デラウェアでの一年

アポクイニミンク高校
西田 香織

デラウェア州について

デラウェア州はアメリカ東海岸にあり、人口約93万人、アメリカで二番目に小さい州であり、建国に関わった13植民地の中で、合衆国憲法を最初に批准した州であるため、「ファーストステート」として有名です。会社の設立・解散が容易にできる会社法が有名で、登記上の本社をデラウェアに置く会社が多く、主な証券取引所に上場している会社の多くがデラウェアにて設立されています。

デラウェア州では外国語は国内の経済を維持、強化していくことや子供たちの進路にとって必要であり、社会に出ていくうえで英語以外の外国語が話せないことは不利であると考えられており、派遣校では卒業するために外国語の授業を2学期かけてレベル1、2を取らなければならず、また、大学進学希望者(特にデラウェア州内)はレベル4まで終了していることが望ましいとされています。派遣校では外国語科目はスペイン語・フランス語・中国語・手話・日本語の中から、選択します。

デラウェア州では日本人に会ったり、日本の文化を感じたりする機会はほとんどありませんが、「日本のアニメ・ゲームが好き」、「中学校での日本語の授業がおもしろかったから」という理由で学生は日本語を履修します。

アポクイニミンク高校での日本語教育

派遣校のアポクイニミンク高校はデラウェア州ミドルタウン市にあり、2008年に創設された比較的新しい学校です。教師数は約80名、学生数は約1,500名、日本語の授業はリードティーチャー(以下、LT)が一人ですべて行っています。

半期で1レベルを終了するブロックスケジュールで授業時間は1時間、90分と日本の学校と比べ長めに設定されています。日本語クラスは1~5レベルまであり、生徒はレベルごとにレベル1:39名、レベル2:18名、レベル3:16名、レベル4:8名、レベル5:7名です。教科書は「Adventures in Japanese」を使っていますが、教科書を見ながら授業をするのではなく教科書をもとに、アクティビティーや会話練習などで授業を行います。

アシスタントティーチャー(以下、AT)としての主な業務は、LTがメインで授業を進める中で、ついていけない学生や集中できていない学生への声かけ、ペアワークのペアになったりなど授業中の学生へのフォロー、また、各クラスでの漢字指導や練習問題・テスト作成、日本語4の授業を担当しました。日本語は英語と文字も違い、文法構造も違うので、学生は難しいと思うようですが、難しいと思っている分日本語を履修する学生はモチベーションが高いように思います。

授業外で

学校のクラブ活動として、日本語を取っている学生だけでなく、日本語を取っていない学生も参加できる日本語クラブが月に一度あり、月ごとにテーマを決めて、お正月の遊びをしたり、浴衣をきたり、書道をしたり、日本の文化体験を行いました。また、前任のATに年賀状を書いたり、姉妹校の学生の受け入れもしています。

コミュニティーでは、放課後近くの大学でESLの授業があり、そこに参加しているときには日本の年間行事について紹介したり、クラスメイトとそれぞれの国の文化の違いについて話し合ったりしました。

一年目を終えて、二年目へ

アメリカに住むのが初めて、高校生に日本語を教えるのも初めてというわたしにとって、一年目は戸惑いや驚きの多いものでした。

まず、アメリカと日本では学校で文化も違い、学生が授業を受けるときの姿勢やルールなど、はじめは驚くばかりでした。高校生であり、学校の授業の一環であることから、日本語を教える以前に、社会のルールや授業の受け方、マナーなど、「人を育てる」という部分も重要でした。また、アメリカにはさまざまな人種の方がいますが、アメリカで生まれ育った人も多く、本当の意味での外国人に接する機会が少ないため、アメリカで普通のことが、違う国では普通ではないことがあるということを知らない学生も多いように思います。そういった意味で、外国語を勉強することにより、違う文化を受け入れ、自分の視野を広げることができることはいいことだと感じました。

日本では英語は受験のための外国語教育であり、文法学習を中心に授業を進めていきますが、アメリカでは会話重視で、アクティビティーやロールプレイなどをたくさん行い、書くことより、体で覚えることが多いです。漢字や単語を覚えるにも、「覚えてください」ではなく、アクティビティーやゲームをしながら覚えていくので、授業のやり方はわたしにとってとても新鮮なものでした。

一年を通して、アメリカでの日本語教育や授業の仕方を知ることができたので、二年目は授業で使えそうなアクティビティーの提案や、学生へのフォローの仕方などさらに工夫していきたいと思います。また、今年度は授業外で日本についての宣伝があまりできなかったので、二年目は学校外にも目をむけ、より多くの人に日本を知ってもらえるように頑張りたいと思います。

  • 派遣先での写真その1
  • 派遣先での写真その2
  • 派遣先での写真その3

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