気

 日本のアニメーションやゲーム、JPOPなどのポップカルチャーの人気は依然として高く、日本語学習者数は増加している一方で、機関数は横ばい傾向にある。2012年以降メキシコ中部のグアナファト州にマツダ、ホンダなど日系自動車関連企業が進出し、日本語通訳の需要が急激に高まりこれらの企業に就職する日本語学習者や転職する日本語教師も増えている。

大学入試での日本語の扱い

 日本語は大学入試科目として採用されていないが、日本メキシコ学院高等部はメキシコ国立自治大学管轄のため、試験ではなく成績証明書で入学が許可される場合は、日本語も可。

学習環境

教材

初等教育

 日本メキシコ学院のメキシココースの小学校課程では完全オリジナル教科書を作成し使用している。

中等教育

 日本メキシコ学院メキシココースの中学・高校課程及びグアナファト大学付属高校高専コースでは『まるごと 日本のことばと文化』国際交流基金(三修社)、『エリンが挑戦!にほんごできます。』国際交流基金(凡人社)を使っている。またモンテレイ工科大学付属高校(クンブレス校)は『Basic KANJI Book』 加納千恵子他 (凡人社)を使用。

高等教育

 エル・コレヒオ・デ・メヒコ(大学院大学)にはオリジナル日本語教科書があり、メキシコ国立自治大学では『新文化初級日本語』文化外国語専門学校(文化外国語専門学校)が使用されている。それ以外の大学では多様な教科書が用いられている。たとえば、『みんなの日本語』(スリーエーネットワーク)、『SITUATIONAL FUNCTIONAL JAPANESE』筑波ランゲージグループ(凡人社)などが代表的なものである。

その他教育機関

 代表的なものは次のとおり。

1.年少者対象の日本語教育機関

 中央学園は自作教材を使用。『ひろこさんのたのしいにほんご』根本牧ほか(凡人社)等を参考にしながら授業を進めている。副教材として『言葉図鑑1~10』五味太郎(偕成社)、『こどもことばじてん』その他アニメビデオなど。
 サテリテ日本語学校では『日本語ドレミ』(海外日系人協会)等を使用している。

2.成人対象の日本語教育機関

 初級レベルでは『みんなの日本語初級』(前出)を使用している機関が多いが、アジア研究学会(ACIA)のように『できる日本語』できる日本語教材開発プロジェクト(アルク)を使用する機関も出てきた。中級レベルコースの使用テキストは『中級へ行こう』平井悦子ほか(スリーエーネットワーク)、『みんなの日本語中級1』(スリーエーネットワーク)『文化中級日本語』文化外国語専門学校(文化外国語専門学校)が使用されているが、同レベルを開講している機関はあまり多くない。

マルチメディア・コンピューター

 学習者の多くは日本語のメディア教材や関連サイトの情報などインターネットを通じて積極的に収集している。日本語教育機関におけるマルチメディア・コンピューター等の使用については、一部の大学(多くは私立大学)では導入され始めているが、日本語教育機関全般的に整備されているとは言えない。その要因のひとつとして民間の語学学校ではコンピューターでの日本語環境を整えることが難しいことが考えられる。 しかし、日本語学習者は携帯電話のアプリで漢字を調べることが多くなり、紙の辞書を買う学生が少なくなっている。

教師

資格要件

初等教育

 日本メキシコ学院では日本語教師採用に際し、日本の教員免許取得者、420時間日本語教師養成講座を修了し、日本語教育能力検定試験に合格した者という条件を求めている。

中等教育

 グアナファト大学付属高校高専コースでは最低でも学士号もしくは修士号の資格を求めている。
 日本メキシコ学院は【初等教育】を参照のこと。

高等教育

 メキシコ国立自治大学においては、専任講師として勤務する場合、日本語、スペイン語による「教授理論」、「文字語彙・文法等の外国語能力」、「模擬授業」の3科目による試験が実施され、採用条件は高卒以上とされている。採用後に昇格していくには学士号、修士号以上の学位が必要とされている。その他の大学では業績や経験、学歴等の資格要件は各々異なるが、日本人日本語教師の場合は学士号以上、メキシコ人日本語教師は日本語能力試験N4(旧試験の3級)レベルで採用されている。非常勤講師や時間講師の採用に際しては、資格要件については柔軟に判断されている。

その他教育機関

 機関によって異なるが、日本人教師の場合には、日本の420時間日本語教師養成講座の修了者、または日本の大学で日本語教育を主専攻、または副専攻した者を採用条件とするところが多い。

日本語教師養成機関(プログラム)

