世界の日本語教育の現場から(国際交流基金日本語専門家レポート) 国際交流基金カイロ日本文化センター 日本語教育アドバイザーの活動

国際交流基金カイロ日本文化センター
荒川友幸

第2回中東日本語教育シンポジウムの写真
第2回中東日本語教育シンポジウム

毎年多くの日本人観光客がエジプトを訪問する。そのため、カイロでは、こうした観光客を対象とした観光ガイドの需要が常にある。そのため、エジプトの多くの機関で日本語が教えられており、学習者のレベルも高い。

日本語が専門科目として教えられているのは、カイロ大学文学部日本語日本文学科と、アインシャムス大学外国語学部日本語学科の二つである。両者とも国立の名門大学である。その他、アレキサンドリア大学、アズハル大学、10月6日ホテル観光高等学院などにおいて、日本語が選択科目として教授されている。また、一般成人を対象とした講座では、日本語教育振興会日本語講座などがあり、多くの学生が熱心に日本語を学習している。

このように、エジプトにおける日本語教育は活況を呈しているが、これは中東地域においては例外的である。この地域の多くの国では、日本語を教える機関は、一国に一機関しかなく、わずかな数の日本語教師が小規模な講座を運営しているに過ぎない。カイロに駐在する日本語教育アドバイザーの重要な仕事の一つは、こうした近隣諸国に対する情報発信と、各国間のネットワーク形成である。

2001年から毎年開催されている「中東日本語教育シンポジウム」も、こうした目的のためのイベントである。このシンポジウムでは、日本から招聘した講師の講演、参加者の討論など様々の活動が行われる。これまで、東京外国語大学の鮎澤孝子先生、早津恵美子先生、新宿日本語学校の江副隆秀先生、常葉学園大学の清ルミ先生がご講演くださった。

また、日本語教育アドバイザーは、「ことばと文化」講座を運営している。「ことばと文化」講座は主に中級レベル以上の日本語学習者を対象としており、1級から3級までの日本語能力試験受験対策講座、カラオケ講座、「日本のテレビドラマ(映画)を見る夕べ」などが開催されている。また、毎週末は、日本語教師を志す人たち(国籍を問わず)のために、「日本語教師養成講座」が開講されている。

このほか、当地における日本語教育アドバイザーは、次のような業務を行っている。

  • 日本語教師会会報の編集と発行
  • 「日本語教師懇話会(日本語教育関係者を対象とした学習会)」の開催
  • エジプトや近隣各国の日本語教育関係者に対する支援、相談業務。
 

エジプトの生活環境は気候、食べ物、交通など、さまざまな面で日本とはまったく異なっている。こうした大きな違いのため、日々困難を感じることも多い。しかし、学生たちは優秀であり、授業での反応もいいので、教師としてはたいへんにめぐまれた、やりがいのある環境にいると思う。


派遣先機関の情報
イ.派遣先機関の位置付け
及び業務内容
 1995年開設されたカイロ日本文化センターは、中東地域唯一の国際交流基金事務所として、エジプト国内での文化交流事業を積極的に行うのに加え、中東諸国全般も視野に入れ活動している。
 また、エジプトにおける日本語教育の主たる支援機関として、大学の日本語専攻学科から一般市民向け日本語講座まで、講師派遣、経費助成、教材寄贈等を通じて広く支援を行っている。
 近年は、中東各国に散らばる日本語教師のネットワーク構築にも乗り出している。
ロ.派遣先機関名称
The Japan Foundation Cairo Office
ハ.所在地 14F Cairo Center Bldg., 2 Abdel Kader Hamza St.,Garden city, Cairo, Egypt
ニ.国際交流基金派遣者数 専門家:1名

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