平成22(2010)年度 日本語指導助手レポート ブルガリアでの指導助手の役割

ソフィア大学
中尾 有岐

ブルガリアのソフィア大学日本学専攻に日本語指導助手(以下「指導助手」)として派遣され、任期の2年が終わろうとしています。ソフィア大学へは1981年から国際交流基金より日本語上級専門家が派遣されていますが、2008年から新たに指導助手の派遣も開始されました。同機関に派遣されている上級専門家の駒田聡先生のご指導のもと、日々の業務を行っています。

ここでの指導助手の主な業務は週3コマ(6時間)の1年生の正規授業です。ソフィア大学の1年生は週7コマ(14時間)日本語を勉強しています。残り4コマを教えるブルガリア人教師と相談、協力しあいながら、シラバスやカリキュラム作りからはじまり、授業や試験作成なども行います。1年生は明るく勉強熱心な学生が多く、教えがいがありました。毎回の新出単語テストや漢字テストも大変だといいながらもまじめに取り組んでくれました。グループ発表やミニスピーチなどの課題にも熱心に取り組み、いつも期待以上のものを披露してくれました。グループ発表などは、「楽しみながら新しい言葉や情報を勉強できた」「自分の興味のあることに関連させて日本語を勉強できるので覚えやすかった」などといった感想をもらいました。通常の授業以外にも学生の希望により、書道や茶道の特別授業も行いました。初めて体験した学生がほとんどで、緊張しながらも楽しそうに取り組んでいました。また、時期により日本語能力試験対策、日本語・日本文化研修留学生の筆記・面接試験対策や弁論大会出場者の指導なども行います。日本語・日本文化研修留学生の対策授業に参加した学生の多くが日本への留学が決まりました。普段顔を合わすのは1年生ですが、こうした授業などで他学年の学生とも交流があります。

書道特別授業の様子の写真
書道特別授業の様子

日本語弁論大会の様子の写真
日本語弁論大会の様子

大学以外ではブルガリア日本語教師会に参加させていただきました。ブルガリア日本語教師会の活動は、週1回の研究会と、年数回の特別研究会です。毎週の研究会では上級専門家の駒田先生の司会のもと、教えていて疑問に思ったことや、勉強していてわからなかったことなどを相談しあいます。後半にはある論文をとりあげ、参加者が一緒にその論文を読み進めていくということもしていました。特別研究会では、私も研究発表や新日本語能力試験説明会、教師研修(初級文型の教え方)などをさせていただきました。ブルガリアでは日本語教育が勉強できる機関がないこともあり、教授法についてはあまり知らない教師が多いようです。最近増えてきている若いブルガリア人教師にも教え方を知ってもらい、自分自身も自信を持ち、楽しんで授業を行っていってほしいという思いから、試行錯誤しながらも教師研修をさせていただきましたが、参加者から「学習者中心的な考え方をしなければならないと思った」「模擬授業を受け学習者の身になってみて気づけたことがあった」「すぐ役に立つ内容だった」といった意見がもらえ、その思いが少しでも伝わったのではないかと思います。

私はこの8月で任期終了となりますが、ブルガリアで日本語教育に携われ、上級専門家の先生のご指導のもとさまざまな経験をさせていただけたことを嬉しく思います。優秀な学生たちの成長した姿やブルガリアにおける日本語教育のますますの発展を楽しみに、ブルガリアの学生や先生がたに負けないよう、私自身もここでの経験を活かして、また新たな地で頑張っていきたいと思います。

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