ミクロネシア(2016年度)

日本語教育 国・地域別情報

2015年度日本語教育機関調査結果

機関数 教師数 学習者数
初等教育 中等教育 高等教育 その他
教育機関
合計
5 6 8 70 111 92 281
2.8% 24.9% 39.5% 32.7% 100.0%

(注) 2015年度日本語教育機関調査は、2015年5月~2016年4月に国際交流基金が実施した調査です。また、調査対象となった機関の中から、回答のあった機関の結果を取りまとめたものです。そのため、当ページの文中の数値とは異なる場合があります。

日本語教育の実施状況

全体的状況

沿革

 1914年第一次世界大戦が勃発し、日本はドイツ領ミクロネシアを無血占領し、1920年国際連盟より委任統治領として認められ、連盟脱退後は第二次世界大戦終了まで南洋群島として約30年間統治していた。その間、日本政府は南洋群島小学校を設置し、日本語教育を初等教育の一貫として行った。現在でも高齢者で日本語が話せる人もいる。
 1947年現ミクロネシア連邦を含む旧委任統治領は米国を施政権者とする国連信託統治地域となり、1979年自治政府の発足、1986年独立、米国との自由連合協定を締結した。以降、公用語は英語(米語)で、教育も米国式の英語教育である。

背景

 あらゆる面で米国との結びつきが強いとはいえ、経済面では日本との関わりも強く、今後なお一層の関係強化も期待されていること、また歴史的背景から日本語を解する高齢者や日本人を祖先に持つ人々も多く、日本は身近な国という意識があることから、日本語に興味を持つ人は少なくない。

特徴

 日本語は、公用語である英語以外で継続的に教育が行われている数少ない外国語である。しかしながら、日本語の実用性に対する学習者の意識が低い上、学習時間も短く到達レベルが初級前半を超えない現状では、教師による青少年の日本語への関心増進や日本文化紹介といった活動が必要となっている。

最新動向

 過去、数年間にわたり、青年海外協力隊の日本語教師隊員が中・高等教育機関において日本語教育を行ってきたが、2008年末から現在にかけては派遣されていない。

教育段階別の状況

初等教育

 日本語教育は実施されていない。

中等教育

 一部私学においては、現地在住の日本語教師によって日本語授業が開講されている。

高等教育

 ミクロネシア短期大学(COM)の本校とポンペイ・キャンパスにて、人文科選択科目として、初級前半レベルの日本語の授業が開講されている。日本の大学3校がミクロネシア短期大学(COM)と連携し留学、研修などのプログラムを実施している。

その他教育機関

 現地在住の日本語教師により小規模の日本語学校が児童、学生、社会人等を対象として開かれている。2016年11月現在は生徒の大多数が学生である。

教育制度と外国語教育

教育制度

教育制度

 8-4制。
 小学校が8年間(6~14歳)、高校が4年間(15~18歳)となっている。
 小学校の8年間が義務教育である。
 なお、当国の高等教育機関は、短期大学が一校あるのみである。

教育行政

 教育機関は各州の教育省が管轄している。

言語事情

 公用語は英語。
 ただし、各島、離島などで各地の地方言語(コスラエ語、ポンペイ語、カピンガマランギ語、ヌクロオ語、チューク語、ヤップ語、ユリシー語、ウォレアイ語など)が使われている。

外国語教育

 日本語が唯一学べる外国語であったが、ミクロネシア短期大学(COM)においては、中国語も学べるようになった。

外国語の中での日本語の人気

 これまでは、中国語との比較では日本語の授業の人気が高かったが、近年は、中国が留学生誘致に力を入れ奨学金制度を導入していることから、中国語の人気が高まっている。

大学入試での日本語の扱い

 ミクロネシア短期大学(COM)入学の際、日本語の能力は合否とは関係しないものの、米国への大学編入時の査定の際、専攻によっては有利に働くこともある。

学習環境

教材

初等教育

 日本語教育は実施されていない。

中等教育

 市販の教科書類や過去に派遣された青年海外協力隊員の残したプリント類をもとに、現地の状況やニーズに合わせて作成したプリント類を使用。生徒は教科書を持たず、通常教師の板書を書き写している。
使用されている教材例:
『日本語かな入門(英語版)』河原崎幹夫、国際交流基金日本語国際センター編(凡人社)

高等教育

 主に市販の教科書類や過去に派遣された青年海外協力隊の残したプリント等をもとに、現地の状況やニーズに合わせて作成した小冊子を教科書として使用。

その他教育機関

 ミクロネシア連邦及び生徒の実状等を考えあわせ、手持ちの市販教科書等を参考にして独自の教科書を作成している。

マルチメディア・コンピューター

 日本語教育にマルチメディア・コンピューターは使用されていない。

教師

資格要件

初等教育

 日本語教育は実施されていない。

中等教育

 現在、日本語教育を実施している公立校はないが、私立校での最低資格の例としては準学士号を保持していること。なお、キリスト教の学校においてはキリスト教徒であることが条件として課されることもある。

高等教育

 当地唯一の短期大学で教師となるには、修士号を取得していることが最低条件である。

その他教育機関

 ポンペイ州で外国人が日本語学校を開設する際には就業許可(Foreign Investment Permit)が必要であり、その取得のためには日本語教師としての資格、実績等が審査される。

日本語教師養成機関(プログラム)

 日本語教師育成を行っている機関、プログラムはない。

日本語のネイティブ教師(日本人教師)の雇用状況とその役割

 ミクロネシア短期大学が日本語教師(1名)を雇用している。

教師研修

現職教師研修プログラム(一覧)

 現職の日本語教師対象の研修はない。

教師会

日本語教育関係のネットワークの状況

 各州の青年海外協力隊員が一堂に会する時には、情報、意見交換が行われ、連携を深めている。

最新動向

 特になし。

日本語教師派遣情報

国際交流基金からの派遣

 なし

国際協力機構(JICA)からの派遣(2016年10月現在)

 シニア海外ボランティア
 ザビエル高校 1名

JICAのページへ

その他からの派遣

 (情報なし)

シラバス・ガイドライン

 統一シラバス、ガイドライン、カリキュラムはない。

日本語教育略史

1999年 ミクロネシア短期大学(COM)ポンペイ校観光科にて接客用の日本語指導開始
2008年 青年海外協力隊の日本語教師隊員の派遣が中止となる。

参考文献一覧

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