平成22(2010)年度 日本語指導助手レポート ルーマニアの活動を振り返って

ブカレスト大学
宇都宮 絵里

残すところ約1カ月で私の任期が終わろうとしています。

ルーマニアへ来る前、ルーマニアはどんな国なのだろうか、日本から遠く離れた国で、どんな人たちが日本語を勉強しているのだろうか、と不安と期待で胸を躍らせながら赴任してきたことを覚えています。

私の派遣先であるブカレスト大学、主専攻として日本語が勉強できるイオンクレアンガ高校、他の日本語教育機関の状況や最近の日本語能力試験の受験者数から見てもルーマニアの日本語学習者数が増加傾向にあることが分かります。また、2009年にルーマニア日本語教師会が行ったサマースクールでも、サマースクールで初めて日本語を勉強するという人が全体の約半分を占めていましたし、ブカレストで年に2度行われる日本のサブカルチャーのイベントでは、数百人という人が大ホールに集まりコスプレを楽しんでいる姿を見ることができるなど、ルーマニアで日本人気は衰えを知りません。しかし、ルーマニアに駐在している日本人は約250人と大変少人数で、この国では普段の生活で日本語、日本文化に触れる機会は非常に少ない状況となっています。このような状況の中、日本語指導助手(以下「指導助手」)として、何ができるのかというのが私の課題でありました。

ブカレスト大学に指導助手の派遣が始まったのは2008年からです。指導助手としての主な業務は、日本語の授業(1年生の経験者クラス、日本語能力試験2,3級対策クラス、2,3年生の日本語演習)、日本語関係に関するイベントの参加や支援、ルーマニア日本語教師会の活動参加や支援、イオンクレアンガ高校への授業支援、上級専門家である山口先生と日本語教育機関訪問などを行ってきました。日本語演習の授業では、ルーマニア人教師や日本人教師とのチームティーチングで行っていましたので情報の共有ができるように、1年生経験者クラスでは大学入学までに日本語を勉強していた学生のクラスなので復習とレベルアップができるように努めました。そして、普段の生活で日本に触れる機会が少ないこの国で何かできるのかと改めて考え、私の母校である松山東雲女子大学とブカレスト大学の学生とで作文交換や年賀状・クリスマスカード交換を始めました。2009年からはそれらに加え、山口上級専門家のおかげでWebページの交流掲示板を立ち上げ、ルーマニアや日本のクイズ、ビデオクリップやパワーポイントなどを作成し、相互理解や日本語を使って交流できるようにしました。また、随時ビデオ会議を行っています。このような交流活動を通して、学生たちは日本語で交流ができた達成感を味わったり、「できる」ことが増えたり、相互の異文化理解を深めたりすることができたようです。

経験も知識も乏しく、壁に直面する場面もありましたが、上級専門家の先生方、ルーマニア人の先生方、学生の皆さんに助けられながらここまで2年間やってくることができました。指導助手という立場で業務・活動を行ってきた中で、自分自身が学んだこと教えられたことが非常に多かった2年間だったと感じています。この経験を活かし日本へ帰国してからも日本語教育の現場に携わっていけるよう努力し続けたいと思います。

2010年4月 ブカレスト大学日本語学科の「道開き祭り」の写真
2010年4月 ブカレスト大学日本語学科の「道開き祭り」

2010年1月 日本からの年賀状とカードを受け取った3年生の写真
2010年1月 日本からの年賀状とカードを受け取った3年生

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