インディアナ州より一年目活動報告

ノースセントラル高校
亀山 瞳

インディアナ州と日本

インディアナ州は、アメリカ合衆国の中西部に位置し、面積は94,321㎢で日本の1/4強の大きさです。人口は約6,597,000人で、人口密度は65人/㎢です(日本の人口密度は337人/㎢)。地理的にアメリカ合衆国の中心に位置し、産業と流通の拠点となっています。豊かな自然に恵まれており、トウモロコシなどの農業が盛んです。勤勉で素朴な州民が多いと言われています。

インディアナ州は栃木県と姉妹県関係を締結しており、州内の11の都市が日本と姉妹都市関係にあります。また、州内には、自動車関連企業を中心に多くの日本企業が進出しています。これらのことから、インディアナ州と日本には深い関わりがあると言えます。

インディアナ州では、日本語を学んでいる高校生向けのクイズ大会JOI(The Japanese Olympiad of Indiana)が毎年開催されるなど、インディアナ州日本語教師協会の先生を中心に、盛んに日本語教育が行われています。しかし、その一方で、予算の関係や中国語プログラムの推進などの影響で、日本語プログラムが縮小傾向にあるという厳しい現状も見られるようです。

ノースセントラル高校

私が派遣されたノースセントラル高校は、全米で12番目に大きな都市であるインディアナポリスにあります。レストランやショッピングエリアが豊富にあり、アートやスポーツのイベントもよく開催される賑やかな街です。インディ500というオートレースは特に有名で、開催期間中は世界中からカーレースファンが集まります。

ノースセントラル高校の学生数は約3,500人、教員数は約230人です。様々なバックグラウンドを持つ学生が集まっており、スポーツや音楽などのクラブ活動も盛んです。外国語のプログラムも充実しており、学生は、スペイン語、フランス語、ドイツ語、ラテン語、ヘブライ語、中国語、日本語から外国語科目を選択することができます。そのうち日本語クラスを履修する学生は約130人、日本語教員は1人です。使用している教科書は、日本語クラス1年生は「Adventures in Japanese」、2~4年生は「げんき」です。素直で朗らかな学生が多く、日本語クラスはいつも明るく楽しい雰囲気です。

日本語クラスのアシスタントティーチャー(以下、AT)として、私は主に授業中のリードティーチャー(以下、LT)との会話モデル、アクティビティ中の学生のサポート、教材準備や採点などに携わっています。

日本語クラス外での活動

幸いにもインディアナポリスには、JOI(Japan Outreach Initiative)コーディネーターの方が派遣されており、彼女と協力して様々な活動を行うことができました。昨年度行った最も大きなイベントは、ノースセントラル高校の体育館で開催した日本文化体験イベントです。JOIコーディネーターと地域のボランティアの方々の協力で、折り紙、風呂敷、日本の伝統的なおもちゃで遊ぶ体験や、浴衣の着付け体験などを行いました。日本語クラスの学生はもちろん、日本語クラスを取っていない学生達が、地元の日本人と交流しながら日本文化に触れ合う素晴らしい機会になったと思います。また、私も常盤さんのJOIの活動のお手伝いで、大学での日本文化の紹介や、日米協会のイベントでのボランティアをさせていただきました。

ノースセントラル高校での私自身の日本語クラス外活動としては、英語の先生からの依頼により英語のクラスで紙芝居を使って「かぐや姫」を紹介しました。普段の日本語クラスでのティームティーチングとは違った雰囲気で少し緊張しましたが、日本の昔話を通して日米の文化の違いなどを英語クラスの学生達と一緒に考える機会となり、私にとっても大変勉強になりました。

J-LEAP4期生として

まずは、私をATとして受け入れてくださったLTの先生に感謝します。LTは常に学生のためにとって何が一番良いかを考え、楽しいアクティビティを取り入れながら授業を進められていて、私も多くのことを学ばせていただいています。特に、学生をリーダーにして様々なプロジェクトを進めることで、学生が得意分野で活躍できる場を作り、モチベーションや達成感を得られるように工夫されていたのが印象的でした。

一年目は、LTの指導法やクラス運営の仕方を多く学ばせていただきました。二年目も、勉強させていただく姿勢を大切にしながら、ATとして日本語クラスをサポートしていけたらと思います。具体的な目標としては、学生のレベルやニーズに合ったアクティビティを提案していくこと、日本語クラス新聞の作成などを通じて広報活動を行うことです。また、現在ボランティアで放課後に特別支援学級の学生や地域の社会人の方々に日本語を教えていますが、そういったクラス外での活動も続けていこうと思います。残り一年も、J-LEAP4期生として、貴重な機会をいただいたことへの感謝の気持ちを忘れずに、より多くの人に日本を好きになってもらえるように頑張りたいと思います。

  • 派遣先での写真その1
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