パラオ(2016年度)

日本語教育 国・地域別情報

2015年度日本語教育機関調査結果

機関数 教師数 学習者数
初等教育 中等教育 高等教育 その他
教育機関
合計
3 3 0 142 72 0 214
0.0% 66.4% 33.6% 0.0% 100.0%

(注) 2015年度日本語教育機関調査は、2015年5月~2016年4月に国際交流基金が実施した調査です。また、調査対象となった機関の中から、回答のあった機関の結果を取りまとめたものです。そのため、当ページの文中の数値とは異なる場合があります。

日本語教育の実施状況

全体的状況

沿革

 第一次世界大戦後、パラオは国際連盟の委任統治領として、第二次世界大戦終了まで約30年にわたって日本によって統治された。この間、日本は教育を統治の大きな柱とし、全てのパラオ人児童に義務教育を課して日本語による教育を施した。当時、パラオには日本人の移民も多く、日本語は共通語として広く使用されており、このため戦前の教育を受けた高齢者(概ね80歳以上)の中には、今も流暢な日本語を話す者も多い。
 戦後はしばらく途絶えていたが、1960年代頃から日本語世代による日本語教育が散発的に行われ始めた。中等教育機関であるパラオ唯一の公立高校では、1964年に選択科目として日本語が取り入れられている。また、パラオ唯一の高等教育機関であるパラオ・コミュニティ・カレッジ(パラオ短期大学)では、1970年代より日本語が正規クラスとして取り入れられている。

背景

 第一次世界大戦後、第二次世界大戦終了までの約30年にわたり日本によって統治されたが、その間のパラオ人に対する日本語による義務教育と、日本人の移民の影響で、多くのパラオ人が日本語を使っていた。現在では、毎年日本から多くの観光客が訪れることから、日本や日本文化に興味のある学生の他、観光業への就業を目指す学生が日本語を学習している。

特徴

 日本委任統治時代の影響、及びパラオの主要産業である観光業において日本人は主な顧客であることから、日本や日本語に対する興味・日本語の実用性は高く、日本語学習に対するニーズも高い。現在、短期大学1校及び高等学校2校の3つの教育機関において、日本語のクラスが開講されているが、両者を繋ぐ体系的なカリキュラム制度は存在せず、また継続して学習する学生も少なく、現地学生の日本語習得水準は低いものに留まっている。

最新動向

 特になし。

教育段階別の状況

初等教育

 日本語教育は実施されていない。

中等教育

 公立パラオ高校において、正規科目として日本語の授業が行われている。観光科の学生は必須科目となっており、人文科及びビジネス科の学生の5~6割の学生が選択している。毎年、基礎コース(11年生)は100名程度、アドバンスドコース(12年生)は25名程度の学生が履修している。また、私立ミゼンティ高校では、日本語は第2外国語の選択科目として開講されており、2016年10月現在37名の学生が受講している。

高等教育

 唯一の高等教育機関であるパラオ・コミュニティ・カレッジにおいて、選択科目として日本語の授業が行われている。初級レベルの日本語講座となっており、簡単な構文を用いての会話を中心に進められる。受講者は全学年・学部・学科の多岐にわたり、2016年10月現在、受講者数は56名を有する。観光業を専攻する生徒は日本語の単位修得が必須となっている。その他、日本文化・日本語への興味を持つ学生や将来観光業への就業を目指す学生が日本語を学習している。日本への留学者は、数年に1人の割合で存在する。

その他教育機関

 日本語教育は実施されていない。

教育制度と外国語教育

教育制度

教育制度

 初等教育が8年間(6~13歳)、中等教育が4年間(14~17歳)の計12年間が義務教育。

教育行政

 公立の初等中等教育は教育省の管轄下にある。私立学校は独自のカリキュラムが採用されている。唯一の高等教育機関であるパラオ・コミュニティ・カレッジは、独立した理事会により運営されている。

言語事情

 公用語は英語とパラオ語。
 パラオ人同士の会話はパラオ語で行われるが、公文書は英語であることが多い。パラオ語となっている日本語の単語も数多くある。年配者の中には、NHKの国際放送を視聴する者も見られる。

外国語教育

 初等教育段階から公用語である英語教育が行われる。日本語教育はパラオ・コミュニティ・カレッジ及び、公立高校1校、私立高校1校で選択科目として実施されている。
 私立ミゼンティ高校では、第2外国語として日本語の他に中国語クラスが開講されており選択が可能。パラオ・コミュニティ・カレッジでは台湾政府の支援による中国語クラスが開講されており、全学部生の選択科目の一つ、また観光学部ツアーサービス学科を専攻する学生の選択必須科目となっており、2016年10月現在11名の学生が受講している。また、2012年からは福音教会で一般向け韓国語クラスが不定期で開講されている。

外国語の中での日本語の人気

 近年中国語や韓国語への興味が高まっており、パラオ・コミュニティ・カレッジなど一部では日本語学習者数の減少は見られるものの、他言語と比較した場合、日本語学習者数が圧倒的に多く、依然として日本語の人気が高いと言える。

大学入試での日本語の扱い

 パラオには高等教育機関がパラオ・コミュニティ・カレッジしか存在せず、同短大の入学資格試験科目として日本語は扱われていない。

学習環境

教材

初等教育

 日本語教育は実施されていない。

中等教育

 『みんなの日本語』スリーエーネットワーク(スリーエーネットワーク)を使用。

高等教育

 『Japanese for Busy People』日本語普及協会(講談社USA)を使用。

その他教育機関

 日本語教育は実施されていない。

マルチメディア・コンピューター

 日本語教育にマルチメディア・コンピューターは使用していない。

教師

資格要件

初等教育

 日本語教育は実施されていない。

中等教育

 準学士号以上で、少なくとも1年間の教授経験が必要。
 現地採用の日本人が教えている。現在パラオ人の日本語教師はいない。

高等教育

 パラオ・コミュニティ・カレッジにおいては、米国西部短期大学連合の規定により、学士号以上が教員採用の条件となっている。現地採用の日本人が教えている。現在パラオ人の日本語教師はいない。

その他教育機関

 日本語教育は実施されていない。

日本語教師養成機関(プログラム)

 日本語教師養成を行っている機関、プログラムはない。

日本語のネイティブ教師(日本人教師)の雇用状況とその役割

 現地採用の日本人教師がパラオ高校に1名、ミゼンティ高校に1名、パラオ・コミュニティ・カレッジに1名在籍しており、全ての日本語授業を担当している。

教師研修

 現職の日本語教師対象の研修はない。

現職教師研修プログラム(一覧)

教師会

日本語教育関係のネットワークの状況

 日本語教育関係のネットワークはない。

最新動向

日本語教師派遣情報

国際交流基金からの派遣

国際協力機構(JICA)からの派遣

 国際交流基金、JICAからの派遣は行われていない。

その他からの派遣

日本語教育略史

1960年代頃 日本語世代による日本語教育が行われる
1964年 パラオ高校にて正規科目(選択科目)として日本語が取り入れられる
1970年代頃 パラオ・コミュニティ・カレッジにて正規科目(選択科目)として日本語が取り入れられる。

参考文献一覧

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