ワシントン州での2年間

ガーフィールド・ハイ・スクール
池谷日都美

ATとして

 私が行なったメイン業務は、ウォームアップ作り、リスニングアクティビティ作成、会話の時間などです。ウォームアップやリスニングアクティビティのデータはフォルダに整理して保存し、LTがスムーズに検索し使えるようにしました。ウォームアップなど毎日行うものは、一つ一つは時間が短く内容が少なくても、毎日準備するのは想像以上に負担になります。私が行なった業務によりLTの負担軽減ができたと考えています。また、生徒から「ウォームアップのおかげで毎日復習できてよかった」「会話の時間が一番好きだった」という声が聞かれ、そのように生徒に実感してもらえたことは成果として挙げられると思います。
最も思い出深いのは、ある生徒との会話です。彼は勉強する意欲が低い生徒で、授業も休みがちでした。ある日、雑談のような形で勉強することに関して彼に話をしました。次の日、彼は「先生の話に刺激された。先生のおかげで学校での勉強に対する考え方が変わった。もっと日本語の勉強を頑張る。」と言ってくれました。何気ない会話だったけれど、それが生徒のモチベーションを上げたり、勉強する意欲を湧かせたりすることができるのだと実感した出来事でした。彼の言葉はこの2年間の中で一番印象深く、非常に嬉しい言葉で、私は一生忘れません。

受入機関の日本語教室の外で

日本語の授業外で行なった活動は、例えば、学校内ではWorld Historyクラスでの授業、学校外ではワシントン州日本語教師会(WATJ)での活動です。
World Historyのクラスでは、日本語の歴史(漢字)のプレゼンと書道をしました。日本語と全く接点のなかった生徒たちにも日本語について少しでも知る機会、触れる機会を与えることができました。また、日本語の生徒たちには初めて書道をする他の生徒を手伝ってもらい、他の生徒の前で活躍できる場を与えることができたと思います。World Historyの先生方とも協働したことで、その先生方にも日本語について知ってもらえる良い機会になりました。
ワシントン州日本語教師会(WATJ)においては、WATJのメンバーとしてミーティングやイベントに参加しました。その中でも特に、ワシントン州日本語スピーチアンドスキットコンテストが一番印象深いです。私はコミッティーメンバーとしてスピーチアンドスキットコンテストの運営に携わりました。主に担当した業務は申し込み手続きで、手続きをオンライン化したり参加者の情報の取りまとめをしたりと、コンテストの準備を進めました。過去の問題点などを考慮し、いかに問題無くスムーズに運営できるかを念頭に置き活動しました。結果、当日も大きな問題が起きること無く無事にイベントを行うことができました。WATJにおいても様々な経験をさせてもらい、非常に勉強になりました。

J-LEAP WA x PNW JETAA Collaboration Lesson Project

 2年目は、J-LEAP WA x PNW JETAA Collaboration Lessonを企画し、実行しました。これはJET参加者と一緒にワシントン州の高校を訪問し授業を行うというもので、計6校訪問しました。レッスン内容は、JETAAからJETの体験談、J-LEAPから日本の学校クイズや敬語、スラングレッスンです。このプロジェクトの目的・目標は、日本語を勉強している若者に日本についてより知ってもらうこと、そして将来も継続して日本語を勉強するモチベーションを与えることでした。
この企画を進めるにあたり、JETAAのミーティングに参加したりイベントに参加したりと、JET参加者の若者たちと交流を深めました。プロジェクトのボランティア募集の際は、JETAAが行なっている就職イベントに参加し、プロジェクト紹介ブースを設けました。これによってボランティアが集まり、プロジェクトの成功へとつなげることができたと考えています。
 自らが日本の若者の一人として日米間の若者交流ができただけでなく、学校訪問プロジェクトによって、日本に住んだことのある、日本を知っているアメリカの20代、30代の若者と、日本語を勉強している10代の若者との交流の機会を作ることもできました。この観点からも、日本とアメリカの若者交流に寄与できたと考えています。

最後に

J-LEAPの2年間で多くのことを学ぶことができ、とても貴重な経験を得ることができました。この2年間で関わったすべての方々に感謝申し上げます。ありがとうございました。
 今後日本語教師として海外派遣される方々には、日本代表という自覚を持って活動して欲しいと思います。現地の人々、特に日本のことを知らない人々は、派遣者を見て「日本人」や「日本」をイメージします。その派遣者の行動次第で日本の印象が良くも悪くもなります。自分が思っている以上に生徒や周りの人々は見ていて、頑張った分だけ評価してくれます。実際に私も生徒から「自分の時間を生徒のためにたくさん使ってくれてありがとう」というような言葉をもらい、「生徒はよく見ているんだな」と感じました。今後派遣される方々にも日本代表として尽力していただき、少しでも多くの日本ファンを増やしていってもらいたいです。
私は今後も日本語教師の道を進んで行きたいと考えています。アメリカで生徒たちから教えてもらったことを胸に、「私と勉強することが楽しい」と思ってもらえるような教師を目指していきます。

  • 派遣先での写真その1
  • 派遣先での写真その2
  • 派遣先での写真その3
  • 派遣先での写真その4

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