 2010年、メキシコ国立自治大学において、20年ぶりに日本語教師養成コースが開講された(1年間460時間)が、2011年以降は受講者が集まらず開講されていない。

日本語のネイティブ教師(日本人教師)の雇用状況とその役割

 主要日本語教育機関では日本語教育運営責任者に日本人教師が雇用されている。その他にも、経験・年齢ともにさまざまなタイプの日本人教師がおり、メキシコ人教師とともに教壇に立っている。ただし特に地方の日本語教育機関では日本語教育や言語学の専門教育を受けた経験のある教師はあまり多くない。
 メキシコの日本語教育は、メキシコ人教師も育ってきてはいるが、まだメキシコ在住の日本人や、メキシコ在住数年の若い日本人教師が中心になっているため、どのようにメキシコ人教師を育てていくかが課題である。

教師研修

 メキシコ日本語教師会の主催事業として国際交流基金の助成を受け、年1回、日本から講師を招へいする大規模な「日本語教育シンポジウム」を開催している。また経験の浅い日本語教師を対象にした「日本語教師短期集中講座」や「スカイプによる会話力アップ講座」を実施している。2009年から2012年まで地方の日本語教師を支援する目的で「地方勉強会巡回指導」を国内3地域でおこなっていた。2013年は国際交流基金メキシコ日本文化センター主催によるJF日本語教育スタンダードの普及を目的とした教師研修会(JF日本語教育スタンダード巡回講座)を4都市で開催し、その後毎年関心がある日本語教育機関の要望を受け現在も開催している。また、インターネットを利用してメキシコ、中米カリブ地域のノンネイティブ日本語教師を対象にしたオンライン日本語講座(Ja.Pro en Linea)を2014年まで開講していたが、現在はfacebookのページを通して支援している。その他、2015年までJICAが助成して日系人子弟対象の日本語教育機関を対象に「日本語教師合同研修会」が開かれていたが現在は行われていない。

現職教師研修プログラム(一覧)

メキシコ日本語教師会主催、国際交流基金助成
  • 日本語教育シンポジウム:メキシコ人及び日本人日本語教師100名以上が参加、毎年国外から講師を招へいし、3日間の講義とワークショップを行う。最近はメキシコだけではなく、中米カリブ地域からの参加もみられるようになった。
  • 日本語教師短期集中講座(6月下旬~7月上旬の時期に2日間で実施):経験の浅い教師を対象とした日本語教授法、言語、ワークショップなどの集中講座。
  • スカイプよる会話力アップ講座(隔週2回の課題、4か月間):メキシコ人日本語教師対象、会話力、作文力を学ぶ。
JICAの助成による教師研修会
  • 日本語教師合同研修会:継承語教育をテーマにした2日間の教師研修会。参加者の大半は日系団体関連日本語機関のネイティブ日本語教師。
国際交流基金メキシコ日本文化センター主催による研修会
  • JF日本語教育スタンダード研修:地方都市を中心にJF日本語教育スタンダードに関する講座を実施。

教師会

日本語教育関係のネットワークの状況

 1989年、日本語教師組織として、メキシコシティにおいて「メキシコ日本語教師連絡協議会」が発足した。同会は全国規模の教師ネットワーク形成を図ることをめざし、2003年には「社団法人メキシコ日本語教師会(Asociacion Mexicana del Idioma Japones A.C.)」へと組織が再編成された。他方、第2の都市グアダラハラ市では2000年に5機関で組織された「グアダラハラ日本語教師勉強会(El Grupo de Profesores de Lengua Japonesa en Guadalajara)」が発足したが、2013年以降はメキシコ日本語教師会の支部活動として、地域レベルでの日本語教師勉強会を実施している。
 メキシコ日本語教師会は、国内に約140名(2016年8月現在)の会員がいる。グアダラハラ、ベラクルス、ヌエボ・レオンといった地域レベルの勉強会の参加者はメキシコ日本語教師会の会員と重複している場合が多い。
 メキシコ日本語教師会の主な活動としては、毎年海外から講師を招へいして行われる「日本語教育シンポジウム」やメキシコ人日本語教師、経験の浅い日本語教師を対象にした「日本語教師短期集中講座」、「メキシコ日本語弁論大会」等がある。
 グアダラハラ日本語教師勉強会やベラクルス州、ヌエボ・レオン州の教師グループはメキシコ日本語教師会と連携しながら、または単独で、定期的に教師勉強会や弁論大会など積極的に日本語関連の行事を開催している。

最新動向

 2016年2月、南山大学より教授を招へいし、「会話力の向上に向けて」をテーマにした「日本語教育シンポジウム」を開催。一般発表ではメキシコだけではなく、日本からの参加者もあった。同年5月に「第33回メキシコ日本語弁論大会」を開催。

日本語教師派遣情報

国際交流基金からの派遣(2016年10月現在

日本語上級専門家

 メキシコ日本文化センター 1名

日本語専門家

 メキシコ日本文化センター 1名

国際協力機構(JICA)からの派遣

 なし

その他からの派遣

 (情報なし)

シラバス・ガイドライン

 統一シラバス、ガイドライン、カリキュラムはない。

評価・試験

 日本語能力試験が日本語運用力を測る一つの基準として浸透しており、2016年第2回の受験応募者数はメキシコシティが1,567名、モンテレイが266名で、合計数は毎年増加している。

日本語教育略史

1897年 5月 榎本殖民団35名がメキシコチアパス州アカコヤグア村に到着
1906年 同村にメキシコ最初の日本語教育機関アウロラ(暁)小学校が開校
1930年 墨都日本語学園開校(墨都日本人会経営 日本政府が補助)
1944年 中央学園開校(日本語補習校)
1945年 タクバ学園開校(日本語補習校1945年~77年)
1964年 エル・コレヒオ・デ・メヒコ(アジア・アフリカ研究所日本研究科設置)
1967年 日本大使館内にメキシコオリンピックのための通訳養成講座開設
1967-75年 メキシコ国立自治大学文学部に東洋研究所日本学科設置(67~75年)
1975年 メキシコ国立自治大学外国語教育センターに日本語講座開設
1977年 9月 日本メキシコ学院開校(日本、メキシコ両コースが設置された国際校)
1981年 1月 第1回メキシコ日本語弁論大会開催(主催メキシコ国立自治大学)
1984年12月 第1回日本語能力試験実施(メキシコシティ)
1987年 8月 国際交流基金メキシコ日本文化センター開設
1989年10月 メキシコ日本語教師連絡協議会発足(メキシコ市内の12機関による)
1990年 8月 第1回日本語教育シンポジウム開催(主催:日本語教師連絡協議会)
1991年10月 第1回メキシコ日本語教育研究大会開催(主催:JICA
1992年10月 第1回子供の日本語話し方大会開催(主催:日墨協会)
1998年10月 第1回日本語ブラッシュアップコース開催(~2007年まで毎年実施)
1999年7月 第1回メキシコ人日本語教師研修コース夏期集中講座開催(2008年より日本語教師短期集中講座に名称変更)
2000年 グアダラハラ市に「グアダラハラ日本語教師勉強会」発足
2002年 2月 Asociación Mexicana del Idioma Japonés(メキシコ日本語教師会)設立準備委員会発足 (メキシコ日本語教師連絡協議会から移行)
2003年 5月 第20回メキシコ日本語弁論大会開催(日本語教師会主催)
2003年 7月 メキシコ日本語教師会が社団法人認可を取得
2003年11月 第1回ベラクルス州日本語弁論大会開催
2004年11月 日墨文化フォーラム(日本語教育シンポジウム)開催(主催エル・コレヒオ・デ・メヒコ)
2005年10月 第1回メキシコ中部地方(グアナファト州、ハリスコ州、ケレタロ州)日本語弁論大会開催
2007年4月 第1回ヌエボ・レオン州日本語スピーチコンテスト開催
2008年3月 日本語教育ボランティア事業実施(基金、教師会共催)
2008年5月 第25回メキシコ日本語弁論大会開催
2009年3月 メキシコ日本語教師会が国際交流基金さくら中核メンバーとして認定を受ける
2009年11月 教師勉強会地方巡回指導を開催(メヒカリ市、グアダラハラ市)
2010年10月 第1回メキシコ北部日本語弁論大会開催
2010年12月 モンテレイ市にて日本語能力試験実施(国内2都市目)
2012年1月 日墨文化学院と共催でJF講座を開講(三井物産への出講講座 2012年1月~2013年12月)
2012年8月 日本メキシコ学院高等部新入生クラスでJF講座を開講
2013年1月 アジア研究学会(ACIA)でJF講座を開講(1月~12月)
2013年8月 日本メキシコ学院中学部の一部でJF講座を開講
2014年5月 国際交流基金メキシコ日本文化センターでJFにほんご講座を開講
2015年8月 日本メキシコ学院中学部、高校部すべてのクラスでJF講座を開講 日本メキシコ学院がさくらネットワークメンバーとなる。 
グアナファト大学付属高校グアナファト校サラマンカ校高専コース開講
2016年8月 日本語能力試験オンライン出願開始

参考文献一覧

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